新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

ハイキングに里山再生、れんちゃんとお父さんの日々。

マンボウと寝る女 佐々木倫子『チャンネルはそのまま!』5巻

2012年08月25日 | コミック/アニメ/ゲーム
 佐々木倫子さんの『チャンネルはそのまま!』5巻を読み終える。

 雪丸が釣り上げたマンボウの大きさを伝えるのに、漁船の甲板で添い寝するシーンに爆笑。

 しかし北海道の魅力を伝えたいからって、雪のなかでジンギスカンというのは、無謀な企画。雪の中に野菜を貯蔵した目印がわからなくなり(また雪丸がやらかす)、必死にスコップで掘り返す花枝さんラブ。しかし重機を動かせる女子高校生というのは、かなり得点高いよ。

 花枝さんは、泥だらけになっても、何をしていても、かわいい。北海道人化してしまうのもわかる。サツエキ(札幌駅)なんて聞いたことないと思ったら、2000年代後半からか。

 しばし佐々木倫子モードで、『動物のお医者さん』を読んでいた。菱沼さんは原生林が近道だったけれど(で、雪の中に埋もれてしまう)、最近は札幌にもヒグマが出没するらしい。危険だ。

 ◇ヒグマも都会好き? 札幌で目撃相次ぐ 警戒心薄れ「住みやすさ実感」

 「でも今の時期に出てくるのはドングリがないからという理由ではない」と解説するのは、ヒグマの生態に詳しい道立総合研究機構環境・地質研究本部の間野勉企画課長(52)だ。間野さんによると、生まれて2年目になる子グマはこの時期、母グマから自立せざるを得なくなるが、クマの社会の中で最も弱い立場なので、他の雄グマの脅威から逃れようとして人間の生活空間に現れるのだという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120820-00000529-san-soci

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 三毛別羆事件を描いた吉村昭さんの『羆嵐』は、本当にすさまじかった。最初に人間のメスの味を覚えたヒグマは、またメスを襲うという話は忘れがたい。

 三毛別羆事件も、冬眠に失敗したいわゆる「穴持たず」が、空腹に凶暴性を増し引き起こした例と思われていた。しかしその後同じケースの事件は発生していない。森林伐採と明治以降の内陸部開拓が相まって、野生動物と人間の活動範囲が重なった結果、引き起こされた事件だった。里山エリアが荒廃したいまは、ヒトエリアとクマエリアが直結の開拓当時の状況に近づいているのかもしれない。

 本州でも、里山の荒廃がツキノワグマの人里エリアへの進出を招いている。北海道のヒグマの問題だけではないのだな、というあたりで。

(佐々木倫子作品でいちばん好きなのは、綾辻原作だが、鉄道に乗ったことのない沖縄育ちの女子高生が鉄道ミステリーに巻き込まれる『月館の殺人』だ )



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