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身のまわりに見受けられるようになった「グローバル化」と生きる上での大事な「こころの健康」。さまざまな観点から考えます。

☆[緊急]第73回「かけがえのない人を失う前に(自殺のサインに気づき、どう寄り添うか)」☆

2020-11-10 15:49:01 | メンタルヘルス

☆[緊急]第73回「かけがえのない人を失う前に(自殺のサインに気づき、どう寄り添うか)」☆

 

三浦春馬さん(30)から、芦名星さん(36)、ファンだった竹内結子さん(40)と津野米咲さん(29)と、自ら命をたつ芸能人がいます。この一連のことで、以前、大学卒業後に、大切な友人を失くしたことも思いおこされました。どうして気づかなかったんだろうと。

 

さて、メンタルヘルス(こころの健康)の分野では、エビデンス・ベースト・メディスン(Evidence-Based Medicine: EBM 「科学的根拠に基づく医療」)が進展しており、うつ病などから自殺につらなる対処法がさまざまな医療機関から、発表されています。

 

今回は、コロナ禍の緊急状況ではないかと考え、オーストラリアでスタートし、今では全世界に普及している「メンタルヘルス・ファーストエイド(こころの応急処置マニュアル)第4版2018年発刊」を参考にしながら、そのサインにどう気づき、どう寄り添ったらいいかを考えてみましょう。

 

【自殺が思い当たる人に、言ってはいけないこと、やってはいけないこと】

  • 思い当たる人と「自殺の考え」について議論をすること
  • 自殺が良いか、悪いかについて議論すること
  • 自殺をしないように、罪悪感をもたせたり脅したりすること。たとえば、「地獄に行くよ」とか「もし死んだら、家族などの生活が壊されちゃうよ」
  • 自殺願望者の問題を、軽く扱うこと
  • 安心させるために、表面的なことばでなぐさめること。たとえば、「心配ないよ」、「がんばれ」、「すべてがうまく行くって」
  • あなた自身の話で、相手の話をさえぎること
  • 身振りや表情で興味ないよとか、ネガティブな態度でコミュニケーションをとること
  • 彼(女)の話を、はったりだと思って、「じゃ、やってみたら」と言うこと
  • あなたは、こころの病なんだから、と病気の診断をくだすように言うこと

 

自殺願望者の重要なサインは、つぎのようなことが言われています。

☆ 自分を傷つけようとしたり、自殺しようとする兆候が見える。

★ 自殺する方法を探しだす:たとえば、薬とか自殺の具体的な方法

☆ 死、自殺やそれについて話したり、書いたりする。

★ 希望がなくなる。絶望する。

☆ 激しい怒りや復讐にかられる。

★ なんの考えもなしに、むちゃをやったり、危険なことにかかわる。

☆ 出口が見えず、活路がふさがれたように、何かにハマって身動きできないように感じる。

★ アルコールやくすりの量が増える。

☆ 友達、家族、社会から離れてひきこもる。

★ 不安、イライラ、眠れないか四六時中起きている。

☆ 気分が急に、大きく変化する(たとえば、うつの気分が突然改善するなど)

★ 生きる理由をなくす、人生の目的意識がなくなる。

 

【どう寄り添うか?】

では、どのように寄り添ったらいいのでしょうか。

まず、どうアプローチするか、です。

もし、誰かが自殺を考えているようだと思ったら、すぐに行動を起こしてください。

たとえ、「自殺なのかどうかな?」と疑問に思ったとしても。

 

「ちょっと心配しているんだ」と近づいて話を始めましょう。

 

あなたが気になった、彼(女)の行動について、話してみましょう。

でも、もし相手が、あなたと話したくない、と言ったら、それ以上ムリに話は進めずに、誰か身近にいるほかの人を探して、手助けを願った方がいいです。

 

自殺を考えているような相手には、はっきりとそのことを聞くことが防止に効果があります。

相手が黙っていても、そのことを知るには、自殺を考えているか、聞くことです。

「自殺のことを考えていますか?」

「自殺したいと思っていますか?」と。

大事なのは、あなたが、相手のことを心にかけていることを、言葉でちゃんと聞くことです。

 

ゆめゆめ、

「あなたは、そんなバカなことを考えていないでしょうね」と批判的な、指導するような話し方をしてはいけません。

 

直接自殺について聞くことは、そういった考えを吹き込むことになるんじゃないかと思って、気が進まないと思うかもしれません。

それは正しくありません。

 

ハッキリ聞いた方が、自殺のリスクが低減するというEBM*があります。

聞いた方が、逆に、彼(女)の抱えている問題について、話しはじめるチャンスにもなるし、こちらが相手を支援をしますよと示すことにもなるからです。

◎◎軽症うつ病発見の簡易テスト東邦大学医学部心療内科方式による自動判定サイト)

支援情報サイトの検索(厚生労働省)

 

※ メンタルヘルス・ファーストエイド(MHFA)の援助者MHFAiderは、全世界400万人(豪州で100万人)以上。

こころの不調をもっている人たちは、自分からそのことを人に話したり、相談に行くことが難しいため、身近な、周りの人たち(援助者)がその人たちを支援して、初期の段階に早期発見し、専門家への治療へつなげていこうとの考えで、2000年オーストラリアの Betty Kitchener (メンタルヘルス教育家)と Anthony Jorm(メルボルン大学教授、メンタルヘルスリテラシーの提唱者)によって設立されました。

 

注1)タイトルの写真は、

[左]Standard Mental Health First Aidのテキスト表紙(「メンタルヘルス・ファーストエイド(こころの応急処置マニュアル)第4版2018年発刊」) 

[中上] メンタルヘルス・ファーストエイド(MHFA)の実践基本ステップ

ALGEE (A: その人にアプローチをして、回復と悪化の分かれ目(crisis)の評価と支援をします L: 判断せずに、聞くことでコミュニケーションをとります G: 援助と情報を提供します E: 適切な専門的手助けが得られるように励まします E:そのほかのサポートで元気づけます(セルフケアや家族・友人・知人からのサポート)

[中下]

メンタルヘルス・ファーストエイド(MHFA)の適用範囲

<<-(予防)-早期発見・支援―(早期介入・治療)->> 専門家による治療へ

MHFAiderは、医者でもセラピスト(治療者)でもありません。支援をすることを中心に考えます。

[右上]竹内結子(イノセント・デイズの画面から)[右下]津野米咲https://natalie.mu/music/news/97237より

注2)エビデンスの論文*は、Harris KM, Goh MT-T. Is suicide assessment harmful to participants? Findings from a randomized controlled trial. International Journal of Mental Health Nursing 2016

 

#自殺 #メンタルヘルス #ファーストエイド

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