公民・歴史教科書問題を中心に教育問題を考えていくブログ

恐るべき公民教育の問題を中心に扱っています。かなりの割合で小山常実氏のブログ(特に教科書資料)や著書を参考にしています。

【日本政府の命日】今日(いや昨日?)は日本政府のお通夜です

2024-10-27 22:15:17 | 憲法

タイトルにもある通り、10月27日、本日をもって日本政府は正式にお亡くなりになりました。謹んでお悔やみ申し上げません。

日本政府の死亡推定時刻は外国人の不法な票が有効と決定された10月26日22時です(あれ昨日だった?)。

国会議員に外国人票が入ったため、国会議員の正当性はなくなりました。国会議員が内閣総理大臣を任命するので、次の内閣はどう転んでも終わりです。参院に少し希望を感じますが、名目上は衆院と一体なので、やっぱり終わりです。

裁判所も国民審査に外国人が入ったので終わりです。さらに言えば次の内閣が裁判官を任命すれば、死体蹴りということになります。

とりあえず、わかりやすくまとめると、日本政府はこれで「正式に」岸田の宝の政府になったということです。

今まで、日本人が政府を作る、だから政府は日本人を支配するという言わば「信用」「契約」で成り立っていたのですから、それが瓦解した今、日本政府に日本人を支配する正当性は存在しないか、もうすぐ完全に消滅します。

なので、日本政府は公式に我々日本人に対し、「これからは法律に従わなくて良いです」と宣告したことになります。

自国民を支配する正当性のない権力は必ず滅びるという法則があります。日本政府もおそらくはこれに倣って自然消滅していくか、日本人の手で消されるかのどっちかでしょう。

どちらにせよ、日本政府は終わりです。さよなら日本政府。永遠の別れ。もう二度と君に合いたくないよ。

あ、一つ希望があるとすれば天皇陛下ですね。天皇陛下は国会議員や内閣、裁判所とは全く関係がないので、天皇陛下だけがこの問題を日本政府自身に対処させる力を持ってるということになります。

まあ日本の歴史的に日本の天皇陛下はよくも悪くも民の側に付くので、それに倣って日本政府を滅ぼすかも知れませんが。

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【憲法改正案】大日本帝国憲法を土台にした改正案です【日本国憲法無効論】

2023-10-10 22:19:58 | 憲法

●GHQの指示で始まり議会審議の統制で議決された日本国憲法

はじめに、日本国憲法の成立過程を振り返っていきたいと思います。1945年10月、GHQは、当時の幣原喜重郎内閣に憲法改正を指示しました。

その後、日本政府は何十条にもわたる憲法改正草案をつくりますが、GHQはこれを拒否し、わずか1週間で作り上げたGHQ草案を受け入れるよう強く迫りました。

当時の日本政府としては天皇の安全も考えると、受け入れるしかないものでした。

そして、GHQ草案は帝国議会に提出され、そこではいくつかの修正が行われました。

憲法第9条では、最終的に第2項に「前項の目的を達するため」が加わりました。

「前項の目的」とは、第1項の「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」にかかりますから、「国際紛争を解決する手段」、すなわち侵略には、「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。」と読めるでしょう。

これにより、自衛のための軍隊や戦力が承認されたということで、極東委員会(GHQの上層部)は、第9条の修正を承認する代わりに、内閣総理大臣や国務大臣は「文民でなければならない」といういわゆる「文民条項」を入れるよう指示しました。

その指示どおりに文民条項を追加することで、第9条の修正が承認されました。

さらに、GHQの指示により、「ここに国民の総意が至高なものであることを宣言し」という部分は、「ここに主権が国民に存することを宣言し」に変更されました。

このほかにも、日本側が示した修正案は、全てGHQの許可と承認が必要でした。第9条のように、その許可と承認の条件として新たな修正を指示されたものもありました。

このように議会審議においても、GHQの統制がおよんでいたのです。

しかも、このような修正が主に行われた衆議院の憲法改正特別委員会小委員会の審議は、一般議員の傍聴も新聞記者の入場も認められない密室そのものでした。

議事録の公開により、ここでの審議が国民の前に明らかにされたのは1995年のことでした。戦後50年もの間、事実は隠蔽されていたのです。

さらに、国民に対してはGHQの事前検閲により、厳しい言論統制が行われ、GHQの指示やGHQ草案、GHQによる議会審議の統制も、その全てが知らされませんでした。出版物などに書けば強制的に削除されました。一説によると、書いた人の命もなかったといいます。

このような密室での統制審議や厳しい言論統制を経て強行採決されたのが日本国憲法というものです。

戦時国際法の一つであるハーグ陸戦条約は「現地の現行法律を尊重せよ」としています。憲法は、「法律」よりも重いものですから、占領軍が変えさせることはあってはならないと解釈されています。

ポツダム宣言でも、平和主義の実現については「日本国民の自由な意思」に任せるべきだとしています。しかし、日本国憲法は、GHQの統制と強制の中で生まれたものです。

また、日本とは直接関係がないですが、フランス憲法には占領中の憲法改正を禁止する規定があります。

ドイツでも、日本と同じく憲法変更が強制されましたが、「憲法」ではなく「基本法」とすることを許され、さらに草案作成も自主修正にもある程度自由意志が認められました(ボン基本法)。

占領解除後には直ちに失効させることを規定するこまで認められました。

ドイツのボン基本法と比較すると、日本国憲法は、同じ敗戦国としても、明らかに日本人を差別する形で成立したものなのです。

このような形で成立した日本国憲法は、戦時国際法に違反した無効な存在といえるのです(日本国憲法無効論)。講和条約として有効ともいえません。

南出偽無効論が講和条約説の代表格ですが、勘の良い方なら既にお分かりの通り、戦時国際法追認の危険な理論です。

日本国憲法下の法律はどうなるんだという話(法的安定性問題)については、他の無効事例でも広く使用されている、善意(無効の事実を知らない)の第三者(国の機関)の行為(法律の制定など)に無効は遡及しないという原則に基づくだけです。

注意していただきたいのが、本来、何か(日本国憲法)に基づいて→何か(法律の制定等)するという図式ですが、善意の第三者の行為に無効は遡及しないという原則では、何かに基づいてのところの価値は認めずに、何かするというところだけを認めています。

そのため、日本国憲法自体は有効ではありません。

●時効は一秒も進んでいない

戦後の公民教育では、GHQの指示から議会審議の統制まで、その全てが隠蔽されました(歴史教育も同様)。

さすがに昭和30年代に入ると、GHQ草案の存在を書く教科書は増えますが、逆に政府案が数十条にもわたって変更したのに「微修正」などと意味の分からない評価をくだされるようになります。

GHQの指示は書かれませんでしたし、教科書以前に議会審議の統制は存在自体が隠蔽されていました。

昭和56年からの12年間は指示を書く教科書も増え、一気に多数派となりましたが、やはりGHQ草案の強要を正面から書く教科書はなく、議会審議の統制も明らかにされませんでした。

この12年間が終わり平成に入ると、再び指示を書く教科書は減少し、むしろGHQ草案をめぐる歪曲も進み、最終的に日本国憲法は「日本人がつくった」という物語が本格的に展開されるようになりました。

さらに、厳しい言論統制の中、食べるのに必死で憲法改正どころではなかった当時の国民が「歓迎した」という大嘘を書く教科書が多数派となるなど、見るに耐えないものになりました。

その後、『従軍慰安婦』の事件により「新しい歴史教科書をつくる会」が始動し、「新しい公民教科書」がまともな成立過程史を展開して検定にいどみましたが、議会審議の統制の点は完全削除されるなど、国家ぐるみで議会審議の統制を隠蔽することが分かりました。

戦時国際法違反やポツダム宣言違反も指摘していましたが、やはり削除されました。

この点では「つくる会」効果は全くと言っていいほどおよんでいません。結局、成立過程史は事実に反するままです。

時効が進み出すのは、その犯罪の事実を知ったときからです。日本国憲法で言うと、国民の多数派が無効の事実を知ったときからです。

しかし、教科書を見ると、無効どころか無効の元になる事実が隠蔽されていて、さらに現実でも改憲論や護憲論に比べて無効論は著しく少ないことを考えれば、時効は一秒も進んでいないことが分かります。

●世界の民衆と日本人に害悪をまき散らし、日本人を犯罪者に仕立て上げてきた日本国憲法

日本国憲法には、このような成立過程史の問題だけでなく、内容的な面で、次の5つの問題もあります。

・日本人差別思想...前文で「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」として外国人を「平和を愛する諸国民」として、日本人よりも上の存在とみなし、さらに安全どころか生存までをゆだねることで、「外国または外国人に死ねといわれれば死ななければならない存在」として日本人を明確に差別する

・国家解体思想...前文において国家論を全く展開しないどころか、日本人差別思想を展開することで国家の役割を放棄すると宣言し、第9条によって日本人の手から交戦権と戦力を奪い、日本人を差別し、外国に侵略されても抵抗できない存在として国家を解体する

・司法権解体思想...国民の裁判権を「公共の福祉」によって制限できる権利とみなし、裁判官を「その良心に従ひ独立してその職権を」行うことができるとする一方、わざわざ「この憲法及び法律にのみ拘束される」と続けることで、特に民事関係で、司法権の独立も法律によって侵害できるとする

