最近『メモ』発信が、週刊以上となってしまっている。
『コロナ渦』に加え、昨今発生の『大地震』、『ウクライナ侵攻』に伴う『食料安保』など、我々を次々と襲う『危機』が、いくつも重なる『複合危機』の様相となり、一つの『危機』が、世界的に『複雑』に絡まり始めているように思える。
これまで学んできた『危機を危機と感じる行動』だけでは、『予測』ができないようにも思え、さらに広く、雑多な事を収集し、整理を始めたのだが、まだまだ理解ができない事が多く進んでいない。
例えば、『穀物危機』一つでも、単に『ロシア・ウクライナ事情』だけでなく、これに加え『地震』や『気候変動』も加味した『複合危機』までを、喫緊の課題として『想定』しておく必要もあるのでは・・・と思うところからである。
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こんな、もやもやの中で、桜が咲き始め、『マン防』も解除となったが、この日曜日の夜、『秘密部屋』の主(あるじ)から、『お花見』の誘いを受けた。
久しぶりに『リアル飲み会』となり、色々な話題へ展開したが・・
今日の宴を主催してくれた主より、10年ほど前まで住んでいたマンションが、『三回目の大規模修繕工事』の計画に入るらしく、現理事長から、この時の作業経緯や、過去策定の『資金計画』について問い合わせがあり、『マンションは終の棲家とできるか』・・との話題へネタ振りがあった。
町医者、元土建屋、税理士、に加え、マンションの理事を経験した仲間が二人いたので、いつもの『ワイガヤ』とは、少し趣の違う、『第一回 修繕特別委員会』的な内容で、盛り上がってしまった。
ネタ振りの主は、『某マンション』居住時、理事として『大規模修繕工事』に係わり、本業の研究開発がメチャクチャ忙しい中、会社業務を参考にしながら、『仕様確定』から『相見積』などの会計を引き受けていた。
今日の話の『切口』は、この工事完了後、彼が見直しをかけた『資金計画』についての、問い合わせだったようであり、『マンションの将来像』を改めて感じた事かららしい。
思い起こすと、小生が、今住んでいるマンションの『第一回大規模修繕』に係わっていたことから、彼から、『大規模修繕』での『工事内容』に係わる色々な質問が飛んできており、『相見積』の『最後の決心』はどうすれば・・と、究極の決心の相談を受けた記憶もある。
ちょうどこの頃、東京転勤で大阪を離れていたが、我がマンションも『二回目の大規模修繕工事』に入っており、東北の地震後の『資材調達難』や『価格高騰』などを受け、工事費用が膨らんでいることを、管理組合から送付していただく『臨時総会資料』などで理解を深め、今後の在り方として、『修繕補修工事』と『資産価値向上工事』についても、『同時検討』が必要ではと、やり取りをしていた。
+**
話が進む中、『戸建』に住んでいる仲間から・・・
『終の棲家』という事で・・
最近、時々、テレビ報道で、幽霊屋敷のような『ボロボロマンション』が映しだされるけど
『マンションはどのくらい持つん』『いつまで住み続けられるの?』
『長期修繕って、どのくらいお金かかるの』
『建て替えるとなったら、えらいお金かかるんとちゃうの』・・
という『質問』が出てきた。
これに対し、元土建屋から『一戸建』でも、最近は『50年~70年』や
『戦後しばらくして建てた家やと、今や、70年超は当たり前』
昔は『いい材』使った『100年住宅』があったけど、
安価にするため『新建材』を使うようになり、耐久性は低くった。
『70年は、もうそろそろあかんで』どこかのタイミングで壊して、『建替』せなあかんわ。
但し、『大規模修繕』やないけど、『外壁塗装』や『屋根瓦交換』『防水工事』を、『ちゃんとやっとったら』『ある程度までは、長持ちはできるが・・』
特に、最近は『接着剤』の使用が多く、これ次第や・・・との説明も
たぶん『100坪の家やと』『壊して建て直したら』『エイヤ、最低2000万』『土地代はいらん事が前提や』
親から引き継いだ土地家屋を、『そのまま建替』となると、そら無理やで。
『300坪』もあったら、『半分売却』。これで『建屋費用充当』くらいしか、手はないは。
市内でも、大きなお屋敷が、だんだん小さくなっている
『相続税で半分』『建替でまた半分』『敷地売却』・・との
生々しい現実の話も。今日の主も、今後が大変なのかもしれない。
+**+*
ところで『マンション』も『建替は必要なん?』との本題へ
彼から続けての説明が・・・
今の『マンション』は『鉄筋コンクリート造り』が殆ど
いまさらの『化学』の勉強は、いややけど・・
『セメント』は、『カルシュウム化合物』最初は『アルカリ性』。
