新・私に続きを記させて(くろまっくのブログ)

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文楽について

2012年08月26日 | 大阪
 文楽に対する補助金打ち切り問題。

 おれは文楽は観たことがない。ついでにいうと能も狂言も歌舞伎も。国立文楽劇場は一度行こうと思いながら、そのまま来ている。平均的な大阪びとである。

 しかし、そんな大阪びとも、「曾根崎心中」くらいは知っている……はずだ。『源氏物語』を読んだことがなくても、日本を代表する文学作品だということを知っているのと同じだね。

 JR新大阪駅の待ち合わせ場所は文楽人形。その人形自身が文化財でもあり、知名度は全国区ではあるわけだ。海外向けのパンフレットにも必ず文楽の紹介がある。

 難波宮から1300年、大阪城創建からも400年以上の都市の顔が、グリコやカニやフグのような登録商標でいいのか。

 文楽が興行的に成り立っていないのは、今のままでいいとはいえない。しかし、文楽がなくなったら、大阪に何が残るのか? 近松はシェークスピアに負けない偉大な劇作者だよ。

 以下は、今年90になるのに、新しもの好きおもしろがりで、ケータイ小説や電子書籍に取り組んできた人のいうことだ。傾聴に値する。

 
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 文楽を題材にした小説「恋川」がある作家の瀬戸内寂聴さんは「文楽でぜいたくをしている人など見たことがありません」ときっぱり言い、補助金に関する方針を批判する。

 「昔は多くが食うや食わずで、文楽を受け継いできました。大きな魅力があるからですが、戦後、それではいけない、せめて生活が成り立つようにして、日本文化のためにも文楽を守ってもらおうと公的支援が始まったのです」

 文楽を守る意味について聞くと、「世界の見るべき人が見て素晴らしいと言うのだから、それで十分でしょう」としながら、少女時代に徳島に回ってきた人形浄瑠璃の思い出話をした。「子どもには難しいところもありますが、人形に見ほれているうちに幼心にも自然と、この世には大人も泣くほどのつらいことがあり、男と女は好きあうものだなどと知るのです。文化とはそういうものですよ」

 さらに橋下市長の文化に向き合う姿勢が問題だという。

 「いろいろな文化があり、全てに通じるのは難しい。ですから、評価されているものは、まずはそう考えることです。橋下さんは一度だけ文楽を見てつまらないと言ったそうですが、何度も見たらいい。それでも分からない時は、口をつぐんでいるもの。自分にセンスがないと知られるのは恥ずかしいことですから」

http://mainichi.jp/feature/news/20120724dde012040019000c4.html

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