山歩きを楽しみの一つとしている私は
夏の山行に、白馬三山縦走を計画していましたが
なんと、1泊目の鑓温泉小屋に到着後
夫の登山靴のソールの踵部分が剥がれていることがわかり
あっけなく、翌日に下山を余儀なくされました。
下山して、猿倉登山口にある村営猿倉荘で知人を待つ間
テラスで休んでいると、2人の方が加熱式タバコ(iQOS)を吸い始めました。
私は慌てて風上に逃げたところ、スタッフが出てきて、2人の方に
「ここではタバコを吸わないで、もっと離れた場所で吸ってください」
というようなことを、身振り手振りを交え注意をしているようでした。
2人の方は、赤いベンチの近くに移動して行きましたが
私にとっては環境タバコ煙を避けるには不十分な距離でしたので
テラスには戻らずにしばらく風上で待機していました。
テラスには、写真のような掲示があるにもかかわらず、目に入らないのか
テラスでタバコを吸う方がいて、そのたびに猿倉荘のスタッフが注意をしているようでした。
その様子に興味を抱いた私は、お客が途切れた頃合いを見計らって
猿倉荘の支配人に、灰皿を設置していない経緯と理由を伺いました。
実は猿倉荘では、昨年まで、上の写真の橙色の矢印が指す丸の位置に
灰皿を設置していたそうです。
ところが、灰皿があることによって、以下のような問題や疑問が次々に出てきたとのことでした。
・スタッフのほとんどがタバコを吸わないし、苦手としている
・山に持ち込んだゴミは持ち帰ってもらうのがルールなのに、吸殻はなぜ持ち帰らないのか
・灰皿に溜まったものすごい量の吸殻を、なぜタバコを吸わない人が掃除しなければならないのか
・離れた場所に灰皿を置いても、風向きによっては館内にタバコの臭いが入ってくる
・橙色の丸印の位置でタバコを吸うと、すぐ上の2階客室にタバコの臭いが入ってくる
上記の5点はスタッフから問題提起されたことだそうですが
4番めと5番めについては、お客から言われたことでもあるそうです。
そこで、スタッフ間での話し合いを経たうえで
今年から交代した支配人が、灰皿を撤去する決定をしたということでした。
支配人は、灰皿を設置しない決断をした大きな理由として
自分が出したゴミを持ち帰るという山でのルールが
(灰皿を置くことによって)なぜか吸殻だけは持ち帰らずに
捨てていくことが許されていることに疑問を抱いたことと
(灰皿を置くことによって)捨てられる吸殻の量は半端ではないそうで
その掃除をタバコを吸わないスタッフがしなければならないことに
大変な違和感を覚えたこと、この2点を強調されていました。
猿倉荘の英断を歓迎するとともに、遠方からのアプローチですぐに登山が無理な場合は
ぜひ入山前泊に村営猿倉荘のご利用を、皆さんにお勧めしたいと思います
支配人と、環境タバコ煙はタバコを吸う人が考えている以上に広い範囲に拡散することや
離れた場所で吸ってください、という注意も
タバコを吸う人は、ちょっと離れれば良いだろうという感覚なのかもしれませんが
吸わない人からすれば、山荘から下った駐車場の
対角線の向こう側の片隅ぐらいまで行ってもらわないと
実際にタバコの臭いは館内まで漂って来てしまうことなどで、話は盛り上がりました。
その後、この話を聞いていた、おそらくその方だけと思われる喫煙するスタッフが
駐車場の対角線の向こう側の片隅で、タバコを吸っていました。
そのスタッフは、テラスでタバコを吸っていた方に
「ここではタバコを吸わないで、もっと離れた場所で吸ってください」
というようなことを、身振り手振りを交え注意をしていたスタッフでした。