動く絵

息子の絵には動きがある。
たとえば、ライダーと敵を描いて、
敵からビームが出てきて、それをかわして
キックをして・・・と、絵の中でどんどん話が進んでいく。

「くらえっ！　とおーーーー！ううっ、こしゃくな
なにをっ！　とりゃーーー！　ババババッ　ビシッ　うっ！
まて！　ささささ　やめろぉー！　だれだ？　ぶぎゅーん
ふふふ　グルグルグル　しゃしゃしゃ　ぴしゅーん　ガンガンガン
ぴしっ！　うぁーーーー！　バリバリバリ・・・・・」

一人でしゃべりながら、絵の中の世界にはまり込んでいる。

息子は私にもよく絵を描いてくれとせがむ。
ウルトラマン描いてといわれて、丁寧にまっすぐ立ってるのを描いても
あまり喜ばず、少々デッサン狂っていても、形まちがっててもいいから
何か敵と戦ってたり、変わったポーズを描いてやるととても喜ぶ。
おしゃべりしながら、何枚も何枚も描いていく。
学生時代のクロッキーの授業を思い出す。
それをもとに、また息子は続きを描いたり、空想の世界に浸っていく。

完成させることが目的じゃない絵もある。
描いてることそのことが、楽しめたらそれでいいと思う。
何かをきれいに描くことだけが絵じゃないんだ。
息子と遊びながら、いろんなことを教えてもらう。



なかなか処分できずに溜まっていく息子の絵