ここへ、『炭酸ガス』や『硫黄系排ガス』などが、表面の穴やひび割れから入り込み、『中和反応』が起こる。
こうなると、『砂』などと合わさった『コンクリート』は、『もろくなり』、さらにひどくなると、内部に組み込まれた『鉄筋』は錆び、隙間ができたり、崩れ落ちたりしてしまう。
『新建材』などと一緒やけど、『化学物質』は『化学変化』することは、避けられない。
『大規模修繕』では、傷んだところ、『爆裂』を削り出し、錆を落としたり、再塗装するが、これでも『風化劣化』は否めない。
特に『ミキサー車』で打込むようになってから、この『劣化促進』は顕著になったと言われ、『100年は到底無理』・・との見解が
***+*
こうなると、『マンション』も『建替検討』が、早晩必要となる。
『建替』となると、『壊して』『更地化』『建家工事』で、膨大な『お金』が必要となる・・・
『空いてる土地を売るとか』『高層にして、増加分・分譲』なんかで・・
なんとか『チャラ』にできるのでは・・・との話へ展開。
これについては、市の条例などで、敷地当たりの『居住者規制』『保有空間』の規制があったり、最近では『環境規制』で『公園』などの『空地確保』の要請もあり、高さも『日影権利』で、よっぽどの街中でない限り、住宅地に『高層物』を『建築』することは難しくなってきている・・・と、
追加説明してくれたが・・
現実的には『ただでは、建て替えはできない』との結論が
ちょうど、先週、我がマンションで、市へ駐輪場新設の申請を提出した際、敷地面積が、竣工当時の建築確認許可と異なっている事が判明し、この対応での臨時総会が開かれる事となったが、
もし、何十年か先、『マンション建替』が必要となった場合、実測での『敷地面積減』や、新たな『規制適用』などで、『空間容積規制』を受け、『現住戸数』を確保できなくなる可能性もある。
こんな事から、どうなるかが心配であり、私的に試算してみた資料を、手元のタブレットに残していたので・・・
『建替費用負担』の参考になるかと思い、みんなに見てもらった。
**+*
開口一番、『ええとこ突いとる』とのコメントが。
今のままやったら、間違いなく、新戸数は減るで。
そして、昨今の『建築費高騰』を見てると、お前んとこやったら、『50億』、それよりもう少し高く見とかなあかんは
これに、『非入居保証』を考えると『60億』以上はいくで
販売時は、売価平均 2200万円として、250戸で55億程度の実入り
土地が、畑・山地で 5000坪弱。 坪2万としても 1億
土地整備をあわせて数億まで。バブル前やったから、儲けは、瑕疵補填も加え約半分あったとすれば、建屋は25-30億程度で作れてた
ここから考えても、建屋単価アップ1.5倍で45億だが、解体費用と設計費用がかなり高く、この分が足りないかも
さらには、奥まった所にあり、近接住戸もあるので、この分割高となる。
こうなると、『50億』は優に超え、
『建替費用』は、1戸あたり『2千万』ではなく、『3千万』近くになるかも・・・と、元プロの、粗々の概算が示された
やはり『建替は、相当な出費を覚悟』となることが確実となった
聞いていた仲間から、『建替』で、こんな『費用負担』が必要なのなら
『新築買うた方がええかも』『ローン借りれるんか?』
『息子へ譲ろうと思ったら、先まで考えなあかんは~』
『ボロボロで、みんな早々に出て行ってしまったら、どうなるんやろ』
『建替の間、どこかへ引っ越しも必要や。これもお金かかるは。』
・・などの意見も
『70-80年で建替』となると、あと『40年』くらい先の話であるが・・
最近、中古で『比較的安価』として購入された20代の方や、親の家を引き継ぐことになった方などは、
『40年後』となると、『定年』近くで、この『二千万』の『高額』を、どう『負担』するか・・との、具体的な話も出てきた。
生々しい『直球』を放り込んでしまった。
我々の少し上の世代から購入が始まった『マンション』は、今や『50年選手』であり、『老朽化メンテナンス』と共に、『建替』という、次の『課題検討』へ進む必要もあるのでは・・・と、話題が展開する中で感じた。
そして『大規模修繕』の話題へ。
時々、近くの『マンション』では、外壁をメッシュシートをかぶせて、何か月も『塗装工事』をしているのを見かけるが
『どのくらいのタイミングで・・』『お金はどのくらい』などとの『質問』が出てきた。
今日の主からも、『自分が係るまでは総会資料すら、見たことはなかった』との発言が。『マンション入居者』でも『当事者』とならない限り、よくわからない事なのが『現実』だ・・と、追加コメントを入れてくれた。