・法治主義解体思想...国民の権利を制限するお題目として「公共の福祉」をとなえ、国民の権利を制限する基準から、「法律」を完全に排除する

・強烈な犯罪国家の思想...第9条の害悪を歪曲美化することにより、その歪曲美化に騙された多くの国から軍隊を奪い、国土を荒らし、世界の秩序を壊している。日本国憲法は世界の民衆に対して大きな罪を犯した

特に、日本人差別思想と国家解体思想、犯罪国家の思想は連動して、日本人を差別し、日本を貶め、世界の秩序を壊す役割をになってきました。

すなわち、日本人差別思想によって日本人から自己選択権を奪った上で、日本人差別思想に染まらなくても自己選択権が奪われる「大事なお題目」として交戦権と戦力を放棄しました。

さらに、それを歪曲美化して、日本人を騙して日本人自身に交戦権と戦力の放棄を「良い物」として宣伝させることで、それに騙された国々が不当に国防を奪われ、国土を荒らされ、世界の平和が脅かされたとき、次第に日本人自身も犯罪者にされていくというものです。

日本人自身が世界の平和を脅かした犯罪者になることによって、日本人は再び侵略者の片棒を担ぎ、「平和に対する罪」を犯した罪人とされ、未完の東京裁判が完成してしまうのです。

※交戦権は単に戦争をする権利ではない。中立国に対する要求権など戦争に関わる行為一般の権利である。講和もそうである。交戦権がなければ、そもそも日本は米国との戦争状態を終わらせられないのである。

司法権解体思想と法治主義解体思想は、一部の集団の暴走を許し、日本人が日本国憲法の思想が抜け出そうとしている中での改革を阻止する役割を担います。

今の日本人の思想回復も日本国憲法はすでに計算済みです。例えば、今、唱えられている改憲も日本国憲法が仕組んだものです。

改憲は、一度やってしまえば、日本人全体で日本人差別思想と日本国憲法の「世界に対する罪」(犯罪国家の思想)を認めることになるので、絶対にやってはいけない行為です。

日本国憲法の条文を見ていると、そこには、さまざまなトラップがあることが分かります。もはや、日本国憲法を安全に処理し、日本人自身が犯罪者とならないためには、我々日本人の手から日本国憲法を捨てるしかありません

●大日本帝国憲法改正案

3つの特徴

・何と言っても、属国日本とでも言うべき現状を「教訓」として後世に伝えていることです。これは大きく前文と改正条項にあらわれています。

・日本人ヘイト法(いわゆる『ヘイトスピーチ解消法』又は対日ヘイト法)に代表される、法の下の平等に反する日本人差別法令に対抗するため、日本人差別を明確に禁止したことです。

・現代の事情に即した帝国議会の外部投票等の規定も多数設けています。

改正案(傍線部は注目ポイント)

