いま私たちの会社では、全従業員を対象に、マイナンバー制度についての勉強会を開催中である。外勤者や夜勤者もいるので、何回かに分けて行う予定だ。
企業側、特に私たち中小企業の場合、マイナンバーは大きな負担以外のなにものでもない。特定個人情報の情報漏えいのリスクマネジメントは、単なる努力義務ではなく、義務である。しかも不適正な取扱いで情報を漏えいすると懲役・罰金等の対象となる。これが猶予期間も猶予措置もなく、来年1月からスタート。これ何て無理ゲー?
無能な労働組合執行部は、マイナンバーについては、何も取り組めていなかった。仕事が忙しかったのもある。住基カードや e-Tax の現状を見るにつけても、どうせ天下りや利権の温床になるだけで、すぐに崩壊するだろうと高をくくっていた面もある。帝国主義マイナンバー制度の崩壊を内乱へ! すまん。ぶっちゃけ、勉強するの、めんどくさかった。
早速、信じられない不祥事が相次いでいる。役所からのマイナンバー流出、厚労省担当者の収賄容疑、マイナンバー詐欺。原発事故や年金問題で、とうの昔にわかっていたはずだが、われわれの政府は、予想の斜め上をいくデタラメさ、壊れっぷりである。
組合員や関係者、家族までに被害が及ぶことは許さない。マイナンバー反対運動に取り組むフォロワーさんに教えられ、遅ればせながら情報収集を始めた。どう取り組んでいくのか、一定の方向性を労使で確認できたのは、マイナンバー告知が始まる直前の9月だった。10月の労組の定期大会でも、特別報告として、マイナンバーに関する説明の時間も設けた。
しかし、労使ともに、短兵急だったのは否定できない。マイナンバー利用開始前に、さまざまな問題が発覚したのは、不幸中の幸いだったといえる。
勉強会では、最初にビデオを見た。今回は社員が対象なので、個人向けの「社会保障・税番号制度が始まります」(14分34秒)である。 ここでダウンロードできる。http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/mynumber/ad/
うさぎクンが出てきた。家にテレビがないので知らなかったが、CMをやっているらしい。名前は「マイナちゃん」だという。PCで見ると、画像がデカすぎだけど。
目の形は、「1」をアピールしている。「ひとりひとりの番号」という意味だそうだ。しかし1が両目で並ぶと、マイナンバーが12桁でなく、11桁のようにミスリードしかねないのは、いかがなものだろう。ネットでは、携帯電話番号の「11桁うさぎ」に酷似していると評判だ(参考記事http://news.livedoor.com/article/detail/10348038/)
日本では古来より愛されてきた動物だから、うさピョンなのだそうだ。日本神話で最初に登場するうさピョンといえば、因幡の白兎である。海のワニ(サメ)をだまそうとして、逆に毛皮をはがされ、ボロボロになり、さんざんな目に遭う、あのうさピョンの物語は、誠に教訓的である。最後に助けてくれた大国主命が持っている袋は、さしずめビッグデータだろうか。
さて、このビデオは、マイナンバーに反対する人にも、見ることを薦めたい。内容に期待してはいけない。上戸彩さんも出てこない。そんなビデオを、はたして見る価値があるのか。ある。絶対ある。
「おれたちの税金を使って、よくもこんなくだらないビデオ作りやがって!おれの14分34秒を返せ!」
まずは、この怒りを、あなたと私が共有するためである。プロレタリアの旗のため、一緒にこころを踏みにじられようではないか! (同志求む)
しかし、このビデオを見る意味が、全くゼロというわけではない。マイナンバーは、法律や地方公共団体の条例で定められた行政手続きにしか使えないことは、このビデオでもしっかり説明されている。
[A]「社会保障」(年金・雇用保険・医療保険・福祉)
[B]「税」
[C]「災害対策」
以上の3つだけである。これはとても重要なポイントだ。消費税増税時の軽減税率の話に始まり、預金口座、NHKの受信料徴収、さらにクレジットカードやスマートフォンでの利用など、マイナンバーと紐付けしようと、どんどん話が広がってしまった。しかし、繰り返すが、マイナンバーが使えるのは、
[A]「社会保障」(年金・雇用保険・医療保険・福祉)
[B]「税」
[C]「災害対策」
この3つだけである。
