喫煙を考える

「喫煙」という行為について共に考えましょう。
タバコで苦しむのは、喫煙者本人だけではありません。

スポーツ選手にとって身体とは何か ~加藤初の死を考える~

2016-12-22 22:37:25 | 喫煙を考える

今月11日、読売ジャイアンツなどで投手として活躍した加藤初(以下、敬称略)が亡くなりました。
66歳でした。
私は小・中学生の時、学校とは一定の距離を置いている子供でした。
体も弱く、いじめの対象となっていたため、学校に行くのがとてもつらく
実際に学校に行けない日々が続いた時期もありました。
そんな私が学校のことを忘れられる時間は
当時はまだ全盛と言ってもよかった時代劇をテレビで観る時と
こちらもまだジャイアンツの試合の時は必ずあった野球放送の時間でした。
ジャイアンツが好きだったわけではありません。
私は、小・中学生の女の子(当時は私もそうでした)には珍しく
背番号21を背負い、淡々と投げる加藤初という投手が大好きでした。
彼が投げる時はテレビの前に陣取って、一球一球を息をのみながら見守っていました。
私がつらい時、そのつらさを忘れる時間を与えてくれた加藤の死を知った昨日
私は当時のことを思い出し、涙を流しました。
有名人が亡くなったことを知って涙を流したのは、生まれて初めてでした。


その加藤が喫煙者だったと、昨日タバコ問題に取り組んでいる方からのメールで知りました。
その出典は『88プロ野球選手写真名鑑』(日刊スポーツ)で
加藤は1日の喫煙数が30本と、ジャイアンツでいちばんのヘビースモーカーだったのです。
これにはかなり驚きました。
加藤は1976年のオフシーズンに肺門リンパ腫と診断され、病魔と闘うことを余儀なくされていたのです。
肺門リンパ腫のもともとの病因はなにかはわかりませんが
肺の病気になったことがあっても、その後も1988年まではタバコを吸っていたということになります。
3、40年前には肺の病気になった患者に、禁煙を強く勧める医師はいなかった、ということなのでしょうか。
それとも、加藤は禁煙を勧められても聞く耳を持たなかった、ということなのでしょうか。
いずれにしてもとても残念で、とてもくやしいことです。


投手であった加藤に限らず、スポーツ選手にとって身体とは資本である、とよく言われます。
怪我をすればシーズンを棒に振るどころか、選手生命さえ脅かされかねません。
喫煙は身体を自ら傷めつける自殺行為です。
スポーツ選手にとって身体が資本なら、タバコを吸うことなどできないはずです。
喫煙はまた、自分の体を傷つけるだけでなく、周囲の人々の身体をも傷つける行為でもあります。
自分の身体を大切にしている人なら、ほかの人にとっても体が大事だということがわかるはずです。
しかし、日本のプロ野球選手の中には、未だに喫煙者が多くいると聞きます。
身体が大切なら、身体があってのスポーツ生命なら、タバコを吸わないでほしい
タバコを吸っている選手は、一刻も早くタバコをやめてほしいと思います。
自力でやめられないなら、オフシーズンに禁煙外来に通ってください。
プロ野球であれば球団が、ほかのスポーツでも選手と契約している契約先や
監督しているコーチなどがタバコの害をきちんと理解して
もっと積極的に選手に働きかけ、選手をタバコの害から守ってもらいたいと切に望みます。


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