   大日本帝国憲法
目次
 前文
 第一章 天皇
 第二章 国旗及び国歌
 第三章 自衛宣言
 第四章 日本人の権利及び義務
  第一節 日本人の定義及び地位
  第二節 法の下の平等
  第三節 義務
  第四節 日本人の権利
 第五章 帝国議会
 第六章 国務大臣及び内閣
 第七章 司法
 第八章 会計
 第九章 改正
 第十章 国家緊急事態
 第十一章 最高法益
 第十二章 補則
 我々日本人は、我が国の国体と国史を継承し、我々と我々の子孫のために、外国政府によるいかなる支配にも服することなく、我が国の国益と日本人の幸福を確保し、再び他国の支配下にされることのないようにすることを決意し、ここに国及び民族の独立を宣言し、この憲法を確定する。
 我が国の統治の基本原理は、天皇と日本人の共同主権に由来し、その権威は、何人であっても侵すことのできない永久の権威であり、我が国における権力は、これに由来する。
 我々は、家族の絆を育み、民族共同体の団結を促進し、国家を繁栄させてきた。この団結力は、欧米による侵略をはじめとする数多の危機を乗り越え、我が国及び民族の土地と文化を受け継ぐ原動力となってきた。
 近代に入り、我が国は、欧米列強による侵略の危機に対応するために王政復古と維新を実現し、当時アジア唯一の立憲国家を建設し、民主主義を推進し、近代国家に発展した。このことは、我々の誇りであり、同時に近代国家の建設に尽くした先人の努力を忘れてはならない。
 我が国は、当時の欧米列強をはじめとする外国からの侵略と日本人に対する差別に抵抗した。この抵抗の中で我が国は、国の防衛と独立を維持するため、大東亜戦争を引き起こさせられた。開戦以前の外交交渉の段階において米国が、日本人に対する差別と侵略を行ったことは紛れもない事実である。この戦争において我が国は、米国による無差別爆撃を受け、大量破壊兵器を使用され、国際法違反の横暴と侵略を受けた
 我々及び我が国は、この抵抗戦に敗北を期すことになるが、民族の安全を保持とともに、アジア諸国の民の解放まで達成するという成果をあげた。我々は、国の独立とアジア諸国の民の解放に尽くした先人の功績を忘れてはならない。
 米国を中心とする連合国の占領によって我が国は、国の要を解体され、指導者を殺され、国民を殺され、自由を不当に抑圧され、差別を強制され、異常な支配を受けることになった。東京裁判によって多数の指導者が不当に殺害され、あるいは不法な身柄の拘束と監禁を受けたことは、永遠に語り継がれなければならない歴史の事実である。
 この国際法違反の横暴と侵略によって、我々は国体を解体され、植民地のような扱いを受け、多数の同胞の命と尊厳が奪われた。その中で、占領軍は、戦時国際法に違反して我々に大日本帝国憲法の改悪を強制し、政府を酷使させ、草案をまとめさせたばかりか、身勝手にも占領軍の草案を翻訳もなしに強要するという暴挙に出た。
 この暴挙を経て政府が翻訳した草案は、帝国議会の審議を経ることになるが、占領軍は、本来、自由に行われるべき審議までを統制し審議中にも関わらず議員の公職追放を強行し草案の修正を統制し、強制した。この統制と強制の審議を経て、帝国議会において「日本国憲法」を名乗る占領憲法の可決が強要されたのである。
 我々は、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここに改めて占領憲法の無効を確認し、大日本帝国憲法の復原を確認する。
 占領憲法は、我々の自由を抑圧し、我々を差別し、我々の生存を脅かすものであった。占領憲法の体制下においては、本来、家法である皇室典範は、御皇室の意思を完全に無視する形で改悪され、御皇室の尊厳を著しく侵害した。我々は、占領憲法以上に、皇室典範改悪強制の事実を重く受け止めなければならない。
 今、我が国の再建が間近に迫っているのは、日本人が正気を取り戻し、大日本帝国憲法の復原を決議して、我が国の再建に向けて立ち上がったためである。
 我々は、国際社会における性善説を捨て去り、国際社会を国家の競争の社会として、国家の独立を維持するための紛争社会として捉え直さねばならない。そして、占領軍による規範の無効を確認し、我が国を再建しなければならない。
 我々は、全ての国家が等しく、防衛により自国の主権と独立を守り、国内の平和と秩序を維持し、国民の福祉の向上を図り、国民の自由と権利を保障する役割を果たすと信ずる。この役割は、不変のものであり、このために、全ての国家は等しく、自衛のための戦力と交戦権を保持し、維持する権利を有するこの権利を妨げ、侵害し、又は奪おうとする行為は、侵略そのものであると断ずる
 我々日本人は、国家の名誉にかけて、我が国を再建し、民族及び国家の繁栄を図ることを誓う。
   第一章 天皇
 (天皇の地位及び統治の原理)
第一条 大日本帝国は、万世一系の天皇が統治する。
 (皇位の継承及び皇室典範の自主性)
第二条 皇位は、皇室の最高法規であって家法である皇室典範の定めるところにより、男系男子が継承する。
 (天皇の神聖不可侵)
第三条 天皇は、神聖であって侵してはならない。
 (天皇の元首性及び統治権の総覧)
第四条 天皇は、国の元首であって、統治権を総覧し、この憲法の条規により、行う。
 (立法大権)
第五条 天皇は、帝国議会の協賛を経て立法権を行う。
 (裁可大権)
第六条 天皇は、内閣の輔弼により、法律を裁可し、その公布及び施行を命ずる。
 (帝国議会の召集)
第七条 天皇は、内閣の輔弼により、帝国議会を召集し、その開会、閉会及び停会並びに衆議院の解散を命ずる。ただし、緊急の必要がある場合において、天皇の召集及び開会の命を待ついとまがないときは、内閣総理大臣は、帝国議会又は帝国院の緊急集会を開会することができる。
2 前項ただし書の場合のおいては、天皇は事後に帝国議会の召集を命じ、その開会を命ずる。
 (元号大権)
第八条 天皇は、皇室典範の定めるところにより、元号を制定する。
 (命令の発布)
第九条 天皇は、日本人の幸福を増進するために必要な命令を発することができる。ただし、命令をもって法律を変更することはできない。
 (任命大権)
第十条 天皇は、内閣の輔弼により、文武官の俸給を定め、及び文武官を任免する。ただし、この憲法又は法律により、特例を掲げたものはその条項による。
 (統帥大権)
第十一条 天皇は、内閣の輔弼により、軍を統帥する。ただし、内閣総理大臣は、軍の統帥に関し、特に緊急の必要があり、かつ天皇による統帥を待っては国及び国民を守ることができないと認めるときは、軍を指揮することができる
2 前項ただし書の場合においては、内閣総理大臣は、指揮の結果を天皇に上奏し、天皇の命をもって統帥しなければならない。
 (編制大権)
第十二条 天皇は、法律の定めるところにより、内閣の輔弼により、又は帝国議会の協賛を経て、軍の編制を定め、常備兵額を定める。
 (講和及び宣戦大権)
第十三条 天皇は、内閣の輔弼により、帝国議会の協賛を経て宣戦し、講和する。ただし、帝国議会又は内閣は、自衛戦争に関し、特に緊急の必要があり、かつ天皇による宣戦を待っては我が国の独立を維持し、国民の生命を守ることができないと認められる十分な理由があるときは、自衛の目的に限り、宣戦することができる
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げない
3 第一項ただし書の場合においては、帝国議会又は内閣は直ちに天皇に報告し、その裁可を求めなければならない。内閣がこれを行った場合は、内閣は同時に帝国議会の承認を求めなければならない。
4 第一項ただし書の濫用は、絶対に許さない。
5 天皇は、帝国議会の協賛を経て諸般の條約を締結する。
 (緊急事態大権)
第十四条 天皇は、事前に国家緊急事態の布告を裁可する。ただし、国家緊急事態の布告に関し、特に緊急の必要があり、かつ天皇の裁可を待っては国及び国民の安全を守るができないと認められるときは、内閣総理大臣は、天皇の裁可を経ずに、国家緊急事態を布告することができる。
2 前項ただし書の場合においては、直ちにこれにつき天皇の裁可を求めなければならない。
 (栄典の授与)
第十五条 天皇は、内閣の輔弼により、爵位、勲章その他の栄典を授与する。
 (恩赦)
第十六条 天皇は、内閣の輔弼により、大赦、特赦、減刑及び復権を命ずる。
 (摂政)
第十七条 摂政は、皇室典範の定めるところにより、置く。
2 摂政は天皇の名において大権を行う。
   第二章 国旗及び国歌
 (国旗及び国歌)
第十八条 大日本帝国の国旗は、日章旗とする。
2 大日本帝国の国歌は、君が代とする。
 (尊重の義務)
第十九条 内閣総理大臣、国務大臣、帝国議会議員、裁判官その他の公務員は、大日本帝国の国旗及び国歌を尊重し、擁護する義務を負う
   第三章 自衛宣言
 (自衛宣言)
第二十条 大日本帝国は、国家の第一の役割が防衛にあることを確認し、全ての国家が個別的、集団的を問わず、自衛権を保持し、自衛のための交戦権を持ち、いかなる国家も、他国の自衛権の発動又は自衛のための交戦権の行使その他の自衛のための行為を侵害し、又は妨害してはならないことを宣言する
2 大日本帝国は、前項の精神に従い、自国の主権と独立並びに自衛権と自衛のための交戦権を維持し、率先して各国の自衛権の確保に貢献するよう努めるものとする。
 (交戦権の容認及び大日本帝国軍の保持)
第二十一条 我が国は、交戦権を有し、かつ維持しなければならない。自衛に関わる交戦権の行使については、その目的に反しない限り、最大の尊重を必要とする。
2 我が国は、この憲法及び法律の定めるところにより、大日本帝国軍を保持しなければならない。大日本帝国軍は我が国の主権と独立を守り、国民の生命及び財産を保護することを任務とする。
 (軍人)
第二十二条 大日本帝国軍人は、軍の使命を深く自覚し、我が国の主権と独立を守り、国民の生命及び財産の保護に任じなければならない。
2 前項の軍人については、待遇の適正が期せられなければならない
 (国の義務)
第二十三条 国は、我が国及び国民を防衛する第一義的責任を有することを深く自覚し、我が国の主権と独立を守り、国民の生命及び財産を保護するため、我が国の領域を保全し、その資源を確保し、その他のあらゆる施策を講じなければならない。
 (文官統制)
第二十四条 大日本帝国軍は、天皇を基調とする文官が統制する。このために、天皇の委任を受けた内閣総理大臣及び国務大臣は、軍人であってはならない。
 (軍事機密の保障及び法律への委任)
第二十五条 大日本帝国軍の軍事上の機密の保護及び軍法会議による特別の裁判は、保障しなければならない
2 この憲法に規定するもののほか、大日本帝国軍に関する事項は、法律で定める。
   第四章 日本人の権利及び義務
    第一節 日本人の定義及び地位
第二十六条 日本人とは、この憲法及び法律に定める資格を有し、直系尊属から日本人である者をいう。
2 日本人は、我が国において最終の権力者である。この地位は、長年の国史が築いてきた成果であり、何人であっても侵すことのできない永久の地位である
    第二節 法の下の平等
第二十七条 全ての日本人は、法の下に平等であり、法律に定める資格に応じて等しく公務に就く権利が保障され、日本人であること又はそれによってのみ生ずるいかなる理由によっても、差別され、又は迫害を受けない
    第三節 義務
 (国防の義務)
第二十八条 日本人は、我が国の主権と独立を守り、国民の生命及び財産を保護し、国防の義務を負う。
 (納税の義務)
第二十九条 何人も、法律の定める所により、納税の義務を負う。
    第四節 日本人の権利
 (基本原則)
第三十条 日本人は、我が国の固有の国民及び日本民族として尊重され、民族的、国民的な差別又は迫害を受けない
2 日本人は、我が国の固有の国民及び日本民族の一員として尊重され、その尊厳を奪われない
3 日本人は、我が国の最高にして固有の権力者であって我が国において最下層民として位置づけられない
4 日本人は、日本人であること又は日本人であることを理由に生ずるいかなる理由によっても、自由権を奪われ、制限され、又はその行使に干渉されない
5 日本人は、身体的、精神的のいかんを問わずいかなる奴隷的拘束も受けない。法律に定める正当な手続きに従って行われる犯罪に関わる処罰又はこの憲法に基づき行われる強制執行を除き、その意に反する苦役に服せられない。
6 外国人の権利は、日本人の有する権利の範囲内により、保障されるべきものであって、日本人の有する権利を越える権利の保障及び領有は認めない。
