ブログ更新が少し開いてしまった。
昨日からの日経に仮想通貨の危うさや、今日発売の東洋経済に『ビットコイン天国と地獄』との記事が掲載され一部はネット配信されている。
仮想通貨の代表であるビットコインについては、一昨年末の退職時、商社へ行っていた一回りほど下の友人から、退職の記念にコイン一つ上げるから、お財布を作ってはと誘われていたが、最後の残務整理の中でほったらかしとなっていた。
友人からは1‐2年のあいだにはすごいことになるかも・・と聞いていたが、たしかにすごいコイン価格となっている。
この時頂戴していれば、2017年の最高価格が200万円を超え、下落したと大騒ぎしているが、今日でも100万円は超えている。
このコインをあげるといった友は、仕事では直接的に関係はなかったが、大学卒業後証券会社へ入り、バブル崩壊で退社。アメリカで再度学びなおし電子材関係の商社へ勤めた変わり者である。出向前、社内の別の販売部隊の飲み会に誘ってもらった際、パソコンや新しい電子機器の話で意気投合し、情報交換をするようになってからのお付き合いである。このコインも、プライベートで飲んだ時、中国の深圳で売り込みに必需品と言っていたような記憶もあるが、何に使っていたのだろうか.
この頃はコインがどんなもので、そもそも仮想通貨とは何なのか。どんな仕組みなのかも知りえなかったので、勉強のため一度ネットで情報を探る事とした。最近テレビでもゴールデンタイムの番組で、コインへの投資誘導がなされているが、わけの解らないままであり、新聞等でもイベント性だけで、資産価値高騰、半分へ下落などと大騒ぎしているが、このコインはどんな歴史をたどって来たのかを正確に伝えない限り、株や金融商品への投資などより危ないのかもしれない。
昨日調べた中でいくつか面白い事実が出て来た。
まずは誰がたくさん持ってるか。
このネット記事の出どころは未調査であるが、ID別の保有量が出ており、何と100BTC以上保有している人が60%近くおられ、0.001BTC以下のID(お財布)が60%近くと言う、大富豪と小規模取引者に偏っていることが判った。
先にも書いた通り、コインを持つにはお財布となる個人のメールアドレスの様なIDが必要であり、友人から勧められた時に作っていれば小生にもIDが発生してしていた事になる。
このID別のビットコイン保有量がどこかで見れるようで、保有量は以下の様である。(2017/11/7現在かと思われる)
2017年までのビットコインでの発行枚数は1630万個らしいが、一般の株式とは少し違った構図となっている。
[メモとして転記]
保有コイン数 ID数 ID比率(%) コイン比率(%)
0-0.001 12,968,403 57.3 0.01
1-10 515,166 2.28 8.35
10-100 133,570 0.59 26.45
100-1,000 16,313 0.07 22.78
1,000-10,000 1.601 0.01 20.69
10,000-100,000 111 16.45
100,000-1,000,000 2 1.68
一番たくさん持っておられるアドレスが2つであり、これが誰なのかは知りえないが、28万個を持っておられ、1万個でも計算が間違っていなければ100憶円の資産となっている。
売買の実績もこのサイトで記載されていたが、万個単位、千個単位はごく少なく、数百から数十個が大半となっている。これも表にあった保有数量の関係なのか。
友人がいつからこのコインを持ち始めたのか、どれくらい保有しているのかは聞いていないが、東北の地震の前の様であった記憶もあり、昨日調べたネットでの価格を基に100個持っていたらとかってに計算してみると、隠れた大金持ちである。
コイン価格 仮に100個買っていたら
2010/12末 24円/BTC 2,400円(購入)
2012/12末 116 <資産価値>
2015/12末 50,981 約 5,00万円
2016/12末 116,396 10,000
2017/12末 1,920,425 2憶 下がって 1億??
彼のネットワークにはこの業界に関係した人間もいたので、やはり目敏い人は違うなとの関心事である。
株式ではこんなことにはならないと思うが、ビットコインは発行枚数が限られている事もあり、小さいお財布の方が売り買いするだけで価格はどんどん吊り上がり、大きな保有者がどんと売ると一気に下がってしまう事もある。この大口保有者が株式のようにきっちり登録されておらず、見えないのが怖いところだ。もともとこれらコインは、中国の元の代わりとして成長したようでもあり、保有者が元やドル価格との見合いで取引をするとなると、さらに危険な所でもあるような気がしてきた。
しかし、お餞別代わりに『一枚』と言っていたがとんでもない資産価値である。最近ビットコインで外車や中古のマンションまで買え、ヨドバシでの支払いもできるらしいが、手放すとなると税務署が追っかけてくる事だろう。
ちなみにビットコインはコイン当たりの価格高騰を意識していたのか取引単位も、千分の一のmBTC ミリビットコイン や100万分の一のμBTC(Bits)マイクロビットコイン(ビット)まで準備されているようで、開発者の名前を取った一憶分の一のSatshiというコインまである。これであれば 1Satoshi持っていれば億万長者という事なのか。上の単位はキロ、メガがついたコインもあるようであるが、仮想通貨であり現物のコインは存在しない。
この記事を書いていて少し頭がマヒして来た。
通常であれば、買い物は、現金か最近ではカードにチャージして使用の電子マネーであり、物を買うときは財布の中や、前回使ったカード残額を気にしながらの支払いであるが、この仮想通貨は毎回コインの価格が変わり、これで支払うとなると、残額がどうなっているのかが判らないと大変な事になる。
昨夜の価格でBTCとして300万円あったので、次の朝ベンツを買いにいくと、下落して150万円になっていて購入不可となる事もあり、タイトルに書いた『仮想通貨』と言う名前はどうなのかと思う所である。
株式と同じ様に下落したり、場合によっては破綻して無くなってしまう可能性もあり、単なるおもちゃのコインを債権として代替している事をわかるような表記はないものであろうか。
中国では、コインを買えば1年で7倍となるとのうたい文句で購入を勧め、さらには、ねずみ講の通帳ではないが、大きな金色のメッキコインを渡すような事もされているとのテレビ報道がされていたが、仮想通貨もオレオレ詐欺の次の手口として資産家を狙う事にならなければいいのであるが。
もう一つ、これは別途どこかで整理して書いて見るが、『仮想通貨』という事が、自ら持っている資産に当てはめるとどうなのかという事である。
昨今銀行では通帳の廃止や、証券会社も保有資産を郵送ではなく電子交付とする方向へ移行を進めており、ネット使用不可の方はまだ紙での確認ができるが、一旦電子交付へと移行した場合は、資産が見えにくくなってくる可能性がある。
おまけに自動引き落としや、カード決済などが増えると、『仮想の世界』で資産を運用してくることになる。
高齢化が進み、今はネット難民でないシニアも、認知症や痴呆で口座の管理ができなくなり、どんな口座があり、年金振込は年金から自動徴取されない固定資産税の支払いは、さらには電話代、管理費・・・どうなっているのと判らなくなることが想定され、仮想から現実へ引き戻す必要がある。
お金もカードや電子マネーばかりだと、銀行の口座が底をつき、自己破綻となる可能性がある。
『仮想通貨』は高齢者には向かないかもしれないが、『仮想資産管理』は高齢者にとっては必須の事項である。
もう少し考えて見たい。