今二十歳になった末の息子がまだ幼稚園に通っていた頃、近所の日本人の方から仮面ライダーの録画ビデオを頂いた。
それが、ファイズだった。
仮面ライダーの主人公がイケメンでとか、子供と一緒に母親がはまるとか、聞いてはいたけれど、特撮で育った私としては、イケメン俳優で人気をとろうとしているなんてと、ちょっと見る気がしないな、と思っていたわけだ。でも、それは思い違いである事がわかった。
オープニングの主題歌で骨抜きにされる。こんなに素敵に特撮の主題歌が歌えるなんて!唄:ISSAとあるのを見て、”やっぱり‼”となり、変身のカッコよさ、洗練されたスーツのデザイン、スーツアクターさんの徹底した動きのすばらしさ。幼いころの感動がよみがえる。大人たちが心から楽しんでこの特撮作ってるなと、伝わってくるから面白い。子供だましじゃあないよ。大人がメロメロにさせられるよ。これを見たら、正義のヒーローになりたくなるよ。こんな番組作れるなんて、日本の国に生まれたことがうれしくなるよ。
小学校の頃、仮面ライダーのカードと言うか、プロマイドのようなものがおまけで着いていたカルビーの袋菓子、カード欲しさにいっつも買って、弟と怪人を集めて、たくさん集めたよな、と思い出す。確か一袋20円とかじゃなかったか。最初の怪人がクモ男だったような記憶がある。毎回出てくる怪人を覚えて順番で当てっこしたり、交換し合ったり。カード欲しさにお菓子を万引きする子もいたり。これが、メンコからの流れで、遊戯王カードゲームとかに繋がって行くわけだ。
アメリカで言えばベースボールカードになるわけだ。
とにかく、仮面ライダー1号から2号、V3、アマゾン、あたりまで、熱中してみていた記憶がある。それと並行して人造人間キカイダーがあって、変身物の全盛期が始まるわけだ。ウルトラマンは言うまでもない。ウルトラQからウルトラマンと続くまでは、特撮と言えるかわかんないが、サンダーバードとか、スタートレックとか、海外物を見ていたような記憶がある。
忍者赤影、怪傑ライオン丸、ジャイアントロボなどもあったな。マグマ大使ってのもあった。日本の特撮の歴史は、日本のモノづくりの歴史でもあるよな。これでもかと、言うくらい、追及して作って行くから、良いものにならないはずがない。そこには、損得抜きにしたモノづくりに対する日本人の根性があるんだと思う。手を抜かないんだ、納得しないと前に進めない。
日本の特撮、仮面ライダーのカッコよさ、なんて素敵なんだろう。
特に仮面ライダーって、ちょっと動きがナルシストで、自分に酔ってるでしょう。生身の人間がやったら嫌みになるけど、スーツ着た役者がやるからそうならない。完璧なフォルムの仮面ライダーが気取るから、全然変じゃない。
常々、思っていたことがある。
何で、西洋人よりもずっと貧弱に見えるアジア人の役者さんが出て演じる変身物が、特に仮面ライダーが海外で人気があるのかなと言う事。こっちの人は、特撮みたく、時間と手間がかかって、そのわりには利益が十分残らないようなものは作れないよ。いや、作らないんだと思う。もっと違ったやり方をするんだよきっと。レンジャーシリーズだって、変身以降のシーンは日本のテープまわして、変身前の人間が出るシーンだけこっちの俳優さんで演じなおして作ってるからね。だから、悪役は日本人が演じてるシーンそのまま使ってるし。
それと、
ヒーローの動きなんだと思う。モーション。空手や剣道、柔道と言ったものが基礎にある日本の格闘シーンは、型がきれいでしょ。人を投げまくるレスリングとは違うし、すぐ拳銃出してバーンといかない。
フェンシングと日本刀の殺陣であれば、断然後者だし。スターウォーズのジェダイが持ってるライフセーバーも刀の動きベースと言う話は有名。ジェダイは自衛隊からとっているだろうし、衣装は着物がベースになっている。
話が横にそれてしまった…。
とにかく、
仮面ライダーファイズ、一茶さんの唄と共に、不朽の名作です。
ダ・パンプの唄は今も聴くほど、ISSAさんの唄と声には惹かれてやみません。特に、Purple The Orion、名曲。