しかし10月1日には住民票の住所に通知が始まるはずが、11月12日現在、届いている人は皆無だった。到着率は10%程度だという。これにも一安堵した。到着前に説明が必要だったからだ。
マイナンバーに関する送付物一式は次の通りである。
[1]宛名台紙
[2]通知カード(+個人番号カード交付申請書兼電子証明書申請書+音声コード台紙)
[3]説明パンフレット
[4]個人番号カード交付申請書の返信用封筒
ここでネックになるのが、「通知カード」である。
通知カードは上下で切り分ける形になっている。
[◎]「通知カード」
[×]「個人番号カード交付申請書」
このうち必要になるのは、[A]の「通知カード」だけ。マイナンバーの利用開始は1月から。サラリーマンの場合、1月に提出する扶養控除の申請書類からである。
[B]の個人番号カード交付は必要ない。私たちの会社では、このカードの交付は申請しないよう、全社員に指導を行っている。
会社はさすがに、官庁との関係もあり、公然と反対できないが、私たち労組の要求と提案を受け入れた形である。個人番号カードには紛失や盗難などのリスクがあり、マイナンバーが漏えいして不正に使われるおそれがある。ただでさえ、社員カード紛失するわ、社章なくすわ、カードキーなくすような連中に、どうしてそんな危険極まりないものを持たせられるだろうか(悲鳴)。
マイナンバーは、外国人含めて日本で住民登録するすべての人に割り振られる。乳幼児にもお年寄りも全員だ。高齢者を対象にした詐欺犯罪が続いている。これからマイナンバーが到着するに従って、被害も拡大するだろう。会社主催の勉強会なので、あくまでもオブザーバーとしてだが、労働組合代表として以下のような発言をした。
「今日は『紐付け』という言葉が出たが、ネットに散らばる情報を収集していけば、個人は特定できてしまう。
インターネットは道路と同じインフラだ。交通ルールを守らなければ、誰もが加害者にもなり、被害者にもなる。ネット犯罪も差別犯罪も、被害者はもちろん、加害者も出してはならない。帰って今日の話をご家族、特にお子さんに伝えてほしい」
実務もリスクも、全部企業側に押しつけ。内容はでたらめで穴だらけ、ほんとうに性急で、乱暴すぎる。
マイナンバーのイメージキャラクターがウサギなら、私たちのマイナンバー粉砕闘争のサーバントはカメだ。どうしてそんなに急ぐ必要がある? こんな素敵な甲羅があるのに、どうして無防備にプライバシーを、満天下にさらさねばならないのだ?
スピードと利便性を至高の価値とし、監視と処罰を存在理由とするグローバリズムと新自由主義にNOを。のろまで、どんくさくて、それでいい。カメのようにたたかおう。最後に勝つのはわれわれだ。ごきげんよう。
企業側、特に私たち中小企業の場合、マイナンバーは大きな負担以外のなにものでもない。特定個人情報の情報漏えいのリスクマネジメントは、単なる努力義務ではなく、義務である。しかも不適正な取扱いで情報を漏えいすると懲役・罰金等の対象となる。これが猶予期間も猶予措置もなく、来年1月からスタート。これ何て無理ゲー?
無能な労働組合執行部は、マイナンバーについては、何も取り組めていなかった。仕事が忙しかったのもある。住基カードや e-Tax の現状を見るにつけても、どうせ天下りや利権の温床になるだけで、すぐに崩壊するだろうと高をくくっていた面もある。帝国主義マイナンバー制度の崩壊を内乱へ! すまん。ぶっちゃけ、勉強するの、めんどくさかった。
早速、信じられない不祥事が相次いでいる。役所からのマイナンバー流出、厚労省担当者の収賄容疑、マイナンバー詐欺。原発事故や年金問題で、とうの昔にわかっていたはずだが、われわれの政府は、予想の斜め上をいくデタラメさ、壊れっぷりである。
組合員や関係者、家族までに被害が及ぶことは許さない。マイナンバー反対運動に取り組むフォロワーさんに教えられ、遅ればせながら情報収集を始めた。どう取り組んでいくのか、一定の方向性を労使で確認できたのは、マイナンバー告知が始まる直前の9月だった。10月の労組の定期大会でも、特別報告として、マイナンバーに関する説明の時間も設けた。
しかし、労使ともに、短兵急だったのは否定できない。マイナンバー利用開始前に、さまざまな問題が発覚したのは、不幸中の幸いだったといえる。
勉強会では、最初にビデオを見た。今回は社員が対象なので、個人向けの「社会保障・税番号制度が始まります」(14分34秒)である。 ここでダウンロードできる。http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/mynumber/ad/
