私は山歩きが好きで、1か月に1箇所はどこかの山に出掛けます。
9月は体力が落ちていたため、無理をせずに草紅葉を求めて奥日光を歩いてきました。
散策後、以前から訪れてみたいと思っていた、さかなと森の観察園に立ち寄りました。
園内には巨大な養魚池が点在していて、入園の際にもらえるエサを魚にやることもできます。
水も驚くほど澄んでいて、清冽な流れを眺めているだけでも清々しい気持ちになります。
この日は、小学生3クラスの見学と同時になりましたが
断面にガラス窓があり、中が見える仕組みになっている飼育池は生徒たちに大人気でした。
園内には、現在資料館となっている旧宮内省御料局日光養魚場庁舎が残されています。
内部には皇族の控室として使われていた応接室もあり、往時を偲ばせてくれます。
私は動植物の観察が大好きなので、園内に滞在中はとても気分良く
恥ずかしながら小学生たちとともに水槽の前ではしゃいだりして過ごしたのですが
残念なことに、帰り際にベンチで休んでいると、どこからともなくタバコ臭が漂ってきたのです。
ベンチの脇の広場では、小学生3クラスが整列して、次の行動の説明を受けているところでした。
タバコ臭の発生源を探してみると、門の脇に備え付けられた灰皿を利用して
2人の方がベンチに座って喫煙しているのがわかりました。
雑談している喫煙者2人は居心地が良いのか、ずっと座ってタバコを吸い続けていました。
かなり臭いが強烈で、のどに痛みを覚えるのと同時に、咳も出てきたので
私はその場にいることができずに、おさかな情報館に逃げ込みました。
広場に集合していた小学生はどうでしょう。
まだ整列したまま先生から説明を聞いています。
もしかしたら、中にはタバコの臭いを苦痛に感じたり
呼吸器や心臓に疾患を抱えている生徒がいるかもしれません。
その子は果たしてそこから逃げることができるのでしょうか。
その日、帰宅後もさかなと森の観察園での出来事が頭から離れず
10月3日(火)に、園を管理・運営している国立研究開発法人 水産研究・教育機構に
灰皿の撤去をお願いする要望書を送りました。
要望の趣旨の概略と、要望3件は以下のとおりです。
観察園内において灰皿が置かれている入口脇は
入園する際にどうしても前を通らなければならない場所であり
観覧券売り場や小学生の集合場所になっている広場にも近い場所です。
観察園は、日光を訪れた小・中学生などの未成年を含め
不特定多数の利用者がある公共施設であり、たとえ屋外であれ
教育を主眼とした公共施設が、通行する場所に灰皿を設置していることは
受動喫煙の機会を貴機構が与えていると言っても過言ではありません。
今日、受動喫煙による健康被害は医学的・科学的にも立証されており
屋外であっても安全な閾値はありません。
また、健康増進法第25条を遵守し、灰皿を撤去されることを要望します。
1. さかなと森の観察園入口脇の灰皿の撤去を要望します。
2. 教育施設に灰皿を設置することに必要性があるのか(あったのか)
貴機構の見解をご説明ください。
3. さかなと森の観察園は、自然遺産・文化遺産に満ちたすばらしい施設です。
園内での喫煙は火事の原因にもなり、火災が起きればそれらが失われることになります。
敷地内全面禁煙化を要望します。
上記の要望書に対し、国立研究開発法人 水産研究・教育機構から
10月26日付の回答が本日届きましたので、概略をご紹介します。
さかなと森の観察園については、公共の教育施設ではなく
当機構が法人として直接運営管理を行う一般向けの観覧施設ですが
利用者に多くの児童生徒が含まれることは事実です。
敷地内には旧宮内庁の重要な木造建築物があるほか、当機構の研究施設も存在しています。
敷地内に落ち葉などが散乱している状況から、喫煙場所がないことによる隠れ喫煙など
不慮の火災の発生防止の観点から、受付の目の届く場所に灰皿を設置していたものです。
しかし、ご指摘のとおり、健康増進法第25条の趣旨に則った対策が十分とはいえないことから
園内の灰皿を撤去し、全面禁煙とする対応をとりたいと思います。
全面禁煙に向けては、観察園の冬季閉鎖となる11月末までに周知の徹底を行い
来年3月の観察園再開時から、全面禁煙の対応をさせていただきます。
国立研究開発法人 水産研究・教育機構の、速やかなご判断に感謝します。
本当にありがたく、うれしいです。
これで、修学旅行や林間学校・遠足などで訪れる児童や生徒
家族旅行で訪れた皆さんが、さかなと森の観察園で受動喫煙に遭うことが
来年3月からなくなるわけです。
こちらの施設は、さまざまな魚を観察できる、大変すばらしい施設です。
来年以降、奥日光を訪れる機会がありましたら、ぜひお立ち寄りください
楽しい時間を過ごすことができますよ