安倍政権は、セクハラ問題に幕引き
福田氏はセクハラ事実を認めることなく
処分も軽いものだった。
官邸も財務省も、新潮の記事が出た段階で、
すでにセクハラ被害の記者はテレビ朝日であったことを
把握していた可能性が高いという。
麻生氏の「もう少し大きな字で書いて」発言も
テレ朝との戦いなど軽いものだと
メデイアたたきに自信をにじませる。
テレ朝と官邸の勝負は今回も
官邸に軍配が上がったようだ。
腐った官邸はいつまで生き延びるのだろうか。。。
ーーーーーーーーーー 参考記事 ーーーーーーーーーーーーーー
麻生太郎、下村博文 セクハラ被害者を加害者扱いする呆れた発言録
http://news.nicovideo.jp/watch/nw3468332
麻生太郎 副総理兼財務相
「はめられて訴えられているんじゃないかとか、ご意見はいっぱいある」
朝日新聞デジタル 4月24日
福田氏の辞任を了承した4月24日の閣議後の記者会見で、「事務方のトップである事務次官が自身のセクハラ疑惑によって辞職するような事態に至ったことははなはだ遺憾だ」と語った麻生財務相。ただし、福田氏への処分は先送りとされた。その理由として語ったのがこの言葉である。
つまり、福田次官はセクハラの被害に遭ったとされる女性記者と彼女が所属するテレビ朝日にはめられた、ということだ。ネットなどでセクハラ被害にあった女性記者を攻撃する際に持ち出される「ハニートラップ説」である。作家の百田尚樹氏も「セクハラ発言をした次官はバカだが、一種のハニトラのようにも思える」とツイッターに書き込んでいる(4月18日)。
その後、行われた野党合同ヒアリングでは、財務省の柳瀬護参事官が「大臣は自分のネットワークの中で見聞きされた意見を述べただけ」と語っていたが、麻生氏の「ネットワーク」がどんなものかうかがい知れる。
立憲民主党の尾辻かな子氏は「セクハラ被害者への人権侵害だ」と非難。希望の党の山井和則氏は「被害女性を加害者扱いしている。根拠がないなら第二のセクハラだ」として、財務省に麻生氏の発言の撤回と謝罪を求めた(東京新聞 4月24日)。
なお、麻生氏は先週から「相手(被害を受けた女性記者)の声が出てこなければ、どうしようもない」「こちら側も言われている人の立場も考えないと。福田の人権はなしってわけですか」と一貫して福田氏を擁護する発言を続けていた。福田の人権はあっても被害者女性の人権はなしってわけですか。
◆
下村博文 元文科相
「隠しテープでとっておいてね、そしてテレビ局の人がですね、週刊誌に売るっていうこと自体が、ハメられてますよね。ある意味で犯罪だと思うけど」
TBS NEWS 4月24日
下村博文元文科相が22日に東京都内で行った講演で、セクハラ発言をしたとされる福田淳一財務次官は「ハメられた」とし、被害女性について「ある意味で犯罪」などと述べた。共産党が録音した音源を23日に公表した。麻生氏は「という意見もある」と濁していたが、下村氏は明確に被害者を加害者扱いしている。
セクハラ問題について、女性記者が所属するテレビ朝日は19日の会見で、約1年半前から取材目的で福田氏と1対1で会食するたびにセクハラ発言があり、自身の身を守るために録音を始めたと説明していた。
下村氏は23日、「『ある意味犯罪』と述べたのは表現が不適切でした。率直に撤回するとともに謝罪いたします」とコメントを発表し、謝罪した。「表現が不適切」というのは、大筋は変わらないが表現を間違えたということなのだろうか? 元財務官僚の山口真由氏は「ここまで被害者を中傷するのは、どう考えてもアウト」と下村氏を批判した(『羽鳥慎一モーニングショー』4月25日)。
下村博文 元文科相
「日本のメディアは日本国家をつぶすために存在しているのか、と最近つくづく思う」
共同通信 4月23日
下村氏は同じ講演会でこのように発言していた。これには与野党から批判が相次いだ。自民党の竹下亘総務会長は24日の記者会見で「政治家の発言は気をつけないといけない。メディアの一番重要な仕事は権力に対するチェックだ」と指摘。公明党の山口那津男代表も「まったく根拠のない発言だ。そうした発言は慎むべきだ」と批判した(朝日新聞デジタル 4月24日)。
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長尾敬 自民党・衆院議員
「こちらの方々は、少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です」
毎日新聞 4月23日
福田氏のセクハラ疑惑はどんどん飛び火して、それぞれのセクハラに対する認識や考え方をあぶり出している。自民党の長尾敬衆院議員は20日、「#MeToo」と書かれたプラカードを掲げて抗議の意思表示をしている野党の女性議員らの写真を自らのツイッターに掲載し、「セクハラはあってはなりません」としながらも「少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です」「私は皆さんに、絶対セクハラは致しませんことを、宣言致します!」と揶揄する書き込みを行った。
その後、「相手を選んでセクハラする宣言か」「発言自体がセクハラだ」などと批判が集中すると、「この方々へは、セクハラをしませんと宣言することが、セクハラになる時代なのでしょうか?」などと反論するツイートを行っていたが、結局まとめて削除。自らのブログで謝罪した。
セクハラ問題に取り組む島尾恵理弁護士は長尾氏の発言について「“私にとってセクハラとは縁遠い方々です”という表現、これが“私にとって性的な魅力の感じられない人だ”というレッテルを貼り付けたという意味で、セクシャルハラスメントである」と指摘している(MBS NEWS 4月24日)
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長尾敬 自民党・衆院議員
「男性がMe Tooと掲げられている事に注目してしまいます。私は、致しません」
ツイッターより 4月21日
こちらは現在も削除していない長尾氏のツイート。セクハラの被害者は女性だけではないということを理解しておらず、運動に賛同する意味も込めて当事者以外の人が「#MeToo」と掲げることがあることを知らないようだ。もしくは「#MeToo」そのものに反対しているのだろうか?
