喫煙を考える

「喫煙」という行為について共に考えましょう。
タバコで苦しむのは、喫煙者本人だけではありません。

「わかっている」ならタバコをやめて

2016-02-16 11:48:16 | 喫煙を考える

2月14日(日)は、6年前に2月15日に他界した父の七回忌でした。
奇しくも6年前の2月14日も日曜日で、この日の夜に父は緊張性気胸を発症し容体が急変
15日になった0時53分に息を引き取ったのでした。
6年経ったとはいえ、当時のことは、まだ昨日のことのように感じています。
父が亡くなった夜のことは、いつになったら私の記憶から薄らぐのでしょうか。
未だに鮮明な記憶は、私の日常の苦痛ともつながっています。
それは、街での喫煙風景に、テレビや映画での喫煙シーンに
タバコの自動販売機に、JTのCMに、タバコにまつわるすべての事象に触れるたび
父の最期の壮絶な苦しみ様が脳裏をよぎるのです。


私の家の菩提寺の先代住職は、間質性肺炎の発症後肺がんになってからもタバコを吸い続け
COPDにも罹患していたことは、当ブログの記事『お彼岸のお墓参りで』で書きました。
その先代住職は、昨年5月に急性増悪(病状が急激に悪化すること)を起こして亡くなりました。
(当ブログ記事『タバコで、また一人』
今、思い起こすと、父の葬儀の時、先代住職は若住職(現住職)と控室でタバコを吸っていました。
先代住職の病気を知ったこともありますが、若住職には何としてもタバコをやめてもらいたい
そう思って、以前に一度、タバコをやめてくださいとお願いしたことがあり
拙著『タバコに奪われた命 父の「闘病MEMOに寄せて」』も贈呈しました。
タバコを吸っていては、タバコが原因の病に罹患した家族に
積極的に受動喫煙・三次喫煙の害を与えていることになるわけです。
先代住職の闘病や、奥様・お嬢様のご心労がいかばかりかは、一緒に生活していてわかるはずです。
若住職にはお子さんも生まれ、喫煙を許容してくれる大人だけの生活ではないのです。
子供は小さいうちは、苦しくてもそれを言葉にできません。
ご自身の喫煙の結果、将来ご家族を苦しませることがないようにするには、タバコをやめることなのです。
そこを理解してほしかったのです。



しかし、そうした願いは、虚しく潰え去りました。
14日の法要の後、私は思い切って若住職に「タバコはおやめになりましたか」と、尋ねたのです。
残念ながらその返事は
「いいえ。わかっちゃいるし、家族からも言われているのですが、なかなか」
とのことでした。
その後も、「今でなくてもいつでも禁煙できる」とか、病気になった先代住職のことを例に挙げて
「本当に悪くなったのはちょっとの期間でしかない」というようなことをお話しされていました。
要は、「わかっている」と言いながら、わかっちゃいないのです。
寺の住職とは、人間の生死に深くかかわる宗教者であるはずです。
その宗教者である若住職でさえ、タバコが原因の病で苦しんだ先代住職の様子も
ご家族の心労も、全く見えていなかったのです。
それもこれも、タバコがそうさせるのでしょうか。
一日も早い気づきが、若住職に訪れることを願ってやみません。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「住生活基本計画(全国計画... | トップ | 第14回 東京都医師会 都民... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (マー)
2016-02-18 03:17:24
まったくタバコと言うものは、
どこまで人を操ってしまうのだろうか。

いくら性格が良くても、タバコの煙・臭いで人の良さが曇ってしまう。
そんなことがとても悲しい。
もったいない。

若住職さんは、自分のタバコで
回りに与える影響を
まだ知らないのだろう。

禁煙する仲間が必要なのかな。

元喫煙者の話も聞いてもらい。
タバコとは?の修業が必要ですなぁ。

あっ、とげぬきの住職さんに話して
みたら、どうだろうか?
返信する
既に家族を苦しめているのに (荻野寿美子)
2016-02-18 20:14:26
マーさん、若住職は気づいていないのかもしれませんが、タバコをやめてほしいと訴えている家族に対して、タバコをやめる決断ができないでいることで、既に家族を苦しめていますよね。
私の夫は元喫煙者で、約23年の喫煙歴があります。
その夫が健康診断で受けた肺機能検査の数値があまり良くないのですが、私は父だけでなく、夫までタバコ病で失うのではないかと考えると、もうそれは恐ろしいのです。
若住職は、恣意的ではないのかもしれませんが、自分の妻やその母親に、そんな恐怖を味わわせる可能性を、日々積み重ねているのです。
本当に、残念です。

でも、良いこともありました。
私のいとこが元旦から、タバコをやめたそうです。
『タバコに奪われた命』を読んでくれて、伯父さんのこともあったし、と、話してくれました。
タバコを吸っていた時は、タバコとライターを持ったかどうかが気になって、忘れると慌てていたそうですが、タバコをやめたらそんな必要はなくなって、楽になったと言っていました。
タバコをやめて、自由になったそうです。
その話を聞いて、とてもうれしかった。
皆さんには、私の父のようになってほしくありません。
私たち家族が味わっている苦しみも、味わってほしくありませんから。
返信する

喫煙を考える」カテゴリの最新記事