喫煙を考える

「喫煙」という行為について共に考えましょう。
タバコで苦しむのは、喫煙者本人だけではありません。

World No-Tobacco Day(世界禁煙デー)記念イベント2016inTokyoが開催されました

2016-06-01 14:16:48 | タバコ問題への取り組み

ご報告が遅くなりましたが、5月28日(土)、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて
タバコ問題首都圏協議会東京/日本橋禁煙推進研究会主催の
World No-Tobacco Day(世界禁煙デー)記念イベント2016inTokyoが
「受動喫煙のない社会を!~なぜ「分煙」ではダメなのか~」をテーマに開催されました。

会場は、センター棟4階のセミナーホールです。

私は、第1部のシンポジウムで、総合司会としてお手伝いしました。


13時45分、第1部のシンポジウムが始まりました。
講演1は、「分煙をすすめたい人々、その商売を考えてみる」と題して
平野公康さん(国立がん研究センターがん対策情報センターたばこ政策支援部研究員)に
ご講演をいただきました。
楽天リサーチ株式会社「タバコパネル」によると
喫煙者の約7割がタバコをやめたいと思っており、「やめたい」と思いながら吸い続けるところに
タバコ問題の本質があると、平野さんは話されていました。
本来なら、「やめたい」と思っている喫煙者に対して
禁煙外来への通院や保健指導を行い、無煙環境を増やしてタバコを遠ざける
タバコの健康被害を正しく伝え、タバコの値上げをするなど、やめるための支援をすべきところ
日本においては、逆に誘惑するものばかりだというのです。
たとえば、「分煙」推進で喫煙所や喫煙コーナーが増えていくことや、タバコのマナー広告が溢れ
街にはタバコの自動販売機があり、コンビニはタバコのショーウインドウと化しています。
それは、なんとしても分煙をすすめ、なんとしてもタバコを吸わせたいタバコ会社の思惑があるからです。
タバコを吸っている人も、タバコを吸わない人も、そんなタバコ会社の被害者なのです。
平野氏は、それに対して「業が深くはないか」と、疑問を投げかけています。
私が最も衝撃を受けたのは、JTの小泉社長が
「まだまだタバコでメシが食える」
と発言したと紹介されたことです。
他人の健康を食い物にして糧を得ることを誇らしげに話す、その品性を疑います。


講演2は、「飲食店禁煙化は尊命敬食の理念から」と題して
長谷章さん(長谷内科医院院長・禁煙飲食店を応援する会会長・フードアナリスト)に
ご講演をいただきました。
オリンピックの開催都市では、レストランを含むすべての屋内空間に禁煙が義務づけられています。
しかし、東京都はおろか、オリンピック会場となっている自治体でも、日本政府においても
条例や法整備を進めていません。
とくに飲食店の禁煙化は、世界の美食が集まる都市・東京としても進めていかなければならない課題です。
「人間の体は食べたものでできている。だから食べ物には関心を払い、気をつけなければならない」と
食べ物に対しては気を遣う方も多いと思います。
一方、食べる環境についてはどうでしょうか。
名ばかりの「分煙」飲食店や、喫煙席へ子供を連れて入る大人もよく見かけます。
食べ物と同様に、食べる環境についても、私たちはもっと関心を払い
気をつけなければならないと感じました。

講演1・2が終わり、休憩に入る前に
日本禁煙学会企画、2014年度無煙映画大賞の発表と授賞式が行われました。
無煙映画大賞とは

*映画製作に携わるすべての人たちを、喫煙や受動喫煙の害から守る
*映画俳優さんの喫煙シーンにより、喫煙行為が美化されることを防ぐ
*映画俳優さんの喫煙シーンを見て、未成年が喫煙を開始することを防ぐ 等

を目的とし、「作品中にタバコの煙が出ない映画」に授与されます。
今年は受賞作品のなかから「ゆずりはの頃」の中みね子監督がご出席されました。
中監督は、夫の故・岡本喜八監督がCOPDだったことや、闘病の様子
夫婦でのタバコとの向き合い方を、受賞スピーチのなかで触れてくださいました。
 

休憩を挟み、講演3は「受動喫煙から身を守るには」と題して
齋藤麗子さん(十文字学園女子大学教授・日本禁煙推進医師歯科医師連盟会長・医師)
にご講演をいただきました。
十文字学園女子大学の学生へのアンケートやインタビューを基に
現代の女性の学生が、タバコに対してどう考えているのか、どう対処しているのかがわかる内容でした。
とても興味深かったのは、十文字学園女子大学の3年生200人に
「目の前の人に『タバコを吸っても良いですか』と聞かれたら」どうするか、というアンケート結果です。
16%が「どうぞと言う」、48%が「嫌だけれどどうぞと言う」で、合わせて64%がどうぞと言うそうです。
齋藤さんは、「ダメ」と言って、協調性のない者と思われることを避けたいのではないかと推察しています。
しかし、自分の身は自分で守るしかなく、その場の空気や同調圧力に屈せず
嫌なものは嫌、ダメなものはダメと、はっきりと意思表示をすることが大切なのです。



講演終了後は
村松弘康医師(中央内科クリニック院長・東京都医師会タバコ対策委員会委員長)をコーディネータに
講演されたお三方にご登壇いたき
「なぜ“分煙”ではダメなのか」について活発なご意見が交わされました。


今年は、シンポジウム終了後に毎年行われているスモークフリーウォークはありませんでした。
スモークフリーウォークとは、タバコの煙のない健康な環境をめざしてメッセージを伝えながら街を歩く
世界禁煙デー記念のパレードです。
10月に開催される第10回日本禁煙学会学術総会
2日めの10月30日(日)に、日本橋を中心にスモークフリーウォークを予定しています。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« World No Tobacco Day(世界... | トップ | ヴェジハーブサーガ »
最新の画像もっと見る

タバコ問題への取り組み」カテゴリの最新記事