今日参加の元理事長から、昨夏、『理事拝命したが、右も左もわからん』との事で、参考までに、小生が、総会資料に添付の、管理会社が策定の『修繕計画表』を、判りやすいようにまとめなおした『長期修繕計画案』等を思い出し、送信していたが、これが、タブレットの添付文書に残っていたのを見つけ、参考までに大画面へ展開してみた。
ちょっと細かい数字であるが・・・
一部10階建ての2棟、250戸ほどのマンションで
『外壁塗装』『屋上防水』などの『大規模修繕』で『1億7千万』、
毎日の生活に係わるインフラとして
『エレベーター老朽化更新』は、値切って『 7千万』
さらに『上水管更新』は『1億以上』となっており・・・
『億単位』での工事が、あたりまえとなってきている
・・とポイントを説明。
仲間たちが、定年前務めていた会社での工事金額から判断して、額的には大きな工事規模と思えるが、『戸建住民』には、『何がどうなるの』と『ピン』とこない数字でのようである。
たぶん『戸建』では『外壁塗装』などは、高くても『数百万』、屋根を修理をあわせても『五百万円』まではいかないだろう。
『高層マンション』の場合、『足場架設』や『共有部』などの費用が大きく上乗となり、この『大負担』は仕方ない・・との、プロの説明が。
そして、昨今の『資材高騰』や『人件費高騰』を考えると、これからは、もっと『負担額』は大きくなるはず・・とも。
この『修繕工事』に加え、『マンション価値』を上げるための工事も必要であり、我がマンションでは、前回の『大規模修繕』で、『エントランスドアー自動化』や、共有部である『玄関ドア一斉交換』、共用廊下やベランダは『滑止めシート防水への仕様変更』のなどを追加し、『2~3千万』上乗せとなったが、『資金』が『潤沢』でないとできない・・と付け加えた。
この『大規模修繕工事』のため、一般的な『分譲マンション』では、普段の『管理業務』に使う『管理費』とは別に、『修繕積立金』として、保有する『区分所有者』から『徴収』し、『別途積立』を行っている。
我がマンションでは、『専有部面積』で『積立金』が決まり、各戸、月平均1万円弱、年間2,900万円ほどが積みあがる。
『大規模修繕』で2億の工事をするためには、7年近く必要となり、この間『鉄部塗装』などが入ってくるので、かなりギリギリである・と説明。
日経新聞やったか産経新聞かで、『マンション・修繕積立金不足』という記事を見たことがあるが、この事なのか。
たしかに『戸建』では意識しておらず、壊れたら『直す』位の感覚やけど、規模が大きくなると『積立』ておかないと、大変なことになるんやな・・
『息子が買うたマンション、管理費安い言うてたけど、積立金、どないなってるか聞いてみるは』『入った時、安いのはありがたいけど、将来修繕出けんで、ボロボロになるのはいややな』との発言も
こんな事から、もう少し、表を追加して説明ほしいとの要請が・・
工場の『補修計画』と同じように、『マンション』でも、『塗装工事』や『ポンプ』『分電盤』の『定期交換』など、中長期な『工事予定』で『修繕計画』を作成し、『資金バランス』を見ている。
ここへ、『資材高騰』や『人件費』などと共に、『工事監督』を外部委託する場合は、10%程度上乗せが必要となる場合もあり、予備費として『緊急対応』まで見て、『資金不足』とならないようにしている。
当然『消費税Up 』などは大きく影響してくるので、早めの情報が必要となる。
そして、不足する場合は『工事内容』『工事時期』の見直しと共に、どうしても不足する場合は、『積立金改訂』も急務であるが・・
値上げとなると『区分所有者』の反対も見込まれ、早い時期から、月1500円、年で2万円弱程度、総会決議でお願いすることが必要となる。
+*+*
たぶん、こんな事が、今日の主へ、元マンションからの問い合わせの主旨かもしれないが、『新規入居者』などに、『長期修繕の重要性』を理解してもらうには、日頃からの広報が重要そうである。
そして、だんだん話が煮詰まってきたが・・・
『マンション建替』となると『資金が必要』
そうなると『長く住むことを考える』を考えたら・・との意見も。
どうすれば・・・
『マンションを大事に使う』
『維持補修をまめにする』
そして
『快適に生活するための改造』 等も必要では・・とのアイデアも
いい案なので、主も、今回の問い合わせに、追記したいとの事。
我がマンションだと、あと『40年』住み続ける必要がある。
『大事に使う』ためには、日ごろの『点検強化』が重要であろう。
『早期発見、早期対応』が『肝』であり、
日々、管理を委託している『管理会社』の『アンテナの高さ』と共に、
『理事会』自身での『パトロール』も必要なのかもしれない。
『自分の身は、自分で守る』そのために『地を知る』事が重要そうである
