東京へ出たついでにおよそ50年ぶりで日光を訪れました。神橋近くに宿をとり、早速参道を東照宮へと向かいます。
大谷川と神橋
神橋下の大谷川ではミソサザイが水浴びをしています。
大谷川に遊ぶミソサザイ
参道を振り返ると杉の木立の間に紅葉した木々が彩りを添え、向かいの山が霧に煙っていました。
東照宮へと向かう参道を振り返る
東照宮へ入り、まず目に付くのは三神庫と呼ばれる3つの建物。5月に行われる百物揃千人行列の装束が納められているそうで、校倉造風に朱と金の装飾が美しい建物です。
三神庫の一番奥にある上神庫 妻にある像の彫刻(左下に拡大)が有名
その左手奥の陽明門は平成の大修理が始まったばかりで残念ながら見ることができませんでしたが、その奥の唐門と左右に広がる透塀は見事です。
白い胡粉が美しい唐門と左右の透塀
門の左右に昇竜と降り竜。透塀の井桁を挟んで上には花鳥、下に魚が隙間なく彫られ、極彩色に彩られています。
透塀と上下の彫刻
その右手の坂下門から奥宮への石段を往復するのですが、入口の長押の上に有名な眠り猫があります。
注意を促す看板(左)と眠り猫
看板がなかったら見過ごしてしまいそうな小さな像ですが、人々はみな立ち止まって写真に収めています。
ここからは長い石段を奥宮へと往復します。この日は混み合っていて、往復には30分近くかかりました。
奥宮にある宝塔 家康の神柩を納める 久能山・東照宮の神廟(2011年10月に撮影)
奥宮は拝殿・石の間・本殿からなる権現造り。その奥に家康の遺骨を納めた宝塔があります。家康は自らの遺骨を久能山に納め、1年後に日光に小堂を立て勧請することを命じたとのことですが、遺骨がどちらにあるのかは今でも謎のようです。
奥宮から戻り、陽明門の内にある小さな神輿社を覗くと天井には”日本一の美人天女”が描かれています。
神輿社天井に描かれた天女舞楽の図
陽明門を出ると鳴竜で有名な本地堂があり、案内の僧侶が拍子木をたたいて鳴竜の声を聞かせてくれます。
三神庫の広場に戻ってくると、向かいには神厩舎がありますが、これは極彩色に彩られたほかの建物と異なり、白木のままの素朴な姿をしています。
素木造りの神厩舎
この欄間にあるのがこれも有名な”見ざる・言わざる・聞かざる”の三猿の彫刻です。8枚の絵で人の生涯のありようを描いた彫刻の2番目が三猿で、純真で影響を受けやすい幼児期に、悪いことを見聞きしたり、悪い言葉を話すことなく育つように、という意味が込められているのだそうです。
”見ざる・言わざる・聞かざる” 三猿の彫刻
彩り鮮やかな建物を見続けてきた目には、白木の建物と人生訓を含んだ素朴な彫刻の物語が何か新鮮に響いてきました。
昼食をとり、その後東照宮の大改装を行った三代将軍家光を祀る輪王寺大猷院へと向かいました。
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