●メルボルン大学は来年の2008年からスタートする、新メルボルン大学のキャンペーンを4月17日から始めている。連日、テレビ・ニュースなどで副学長(事実上の学長)のインタビューや大学のアドがなされている。
これは、グローバルな大学競争時代を生き残ろうとする試みで、The Melbourne Modelと呼ばれている。
1853年に英国の教育制度の下で、大学が設立されて以来、大幅な大学教育システムの転換となる。
中身を見ると、英国システムから米国の大学システムへの転換のようだ。
従来の10以上もある大学学部を6つ(arts, biomedicine, commerce, environments, Music, Science)に絞り、3年間の学部教育のあいだ、学部間の単位取得が幅広く選択でき、学部間の垣根が緩やかになっている。これは、学部教育では、幅広く学び、その後、大学院で専門分野を極めるということらしい。欧州の大学でも2010年を目途に、同様の大学改革が進行中とのこと。
確か、19世紀末のハーバード大学で、当時のチャールズ・エリオット学長が、大学学部の変革を行った内容と共通しているようだ。
メルボルン大学の学生数は、42,704名(2005年12月)で、内訳は、大学生28,822人と大学院生13,882人、その内留学生が9,522名と全体の22.3%を占めている。(大学学部では、24.2%。大学院では、18.4%が留学生)。
ご多分にももれず、欧米系の大学卒業率は、日本に較べて、極めて厳しい。入りやすくて、出にくいのだ。コースレベル(講義主体のコースで、リサーチレベルを除く)で平均59%(2004年末のデータ)、つまり、10人に4人は卒業していない(転学か退学?)ことになる。内訳は、大学卒業率60%、大学院卒業率57%となっている。
これは、大学経営の観点から見ると、入学金、授業料はプリペイド方式を取っているため、採算面ではかなり有利になる。事実、当大学は、自主財源が豊富になってきているため、国からの補助金削減に相当寄与している(参照、ABC記事)。
☆The Melbourne Modelのプロモーションビデオ
http://www.dreamlarge.edu.au/?pageID=video
☆生徒数のリスト
http://www.upo.unimelb.edu.au/public/StatsBook/sb_ts.04_2005.xls
☆関連ABC記事
http://abc.net.au/news/newsitems/200704/s1899828.htm
http://abc.net.au/news/newsitems/200704/s1897603.htm
※ジョンさん、コメントありがとうございます。国立を削除、副学長は、日本語での通常表記を使用して、「事実上の学長」との説明を入れておきました。(6月9日追加、修正)