そして『維持補修』の話に入ったが・・
土建のプロから、マンションの、今後の『致命傷』となるのは、
『排水』『窓サッシ』『専有部、屋内配管』と『電気幹線』
位で、今は『問題』なく生活ができていても、いきなり『ブレーク』することもあり、これらを『重点対応』として、とらえておく必要があるのでは・・との説明が。
そして、これらの『補修工事』を『長期修繕計画』に入れ込む必要があるが、『予防工事』的で『高金額』となり、『専有部の工事』なども含まれるため、『マンション延命』という事で、『区分所有者』の『理解』と『協力』を得る必要があるが、『建替』への『延命効果』は大きいのでは・・との事。
詳細は、別途教えてもらうことにしたが・・
『マンション』の『排水管』は『立て管』と『横引』があり、『建屋内』に埋め込まれ、一番下は『1F』の『床下』で、『地下室』でもない限り『地中』へ『埋設』されており、この『横引』の『入替』が、ポイントとの事。
我がマンションでも、5年ほど前、『排水管点検』で、『横引管』の『勾配不良』の不具合が認められ、『専用庭』から『1F住戸下』までモグラのように『地下掘削工事』で対応したことがあるが、『工事期間』『工事費用』ともに大変な『工事』だったことを思い出した。
(タブレットに残していた、下部、参考資料を紹介)
そして二点目の『窓サッシ』。
最近は、昔の公団や学校などで使っていた、『鉄枠ぶら下がり式』ではなく『アルミサッシュ』となり、家屋内への雨風や、ほこりの侵入も少なくなったが、『サッシュ枠取付』が『コンクリー埋込木枠』の場合もあり、何年もつかが心配との事。
『サッシュが動かなくなる』場合もあり、『雨水侵入』で『漏水』の危険性もある。
たしか、国交省の『修繕計画指針』では、『35~40年で交換』と書いてあったような記憶はあるが、『延命』のためには『点検』と共に、どこかで『全面交換』も必要なのかもしれない。
ただ、『枠』を外しての工事となると、『スケルトン住戸改装』に近くなり、『現有枠』に『はめ込む』のが現実かもしれないが・・
掃き出しが高くなるなど問題点もある。そして、足場のない窓は、『大規模工事』の『クラック補修・塗装用足場』のある間に、先行して行う必要があり、『工事期間』も長くなる。
そして、最大の問題が『費用』。その道には詳しくないが・・
たぶん、何枚かの開口窓があれば、1戸あたり、最低でも100万近くかかり、『大規模修繕費』は大きく積みあがってしまう。
そして『共用部改修』なので、『全戸工事対象』となり、『費用』と『工事仕様』に加え、『窓がない時間』があることの『了解』を得る必要もあり・・
なかなか大変そうであるが、『雨漏』を考えると、『全補修』も必要かもしれない。
『専有部・屋内配管』も各戸が『リフォーム時』、適宜交換されたりはしているが、共有部から専有部への埋設部や、コンクリート埋込のガス管など、『専有部・屋内』も考慮しておかなければならないが・・・
『床下工事』となると、『フローリング捲り工事』も発生し、この点どこまで対応するかである。
『電気幹線』についても、1900年代の初めのころのマンションは、まだ『IH対応』ではなく、『200V』『3Φ』でないところも多い。昨今の『オール電化』などを考えると、『幹線工事』と共に『分電盤』さらには『受電設備』などまでを含めた『模様替え』をどこかで検討する必要があるのかもしれない
こんな『将来計画』を『壁面塗装』『防水工事』などの『大規模補修』に組み合わせ、工事を進める必要があり、このためには『将来計画』を明確にられることが重要となってくる
・・・と、『戸建住人』でプロの『マンション管理士』でもない、『土建屋』が、『修繕工事』を熱く語ってくれた。
*+***
時間が、だんだん遅くなり、酔いもまわってきたので、『お開き』としたが、
招待主から、『とんだネタ振りであったが』、今日の『臨時、修繕委員会もどき』で色々と有用な話題が聞け、元住んでた所の理事長へ、
『大規模修繕で何を求めるか』・・というアドバイスができそうとの御礼があった。
『マンションを終の棲家』と決めらた方も、
そこが『思想の我が家』となるように
『住環境』と共に、『建屋も老化』という事も
意識しなければならないのでは・・・と
あらためて思い起こした『夜の宴』であった。
<参考資料>
参加者へ参考として見てもらった、
『排水管工事時』の『もぐら工事』事例
『コロナ渦』に加え、昨今発生の『大地震』、『ウクライナ侵攻』に伴う『食料安保』など、我々を次々と襲う『危機』が、いくつも重なる『複合危機』の様相となり、一つの『危機』が、世界的に『複雑』に絡まり始めているように思える。
