感動は命の肥し

曇りなき眼で、物事を見つめるなら必ずや真実を見極めることができる。覚醒の時を生きた記録として。

麦屋町昼下がり

2011-02-17 | 人物、映画、本、漫画、ドラマ
この単行本には表題作の他に3篇「三の丸広場下城どき」「山姥橋夜五つ」「榎屋敷宵の春月」
表題作が特に素晴らしい。
父をすでに亡くし、母を労わりながら暮らす小録の御蔵役人・片桐敬助は不伝流の俊才剣士。
弓削新次郎との白昼の決闘が緊迫感にあふれ、それと同時に、人を介して紹介された女性に対する
思いを、控えめに文章で表現してゆかれるのですが、奥ゆかしいのであります。
身震いするような深い読後感。
何度読んでも、この主人公には惚れます。感動します。

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