 (日本人に対する差別及び迫害の絶対的禁止及び法令の無効)
第三十一条 政府による日本人に対する差別及び迫害は、絶対に禁止する
2 日本人を差別又は迫害する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。日本人を差別又は迫害する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部を擁護し、推進し、又はこれに賛成する言論、著作、印行、集会及び結社は、これを許さない
 (日本人に対する差別及び迫害からの自由)
第三十二条 日本人は、日本人を差別又は迫害する法律その他の命令に従う義務を負わない
2 日本人は、日本人を差別又は迫害する法律その他の命令に基づいて実行される逮捕、監禁、審問及び処罰に抵抗する権利を奪われない
 (抵抗の義務)
第三十三条 政府が、天皇又は日本人に対して差別又は迫害をし、天皇又は日本人の権利を奪おうとしたとき、これに抵抗し、その政府の顛覆を図ることは、国体を構成する天皇及び日本人の固有の権利であり、義務である
2 前項の抵抗権の行使がされたときは、この憲法の条規に基づき、政府その他の政体を再建しなければならない
3 第一項の権利の濫用は、これを許さない
 (権利に関する原則)
第三十四条 この憲法の定める日本人の権利は、全ての日本人に対して保障される。また、日本人はこれを濫用してはならず、自由及び権利には、責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公共の利益のために利用する責任を負う。
2 この憲法の保障する自由及び権利の制限は、各条項に定める条件に従って行われるものであり、前項の規定が日本人に課す責任は、自由又は権利を制限する事由とすることができない
 (人格の保護)
第三十五条 全ての日本人は、民族的自覚と自己同一性を奪われない
 (個人としての尊重及び日本人に対する不当な扱いの禁止)
第三十六条 全ての日本人は、個人として尊重される。
2 政府又は外国人による日本人に対する非国民的又は非人間的取り扱いは、これを許さない。
 (生存権)
第三十七条 全ての日本人の生命及び心身の安全は、立法その他の国政において、犯罪に関わる処罰を除き、最大の尊重を必要とする。
2 全ての日本人は、健康的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、日本人が健康的な最低限度の生活を営むために必要な措置を最大限講じなければならない。
 (正当防衛)
第三十八条 全ての日本人は、その生命及び自由を保持するために必要な行動を行うことができる。自己の尊厳を維持し、生涯を生き抜こうとする姿勢は、日本人の尊厳として最大限尊重されなければならない。
2 前項の権利については、公共の利益に著しく反する場合において法律で定めるものにのみ制限することができる。ただし、生命を保持するための権利は害することができない
 (拒否権)
第三十九条 全ての日本人は、公共の利益に反する場合において法律で定めるもの又は法律に反しない契約により強制行為が約束された場合を除き、いかなる行為も強制されず、拒否する権利を有する
 (居住及び移転の自由)
第四十条 全ての日本人は、公共の利益に反する場合において法律に定めるものを除き、居住及び移転の自由を有する。
 (勤労の権利及び選択権)
第四十一条 日本人は、公共の利益に反する場合において法律に定めるものを除き、勤労の権利を有する。
2 日本人は、公共の利益に反する場合において法律に定めるものを除き、職を選択し、その役員としての地位に就く権利を有する。
3 児童の酷使は、これを許さない。
 (不当な逮捕等を受けない権利)
第四十二条 全ての日本人は、現行犯罪又は大逆、内乱及び外患に関わる罪を除いては、裁判所が発する令状によらずに、逮捕されない。
2 全ての日本人は、法律に定める正当な手続きによらなければ、監禁及び審問を受けない。
3 処罰は、法律に定める正当な手続きに従い、公正な審判によりこれを執行しなければならない。
 (裁判官の裁判を受ける権利)
第四十三条 全ての日本人は、法律に定める裁判官による公平な裁判を受ける権利を奪われない。
2 全ての日本人は、法律に定める弁護人を依頼する権利を有する。被告人が弁護人を依頼することができないときは、法律の定める所により、国がこれを附する。
 (捜索を受けない権利)
第四十四条 全ての日本人は、現行犯罪、大逆、内乱又は外患に関わる罪その他法律の定めるところにより、急速を要する場合を除いては、裁判所が発する令状によらずに、その許諾なく、住所に侵入され、及び捜索されない。
 (秘密を侵されない権利)
第四十五条 全ての日本人は、公共の利益を著しく害すると認められる十分な理由がある場合において法律で定めるものを除き、その秘密を侵されない
2 何人も、日本人の秘密を不当に探知し、収集し、保有し、又は使用してはならない
3 日本人は、政治上の主義又は施策若しくは宗教上の宗派その他の政治的又は宗教的な事項について、絶対にその秘密を侵されない
 (名誉を侵されない権利)
第四十六条 全ての日本人は、自己に不利益な虚偽の事実を流布されない。
2 全ての日本人は、その事実の有無に関わらず、自己に不利益な事実に対する弁解及び反論の権利を有する
 (個人情報の保護)
第四十七条 全ての日本人は、その個人に関する情報を保護する権利を侵されない。
2 何人も、日本人の個人に関する情報を不当に探知し、収集し、保有し、又は使用してはならない。
 (所有権)
第四十八条 全ての日本人は、その所有権を侵されない。
2 公共の利益のために必要な処分は、法律の定めるところによる。
 (内心の自由)
第四十九条 全ての日本人は、内心の自由を侵されない。
2 前項の規定は、職務上必要な行為の強制を妨げない。ただし、これがために、内心の自由は害されない
 (信教の自由)
第五十条 日本人は、信教の自由を有する。
2 日本人は、いかなる宗教を信仰し、又は特定の宗教に関わる行為を行うことも強制されない。
3 公共の利益のために特に必要がある場合は、法律によって第一項の自由を制限することができる。ただし、これがために内心の自由は害されない
 (表現の自由)
第五十一条 日本人は、公共の利益に反する場合において法律で定めるものを除き、言論、著作、印稿、集会及び結社の自由その他の表現の自由を有する。
2 検閲は、してはならない。通信の秘密は、侵してはならない。
 (拷問の禁止)
第五十二条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対に禁止する。
 (犯罪被害者等の権利及び配慮)
第五十三条 犯罪による被害を受けた日本人及びその家族は、法律の定める所により、その被害について加害者に処罰と賠償を求める権利を有する。
2 犯罪による被害を受けた日本人及びその家族は、法律の定める所により、当該犯罪に係る刑事被告人の裁判に出席し、意見を述べる権利を有する。
3 国は、法律の定める所により、犯罪による被害を受けた日本人及びその家族の処遇に最大の配慮をしなければならない。
 (犯罪断定能力の限界)
第五十四条 全ての日本人は、法律に定める正当かつ適正な手続による場合を除き、自己に不利益な供述を強要されない。
2 拷問若しくは脅迫その他の強制行為による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
3 全ての日本人は、自己に不利益な唯一の情報が本人の自白であるとき、又は証言であるときは、無罪とされ、刑罰を受けない。
 (証拠の保障)
第五十五条 正確な証拠は、犯罪における結果において、最大の効力を有するものであり、全ての日本人は、正確な証拠を保存する権利を侵されない。
2 国は、全ての日本人の証拠を保存する権利を最大限保障するため、必要な施策を講じなければならない。
3 一の証拠は、他の多数の証言及び自白に優越する
 (家族)
第五十六条 家族は、愛と尊敬によって結ばれた共同体であり、国家の自然かつ、基礎的な単位として尊重されなければならない。又、家族は、互いに助け合い、互いを尊重しなければならないものであって、家族の国家に対する権利並びに家族の社会からの自由及び親の子に対する教育、監護その他の義務及び権利は、最大の尊重を必要とする
2 親は、子に対する唯一の権利を有し、いかなる機関又は団体その他のものによっても、子を奪われ、子に対する権利を制限され、子に危害を加えられない。ただし、子の利益に著しく反し、かつ子の生命又は心身の安全上特に緊急の必要があると認められる十分な理由があるときは、法律によって、一ヶ月を超えない範囲内において、子を離すことができる。
3 前項ただし書の場合においては、親の反論権は最大の尊重を必要とし、子が親への返還を要求したときは、直ちに親に返還しなければならないこの権利を害した者は、厳罰に服せられなければならない
4 国は、家族を保護し、発展させるために必要な施策を講じなければならない。国民教育においては、十分な家族の教育が保障されなければならない
 (公務員の権利の限界)
第五十七条 公務員は、我が国全体の奉仕者であることに鑑み、この節の条項の規定に関わらず、特段の必要がある場合には、法律の定めるところにより、制限を付することができる。ただし、この憲法が一切の制限を認めない日本人の権利については、公務員であっても、制限することができない
2 公務員は、前項の権利の制限に鑑み、法律の定めるところにより、正当に評価され、その努力及び結果に応じた待遇の適正その他必要な措置が講じられるものとする
 (公務員の選定及び罷免)
第五十八条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、日本人のみが有する固有の権利である
2 公務員は、我が国全体の奉仕者であり外国又は一部の奉仕者でない
3 全ての公務員の選挙について、法律の定めるところによる指定された年齢であって、日本人のみが行う国民選挙を保障する選挙は、国籍及び年齢以外を制限の事由とすることができない
4 公的あるいは私的に行われるものを問わず、いかなる選挙であっても、投票の秘密は、侵してはならない。その選択に関し公的にも私的にも責任を問われない。
5 全ての日本人は、公務員の選定及び罷免について、その制度の改正を国に請求する権利を有する。
 (請願)
第五十九条 請願及び陳情その他の方法により、政府に対し政策の改善又は提案をし、その他の事項について提案若しくは改善を求め、かつこれに回答を述べさせることは、日本人のみが有する固有の権利である。
2 全て日本人は、前項の行為を行ったがために、社会的不利益を被り、その他いかなる差別的待遇も受けない。ただし、自己の意思表示の範囲内において行われる日本人同士の正当な批判の行為についてはこの限りでない。
3 政府は、第一項の場合は、直ちに必要な検討を加えなければならない。検討の結果は、本人に通知されなければならない。
 (教育)
第六十条 全ての日本人は、教育を受ける権利を有する。
2 我が国の教育は、この憲法及び法律の定めるところにより行われる。
3 我が国の国民教育は、国家及び家族に対する理解を深め、国家の役割に基づき、国益追求を養い、現在の政治を判断し、健全な批判力と国際法の感覚を培い、政治的教養を有する国民を育成することを旨として行われなければならない
4 父母その他の保護者は、子に義務教育を受けさせる義務を負う。義務教育は、これを無償とし、国家の責任において行われなければならない。このために、国家の教育に対する必要な権利は、最大限尊重され、国民の教育に対する請求の権利が確実に保障されなければならない。
5 法律に定める学校は、政治教育その他いかなる政治的活動もしてはならない
   第五章 帝国議会
 (帝国議会の成立)
第六十一条 帝国議会は、衆議院及び帝国院の両院をもって成立する。
 (議員の選定)
第六十二条 衆議院及び帝国院は、選挙法の定めるところにより、国籍及び年齢以外の制限を置かない日本人の国民選挙で公選された議員をもって組織する。
2 衆議院の議員の任期は、四年とする。ただし、衆議院が解散された場合には、その期間満了前に終了する。
3 帝国院の議員の任期は、六年とし、三年に一度、半数を改選する。
4 衆議院及び帝国院の議員の資格は、日本の国籍を有し、日本人であって、法律で定める年齢の範囲内であることを条件とし、その他の条件は設けない。
