東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

終夏の池で

2024年09月11日 | トンボ
この日は気になっていたベニイトトンボの活動状況を調べる為に生息池へ訪れた。

環境写真

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+C-PLフィルター
ガマ、ヨシの抽水植物に囲まれ、水面を覆っているのはタヌキモ。
タヌキモの表面にはに日焼けしたアオミドロが付着。一般的だと見た目が悪く汚い池のイメージ。

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
でもこのタヌキモの浄化作用により底まで見通せるほど水質がクリア。水の供給は雨水だけなので、
いかにタヌキモの浄化作用が優れているかが分かる。底を荒らす鯉がいないのも尚更よい。

そのタヌキモに産卵するのがベニイトトンボ。

ベニイトトンボ(連結産卵)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
タヌキモは小さなボウフラ等を食べる食虫植物でも知られ、また、水中への酸素供給、水生昆虫や小魚の隠れ家、イトトンボ、チョウトンボ、ギンヤンマ等が産卵場所として利用し様々な役割りを持つので、水辺の管理時には全ての水草を綺麗さっぱり取り除いてしまわないよう注意が必要。

ベニイトトンボ(交尾)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED

ベニイトトンボ(連結産卵)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
連結産卵時のオスの役目は産卵中のメスが他のオスに横取りされるのを防ぐための警護行動。イトトンボの連結産卵の撮影はオスメス両方の複眼と全体にピントを合わせられるかが醍醐味。マクロ域はほんの数ミリでもズレるとピントが合わないので、より撮影スキルが試される場面。その為、カメラポジションを水面ギリギリにする必要があり、水濡れで故障すると修理不可なのでそのリスクを避けるため、ビニール袋にカメラを入れて水濡れを防止している。

アジアイトトンボ(産卵)

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
アジアイトトンボの産卵も多数観られた。アジアイトトンボはメスが単独で産卵する。
産卵は腐食して浮遊するヨシやガマをより好んでいる様子にある。

蜘蛛に捕食されたアジアイトトンボの雌

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
産卵中、蜘蛛に見つかり捕食されてしまった場面。いつ危険が待ち受けているからわからない。
これも自然の節理。いつまでもクリアな水質が確保されイトトンボが豊富な池であって欲しい。

撮影日:9月8日


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