新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

ミクロイドS

2011年02月14日 | コミック/アニメ/ゲーム
 古本屋で「ミクロイドS」1巻を見つけた。

 先ごろ、手塚最高傑作は『リボンの騎士』に決定したのだけれど、ちゃんと読んだのは大人になってから。手塚を論じるのなら、一番最初に読んだ手塚作品である本作になりそうな気がする。あの頃は『ブラック・ジャック』『火の鳥』『三つ目が通る』『ブッダ』『七色いんこ』『アドルフに告ぐ』も好きだったが、しかし当時の感動はよみがえってこない。

 ギガドンのコントロールで、昆虫が人類に対して一斉に反乱を起こす。あのパニックシーンの恐ろしさ。この昆虫の大群のなか、主人公の父親(美土呂博士)が、クルマを脱出してモーテルに駆け込むシーンは忘れがたい。昆虫にたかられて真っ黒になって倒れる。この場面は今見てもインパクトがある。ハチたちは静脈を正確に狙って刺し、カメムシは鼻孔に潜り込んで窒息させる。こんな死に方だけはいやだ。

 ミクロイドたちに人類の危機の警告を受けたあと、昆虫たちが博士を裁判にかける悪夢シーンも忘れがたい。この地球を人類は破壊してしまった。この罪を認めるかと昆虫が博士に迫る。

 実はこの作品の結末は知らない。コミックス3巻なのに、持っていたのは2巻までだった。秋田文庫1巻は、雨が降り、昆虫の攻撃が一時休止して、傘をさしたノラキュラ先生が去っていくシーンで終わっている。

 しかしこの作品でいちばん覚えていたのは、そういう本筋よりは、主人公のマナブが助けた女の子(実はギガドン側の女戦士に乗っ取られている)が料理をつくるシーンだ。マナブが缶詰を持ってくると、「女がいるのに料理をしないのはヘンだ」とフライパンで料理を始める。あれは何の缶詰で、どのように味付けするのだろう? 今でも気になる。缶詰を食べるたびに、「やはりフライパンで炒めた方がいいのかな」とこのシーンを思いだす。時代的に、鯨の缶詰か大和煮だろうか。





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