累(かさね)怪談の原著である、『死霊解脱物語聞書』を翻刻出版しました。
です。
概要は版元、白鐸社のブログをお読みください。
『死霊解脱物語聞書』は私にとって、というか怪談研究にとって、非常に重要な本です。
従って、すでに複数翻刻出版もされています。
しかし、現在、それぞれ必ずしも入手しやすいものではなく、また手に取ったとしても読み易い本文とは言えません。
研究者にとっては、読みやすさより正確な本文の提供が優先されるので、一般の怪談ファンにとっては取っつきにくいまま、存在は知っていても読んでいない本になっていると想像されます。
今回の出版は、私が所持する板本『死霊解脱物語聞書』をもとに、句読点や読み仮名を整理するなど、本文を多少いじり、元の文章の雰囲気を残しながら、現代人でも読める文章にして提供したところが一つの特徴です(従って、研究者の本書からの本文引用は推奨しません)。
その上で、時代背景や仏教用語など、わかりにくいところには脚注を施してあります。
『死霊解脱物語聞書』に注が付いたのも今回が初めてだと思います。
さらに、それでも古文はちょっと、と言う人のために、章段ごとに粗筋よりは詳しく、逐語的現代語訳よりは簡略な、"大意"を加えています。
この、"大意"と"脚注"は、私ではなく広坂朋信氏が担当してくださいました。正直、私も知らなかったようなことがたくさんあります。
更に、この事件の、最も早い記述である『古今犬著聞集』の抜粋も掲載し、比較できるようになっています。
改めて詳細に比較すると、論文一本書けそうなくらい面白いことに気づかされます。
今回私がした仕事は、翻刻と、解題・解説の執筆です。
このうち、解説は、既発表論文に少し手を入れたものです。
このふたつの拙稿をお読み頂ければ、『死霊解脱物語聞書』が如何に重要、且つ面白い本であるか、御理解いただけると思っています。
間違いなく、江戸時代を通して最も重要な怪異事件の記録が、初めて一般書として刊行されたことを、私事ながら喜ばしく思っています。
ということで、御購入はこちら
さて、ここまでは告知ですが、ページを変えて、少し補足説明をしようと思います。読書の助けになれば幸いです。
取り敢えず、随分前にホームページに掲載していた挿絵などをご覧下さい。
[書 名]〈江戸怪談を読む〉死霊解脱物語聞書
[著者名]残寿(著)/小二田誠二(解題・解説)/広坂朋信(注・大意作成)
[体 裁]四六判並製、174頁
[定 価]1700円+税
[ISBN]978-4-7684-7941-4
発行:白澤社
発売:現代書館
[著者名]残寿(著)/小二田誠二(解題・解説)/広坂朋信(注・大意作成)
[体 裁]四六判並製、174頁
[定 価]1700円+税
[ISBN]978-4-7684-7941-4
発行:白澤社
発売:現代書館
です。
概要は版元、白鐸社のブログをお読みください。
『死霊解脱物語聞書』は私にとって、というか怪談研究にとって、非常に重要な本です。
従って、すでに複数翻刻出版もされています。
しかし、現在、それぞれ必ずしも入手しやすいものではなく、また手に取ったとしても読み易い本文とは言えません。
研究者にとっては、読みやすさより正確な本文の提供が優先されるので、一般の怪談ファンにとっては取っつきにくいまま、存在は知っていても読んでいない本になっていると想像されます。
今回の出版は、私が所持する板本『死霊解脱物語聞書』をもとに、句読点や読み仮名を整理するなど、本文を多少いじり、元の文章の雰囲気を残しながら、現代人でも読める文章にして提供したところが一つの特徴です(従って、研究者の本書からの本文引用は推奨しません)。
その上で、時代背景や仏教用語など、わかりにくいところには脚注を施してあります。
『死霊解脱物語聞書』に注が付いたのも今回が初めてだと思います。
さらに、それでも古文はちょっと、と言う人のために、章段ごとに粗筋よりは詳しく、逐語的現代語訳よりは簡略な、"大意"を加えています。
この、"大意"と"脚注"は、私ではなく広坂朋信氏が担当してくださいました。正直、私も知らなかったようなことがたくさんあります。
更に、この事件の、最も早い記述である『古今犬著聞集』の抜粋も掲載し、比較できるようになっています。
改めて詳細に比較すると、論文一本書けそうなくらい面白いことに気づかされます。
今回私がした仕事は、翻刻と、解題・解説の執筆です。
このうち、解説は、既発表論文に少し手を入れたものです。
このふたつの拙稿をお読み頂ければ、『死霊解脱物語聞書』が如何に重要、且つ面白い本であるか、御理解いただけると思っています。
間違いなく、江戸時代を通して最も重要な怪異事件の記録が、初めて一般書として刊行されたことを、私事ながら喜ばしく思っています。
ということで、御購入はこちら
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さて、ここまでは告知ですが、ページを変えて、少し補足説明をしようと思います。読書の助けになれば幸いです。
取り敢えず、随分前にホームページに掲載していた挿絵などをご覧下さい。
つづく。
入手された方は、匿名で結構ですから、是非、忌憚の無い御意見を書き込んでください。
すでに誤植も見つけています。
“重版”できれば訂正しますので、そういう情報も是非!
須弥山儀も、ここに来ていろいろなアプローチと動きがありました。またご相談させて下さい。
地獄極楽の話も出てくるし、お薦めです。
上智にも木越治さんがいらっしゃって、近世幻想文学の気運が俄に高まってきました。
私の労力はたいしたことが無く、お恥ずかしい限りですが、ブログで取り上げていただければ幸いです。
最近怪異関係、来てますね。
理由は分からないのですが、震災後、と言う見方もあるようです。