コニタス

書き留めておくほど重くはないけれど、忘れてしまうと悔いが残るような日々の想い。
気分の流れが見えるかな。

江戸の誤解

2005-09-22 08:05:35 | 
初心に帰ってみる必要があるかもね。

何で江戸なの、と聞かれた。
さぁ。
いや、説明できますよ。でも、私の事実は小説ほど面白くはないよ。

みんな、江戸が好き。でも、その江戸は、本当にあったんだろうか。荷風が創り出した幻と、大して変わらない気がしている。

江戸の人たちが信心深かったかどうか、性的に開放的だったかどうか、儒教道徳に沿って生きていたのかどうか……。
そういうのは本当のところ判りません、としか言いようがない。

何か一つ文献を見つけると、検証もしないで、ほら! と言う人が居るけれど、その資料の生まれた環境をちゃんと考えないと。

大学生の時、文学のT先生が、黒板に「狼に気をつけよう」と書いて、今地震が来て、ここが壊滅し、100年後に、この黒板だけが偶然発見されたら、研究者達は「この辺りには狼が居た」と言うだろう、と。
アレは面白かったですよ。
他の資料とつき合わせれば簡単に覆せる事を、「真実」だと思ってしまう。その危険は、いつでも、どこにでもある。

文学も、歴史学も、近代科学のように、同一条件下で同じ結果が得られるか、と言う再現実験をすることは出来ない。似たような事例と資料の信憑性を精密に検証してもっとも蓋然性の高い物が、その時点での事実である、と言うに過ぎない。そういうことは、ちゃんと、くりかえし、想起し続けてないと。

江戸の人を、勝手に自分の理想で染め上げないで欲しいな。
伝聞には証拠を。
僕は何も知らないです。はい。

だいたい、江戸時代って言ったって、長いのにねえ。


読むことからしか始まらないんじゃないか。
初心に帰ってみる必要があるね。
コメント (3)    この記事についてブログを書く
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3 コメント

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すばらしい (マシマ)
2005-09-22 10:14:20
こうゆう所がコニタさんの素晴らしいトコロですね。



えぇワタシは始めから見抜いておりましたよ。



友達になれて幸せです。



ありがとうございます。
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『日本幽囚記』 (江戸の勇)
2005-09-22 12:44:51
先日の「国際文学シンポジウム」で知った『日本幽囚記』を読み終えました。日本とロシアの言葉の壁を破ろうと200年前苦労した人がいた。どの時代にも一生懸命生きた人はいました。みんな偉いなあ。
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勝手な解釈 (くてくて)
2005-09-22 13:02:51
私のイメージでは「江戸」といえば「下町文化」が一番に出てくる。

うぅむ貧相だな。



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