Think Globally, Act Regionally:『言葉の背景、カルチャーからの解放、日本人はどこへ往く』

身のまわりに見受けられるようになった「グローバル化」と生きる上での大事な「こころの健康」。さまざまな観点から考えます。

●第12回「品(ひん)についての考察  (日英 国家の品格)」

2007-05-01 00:23:17 | ■ことばの背景(英語と日本語の備忘メモ)

●2005年11月に発刊された「国家の品格」(The Dignity of a State)以降、
SNSでも、品(ひん)についての議論が盛んだ。

そこで、品についての言葉を考えたみた。

日本語で品(ひん)とは、
ひとやモノにそなわる(好ましい)様子、風格、くらい、人がら。(広辞苑)

また、「しな」【品・科・階】で、地位・身分。
人・物の品格・品質、とある。
科は、愛嬌。嬌態。
漢字源によると、人の等級や人がら。

気品とは、どことなく感じられる上品さ。けだかい品位。
上品とは、ひんのよいこと。気品のあるさま。
品格とは、品位、気品。
また、「しなやかさ」とは、上品なさま、ひんのよいこと、気品のあるさま、たおやか。

仏教用語では、上品(じょうぽん)、と読む。
極楽浄土に往生する者の階位を上品・中品・下品(げぼん)に三分した、その最上位)。それぞれ上生・中生・下生(げしょう)の三等があり、九品(くほん)という。

英語では、
grace (丁寧でここちよい所作)
dignity (真面目でフォーマル、尊敬すべき性質)
elegance (非常に美しくスムースかつ魅力的な所作、あるいはスムースな魅力的な形)
aroma (芸術品などのもつ気品、風格、えも言われぬ雰囲気)
couth (洗練、優雅)
decorous (ある特定のときに正しい身なりや所作をする)
distinction (普通ではない 良いという性質)
style (自信のある魅力的な性質で、賞賛され、身なりや所作などに用いられる)

さて、英国ジャーナリストと「国家の品格」の著者との、英日の会話(論理)の進め方の違いを観察してみよう。

FT東京支局長デビッド・ピリングは、そのヒューモアとシニカルな持ち味を存分に活かして、論理(記事)を進める。
片や、藤原氏は論理だけではなく、感情をないまぜにした持論を進める。

この支局長と藤原氏との会話のすれちがいや支局長のcritical readingによる質問と彼の応答もなかなか面白い。論理的でなくなると、どうも欧米人には、日本人の言っていることが理解できないようだ。(当然かもしれない。それが、また、不思議を呼ぶ?)

また、日本人としては、論理だけで来る人間に対しては、「理屈っぽい」とか「理屈をこねる」と言い、現実を無視した物事の道理と判断し、それを言い張る人物に対しては、(特に、理屈っぽい欧米人は、)感情的に毛嫌いされる。
理屈とは、理のつまる所を意味する。

さて、これは、感情の問題、感性の問題、ということで、済まされるのだろうか。

それとも、

感情と論理を超えた、なにかがあるのだろうか。


☆女は品良く (ミクシー・コミュニティ)
http://mixi.jp/view_community.pl?id=183312
■ファイナンシャルタイムズと昼食を:藤原正彦さんと(Mar 09, 2007英語原文)
http://search.ft.com/ftArticle?queryText=fujiwara&y=6&aje=true&x=12&id=070309007956
(日本語訳2007年3月23日)
http://news.goo.ne.jp/article/ft/life/ft-20070323-01.html
http://news.goo.ne.jp/article/ft/life/ft-20070323-02.html
http://news.goo.ne.jp/article/ft/life/ft-20070323-03.html

(参考・電子辞書)
広辞苑第五版
ジーニアス和英辞典第2版
ジーニアス大英和インデックス
ロングマン現代アメリカ英語辞典(2000年)