これまで学んできた『危機を危機と感じる行動』だけでは、『予測』ができないようにも思え、さらに広く、雑多な事を収集し、整理を始めたのだが、まだまだ理解ができない事が多く進んでいない。
例えば、『穀物危機』一つでも、単に『ロシア・ウクライナ事情』だけでなく、これに加え『地震』や『気候変動』も加味した『複合危機』までを、喫緊の課題として『想定』しておく必要もあるのでは・・・と思うところからである。
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こんな、もやもやの中で、桜が咲き始め、『マン防』も解除となったが、この日曜日の夜、『秘密部屋』の主(あるじ)から、『お花見』の誘いを受けた。
久しぶりに『リアル飲み会』となり、色々な話題へ展開したが・・
今日の宴を主催してくれた主より、10年ほど前まで住んでいたマンションが、『三回目の大規模修繕工事』の計画に入るらしく、現理事長から、この時の作業経緯や、過去策定の『資金計画』について問い合わせがあり、『マンションは終の棲家とできるか』・・との話題へネタ振りがあった。
町医者、元土建屋、税理士、に加え、マンションの理事を経験した仲間が二人いたので、いつもの『ワイガヤ』とは、少し趣の違う、『第一回 修繕特別委員会』的な内容で、盛り上がってしまった。
ネタ振りの主は、『某マンション』居住時、理事として『大規模修繕工事』に係わり、本業の研究開発がメチャクチャ忙しい中、会社業務を参考にしながら、『仕様確定』から『相見積』などの会計を引き受けていた。
今日の話の『切口』は、この工事完了後、彼が見直しをかけた『資金計画』についての、問い合わせだったようであり、『マンションの将来像』を改めて感じた事かららしい。
思い起こすと、小生が、今住んでいるマンションの『第一回大規模修繕』に係わっていたことから、彼から、『大規模修繕』での『工事内容』に係わる色々な質問が飛んできており、『相見積』の『最後の決心』はどうすれば・・と、究極の決心の相談を受けた記憶もある。
ちょうどこの頃、東京転勤で大阪を離れていたが、我がマンションも『二回目の大規模修繕工事』に入っており、東北の地震後の『資材調達難』や『価格高騰』などを受け、工事費用が膨らんでいることを、管理組合から送付していただく『臨時総会資料』などで理解を深め、今後の在り方として、『修繕補修工事』と『資産価値向上工事』についても、『同時検討』が必要ではと、やり取りをしていた。
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話が進む中、『戸建』に住んでいる仲間から・・・
『終の棲家』という事で・・
最近、時々、テレビ報道で、幽霊屋敷のような『ボロボロマンション』が映しだされるけど
『マンションはどのくらい持つん』『いつまで住み続けられるの?』
『長期修繕って、どのくらいお金かかるの』
『建て替えるとなったら、えらいお金かかるんとちゃうの』・・
という『質問』が出てきた。
これに対し、元土建屋から『一戸建』でも、最近は『50年~70年』や
『戦後しばらくして建てた家やと、今や、70年超は当たり前』
昔は『いい材』使った『100年住宅』があったけど、
安価にするため『新建材』を使うようになり、耐久性は低くった。
『70年は、もうそろそろあかんで』どこかのタイミングで壊して、『建替』せなあかんわ。
但し、『大規模修繕』やないけど、『外壁塗装』や『屋根瓦交換』『防水工事』を、『ちゃんとやっとったら』『ある程度までは、長持ちはできるが・・』
特に、最近は『接着剤』の使用が多く、これ次第や・・・との説明も
たぶん『100坪の家やと』『壊して建て直したら』『エイヤ、最低2000万』『土地代はいらん事が前提や』
親から引き継いだ土地家屋を、『そのまま建替』となると、そら無理やで。
『300坪』もあったら、『半分売却』。これで『建屋費用充当』くらいしか、手はないは。
市内でも、大きなお屋敷が、だんだん小さくなっている
『相続税で半分』『建替でまた半分』『敷地売却』・・との
生々しい現実の話も。今日の主も、今後が大変なのかもしれない。
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ところで『マンション』も『建替は必要なん?』との本題へ
彼から続けての説明が・・・
今の『マンション』は『鉄筋コンクリート造り』が殆ど
いまさらの『化学』の勉強は、いややけど・・
『セメント』は、『カルシュウム化合物』最初は『アルカリ性』。
ここへ、『炭酸ガス』や『硫黄系排ガス』などが、表面の穴やひび割れから入り込み、『中和反応』が起こる。