 (両議院兼職の禁止)
第六十三条 何人も、同時に両議院の議員になることはできない。
 (法律の成立)
第六十四条 全ての法律は、帝国議会の協賛を経なければならない。
 (外部投票等)
第六十五条 入院その他の事由により、出席できない議員について、投票及び審議その他の出席が必要な議員の行為は、法律の定めるところにより、外部からこれを行うことができる。
2 前項の行為の様子は、公開されなければならない。
 (議決及び法案の提出)
第六十六条 両議院は、内閣の提出する法律案を議決し、及び各々法律案を提出することができる。
 (会期内再提出の禁止)
第六十七条 両議院のいずれかにおいて否決した法律案は、特別の事情がない限り、同会期中において再び提出することはできない。
 (意見の建議等)
第六十八条 両議院は、法律又はその他の事件について、各々その意見を政府に建議することができる。ただし、その採納を得なかったものは、同会期中において再び建議することはできない。
 (帝国議会の召集)
第六十九条 帝国議会は、毎年召集する。
 (会期)
第七十条 帝国議会は、法律に定める場合を除き、三箇月をもって会期とする。必要がある場合においては、両議院の議決をもって又は内閣がこれを延長することができる。
 (臨時会の開催)
第七十一条 臨時緊急の必要がある場合において常会の外、臨時会を召集しなければならない。
2 臨時会の会期及び会期の延長は、法律をもって定める。
 (同時開催)
第七十二条 帝国議会の開会、閉会、会期の延長及び停会は、両院が同時に行わなければならない。
2 衆議院の解散を命ぜられたときは、帝国院は、同時に停会されなければならない。ただし、内閣は、国に緊急の必要があるときは、帝国院の緊急集会を求めることができる。
3 帝国院の緊急集会において採られた措置は、次の会期において衆議院の協賛を経なければならない。
 (衆議院解散後の召集)
第七十三条 衆議院解散を命ぜれらたときは、法律の定めるところにより、新たに議員を選挙させ、解散の日から五箇月以内に召集しなければならない。
 (議事の実施)
第七十四条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上出席しなければ、議事を開き、及び議決をすることができない。
 (議決)
第七十五条 両議院の議事は、過半数をもって決する。可否同数であるときは、議長の決するところによる。
 (会議)
第七十六条 両議院の会議は、公開する。ただし、法律又はその院の決議により、秘密会とすることができる。
 (上奏)
第七十七条 両議院は、各々法律の定める所により、天皇に上奏することができる。
 (請願書等の受取)
第七十八条 両議院は、法律の定める所により、日本人から呈出する請願書その他の陳情を受けることができる。
 (規則の制定)
第七十九条 両議院は、この憲法及び議院法に掲げるものの外、内部の整理に必要な諸規則を定めることができる。
 (院内における発言等)
第八十条 両議院の議員は、議院において発言した意見及び表決について、法院外において責任を負わない。ただし、議員自らその言論を演説、刊行、筆記又はその他の方法をもって公布したときは、この限りでない。
 (一時不逮捕の権利)
第八十一条 両議院の議員は、現行犯罪又は大逆内乱外患に関わる罪を除き、会期中その院の許諾なく逮捕されない権利を有する。
 (政党)
第八十二条 議員又は議員に立候補する者をもって組織する政党及び政党内における意見の統一は、議員個人がその党から離脱できる限り、これを行うことができる。
 (出席)
第八十三条 内閣総理大臣及び国務大臣その他の政府委員並びにその院から要請を受けた者は、いつでも各議院に出席し、及び発言することができる。この場合において、議員でない者である場合の発言は、議員による発言とみなす。
   第六章 国務大臣及び内閣
 (国務大臣の輔弼及び責任の所在)
第八十四条 内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、天皇を輔弼し、その責任を負う。
 (内閣の組織)
第八十五条 内閣は、法律の定めるところにより、内閣総理大臣及びその他の国務大臣をもって組織し、行政について天皇を輔弼する。
2 内閣総理大臣は、内閣の首長であり、任意に国務大臣を罷免することができる。
 (内閣総理大臣及び国務大臣の任命)
第八十六条 内閣総理大臣は、帝国議会の議決で指名し、天皇が任命する。
2 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。
 (不逮捕特権)
第八十七条 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。ただし、これがために訴追の権利は害されない。
   第七章 司法
 (司法権)
第八十八条 司法権は、天皇の名において裁判所が行う。
2 裁判所の構成その他の事項は、法律で定める。
3 大審院は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する
 (裁判官の資格)
第八十九条 裁判官は、法律に定める資格を有する者をもって任ずる。
2 裁判官の罷免及びその他の事項は、法律で定める。
 (対審及び判決の公開)
第九十条 裁判の対審及び判決は、公開する。ただし、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があるときは、法律により、又は裁判所の決議をもって対審を公開しないで行うことができる。
 (特別裁判所)
第九十一条 特別裁判所の管轄に属するべきものは、別に法律をもって定める。
   第六章 会計
 (租税)
第九十二条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律をもって定めなければならない。ただし、報償に属する行政上の手数料及びその他の収納金は、この限りでない。
2 国債を起こし及び予算に定めるものを除き、国庫の負担となる契約をするには、帝国議会の協賛を経なければならない。
 (予算)
第九十三条 国家の歳出及び歳入は、毎年、予算をもって帝国議会の協賛を経なければならない。
2 帝国議会において予算を定めなかったときは、内閣は、前年度の予算又は暫定の予算を施行し、帝国議会の承認を求めなければならない。
3 予算は、先に衆議院に提出しなければならない。
 (継続予算)
第九十四条 一年を超えて固定の支出をする必要があるときは、内閣は、年限を定めて継続費として帝国議会の協賛を求めることができる。
 (予備費)
第九十五条 避けられない予算の不足を補い、又は予算のほかに生じた必要な費用に当てるため、予備費を設けなければならない。
 (会計検査院)
第九十五条 国家の歳出及び歳入の決算は、会計検査院が検査し、内閣は、その検査の結果を帝国議会に提出しなければならない。
2 会計検査院の組織及び職権は、法律で定める。
   第九章 改正
 (憲法改正の発議及び採決)
第九十六条 将来、この憲法の条項を改正する必要があるときは、勅命をもって議案を帝国議会に提出しなければならない。
2 前項の場合において、両議院は、その議院の議員の三分の二以上出席しなければ、議事を開くことができない。出席議員の三分の二以上の多数を得なければ、改正の議決をすることができない。
3 帝国議会が改正の議決をしたときは、法律の定めるところにより、直ちに国民投票に付さなければならない。国民投票において、三分の二以上の賛成があったときは、政府は、改正案を天皇に上奏しなければならない。
4 前項の国民投票は、国民の総数の過半数の投票がなければ、有効とすることができない。ただし、法律により、国民の総数の過半数以上を国民投票の有効条件とすることを妨げない。
5 天皇は、上奏された改正案を裁可し、その公布及び施行を命ずる。
 (憲法改正の禁止)
第九十七条 摂政を置き、又は占領され、若しくは国民を人質とされた場合その他天皇及び国民の自由な意思表明が保障できない間においては、憲法の改正、解釈の変更その他一切の憲法の直接的又は間接的な変更はすることができない
2 前項の規定に違反して行われた改正又は変更は、その効力を有しない
3 憲法改正の過程において、第一項の事態が発生したときは、その改正は停止しなければならない
   第十章 国家緊急事態
 (国家緊急事態の布告)
第九十八条 直接侵略又は間接侵略、大規模な騒乱、大規模な自然災害、国民生活に特に必要な物資の重大な欠乏により、特に緊急の必要があり、かつ通常の危機管理体制をもっては我が国の主権と独立を守り、国民の生命及び財産を保護することができないと認められるとき(以下「国家緊急事態」という。)は、内閣総理大臣は、閣議にかけて、天皇の裁可を経て、国家緊急事態の布告を発する。ただし、国家緊急事態に際し、特に緊急の必要があり、閣議を待っては、我が国の独立を守り、国民の生命を保護することができないと認められる十分な理由があるときは、内閣総理大臣は、閣議にかけずに、国家緊急事態の布告を発することができる。
2 前項の国家緊急事態の布告があったときは、直ちにこれにつき帝国議会の承認(衆議院が解散しているときは、帝国院の緊急集会による承認。以下同じ。)を求めなければならない。もし、帝国議会が承認しなかったときは、内閣総理大臣は、直ちに将来に向かってその効力を失うことを公布しなければならない。
3 第一項ただし書の場合においては、直ちに閣議にかけなければならない。
4 第一項の布告は、三十日ごとに、帝国議会の承認を求めなければならない。もし、帝国議会が承認しなかったときは、内閣総理大臣は、直ちに将来に向かってその効力を失うことを公布しなければならない。
5 内閣総理大臣は、第一項の布告を継続する必要がないときは、直ちに当該布告を解除しなければならない。
6 第四項の承認は、出席議員の三分の二以上の賛成を必要とする
7 百五十日を超えて布告を継続しようとするときは、両議院は、その議院の議員の三分の二以上が出席しなければ、議事を開くことができない
 (緊急政令及び緊急財政処分の決定)
第九十九条 内閣は、前条第一項の布告があった場合において、特に緊急の必要があり、かつ通常の法律の制定を待っては、我が国の独立を守り、国民の生命を保護することができないと認められる十分な理由があるときは、法律に代わるべき政令を発することができる。
2 内閣は、前条第一項の布告があった場合において、必要があるときは、政令をもって財政上必要な処分をすることができる。
3 前二項の政令を発したときは、直ちにこれにつき帝国議会の承認を求めなければならない。もし、帝国議会が承認しなかったときは、内閣総理大臣は、直ちに将来に向かってその効力を失うことを公布しなければならない。
4 第一項及び第二項の政令については、事前又は事後に、天皇の裁可を必要とする。
   第十一章 最高法益
 (最高法益)
第百条 この憲法は、我が国の主権と独立を守り、国民の生命、自由、財産を保護することを最高法益とする。政府は、この憲法の最高法益を希求しなければならない。
 (最高法規)
第百一条 この憲法は、国の最高法規であって、これに反する法律、命令、詔勅その他国務に関する一切の行為の一部又は全部は、その効力を有しない。
 (憲法尊重擁護義務)
第百二条 内閣総理大臣及びその他の国務大臣、帝国議会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し、擁護する義務を負う。
2 前項の規定は、改正の提案を妨げない。
   第十二章 補則
 (皇室典範の独立)
第百三条 皇室典範の改正は、帝国議会の議を経ることを要しない。
2 皇室典範をもってこの憲法の条規を変更することはできない。
 (皇室典範の改正禁止)
第百四条 摂政を置き、又は占領され、若しくは皇族を人質とされた場合その他天皇及び皇族の自由な意思表明が保障できない間においては、皇室典範の改正、解釈の変更その他一切の皇室典範の直接的又は間接的な変更はすることができない
2 前項の規定に違反して行われた改正又は変更は、その効力を有しない
   附 則
 (施行期日)
第一条 この憲法は、公布の日から起算して六月を経過した日からこれを施行する。
2 この憲法施行のための法令の制定その他の手続は、前項の規定に関わらず、その一部又は全部においてこの憲法の規定を準用することができる。

