平塚球場で行われた代表選考合宿2日目である(6月18日)。出場した全選手を打順ごと、登板ごとに紹介する。なお、野手のポジション名は代表としてのものではなく、大学所属時のものである。
<紅組・野手>
生多 良介(智弁学園→東北福祉大4年・右左・170/68)二塁手
白崎 浩之(埼玉栄→駒沢大3年・右右・183/83)三塁手
松本幸一郎(横浜→立教大3年・右左・178/78)遊撃手
高田 知季(岡山理大付→亜細亜大3年・右左・175/65)遊撃手
菊池 涼介(武蔵工大二→中京学院大4年・右右・172/70)遊撃手
伊藤 隼太(中京大中京→慶応大4年・右左・178/84)外野手
永田 恭一(花咲徳栄→東北福祉大2年・右右・178/77)外野手
佐々木孝樹(早稲田実→早稲田大3年・右左・181/75)外野手
古本 武尊(福岡大大濠→龍谷大3年・右左・175/77)外野手
梅野隆太郎(福岡工大城東→福岡大2年・右右・173/72)捕手
沖野 哲也(広島工→東京国際大3年・右右・180/82)捕手
岡島 豪郎(関東学園大付→白鴎大4年・右左・177/85)捕手
小林龍之介(神港学園→関西大4年・右右・181/85)三塁手
萩原 圭悟(大阪桐蔭→関西学院大3年・右左・181/85)三塁手
<紅組・投手>
野村 祐輔(広陵→明治大4年・右右・177/72)
松葉 貴大(東洋大姫路→大阪体育大3年・左左・180/75)
福谷 浩司(愛知横須賀→慶応大3年・右右・183/90)
大瀬良大地(長崎日大→九州共立大2年・右右・186/82)
岩貞 祐太(必由館→横浜商科大2年・左左・182/75)
<白組・野手>
吉田 裕太(日大三→立正大2年・右右・182/84)捕手
戸田 大貴(前橋工→東洋大3年・右左・180/82)一塁手
多木 裕史(坂出→法政大3年・右左・178/74)一塁手
岡崎 啓介(PL学園→立教大4年・右右・172/75)二塁手
鈴木 大地(桐蔭学園→東洋大4年・右左・176/74)遊撃手
塚田 正義(古河一→白鴎大4年・右右・180/79)遊撃手
植松慎太郎(鹿児島実→関東学院大2年・175/67)遊撃手
金子 侑司(立命館宇治→立命館大3年・右両・178/67)遊撃手
山川 穂高(中部商→富士大2年・右右・175/98)外野手
建部 賢登(桐光学園→法政大3年・右左・172/71)外野手
中嶋 啓喜(桐蔭学園→明治大2年・右右・180/78)外野手
池田 祥大(富山商→近畿大4年・右左・176/72)外野手
小林 誠司(広陵→同志社大4年・右右・178/72)捕手
阿加多直樹(慶応→慶応大3年・右左・182/82)捕手
<白組・投手>
三上 朋也(県岐阜商→法政大4年・右右・190/82)
菅野 智之(東海大相模→東海大4年・右右・185/82)
川満 寛弥(宮古総合実→九州共立大3年・左左・186/71)
東浜 巨(沖縄尚学→亜細亜大3年・右右・181/70)
岩貞 祐太(前で紹介)
この中で注目したのは、関東人には日常的に見ることのできない関西の選手たちだ。
◇池田祥大(近大・外野手)
バッティングははっきり言ってよくない。性急な足上げでバランスを崩しているのだ。第1打席で捕手寄りのポイントでボールを捉え、ライト方向に三塁打を放ったかと思えば、第2打席では松葉貴大(大阪体育大)の変化球に泳いで空振りの三振を喫するという有様。こういう不安定さはタイミングの取り方にすべて表れている。
いいのは俊足である。三塁打のときの三塁到達は11.46秒。この日の出場選手の中では群を抜いた走塁だった。外野手としての肩はシートノック時を見ている限りは、“強肩”と言うほどではない。ただ、ゴロを捕りにいく緩慢な動作にくらべ、捕ってから投げるまでが早く、スローイングもよかった。フィールディングさえ機敏にすれば、もっと見栄えのするバックホームができるということである。
◇金子侑司(立命館大・遊撃手)
