田園 里山 野鳥そしてアルプスの山々

日進市と近隣の里山、春から秋にはアルプスの山々を歩いて感じたこと、考えたことなど・・・

船窪小屋

2013年09月28日 | 山歩き

以前親不知で出会ったFさんから薦められていた船窪小屋を訪ね、27日朝 6:40、登山口を出て七倉尾根を登りました。

                     七倉尾根上部の山道

長くつらい急登を登りきると、紅葉の始まったナナカマドと真っ青な秋の空のお出迎えで、それまでの疲れが一気に吹き飛びました。小屋には13:40着。

到着すると早速熱いお茶のおもてなしです。 「Fさんの紹介で・・・」 と話すと、何とFさんは前夜宿泊し、今朝烏帽子岳方面に向かったとのこと。ちょっぴり惜しいすれ違いでした。

素晴らしい秋晴れ、夕食までのひとときは小屋の前のベンチに座り、ビールをいただきながら眼前に広がるアルプスの大展望をのんびりと楽しみました。

  船窪小屋前から不動岳方面を望む 不動岳左遠方に赤牛岳、右手の薬師岳は雲の中

船窪小屋はランプの宿。電気は何セットかあるソーラーパネルで電池に貯めて使っています。

         囲炉裏を囲むメインルーム 食事はここでとります

冷蔵庫は無いので、冷たい水や外気で肉、魚、野菜を保存しているとのこと。水場は片道30分ほど歩いたテント場の近くで、水を確保する苦労もしのばれます。

         テルテル坊主の揺れる窓越しに水晶岳(左)、赤牛岳(右) 

今年は小屋創立60周年とのこと。最初の小屋は水場の近くに建てられ、そこが船窪岳近くだったので”船窪小屋”の名がつけられたそうです。

雪の多い場所で小屋の保守が大変だったことから、20年後に今の場所に移転して40年が過ぎたということでした。

4時半から夕食。おかみさん自ら手作りした味噌の汁にこの日はナメコが入り、その美味しいこと。前日に泊まった女性はあまりに美味しいので夕食朝食合わせて5杯おかわりしたそうです。

        夕食は山菜の天ぷらをメインにおかみさん手製の生春巻など豪華

お米は健康食の紫米。この日の宿泊客は私を含めて5人でしたが、テント場から男性がひとり、30分かけて”外食”を食べにやってきました。いつもは自炊だそうですが、おかみさんの美味しい食事を知っていて今宵は特別だそうです。山小屋での、手の込んだ豪華な食事に一同大感激しました。

食事を終えて外へ出ると夕暮れです。雲が赤く染まって青空と黒い山影とのコントラストが見事でした。

                   七倉岳の上に浮かぶ夕焼雲

振り返ると薄い雲をまとった槍ヶ岳が夕日に染まって昼とは違った表情を見せています。

                     夕日に染まる槍ヶ岳

6時からは囲炉裏を囲んでお茶会でした。Sさんの司会で客5名ととスタッフ5名。自己紹介や感想を述べあい、和やかなうちに時間が過ぎていきました。スタッフはオーナーご夫妻と若手4人ですが、おひとりが休暇で近くのアルプスを歩いていて、この日は若手3人でした。

お茶会が終わって外に出ると、すっかり暗くなっていて、満天の星に天の川、久しぶりに見る素晴らしい星空でした。

8時消灯。7~8人寝られるスペースを独り占めして、布団に入るとすぐにぐっすりと寝込んでしまいました。夜中に目が覚めると、枕もと横にある窓の向こうにオリオン座が昇ってきています。

  ガラス窓越しのオリオン座 左の明るい光は月、その下は大町?の夜景、左端は木星

  上の写真、中央やや左下にある赤い光はカーテンを漏れてきたランプの光の反射です。

朝5時前に布団を抜け出し、日の出前の朝の風景をひとしきり撮影しました。その中からいくつかの写真を紹介します。

       黎明の東の空 左に四阿山、右に浅間山、手前には信濃大町の灯

                  八ヶ岳(左)と富士山(右)

               四阿山と浅間山の間から昇る朝日

             朝日に輝く立山(右)と竜王岳(中央)

     裏銀座コースの三ッ岳(中央)と左背後に野口五郎岳、右遠方は水晶岳

        船窪小屋全景 背景は左から唐沢岳、燕岳、大天井岳

6:45 針ノ木小屋を目指して出発。小屋のスタッフの皆さんは鐘を鳴らし、手を振って見送りしてくださいました。

          北葛岳山頂から見る船窪小屋 背景は三ッ岳と野口五郎岳

遠方から見た船窪小屋の写真を2枚ほど紹介します。1枚目は北葛岳山頂から見た船窪小屋。

        七倉岳山頂近くに小さな船窪小屋を見る  - 針ノ木岳より

 2枚目は針ノ木岳山頂からの遠望です。肉眼ではわからなかったのですが、近くにいた目の良い人が”船窪小屋はあそこに見えますよ”と教えてくれました。双眼鏡をのぞくと、七倉岳山頂付近の短い尾根の真ん中に確かに3連の青い屋根が見えます。ズームをいっぱいに効かせて取ったのが上の写真です。右下は高瀬ダム湖です。

山旅はこのあと、北葛岳、蓮華岳、針ノ木岳と続きますが、楽しかった船窪小屋のひと夜の滞在と小屋の皆さんの温かいもてなしを思い出しながらひとまず筆をおきます。

 なお、船窪小屋の公式ホームページは下記になります。

   http://funakubogoya.net/about.html

       


北アルプス山奥の秘湯 -高天原温泉

2013年09月01日 | 山歩き

今回の山行の目的のひとつは高天原。ここには山奥の秘湯があります。特別温泉好きとは言えない私ですが、前からここだけは行ってみたいと思っていました。岐阜県側からも富山県側も1泊2日かかるランプの宿、高天原山荘。私の鈍足では1日目、2日目合わせて20時間かかりました。

2日目の夕方、夕食を終えた後、タオルと着替えとカメラだけ持って露天風呂に向かいました。

                 

                小屋から温泉に向かう山道

小屋から温泉まで山道を20分ほど下ります。温泉沢に着き、渓流をわたると、小屋が2つあります。左が女性専用、右が混浴で、女性専用は湯船も囲われています。

                     女性専用風呂入口

              混浴風呂 -脱衣所だけに囲いがある

渓流の手前にはもうひとつ混浴の露天風呂があります。少し熱めで43度ほどあり、熱好きの私はこちらに入りました。

                      河原の露天風呂

                      河原の露天風呂

                  湯船に浸かって見る眺め

湯船につかると、上の写真のような夕暮れの風景が浮かびます。夕食後で他に誰ひとりいない河原の露天風呂。時間が過ぎるのを忘れる瞬間です。

入浴後は薄暗くなった山道をへッドランプ頼りに山小屋へ戻りました。戻り道の入り口には手書きの看板があります。

 

               温泉からの帰り道にある道標

帰りは登り道ですが、日没後の涼風がほてった体を心地よく通り過ぎていきます。

     ランプの宿 高天原山荘 ・・・ 小屋番さんもヘッドランプで仕事しています

小屋へ戻ると日はとっぷり暮れて、ランプの宿の心地よい眠りが待っていました。温泉の雰囲気をもう少し感じていただくために、YouTubeに動画を投稿しました。

   http://youtu.be/WpRe5RpZAMA