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【国を守るために改憲したら国が滅ぶというジレンマ】実は一番危険な改憲論、護憲論も危ない!「〇〇論」の普及が日本を救う!?

2023-09-04 06:58:47 | 憲法

いきなり、何を言っているのか訳がわからない人も多いでしょう。この記事は、特に改憲派の方々に読んでいただきたいものです。また、この記事は、護憲論を展開するものでもありません。

今の改憲論は危険だということを述べさせていただきます。しかし、緊急事態条項や国民の基本的権利を主な問題点として取り上げるわけではありません。

ただ、改憲論や護憲論を批判するだけではつまらないので、せっかくなので成立過程史も見ていきましょう。その上で、日本国憲法の正体と「〇〇論」の必要性について明らかにします。

この記事の終盤の内容は、成立過程史を根拠としているので、そこだけ見ても意味不明ということだけは言っておきます。

●憲法とは何か

まず、憲法の土台となる国家についてです。

当たり前ですが、国家には、決まった範囲の領土(りょうど)があって、その周りに領海(りょうかい)を持ち、それらの上に領空(りょうくう)を持ちます。これが国家の領域(りょういき)です。

領域の中にはそこで生活する人々がいて、この人々が国家を運営する主体となります。これが国民(こくみん)です。

国家が、領域や国民を支配する権利を、統治権(とうちけん)といい、これが対外的に独立(どくりつ)し、どの国の干渉も受けないようになると、国家主権(しゅけん)となり、主権を持つ主権国家独立国となります。

この主権、領域、国民が国家の三要素(こっかのさんようそ)です領域や国民がなければ、国家が成立しないのは分かるでしょう。では、主権はどうでしょうか。

主権を持たない国家は、どこかの国に属するか、他国の影響を強く受ける傀儡国家(かいらいこっか)になるしか、選択肢がありません。このような場合、当然、現地の国民の意思や利益が尊重されるわけがなく、現代の国家は、この主権を持ち、かつ独立し、主権と独立を守ることが重要なのです。

このような現代の国家は、対外的には軍事力を使用した防衛(ぼうえい)により、その主権と独立を保ち、対内的には公共の秩序を維持し、国民の安全を守るとともに、インフラの整備や教育など公共事業への投資(こうきょうじぎょうへのとうし)により、国民の生活の向上を図り、国民の自由と権利(こくみんのじゆうとけんり)を守ることが重要な役割だと考えられています。

このような役割を担うのが、国会や、内閣、裁判所などの国の機関です。例えば、防衛省や自衛隊は、このうちの防衛を担っています。警察は国内の秩序の維持を担っています。裁判所は、国内の秩序の維持と国民の自由と権利を守る役割を担っています。

国家は、これらの役割を限られた時間で果たすために、できるかぎり合意に努めます。これが政治です。ただし、限られた時間で対立を解消しきれず、合意に達しない場合は、権力による強制も避けられません。この権力が、政治権力です。

政治権力は、一見すると、国家による一方的な強制力のようにも見えますが、実は国民がその政治権力を承認しているから成立しているのです。国民の承認がない政治権力は、歴史上いくつか存在してきましたが、例外なく、その国家は消滅しています。国民の承認がなければ、政治権力を維持することは不可能なのです。

この政治権力に国民の承認を与え、その濫用を防ぎ、かつ、国家の役割を果たすために使えるように導くのが憲法(けんぽう)の役割です。

その中では、各国の歴史に根付いた役割(例えば、教育国では公共事業云々以前に教育自体が国家の役割となり得るし、外国人が多ければ異文化の調整も役割となり得る。)も尊重する必要があります。

憲法は、政治権力を行使する基準であり、その国の国柄を決定付けるものなのです。

●GHQの指示とGHQ草案の提示

ご存知の方も多いと思いますが、日本国憲法は「朕は、日本国民の総意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至つたことを、深くよろこび、枢密顧問の諮詢及び帝国憲法第七十三条による帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる。」という文にある通り、大日本帝国憲法を改める形で成立しました。

1945年10月、第二次世界大戦後に日本を占領していたGHQは、日本が受諾したポツダム宣言にある「民主主義的傾向の復活・強化」のために必要だとして当時の幣原喜重郎内閣に大日本帝国憲法を改めるよう指示しました。

しかし、ポツダム宣言第10項には「日本国政府は、日本国民の間における民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障碍を除去すべし。言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は、確立せらるべし」と書かれています。ここには憲法を改めるよう要求する文言はありません。

それゆえ、憲法学者の美濃部達吉氏と佐々木惣一氏は、大正デモクラシーの復活・強化の十分であるとして憲法を改めることに強く反対しました。その後、松本氏らが中心となって日本政府案(松本試案)が作られ、GHQに承諾を求めます。GHQは天皇の統治権が維持されているなど、アメリカの立場から見て、憲法を改めるのが不十分だとして拒否しました。

しかし、松本試案は名目上は天皇の統治権を維持しつつも、国民の完全な参政権を保障し、議院内閣制を念頭に置いた国民主権の憲法でした。議会の権限は大幅に強化され、国民の自由や権利も十分に保障されました。裁判官の裁判を受ける権利も、引き続き法律によっても制限されない権利としました。

それなのに、GHQは拒否したのです。しかも、まるで最初から押し付けるつもりだったような速さでGHQ草案を受け入れるよう厳しく迫りました。そのさい、GHQは首相官邸周辺にB29爆撃機を飛ばし、「原子力」という言葉を使って日本側を脅迫しました。また、GHQは自らの草案を受け入れなければ「天皇の身体を保障できない」と脅迫したとされます。

●国民への事前検閲―国民に自由意思はなかった―

GHQは1945年9月からプレスコードを出し、新聞から手紙まであらゆる出版物を厳しく事前検閲しました。GHQに対する批判は一切認められず、GHQによる事前検閲の存在に触れること自体が禁止されました。

特にプレスコードの第3項に規定される「GHQが日本国憲法を起草したことの言及と成立での役割の批判」はかたく禁じられました。「成立での役割の批判」とありますが、実際には言及そのものが禁止されたといわれます。実際、当時の新聞などで、日本国憲法に関するGHQの重大な関与を書いたものは存在しませんでした。

GHQで、日本人検閲官として働いた甲斐 弦氏は「GHQ検閲官」という自著で次のように書いています。

読んだ手紙の八割から九割までが悲惨極まりないものであった。憲法への反響には特に注意せよ、と指示されていたのだが、私の読んだ限りでは、新憲法万歳と記した手紙などお目にかかった記憶はないし、 日記にも全く記載はない。繰り返して言うが、どうして生き延びるかが当時は皆の最大の関心事であった。憲法改正だなんて、当時の一般庶民には別世界の出来事だったのである。……戦争の悲惨をこの身で味わい、多くの肉親や友人を失った私など、平和を念じる点においては誰にも負けないと思うのだけれども、あの憲法が当時の国民の総意によって、自由意思によって、成立したなどというのはやはり詭弁だと断ぜずにはおれない。はっきり言ってアメリカの押しつけ憲法である。……戦時中は国賊のように言われ、右翼の銃弾まで受けた美濃部達吉博士が、『これでは独立国とは言えぬ』と新憲法に最後まで反対したこと、枢密院議長の清水澄博士が責めを負って入水自殺を遂げたこと、衆議院での採決に当たって反対票を投じたのは野坂参三を始めとする共産党員であったことなど、今の多くの政治家(いや、政治屋か)や文化人たちは果して知っているのだろうか

