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ちまちま中間手続18

2024-09-15 21:27:19 | 仕事日記
弁理士近藤充紀のちまちま中間手続18

拒絶理由
新規性・進歩性

意見書
 本願発明の・・・組成物は、・・・系ゴムに。。。化合物を配合することにより、耐熱性を向上させることができ、さらに、・・・塩等から選択れる接着賦与剤が配合されているので、耐熱性および接着性の双方を向上されることができる。

 引用文献1に記載されたステアリン酸錫は、アルキル基を含まない有機錫化合物であり、この点で、同文献の組成物はアルキル基を2つ含むジアルキル有機錫化合物を含有する本願請求項1の組成物と異なっている。 
 したがって、本願請求項1の発明は引用文献1の発明と明らかに相違し、本願請求項1は新規性を有する。

 出願当初の本願明細書の段落番号・・・に記載されるように、・・・系ゴムにDBU等の接着賦与剤を配合すると接着性はもちろん向上するが、同剤が・・・組成物の耐熱性に悪影響を及ぼすことがある。このような問題はどの引用文献においても認識されていない。 
 本願発明はこの新たな問題、すなわち、接着賦与剤の配合に因って生じる・・・ゴム組成物の耐熱性低下の問題を解決することを目的とするものである。 
 引用文献1の接着賦与剤と引用文献2の特定の有機錫カルボン酸とを配合しても、耐熱性および接着性の双方を向上させることができるかどうかは、実際に配合してみなければ分からないことである。 
 本願請求項1では、実施例に示すとおり、実際にジアルキル有機錫化合物とDBU等の接着賦与剤とを含有させることにより、加硫用ゴム組成物の耐熱性および接着性の双方を向上させることができ、このことは引用文献1および引用文献2の記載から決して容易に想到することはできない。

 上述したように、本願発明は、・・・系ゴムにDBU等の 接着賦与剤を配合すると接着性はもちろん向上するが、同剤が・・・組成物の耐熱性に悪影響を及ぼすことがあるという新たな問題を解決することを企図したものであるが、このような問題はどの引用文献においても認識されていない。引用文献3のブチル・すず・マレート系安定剤と引用文献1の接着賦与剤とを配合しても、耐熱性および接着性の双方を向上させることができるかどうかは実際に配合してみなければ分からないことである 。 
 本願請求項1では、実際にジアルキル有機錫化合物とDBU等の接着賦与剤とを含有させることにより、加硫用ゴム組成物の耐熱性および接着性の双方を向上させることができたものであり、このことは引用文献1および引用文献3の記載から容易に想到することはできない。

拒絶査定
 出願人は意見書において「耐熱性および接着性の双方を向上させることができるかどうかは、実際に配合してみなければ分からないことである。」と主張しているが、出願人の上記主張は引用文献1-3を組み合わせることの妥当性を否定するものではなく、また、本願発明の効果は引用文献1-3から当業者が 予測し得ないものであることを裏付けるものでもない。

「してみなければ分からないことである」という主張は、進歩性理由には使えないことが改めて思い知らされた。作成時に冷静さを欠いたかもしれない。

拒絶査定には、親切にも、本来どうすべきかも示唆されている。「引用文献1-3を組み合わせることの妥当性を否定するものではなく」というのは、その後、第1に考えるようになった。

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