こうなると、『砂』などと合わさった『コンクリート』は、『もろくなり』、さらにひどくなると、内部に組み込まれた『鉄筋』は錆び、隙間ができたり、崩れ落ちたりしてしまう。
『新建材』などと一緒やけど、『化学物質』は『化学変化』することは、避けられない。
『大規模修繕』では、傷んだところ、『爆裂』を削り出し、錆を落としたり、再塗装するが、これでも『風化劣化』は否めない。
特に『ミキサー車』で打込むようになってから、この『劣化促進』は顕著になったと言われ、『100年は到底無理』・・との見解が
***+*
こうなると、『マンション』も『建替検討』が、早晩必要となる。
『建替』となると、『壊して』『更地化』『建家工事』で、膨大な『お金』が必要となる・・・
『空いてる土地を売るとか』『高層にして、増加分・分譲』なんかで・・
なんとか『チャラ』にできるのでは・・・との話へ展開。
これについては、市の条例などで、敷地当たりの『居住者規制』『保有空間』の規制があったり、最近では『環境規制』で『公園』などの『空地確保』の要請もあり、高さも『日影権利』で、よっぽどの街中でない限り、住宅地に『高層物』を『建築』することは難しくなってきている・・・と、
追加説明してくれたが・・
現実的には『ただでは、建て替えはできない』との結論が
ちょうど、先週、我がマンションで、市へ駐輪場新設の申請を提出した際、敷地面積が、竣工当時の建築確認許可と異なっている事が判明し、この対応での臨時総会が開かれる事となったが、
もし、何十年か先、『マンション建替』が必要となった場合、実測での『敷地面積減』や、新たな『規制適用』などで、『空間容積規制』を受け、『現住戸数』を確保できなくなる可能性もある。
こんな事から、どうなるかが心配であり、私的に試算してみた資料を、手元のタブレットに残していたので・・・
『建替費用負担』の参考になるかと思い、みんなに見てもらった。
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開口一番、『ええとこ突いとる』とのコメントが。
今のままやったら、間違いなく、新戸数は減るで。
そして、昨今の『建築費高騰』を見てると、お前んとこやったら、『50億』、それよりもう少し高く見とかなあかんは
これに、『非入居保証』を考えると『60億』以上はいくで
販売時は、売価平均 2200万円として、250戸で55億程度の実入り
土地が、畑・山地で 5000坪弱。 坪2万としても 1億
土地整備をあわせて数億まで。バブル前やったから、儲けは、瑕疵補填も加え約半分あったとすれば、建屋は25-30億程度で作れてた
ここから考えても、建屋単価アップ1.5倍で45億だが、解体費用と設計費用がかなり高く、この分が足りないかも
さらには、奥まった所にあり、近接住戸もあるので、この分割高となる。
こうなると、『50億』は優に超え、
『建替費用』は、1戸あたり『2千万』ではなく、『3千万』近くになるかも・・・と、元プロの、粗々の概算が示された
やはり『建替は、相当な出費を覚悟』となることが確実となった
聞いていた仲間から、『建替』で、こんな『費用負担』が必要なのなら
『新築買うた方がええかも』『ローン借りれるんか?』
『息子へ譲ろうと思ったら、先まで考えなあかんは~』
『ボロボロで、みんな早々に出て行ってしまったら、どうなるんやろ』
『建替の間、どこかへ引っ越しも必要や。これもお金かかるは。』
・・などの意見も
『70-80年で建替』となると、あと『40年』くらい先の話であるが・・
最近、中古で『比較的安価』として購入された20代の方や、親の家を引き継ぐことになった方などは、
『40年後』となると、『定年』近くで、この『二千万』の『高額』を、どう『負担』するか・・との、具体的な話も出てきた。
生々しい『直球』を放り込んでしまった。
我々の少し上の世代から購入が始まった『マンション』は、今や『50年選手』であり、『老朽化メンテナンス』と共に、『建替』という、次の『課題検討』へ進む必要もあるのでは・・・と、話題が展開する中で感じた。
そして『大規模修繕』の話題へ。
時々、近くの『マンション』では、外壁をメッシュシートをかぶせて、何か月も『塗装工事』をしているのを見かけるが
『どのくらいのタイミングで・・』『お金はどのくらい』などとの『質問』が出てきた。
今日の主からも、『自分が係るまでは総会資料すら、見たことはなかった』との発言が。『マンション入居者』でも『当事者』とならない限り、よくわからない事なのが『現実』だ・・と、追加コメントを入れてくれた。