●統制された帝国議会の審議―議会に自由意思はなかった―

日本政府がGHQ草案を受け入れた後、衆議院議員総選挙が行われました。しかし、1946年1月からの公職追放令の影響で、この選挙のときは現職議員の83%が公職追放により立候補できませんでした。新たに立候補しようとして内務省に資格があるか確認を依頼した者のうち、93名が追放されました。

5月から7月にかけて、議会審議中にも貴族院を含めおよそ200人の議員が追放されていしまいました。それでも、この総選挙ではさまざまな事柄が争点となり、特に食料問題をどう解決するかが争点となりました。しかし、憲法を改めることについてはほとんど争点になりませんでした。

こうした選挙を経て6月から10月にかけて帝国議会ではGHQ草案をほぼ無修正で日本語訳したものが政府提案として審議されました。しかし、議会審議では、細かな点までGHQとの協議が必要であり、議員はGHQの意向に反対の声をあげることができず、ほとんど無修正で採択されました。

こうした中で数少ない修正が主に衆議院憲法改正特別委員会小委員会の審議で行われました。しかし、数少ない修正のほとんどはGHQからの指示によるものでした。例えば、当初、政府案の前文は「ここに国民の総意が至高なものであることを宣言し」と記していました。

これはGHQ草案の段階で「茲ニ人民ノ意思ノ主權ヲ宣言シ」としていたものを、日本政府が国民主権の原則を変えないという条件の下、主権の権威を強める形で修正したものでした。それは、第1条で「主権の存する日本国民」としていたことからも明らかでした(ただし、ミスで抜けていたため議会審議中に修正された)。

小委員会もこの案をそのまま承認するつもりでしたが、国民主権を明記せよというGHQの指示があり「ここに主権が国民に存することを宣言し」と修正されました。小委員会の審議は秘密会として開かれ、新聞記者の入場も一般議員の傍聴も認められない密室の審議でした。この議事録は1995年まで秘密にされました。

さらに、日本側が出した修正点については全てGHQの許可と承認が必要でした。例えば、先ほどの衆議院憲法改正特別委員会小委員会でGHQの許可を経て芦田修正が発議されました。そして、小委員会で芦田修正自体が一部修正されて採択されても、GHQはその承認を保留していました。

その後、貴族院憲法改正特別委員会小委員会の審議で極東委員会はGHQを通して「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」という文民条項の追加を指示し、その通りに修正することで初めて芦田修正を承認されました。

この貴族院憲法改正特別委員会小委員会も、衆議院の小委員会と同じく秘密会として開かれる密室の審議でした。この議事録は1996年まで秘密にされました。

ところで、衆議院本会議の審議で日本共産党はGHQの意向に明確に反対して、日本国憲法に強く反対しました。野坂参三氏は日本共産党を代表して、完全な民主主義ではない、財産権を擁護し、労働者の権利の保障が不徹底である、我が民族の独立を保障しない、参議院はその性質が明らかにされておらず、天皇の特権になる可能性があるという点から反対しました。

我が民族の独立を保障しないという点で野坂参三氏は次のように述べました(原文は旧字体、「更に」などは直している)。

「さらに当草案(日本国憲法)は戦争一般の放棄を規定しております。これに対して共産党は他国との戦争の放棄のみを規定することを要求しました。さらに他国間の戦争に絶対に参加しないことを明記することも要求しましたが、これらの要求は否定されました。この問題は我が国と民族の将来にとって極めて重要な問題であります。ことに現在のごとき国際的不安定の状態の下において特に重要である、芦田委員長及びその他の委員は、日本が国際平和のために積極的に寄与することを要望されましたが、もちろんこれはよいことであります。

しかし、現在の日本にとって、これは一個の空文にすぎない。政治的に経済的にほとんど無力に近い日本が、国際平和のために何が一体できようか。このような日本を世界のどこの国が相手にするであろうか。我々はこのような平和主義の空文をろうする(「もてあそぶ」という意味)代わりに(「のではなく」という意味)、今日の日本にとってふさわしい、また実質的な態度をとるべきであると考えるのであります。それはどういうことかと言えば、いかなる国際紛争にも日本は絶対に参加しないという立場を堅持することである。

これについては自由党の北君も本会議のへきとう(劈頭。最初のこと。)において申されました。中立を絶対に守るということ、すなわち我が政府は一国に偏して(「かたよって」という意味)他国を拝する(「おがむ」という意味)というがごとき態度をとらず、全ての善隣国と平等に親善関係を結ぶということであります。もし政府が誤って一方の国に偏する(「かたよる」という意味)ならば、これはすなわち日本を国際紛争の中に巻き込むこととなり、結局は日本の独立を失うこととなるに違いないのであります。

我々は、我が民族の独立をあくまで維持しなければならない。日本共産党は一切を犠牲にして、我が民族の独立と繁栄のために奮闘(ふんとう)する決意をもっているのであります。要するに当憲法第二章(日本国憲法第9条)は、我が国の自衛権を放棄して民族の独立を危うくする危険がある。それゆえに我が党は民族独立のために、この憲法に反対しなければならない。」

傍線部のように「反対する」ではなく「反対しなければならない」とまで述べたのは、ここだけでした。しかし、GHQはこのような日本共産党の反対を絶対に公表しないよう、新聞会社などに厳しく迫りました。

日本共産党の厳しい反対の中、無所属議員1名の反対と合わせて反対8票、賛成421票で採択されました。GHQは反対票が投じられた事実を隠すため、議会審議の採決について「可決」したなど述べる場合を除き、一切触れないよう新聞会社などに厳しく迫りました。

その後、新たな憲法は『日本国憲法』として公布・施行されています。

繰り返しになりますが、ポツダム宣言は大日本帝国憲法を改めるよう要求していません。

独立国の憲法はその国の政府や議会、国民の自由意思によって作られます。したがって、外国に占領されているような時期にはつくるべきものではありません。それゆえ、占領軍がその国の憲法までを変えてしまうことは戦時国際慣習法で禁止されています。

また、戦時国際法の一つであるハーグ陸戦条約は占領軍は被占領地の現行法規を尊重すべきとしています。同じ考えから、フランスは1958年制定の憲法第89条第5項で「領土が侵されている場合、改正手続きに着手し、またはこれを追求することはできない」と規定しています。

日本政府はハーグ陸戦条約の規定は「交戦中のもので、終戦後に成立した日本国憲法は関係無い」と主張しています。しかし、サンフランシスコ講和条約には日本と連合国の戦争状態を終わらせるとの文言があり、日本国憲法制定当時の日本は法的には「交戦中」でした。

さらに、日本と同じく占領下のドイツは憲法を作らず、基本法としてつくることが認められ、議会審議もほとんど干渉なく行われました。対して日本は議会審議までGHQに完全統制されました。日本はドイツと比べて明らかに差別されていたのです。

こうしてできたボン基本法は「ドイツ国民が自由な決定によって決議する憲法が施行される日に、その効力を失う。」と規定しました。

●日本国憲法◯◯論―法的安定性問題の解決策はある―

それゆえ、成立過程からして日本国憲法は無効であり、新たな憲法は大日本帝国憲法の改正によって作るべきだとの議論が根強く存在します(日本国憲法無効論)。さて、「〇〇」の答えは「無効」でした。

日本国憲法が無効になれば、日本国憲法下に存在する現在の法律や裁判所の判決はどうなるんだと思う方もいるかも知れません。しかし、この法的安定性問題の解決策はあります。

その一つが推定有効という考え方です。これは日本国憲法は法的には無効だけれども、一旦、形式的には有効なものとして成立し、法律の制定や裁判所の判決を行う者の頭の中で「有効」だということになっている以上は、法律の制定や裁判所の判決は日本国憲法以外の別の法を犯していない限り、有効だというものです。

当たり前ですが、故意に法を犯して行った行為は無効(犯罪)です。日本国憲法も故意に法を犯しているので無効(犯罪)です。しかし、日本国憲法に基づき法律を制定し、判決を出す人は「日本国憲法は法的に有効だ」という嘘を信じ込まされているわけです。

そのため、これは故意ではなく過失によるものだといえます。過失というよりは詐欺により強制された行為です。それは法を犯して行った行為ではありますが、無効(犯罪)とまでは言えないわけです。

だから、法律の制定や裁判所の判決は、無効な日本国憲法を除く別の法(ルール)を故意に犯していない限り、有効なのです。

これが推定有効という考え方です。それは結局、日本国憲法が有効のようにも見えるので、「推定有効」とか「有効と推定されている」とか言われます。しかし、別に日本国憲法が有効になったわけではなく、そんな風にも見えるだけです。

大事なのは、法律の制定や裁判所の判決を行う者は「日本国憲法は法的に有効だ」という嘘を信じ込まされていて、故意に法を犯しているわけではないから、法律の制定や裁判所の判決までが無効(犯罪)だとは言えないというこです。

●まとめ

①憲法とは、国家の第1の役割である防衛、第2の役割である公共秩序の維持、第3の役割である公共事業への投資、第4の役割である国民の自由と権利の保障を果たすために行われる政治における権力の使い方を、その国の歴史や文化も考慮しながら正しく導くものである。

