田園 里山 野鳥そしてアルプスの山々

日進市と近隣の里山、春から秋にはアルプスの山々を歩いて感じたこと、考えたことなど・・・

ハルジオンとサカハチチョウ

2012年08月15日 | 昆虫・虫

8月3日、空木岳からの帰り道、林道わきの草むらで、見つけた蝶です。大きさはモンシロチョウくらいの小型の蝶です。コミスジとは違って白いスジは1本。イチモンジチョウかと思いましたが、帰ってから調べるとサカハチチョウの夏型、ということがわかりました。

サカハチチョウの名は、白い筋が八の字を逆さにしたように見えるから。年2回、春と夏に発生し、模様が大きく異なるそうです。

止まっている花はハルジオン(春紫苑)。ヒメジョオン(姫女苑によく似ていますが、異なる種です。里では今もヒメジョオンが主ですが、このあたり(標高 1000m )付近はハルジオンがほとんどのようです。

 動画は、上の静止画とあまり変わりませんが下記です。

   http://youtu.be/amepMxeJ9CI

   


温泉に入る野生のサルたち  渋温泉・野猿公苑

2012年08月11日 | 野生動物

涼しさと高山植物を求めて志賀高原・横手山、東館山を訪れた帰り道、渋温泉の奥にある野猿公苑に立ち寄りました。ここは野生のサルたちが温泉に入って楽しむ様子が見られることで人気のスポットです。

渋温泉から10分ほど山に入ったところに駐車場があり、ここから徒歩15分ほどで野猿公苑の入り口に着きます。下の写真は入り口の近くにある噴泉です。

入園料を払ってゲートをくぐると、山道にサルたちが歩いたり座ったり、思い思いのポーズをとっています。

2~3分歩くと橋があり、温泉が見えてきました。数匹のサルが温泉に浸かって互いに蚤とり?をしたり、もぐったり泳いだりしています。

手を入れてみると、確かに温かい温泉です。まわりには小さな赤ん坊のサルもたくさんいます。

    

母親に抱かれていた子ザルが一匹近づいてきましたが、私の顔を見てあわてて逃げかえっていきました。

じっとこちらを睨んでいるサル、温泉のお湯を飲んでいるサルもいます。    ざっと見たところ、数10頭のサルの姿が見られました。夏には温泉に浸かるサルの数は一度に数頭ぐらいですが、冬、寒い季節には、雪の中で40頭ぐらいが同時に温泉に入っていることもあるそうです。

いい湯につかってご機嫌なサルたち、母親に甘える子ザルの姿などを動画にしてYouTubeに投稿しました。

  http://youtu.be/N6BP5cds-k0

     

 


越百山・空木岳縦走 その4

2012年08月10日 | 山歩き

東川岳から木曾殿山荘に戻り、一服して8時過ぎ、伊奈川ダムに向かう下山路を歩き始めました。

木曾殿山荘付近は高山植物のちょっとしたお花畑になっていて、シナノキンバイ、アキノキリンソウ、ハクサンフウロ、ヨツバヒヨドリ、イワギキョウなどが咲き乱れています。

                   木曾殿山荘付近のお花畑

花の写真を撮りながら、7~8分ほど下ると ”義仲の力水” を通ります。ここは木曾殿山荘の水場で、冷たい、おいしい水をたっぷりと補給できるところです。

                       義仲の力水

木曾殿越は源(木曾)義仲が挙兵にあたってアルプスを越えたところとされています。”義仲の力水”という名の通り、アルプス越えの逸話と結び付けられています。”木曾谷を国道19号線で通ると、義仲にちなむ”遺跡”の看板を見かけます。”義仲が育ったのは木曾地方”という話がありますが、歴史的事実かどうかは疑問とされています。一方、源平盛衰記で義仲と木曾を結びつける記述があることも事実で、地元にもさまざまな言い伝えが伝わっているのだと思います。

下山路はほとんどが樹林帯で、ところどころ樹林の切れたところから、乗鞍岳、御嶽山を見ることができます。

 

            下山路途中の”見晴台”から見る御嶽山

ひたすら下って11時半、東川を渡る吊り橋のある北沢に着きました。ここで昼食。山小屋で作ってもらった握り飯を食べます。

                     東川にかかる吊り橋

握り飯を食べながらふとみると、一羽のヒカゲチョウが二の腕に止まって蜜を吸おうと口吻を伸ばしています。片手で携帯を取り出そうとしましたが、そのうちに飛び立ってしまいました。しばらくすると戻ってきて、今度はリュックサックに止まって同じように口吻を伸ばします。

           リュックサックに止まって蜜を吸おうとするヒカゲチョウ

人間の肌も、リュックサックの布も、蜜など吸えないことはすぐにわかりそうなものなのに、結構長い時間そのしぐさを続けていたのが不思議でした。

食事を終えて吊り橋を渡ると、4~50ほど緩い登り道になります。八丁のぞきで御嶽山の最後の姿を見おさめると、再び道は下りになり、20分ほどで兎平に達します。ここから2時間ほど、野草や鳥の観察をしながらの林道歩きで、出発点の伊奈川ダム上の駐車場に戻りました。

下山路ですれちがった登山者は単独行の男性2人、男性の2人連れひと組、男女3人ずつのグループ。いずれも私と同じコースを反対方向にまわる行程です。どうもそちら向きに回る登山者の方が多いようです。ちなみに、木曾殿山荘のマダムの話でも、伊奈川ダムからのこの道が、空木に昇るもっとも楽なコースとのことでした。