今日参加の元理事長から、昨夏、『理事拝命したが、右も左もわからん』との事で、参考までに、小生が、総会資料に添付の、管理会社が策定の『修繕計画表』を、判りやすいようにまとめなおした『長期修繕計画案』等を思い出し、送信していたが、これが、タブレットの添付文書に残っていたのを見つけ、参考までに大画面へ展開してみた。
ちょっと細かい数字であるが・・・
一部10階建ての2棟、250戸ほどのマンションで
『外壁塗装』『屋上防水』などの『大規模修繕』で『1億7千万』、
毎日の生活に係わるインフラとして
『エレベーター老朽化更新』は、値切って『 7千万』
さらに『上水管更新』は『1億以上』となっており・・・
『億単位』での工事が、あたりまえとなってきている
・・とポイントを説明。
仲間たちが、定年前務めていた会社での工事金額から判断して、額的には大きな工事規模と思えるが、『戸建住民』には、『何がどうなるの』と『ピン』とこない数字でのようである。
たぶん『戸建』では『外壁塗装』などは、高くても『数百万』、屋根を修理をあわせても『五百万円』まではいかないだろう。
『高層マンション』の場合、『足場架設』や『共有部』などの費用が大きく上乗となり、この『大負担』は仕方ない・・との、プロの説明が。
そして、昨今の『資材高騰』や『人件費高騰』を考えると、これからは、もっと『負担額』は大きくなるはず・・とも。
この『修繕工事』に加え、『マンション価値』を上げるための工事も必要であり、我がマンションでは、前回の『大規模修繕』で、『エントランスドアー自動化』や、共有部である『玄関ドア一斉交換』、共用廊下やベランダは『滑止めシート防水への仕様変更』のなどを追加し、『2~3千万』上乗せとなったが、『資金』が『潤沢』でないとできない・・と付け加えた。
この『大規模修繕工事』のため、一般的な『分譲マンション』では、普段の『管理業務』に使う『管理費』とは別に、『修繕積立金』として、保有する『区分所有者』から『徴収』し、『別途積立』を行っている。
我がマンションでは、『専有部面積』で『積立金』が決まり、各戸、月平均1万円弱、年間2,900万円ほどが積みあがる。
『大規模修繕』で2億の工事をするためには、7年近く必要となり、この間『鉄部塗装』などが入ってくるので、かなりギリギリである・と説明。
日経新聞やったか産経新聞かで、『マンション・修繕積立金不足』という記事を見たことがあるが、この事なのか。
たしかに『戸建』では意識しておらず、壊れたら『直す』位の感覚やけど、規模が大きくなると『積立』ておかないと、大変なことになるんやな・・
『息子が買うたマンション、管理費安い言うてたけど、積立金、どないなってるか聞いてみるは』『入った時、安いのはありがたいけど、将来修繕出けんで、ボロボロになるのはいややな』との発言も
こんな事から、もう少し、表を追加して説明ほしいとの要請が・・
工場の『補修計画』と同じように、『マンション』でも、『塗装工事』や『ポンプ』『分電盤』の『定期交換』など、中長期な『工事予定』で『修繕計画』を作成し、『資金バランス』を見ている。
ここへ、『資材高騰』や『人件費』などと共に、『工事監督』を外部委託する場合は、10%程度上乗せが必要となる場合もあり、予備費として『緊急対応』まで見て、『資金不足』とならないようにしている。
当然『消費税Up 』などは大きく影響してくるので、早めの情報が必要となる。
そして、不足する場合は『工事内容』『工事時期』の見直しと共に、どうしても不足する場合は、『積立金改訂』も急務であるが・・
値上げとなると『区分所有者』の反対も見込まれ、早い時期から、月1500円、年で2万円弱程度、総会決議でお願いすることが必要となる。
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たぶん、こんな事が、今日の主へ、元マンションからの問い合わせの主旨かもしれないが、『新規入居者』などに、『長期修繕の重要性』を理解してもらうには、日頃からの広報が重要そうである。
そして、だんだん話が煮詰まってきたが・・・
『マンション建替』となると『資金が必要』
そうなると『長く住むことを考える』を考えたら・・との意見も。
どうすれば・・・
『マンションを大事に使う』
『維持補修をまめにする』
そして
『快適に生活するための改造』 等も必要では・・とのアイデアも
いい案なので、主も、今回の問い合わせに、追記したいとの事。
我がマンションだと、あと『40年』住み続ける必要がある。
『大事に使う』ためには、日ごろの『点検強化』が重要であろう。
『早期発見、早期対応』が『肝』であり、
日々、管理を委託している『管理会社』の『アンテナの高さ』と共に、