②日本政府はGHQの示した案をもとに、日本国憲法の原案を作成した。

③当時、GHQは国民に対して厳しい事前検閲を行い、国民の知る権利を奪った。特に「GHQが日本国憲法を起草したことの言及と成立での役割の批判」はかたく禁じられた。それゆえ、当時、国民は憲法問題に関して自由意思がなかった。

④議会審議では、細かな点までGHQとの協議が必要であり、議員はGHQの意向に反対の声をあげることができず、ほとんど無修正で採択された。それゆえ、議員には自由意思はなかった。しかし、ポツダム宣言やバーンズ回答は日本側の自由意思を求めている。また、戦時国際法や戦時国際慣習法は占領軍がその国の憲法までを変えることを禁止している。フランス憲法には占領中の憲法改正を禁止する規定があり、日本と同じく占領されたドイツのボン基本法はドイツ人の自由意思による憲法ができた日に失効すると規定した。

⑤それゆえ、成立過程からして日本国憲法は無効であり、新たな憲法は大日本帝国憲法を改正して作るべきだという議論が根強く存在する(日本国憲法無効論)。ただし、日本国憲法は故意に法を犯しているので無効であるが、それに基づくとしていても、日本国憲法は法的に有効だと騙されている者の行為までは故意に法を犯しているとは言えず、無効(犯罪)とは言えない。

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【危険思想】選択的(強制)夫婦別姓は全体主義の危険思想!~子どもの人権問題から~

2023-08-30 06:01:29 | 憲法

夫婦別姓をめぐる議論についてご存知でしょうか。主に選択的(強制)夫婦別姓が提唱されています。

私は「選択的」の部分の後に「(強制)」としているわけですが、これは一体どういう意味でしょうか。

今回は、これらについてまとめていきたいと思います。

●選択的(強制)夫婦別姓は全体主義思想~個人の尊重に反する~

いきなりよくわからないという方が多いでしょう。「選択的」とは、夫婦の自由なのだから、「全体主義」ではないだろと思う方もいるでしょう。

しかし、よく考えてみてください。海外で選択的夫婦別姓を認める国でも、わざわざ今日の日本のように強調したりしません。なぜなら「自由」だからです。

日本では諸外国以上に「選択的夫婦別姓」が強調されており、また、「夫婦別姓」をスタンダードにしようという考え方もあります。

日本社会は、誰かの言うこと(ここでは「選択的夫婦別姓」に弱い傾向)があり、「夫婦別姓」を強制して夫婦や個人の自由を侵害した全体主義につながるおそれがあります。

「「夫婦別姓」をスタンダードにしようという考え方」に至っては、ストレートに「夫婦別姓」を強制して夫婦や個人の自由を侵害した全体主義思想を表明したといえるでしょう。

しかも、「選択的夫婦別姓」を唱えるものの多くが、後者の考え方に従って、民法の規定を無視して「女性差別論」を唱えているものもあります。

少なくとも、現在の政治家が「選択的夫婦別姓」を実行すれば、間違いなく、「夫婦別姓」を強制して夫婦や個人の自由を侵害した全体主義に向かうことが懸念されます。

●男女は既に平等だ~むしろ男性差別問題が深刻~

先ほどの「女性差別論」について言えば、男女は既に平等です。日本国憲法は、国民の基本的な権利を保障し、その大原則として「法の下の平等」を保障しています。

民法は「両性の本質的平等」を規定しています。姓をめぐる問題でも、民法は夫婦のいずれかの姓とすることのみを定め、「女性」に限定していません。

むしろ、現代の日本社会では「男性専用車両」がないこと(女性専用車両を問題視しているわけではない。)や、遺族年金などのさまざまな制度における男性への不利益など、男性に対する偏見に基づく差別の方が根強く残っており、むしろ「男性差別」の解消が急務と言わざるを得ません。

●選択的(強制)夫婦別姓は子ども権利を侵害する

選択的(強制)夫婦別姓には、全体主義的というだけではなく、子どもの権利をめぐる問題もあります。夫婦別姓の場合、子どもの姓はどうなるのでしょうか。

そもそも、夫婦別姓を選択している夫婦の場合、自分たちの姓を一つにできていないのに、子どもの姓を選択することができるのでしょうか。

子どもの姓が決められなければ、子どもの権利を侵害することになります。

●夫婦同性による問題の解決策 その1~手続きの自動化~

よく、「夫婦同姓」は、手続きが面倒だという方がいます。しかし、手続きを自動化すれば良いのです。銀行や会社などと行政の連携を強くすれば簡単にできることです。

●夫婦同性による問題の解決策 その2~主姓と副姓・通称使用の拡大の考え方~

手続きが面倒という他にも、あえて、姓を変えたくないという方もいます。

夫婦を別姓とするのではなく、夫婦で決めた姓を「主姓」(しゅせい)とし、それ以前の姓を「副姓」(ふくせい)とすれば良いではないのでしょうか。

子どもの姓については、夫婦の「主姓」を子どもの「主姓」とし、夫婦のもう一方の主姓でない姓を「副姓」とすると良いのではないでしょうか。

このようにすれば、副姓は無限に拡大していくことになり、子どもが自分たちの先祖を知る手がかりにもなります。

または、旧姓の通称利用を拡大するという考え方もあります。全体主義や子ども権利などで、危険が多い選択的(強制)夫婦別姓に比べれば、こちらの方が断然良いでしょう。

●危険な全体主義・子ども権利侵害思想に基づく選択的(強制)夫婦別姓に反対しよう

このように、選択的(強制)夫婦別姓は、現在の日本社会を考えれば、明らかに「夫婦別姓」を強制して夫婦や個人の自由を侵害した全体主義の思想であり、また、子どもの姓を決定できずに子どもの権利を侵害する思想です。

この記事に共感された方は、ぜひとも、この危険な選択的(強制)夫婦別姓に反対し、夫婦で決めた姓を「主姓」とし、結婚前の姓を「副姓」とする方法や、旧姓の通称使用の拡大により、問題解決を図る方法を提案していく方法など、他の方法で夫婦同姓をめぐる問題を解決するよう提案していってください。

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【日本人ヘイト法廃止に向けて】「人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」を制定せよ【法の下の平等に反する日本人ヘイト法】

2023-08-28 02:30:55 | 憲法

今回は、日本人ヘイト法の廃止の際に必要な新法として「人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」を作成いたしました。日本人ヘイト法の問題点についてはこちらをご覧ください→【法の下の平等に反する】世界最悪の差別法は日本の『ヘイトスピーチ解消法』【違憲立法/日本人ヘイト法】

要点は以下の通りです。

・「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」を「人種等を理由とする不当な差別的言動」に改め、「人種等」を「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身」を定義した。

・第三条の責務を「国民」に限定せず、「何人も、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、人種等を理由とする不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない。」と規定した。

・世界で通用する法律とするため、国や地域を限定する「我が国の地域社会から排除することを煽動する」は削除した(法の精神や不当な差別的言動の定義自体に変化はない)。

なお、法案の作成に当たっては小山常実先生が、日本人ヘイト法への打ち返しとして作成された「日本国民及び本邦出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」を参考にしております(小山常実先生の記事→日本国民及び本邦出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案)。

※傍線部は日本人ヘイト法からの変化(改正ではない)。

   人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案

目次

 前文

 第一章 総則(第一条-第四条)

 第二章 基本的施策(第五条-第七条)

 附則

 国内外においては、近年、人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身を理由として、適法に居住する者に対する不当な差別的言動が行われ、その者又はその子孫が多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている。

 もとより、このような不当な差別的言動はあってはならず、こうした事態をこのまま感化することは、国際社会において我が国の占める地位に照らしても、ふさわしいものではない。

 ここに、このような不当な差別的言動は許されないことを宣言するとともに、更なる人権教育と人権啓発などを通じて、国民のみならず、あらゆる人に周知を図り、その理解と協力を得つつ、不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進すべく、この法律を制定する。

  第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消が喫緊の課題であることに鑑み、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「人種等を理由とする不当な差別的言動」とは、特定の人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身である者又はその子孫に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は著しく侮辱するなど不当な差別的言動をいう。

2 この法律において「人種等」とは、人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身をいう。

 (基本理念)

第三条 何人も人種等を理由とする不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、人種等を理由とする不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない。

 (国及び地方公共団体)

第四条 国は、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を実施するとともに、地方公共団体が実施する人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずる責務を有する。

2 地方公共団体は、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。

   第二章 基本的施策

 (相談体制の整備)

第五条 国は、人種等を理由とする不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するものとする。

2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、人種等を理由とする不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するよう努めるものとする。

 (教育の充実等)

第六条 国は、人種等を理由とする不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。

2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、人種等を理由とする不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

 (啓発活動等)

第七条 国は、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消の必要性について、国民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。

2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消の必要性について、住民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律の廃止)

2 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律は、廃止する。

 (不当な差別的言動に係る取組についての検討)

3 不当な差別的言動に係る取組については、この法律の施行後における人種等を理由とする不当な差別的言動の実態等を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする。

 

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