まず脚力に触れると、第1打席の二塁打のあとに敢行した三盗タイムが3.34秒。プロでは3.1~3.2秒がトップクラスで、アマチュアではそれより0.1秒ほど遅れるのが普通だから“アマチュア球界屈指の俊足”と形容していいタイムだ。
タイミングの取り方は池田のように性急でなく、慎重に小さく足上げする。その割にステップは性急なので池田同様に確実性はないはずだ。また構えたときからヘッドアップしているので見た眼が不格好。好打者は見た目からスッキリしているということを金子にはわかってほしい。
この2人以外では、古本武尊(龍谷大・外野手)に注目した。この日は2打席連続三振でバッティングはいいところがなかったが、シートノック時に見せたライトからの強肩は伊藤隼太(慶大)とくらべても遜色なかった。あと1年、どこまでバッティングに確実性を増せるか見守っていきたい。
もう1人注目した選手がいる。松葉貴大だ。大学選手権で見た印象をまとめてあるので、それを紹介する。
●6月9日(木曜日)東京ドーム
昨年の同月同日、6月9日の東海大戦を見て、観戦ノートには先発した松葉のことを「全然大したことない。右肩上がり、重苦しいオーバースロー。球速はほとんど130キロ台前半。変化球投手」とだけ書いた。ノートにわずか1行である。それが1年たって評価は変わった。
球速が最速145キロまでアップしたことは大きいが、それだけではない。最も注目したのはカーブのような軌道を描く縦割れスライダーと、105キロ程度の縦割れカーブのキレのよさと落差の大きさである。
投球フォームに注目すると、外回りのバックスイングはトップ時の腕の「下がり」や(背中のほうへの)「入り」を誘引し、さらに前肩の開きにまで影響を及ぼすことが多いが、松葉の場合は右肩が開かず、右側面から打者に向かっていける。これが打者に緩急の見極めを困難にさせている最大の要因だ。これらの投球フォームや変化球の冴えは、昨年活躍した乾真大(東洋大→日本ハム)を彷彿とさせる。
昨年までの松葉の夢は野球の指導者になること。それがこの日の好投(10回3分の1を投げ、6安打、10三振、与四死球1、失点3、自責点0)で、プロ野球選手になったらしい。その資格は十分にあると思う。
<紅組・野手>
生多 良介(智弁学園→東北福祉大4年・右左・170/68)二塁手
白崎 浩之(埼玉栄→駒沢大3年・右右・183/83)三塁手
松本幸一郎(横浜→立教大3年・右左・178/78)遊撃手
高田 知季(岡山理大付→亜細亜大3年・右左・175/65)遊撃手
菊池 涼介(武蔵工大二→中京学院大4年・右右・172/70)遊撃手
伊藤 隼太(中京大中京→慶応大4年・右左・178/84)外野手
永田 恭一(花咲徳栄→東北福祉大2年・右右・178/77)外野手
佐々木孝樹(早稲田実→早稲田大3年・右左・181/75)外野手
古本 武尊(福岡大大濠→龍谷大3年・右左・175/77)外野手
梅野隆太郎(福岡工大城東→福岡大2年・右右・173/72)捕手
沖野 哲也(広島工→東京国際大3年・右右・180/82)捕手
岡島 豪郎(関東学園大付→白鴎大4年・右左・177/85)捕手
小林龍之介(神港学園→関西大4年・右右・181/85)三塁手
萩原 圭悟(大阪桐蔭→関西学院大3年・右左・181/85)三塁手
<紅組・投手>
野村 祐輔(広陵→明治大4年・右右・177/72)
松葉 貴大(東洋大姫路→大阪体育大3年・左左・180/75)
福谷 浩司(愛知横須賀→慶応大3年・右右・183/90)
大瀬良大地(長崎日大→九州共立大2年・右右・186/82)
岩貞 祐太(必由館→横浜商科大2年・左左・182/75)
<白組・野手>
吉田 裕太(日大三→立正大2年・右右・182/84)捕手
戸田 大貴(前橋工→東洋大3年・右左・180/82)一塁手
多木 裕史(坂出→法政大3年・右左・178/74)一塁手
岡崎 啓介(PL学園→立教大4年・右右・172/75)二塁手
鈴木 大地(桐蔭学園→東洋大4年・右左・176/74)遊撃手
塚田 正義(古河一→白鴎大4年・右右・180/79)遊撃手
