喫煙を考える

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児童虐待防止・オレンジリボン運動とタバコ企業の協力解消が実現

2020-05-17 09:38:04 | タバコ問題への取り組み

児童虐待を防ぐために、全国の民間団体が様々な取り組みを行ううちの一つとして
2006年から認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワークが総合的な窓口を担い
全国的にオレンジリボン運動として、児童虐待防止の活動を広げてきました。
しかし、残念なことに、認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワークは
オレンジリボン公式ポスターコンテストに
タバコ企業=フィリップモリスジャパン(以下PMJと略す)賞を設け
PMJを支援企業として受け入れ、協力関係を築いていました。

これまでの経過については、以下の記事をご覧ください。
児童虐待防止・オレンジリボン運動とタバコ企業の協力解消に向けて

PMJの冠賞がなくなった後も、支援企業としての扱いがどのようになるか見届けることは
私たちにできる大切な役割の一つです。
2020年度に入り1か月ほどしてから、オレンジリボン運動のホームページで
支援企業一覧をチェックしたところ、PMJの名前が見当たりません。
粗忽者ゆえ見落としているのではないかと
他のタバコ企業名も含め3回ほど確認しましたが、ないようです。
そこで、慎重を期して、認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク事務局に
タバコ企業との関係は解消したのか問い合わせたところ、5月14日に
「ご確認いただいておりますとおり、当該企業とは関係を解消しております」
との回答を頂戴しました。


日本が締約国になっているタバコ規制枠組み条約(FCTC)では
第13条でタバコの広告、販売促進及び後援の包括的な禁止を謳っています。
そこには、タバコ企業のさまざまな社会的責任活動(CSR)も含まれます。

では、タバコ企業がCSRを熱心に幅広く行っているのはなぜでしょう。
それは、CSRが広告代わりになるだけでなくイメージアップにもつながり
タバコを吸う人に対してはタバコ製品の消費を促進させ
タバコを吸わない人に対しては「良いこともしている企業」として認知させ
タバコ企業が好んで多用する「(タバコ企業が)持続可能な社会」にするためなのです。
それらを踏まえ、児童虐待防止とタバコ企業との協力が相容れないことと認めて
認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワークがPMJとの協力を解消したことには
大変重い意味があると考えています。


子供とかかわる団体が経済的に厳しい運営を余儀なくされてる状況下で
さらに活動を広めたい、一刻も早く解決したいと考えているところに
優しく救いの手が差し伸べられたら、思わずその手を握りたくなるのはわかります。
子供とかかわる団体だけではありません。
現在、社会活動を行う団体のほとんどは
活動資金のやり繰りに苦慮しているといっても過言ではないでしょう。
しかし、差し伸べた優しい救いの手ではないもう一方の手で
貧困につけこみ、十分な装備も与えないまま葉タバコ栽培に従事させて
子供たちを病気にし、勉学の機会を奪い
若年層をターゲットにしてタバコ製品を売り込んでニコチン依存に陥れ
能動喫煙・受動喫煙の被害を生じさせる製品を作り、売っていると知ったら…
皆さんはその手を握ることができるのでしょうか。


オレンジリボン運動のホームページでは
個人の方にできること
が紹介されています。
資金力が豊富な企業の支援に比べたら微力かもしれませんが
タバコ企業に代わる支援者こそ私たちでなければ、と思います。
私も、児童虐待のない社会をめざして支援する一員となるべく
サポーター登録を済ませ、賛助会員の申請を行いました。
最後に、この記事を読んだ他の団体の関係者・支援者の皆さんが
タバコ企業との関係について改めて考えてくださり
タバコ企業の協力を受け入れないと決断し
協力を解消するきっかけにしてくださることを願わずにはいられません。


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