『理事会』自身での『パトロール』も必要なのかもしれない。
『自分の身は、自分で守る』そのために『地を知る』事が重要そうである
そして『維持補修』の話に入ったが・・
土建のプロから、マンションの、今後の『致命傷』となるのは、
『排水』『窓サッシ』『専有部、屋内配管』と『電気幹線』
位で、今は『問題』なく生活ができていても、いきなり『ブレーク』することもあり、これらを『重点対応』として、とらえておく必要があるのでは・・との説明が。
そして、これらの『補修工事』を『長期修繕計画』に入れ込む必要があるが、『予防工事』的で『高金額』となり、『専有部の工事』なども含まれるため、『マンション延命』という事で、『区分所有者』の『理解』と『協力』を得る必要があるが、『建替』への『延命効果』は大きいのでは・・との事。
詳細は、別途教えてもらうことにしたが・・
『マンション』の『排水管』は『立て管』と『横引』があり、『建屋内』に埋め込まれ、一番下は『1F』の『床下』で、『地下室』でもない限り『地中』へ『埋設』されており、この『横引』の『入替』が、ポイントとの事。
我がマンションでも、5年ほど前、『排水管点検』で、『横引管』の『勾配不良』の不具合が認められ、『専用庭』から『1F住戸下』までモグラのように『地下掘削工事』で対応したことがあるが、『工事期間』『工事費用』ともに大変な『工事』だったことを思い出した。
(タブレットに残していた、下部、参考資料を紹介)
そして二点目の『窓サッシ』。
最近は、昔の公団や学校などで使っていた、『鉄枠ぶら下がり式』ではなく『アルミサッシュ』となり、家屋内への雨風や、ほこりの侵入も少なくなったが、『サッシュ枠取付』が『コンクリー埋込木枠』の場合もあり、何年もつかが心配との事。
『サッシュが動かなくなる』場合もあり、『雨水侵入』で『漏水』の危険性もある。
たしか、国交省の『修繕計画指針』では、『35~40年で交換』と書いてあったような記憶はあるが、『延命』のためには『点検』と共に、どこかで『全面交換』も必要なのかもしれない。
ただ、『枠』を外しての工事となると、『スケルトン住戸改装』に近くなり、『現有枠』に『はめ込む』のが現実かもしれないが・・
掃き出しが高くなるなど問題点もある。そして、足場のない窓は、『大規模工事』の『クラック補修・塗装用足場』のある間に、先行して行う必要があり、『工事期間』も長くなる。
そして、最大の問題が『費用』。その道には詳しくないが・・
たぶん、何枚かの開口窓があれば、1戸あたり、最低でも100万近くかかり、『大規模修繕費』は大きく積みあがってしまう。
そして『共用部改修』なので、『全戸工事対象』となり、『費用』と『工事仕様』に加え、『窓がない時間』があることの『了解』を得る必要もあり・・
なかなか大変そうであるが、『雨漏』を考えると、『全補修』も必要かもしれない。
『専有部・屋内配管』も各戸が『リフォーム時』、適宜交換されたりはしているが、共有部から専有部への埋設部や、コンクリート埋込のガス管など、『専有部・屋内』も考慮しておかなければならないが・・・
『床下工事』となると、『フローリング捲り工事』も発生し、この点どこまで対応するかである。
『電気幹線』についても、1900年代の初めのころのマンションは、まだ『IH対応』ではなく、『200V』『3Φ』でないところも多い。昨今の『オール電化』などを考えると、『幹線工事』と共に『分電盤』さらには『受電設備』などまでを含めた『模様替え』をどこかで検討する必要があるのかもしれない
こんな『将来計画』を『壁面塗装』『防水工事』などの『大規模補修』に組み合わせ、工事を進める必要があり、このためには『将来計画』を明確にられることが重要となってくる
・・・と、『戸建住人』でプロの『マンション管理士』でもない、『土建屋』が、『修繕工事』を熱く語ってくれた。
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時間が、だんだん遅くなり、酔いもまわってきたので、『お開き』としたが、
招待主から、『とんだネタ振りであったが』、今日の『臨時、修繕委員会もどき』で色々と有用な話題が聞け、元住んでた所の理事長へ、
『大規模修繕で何を求めるか』・・というアドバイスができそうとの御礼があった。
『マンションを終の棲家』と決めらた方も、
そこが『思想の我が家』となるように
『住環境』と共に、『建屋も老化』という事も
意識しなければならないのでは・・・と
あらためて思い起こした『夜の宴』であった。
<参考資料>
参加者へ参考として見てもらった、
『排水管工事時』の『もぐら工事』事例