植松慎太郎(鹿児島実→関東学院大2年・175/67)遊撃手
金子 侑司(立命館宇治→立命館大3年・右両・178/67)遊撃手
山川 穂高(中部商→富士大2年・右右・175/98)外野手
建部 賢登(桐光学園→法政大3年・右左・172/71)外野手
中嶋 啓喜(桐蔭学園→明治大2年・右右・180/78)外野手
池田 祥大(富山商→近畿大4年・右左・176/72)外野手
小林 誠司(広陵→同志社大4年・右右・178/72)捕手
阿加多直樹(慶応→慶応大3年・右左・182/82)捕手
<白組・投手>
三上 朋也(県岐阜商→法政大4年・右右・190/82)
菅野 智之(東海大相模→東海大4年・右右・185/82)
川満 寛弥(宮古総合実→九州共立大3年・左左・186/71)
東浜 巨(沖縄尚学→亜細亜大3年・右右・181/70)
岩貞 祐太(前で紹介)
この中で注目したのは、関東人には日常的に見ることのできない関西の選手たちだ。
◇池田祥大(近大・外野手)
バッティングははっきり言ってよくない。性急な足上げでバランスを崩しているのだ。第1打席で捕手寄りのポイントでボールを捉え、ライト方向に三塁打を放ったかと思えば、第2打席では松葉貴大(大阪体育大)の変化球に泳いで空振りの三振を喫するという有様。こういう不安定さはタイミングの取り方にすべて表れている。
いいのは俊足である。三塁打のときの三塁到達は11.46秒。この日の出場選手の中では群を抜いた走塁だった。外野手としての肩はシートノック時を見ている限りは、“強肩”と言うほどではない。ただ、ゴロを捕りにいく緩慢な動作にくらべ、捕ってから投げるまでが早く、スローイングもよかった。フィールディングさえ機敏にすれば、もっと見栄えのするバックホームができるということである。
◇金子侑司(立命館大・遊撃手)
まず脚力に触れると、第1打席の二塁打のあとに敢行した三盗タイムが3.34秒。プロでは3.1~3.2秒がトップクラスで、アマチュアではそれより0.1秒ほど遅れるのが普通だから“アマチュア球界屈指の俊足”と形容していいタイムだ。
タイミングの取り方は池田のように性急でなく、慎重に小さく足上げする。その割にステップは性急なので池田同様に確実性はないはずだ。また構えたときからヘッドアップしているので見た眼が不格好。好打者は見た目からスッキリしているということを金子にはわかってほしい。
この2人以外では、古本武尊(龍谷大・外野手)に注目した。この日は2打席連続三振でバッティングはいいところがなかったが、シートノック時に見せたライトからの強肩は伊藤隼太(慶大)とくらべても遜色なかった。あと1年、どこまでバッティングに確実性を増せるか見守っていきたい。
もう1人注目した選手がいる。松葉貴大だ。大学選手権で見た印象をまとめてあるので、それを紹介する。
●6月9日(木曜日)東京ドーム
昨年の同月同日、6月9日の東海大戦を見て、観戦ノートには先発した松葉のことを「全然大したことない。右肩上がり、重苦しいオーバースロー。球速はほとんど130キロ台前半。変化球投手」とだけ書いた。ノートにわずか1行である。それが1年たって評価は変わった。
球速が最速145キロまでアップしたことは大きいが、それだけではない。最も注目したのはカーブのような軌道を描く縦割れスライダーと、105キロ程度の縦割れカーブのキレのよさと落差の大きさである。
投球フォームに注目すると、外回りのバックスイングはトップ時の腕の「下がり」や(背中のほうへの)「入り」を誘引し、さらに前肩の開きにまで影響を及ぼすことが多いが、松葉の場合は右肩が開かず、右側面から打者に向かっていける。これが打者に緩急の見極めを困難にさせている最大の要因だ。これらの投球フォームや変化球の冴えは、昨年活躍した乾真大(東洋大→日本ハム)を彷彿とさせる。
昨年までの松葉の夢は野球の指導者になること。それがこの日の好投(10回3分の1を投げ、6安打、10三振、与四死球1、失点3、自責点0)で、プロ野球選手になったらしい。その資格は十分にあると思う。