杉田水脈 自民党・衆院議員
「昨日も『魔女狩り』と書きましたが、#MeToo運動も含め、そろそろ女性が『辞めよう』と声を上げた方がいいと思います」
ツイッターより 4月20日
さらにストレートに「#MeToo」に否定的な議員もいる。かつて国会で「男女平等は、絶対に実現しえない反道徳の妄想です」と発言したことでも知られる自民党の杉田水脈衆院議員だ。杉田氏は福田氏のセクハラ疑惑についてツイッターで「冤罪もいいところ」と主張した上で、次のように述べた。
「とにかく女性が『セクハラだ!』と声を上げると男性が否定しようが、嘘であろうが職を追われる。疑惑の段階で。これって『現代の魔女狩り』じゃないかと思ってしまう。本当に恐ろしい」(4月19日)。杉田氏は翌日、「#MeToo運動も含め、そろそろ女性が『辞めよう』と声を上げた方がいいと思います」とツイート。運動そのものを完全否定してみせた。
なお、財務省は27日、「セクシュアル・ハラスメント行為があったとの判断に至った」と正式に発表した。福田氏から明確な反証が示されていないことを考慮した結果だという。福田氏は減給20%、6カ月の懲戒処分相当となり、5319万円の退職金から141万円が差し引かれて5178万円が支給される。矢野康治官房長は会見で「これをもって調査は終了する」と述べ、セクハラ疑惑に関する調査を打ち切る方針を示した(朝日新聞デジタル 4月27日)。
セクハラ疑惑を完全否定していた福田氏は先週、「裁判で争う」と明言していたが、この先の出方が注目される。
セクハラ音声公表でも全否定した財務省と麻生大臣「強気」の裏事情
「あそこならどうにでもできる」
ナメられていたテレビ朝日
『「女性記者も報告を受けた上司も、テレ朝の上層部がこの問題に対応してくれないことを分かっていたからこそ、外部の週刊誌に持ち込むしかなかった、というのがメディアの見立てです。というのも、今のテレビ朝日が、かなりの官邸寄りであることは外部にもよく知られていますからね」(同前)
テレビ朝日の関連会社である「Abema TV」が“安倍礼賛番組”を放送していることは有名だ。他にも15年に、『報道ステーション』のレギュラーコメンテーターで安倍政権に批判的だった古賀茂明氏が、不可解な経緯で番組を降板させられた事件などからも、そのスタンスは明らかだろう。
さらに言えば官邸も財務省も、新潮の記事が出た段階で、すでにセクハラ被害を受けたのがテレビ朝日の記者であったことを把握していた可能性が極めて高いのだ。
「だからこそ、財務省も麻生大臣も、『できるものなら名乗り出てみろ』と強気に出ることができた。要するにテレ朝は、『あそこならどうにでもできる』とナメられたんです。麻生氏や財務省の思い上がりにはあきれるよりありません」
麻生大臣は、テレ朝の公表を受けて、「(抗議文が)もう少し大きな字で書いてもらった方が見やすいなと思った程度に読んだ」と、問題をちゃかすような発言をしており、福田次官が辞任をして以降も、「(自分の)進退については考えていない」と強気の姿勢を崩していない。
また、ネット上では安倍政権の擁護派を中心に、セクハラ被害を訴えた女性記者やテレビ朝日の上司に対する批判が噴出。個人名まで特定される騒ぎとなっている。しかし舞台裏を知れば、こうした批判の多くが、いかに的外れかが分かるはずだ。
政治家、官僚、そしてマスコミと、この国の劣化ぶりは、相当に深刻なようだ。』