ところで、同じ向きの登山者が少ないこともあって、スローペースの私には珍しく、追い越された登山者がいないな、と思っていたら、北澤に下りる手前で若い女性に追い越されました。この女性は朝5時半に私と同じ駐車場を発ち、空木岳を単独・日帰りする計画ということで、木曾殿山荘から30分ほど下ったところですれ違っていたのです。驚くべき快足を目の前で見せてくれました。

そんなわけで、今年初めてのアルプス行きは、それなりに充実した山旅として無事完了しました。このコース一周はなかなかタフですが、越百小屋一泊で越百山を往復するのは、季節によってもいろいろと味わいが異なるので、また来てみたいと思いました。

     

 


越百山・空木岳縦走 その3

2012年08月09日 | 山歩き

2日目は木曾殿山荘で1泊。この日の宿泊者は5~60名。2階が大部屋となっていて、布団が隙間なく敷き詰めてあります。おおよそたたみ2畳に布団3つの割合ですが、その割には窮屈な感じはしませんでした。夕食は此処でもおでんが中心。

翌朝はまた4時に起床。ヘッドランプをつけて近くにある”義仲の力水”まで水を汲みに往復しました。そして日の出前の雰囲気とご来光の撮影。

 

       木曾殿越から見る御来光 ちょうど5時に八ヶ岳の右から太陽が昇ります 

太陽が昇りきらないうちに声がかかり、朝食開始。カメラと三脚を急いで片づけて小屋に戻ります。朝食後は、荷物を持たず、すぐ北の東川岳まで往復1時間ほどののんびり散歩です。振り返ると雲海の上に恵那山が浮かんでいます。

                    雲海に浮かぶ恵那山

突然すぐ近くのハイマツにホシガラスがやってきました。ホシガラスはしばらくハイマツの枝を飛びまわり去っていきました。

                       ホシガラス

東川岳山頂に着くと、昨日空木岳山頂では霧のため見えなかった中央アルプスの北半分が、今朝はすっかりその姿を見せています。

                  東川岳山頂から北方を見る

    反対側には昨日霧の中を慎重に降った空木岳北面が眼前に広がります。

                        空木岳北面

空木岳の左手には池山尾根越しに北岳、間ノ岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳がシルエットになっています。

                 東川岳山頂からの南アルプス

 蓼科山の左には浅間山の姿も見えました。

         蓼科山(右端)と浅間山、浅間山の手前は霧ヶ峰高原の車山

誰もいない頂上を30分ほど独占した後、木曾殿山荘に戻りました。戻る途中、ヘリコプターが何度も往復するのを見かけました。

                ヘリコプターによる荷揚げ作業

小屋で話を聞くと、荷揚げ作業はほぼひと月に一度。今回は9往復。はじめと終わりの1往復で作業員を運び、間の7往復で荷物を上げるのだそうです。そのおかげで私たちはおいしいビールや食事にありつける、というわけです。

空木岳、木曽駒ヶ岳が深田久弥の百名山に入っており、木曽駒の近くの千畳敷カールまでロープウェイで登れることもあって、木曽駒から空木岳を縦走する人は多いようです。それに対し、私が今回縦走した越百山・空木岳間ですれ違った人はわずかに4名。しかし、岩場あり、大展望ありで、北部に負けない魅力的なコースであると感じました。

木曾殿越の日の出、ホシガラス、荷揚げ作業をするヘリコプターの様子などをハイビジョン動画にしてYouTubeに投稿しました。

  http://youtu.be/GULa-tXMaQc

   


越百山・空木岳縦走 その2

2012年08月08日 | 山歩き

越百山から仙涯嶺に向かいます。下の写真は仙涯嶺との間の鞍部近くから振り返って見る越百山です。

         歩いてきた道を振り返る  真ん中のピークが越百山

登りに移り、岩の重なる小さなピークをいくつか越えたり巻いたりしつつ1時間40分ほど歩くと、仙涯嶺の頂上に達します。仙涯嶺の頂上は特に何もなく、日が当たって暑いので、南駒ヶ岳寄りに少し下りたところで休憩。ここから見る南駒ヶ岳の姿は立派です。

              仙涯嶺の頂上付近から見る南駒ヶ岳

前方右下を覗くと断崖上につけられた細い山道(下左)。ところどころに鎖はありますが、写真で見るほど怖いところではありません。

  

      断崖上の細い山道               仙涯嶺の頂上からの下り道       

さらに下って南駒ヶ岳との間の最低鞍部にでます。そこから振り返ると仙涯嶺の頂上は鋭くとがって見えます(上右)。ここから南駒へは、岩と岩の間を縫い、ところどころ砂礫のすべりやすい急な登りが断続的に続き、結構へばりました。

               南駒ヶ岳山頂から空木岳を見る

山頂に着くと初めて空木岳の全容が見えます。ここで昼食・大休憩。誰もいないので横になって30分ほど昼寝もしました。たっぷり水も飲み、W氏より教わった即効チャージ(左下)を飲んで再出発。これは大変効きました。少しだけですがペースを回復して一気に空木岳山頂まで登り、ここで越百山山頂で一緒になった佐久市のお兄さん(”その1”参照)に追いつきました。しかし、夕暮れが迫り、霧で何も見えず、早々に木曾殿越山荘に向かって下山を開始しました。

         

           元気のもと               空木岳山頂は霧の中 

 この下りの岩場がこの日一番の難所で時間がかかり、木曾殿山荘に着いたのは17時30分。予定より大幅に遅れてしまいました。木曾殿山荘のマダムの話では、この空木岳からの下降は事故の多いところだそうです。