うさぎクンが出てきた。家にテレビがないので知らなかったが、CMをやっているらしい。名前は「マイナちゃん」だという。PCで見ると、画像がデカすぎだけど。
目の形は、「1」をアピールしている。「ひとりひとりの番号」という意味だそうだ。しかし1が両目で並ぶと、マイナンバーが12桁でなく、11桁のようにミスリードしかねないのは、いかがなものだろう。ネットでは、携帯電話番号の「11桁うさぎ」に酷似していると評判だ(参考記事http://news.livedoor.com/article/detail/10348038/)
日本では古来より愛されてきた動物だから、うさピョンなのだそうだ。日本神話で最初に登場するうさピョンといえば、因幡の白兎である。海のワニ(サメ)をだまそうとして、逆に毛皮をはがされ、ボロボロになり、さんざんな目に遭う、あのうさピョンの物語は、誠に教訓的である。最後に助けてくれた大国主命が持っている袋は、さしずめビッグデータだろうか。
さて、このビデオは、マイナンバーに反対する人にも、見ることを薦めたい。内容に期待してはいけない。上戸彩さんも出てこない。そんなビデオを、はたして見る価値があるのか。ある。絶対ある。
「おれたちの税金を使って、よくもこんなくだらないビデオ作りやがって!おれの14分34秒を返せ!」
まずは、この怒りを、あなたと私が共有するためである。プロレタリアの旗のため、一緒にこころを踏みにじられようではないか! (同志求む)
しかし、このビデオを見る意味が、全くゼロというわけではない。マイナンバーは、法律や地方公共団体の条例で定められた行政手続きにしか使えないことは、このビデオでもしっかり説明されている。
[A]「社会保障」(年金・雇用保険・医療保険・福祉)
[B]「税」
[C]「災害対策」
以上の3つだけである。これはとても重要なポイントだ。消費税増税時の軽減税率の話に始まり、預金口座、NHKの受信料徴収、さらにクレジットカードやスマートフォンでの利用など、マイナンバーと紐付けしようと、どんどん話が広がってしまった。しかし、繰り返すが、マイナンバーが使えるのは、
[A]「社会保障」(年金・雇用保険・医療保険・福祉)
[B]「税」
[C]「災害対策」
この3つだけである。
しかし10月1日には住民票の住所に通知が始まるはずが、11月12日現在、届いている人は皆無だった。到着率は10%程度だという。これにも一安堵した。到着前に説明が必要だったからだ。
マイナンバーに関する送付物一式は次の通りである。
[1]宛名台紙
[2]通知カード(+個人番号カード交付申請書兼電子証明書申請書+音声コード台紙)
[3]説明パンフレット
[4]個人番号カード交付申請書の返信用封筒
ここでネックになるのが、「通知カード」である。
通知カードは上下で切り分ける形になっている。
[◎]「通知カード」
[×]「個人番号カード交付申請書」
このうち必要になるのは、[A]の「通知カード」だけ。マイナンバーの利用開始は1月から。サラリーマンの場合、1月に提出する扶養控除の申請書類からである。
[B]の個人番号カード交付は必要ない。私たちの会社では、このカードの交付は申請しないよう、全社員に指導を行っている。
会社はさすがに、官庁との関係もあり、公然と反対できないが、私たち労組の要求と提案を受け入れた形である。個人番号カードには紛失や盗難などのリスクがあり、マイナンバーが漏えいして不正に使われるおそれがある。ただでさえ、社員カード紛失するわ、社章なくすわ、カードキーなくすような連中に、どうしてそんな危険極まりないものを持たせられるだろうか(悲鳴)。
マイナンバーは、外国人含めて日本で住民登録するすべての人に割り振られる。乳幼児にもお年寄りも全員だ。高齢者を対象にした詐欺犯罪が続いている。これからマイナンバーが到着するに従って、被害も拡大するだろう。会社主催の勉強会なので、あくまでもオブザーバーとしてだが、労働組合代表として以下のような発言をした。
「今日は『紐付け』という言葉が出たが、ネットに散らばる情報を収集していけば、個人は特定できてしまう。
インターネットは道路と同じインフラだ。交通ルールを守らなければ、誰もが加害者にもなり、被害者にもなる。ネット犯罪も差別犯罪も、被害者はもちろん、加害者も出してはならない。帰って今日の話をご家族、特にお子さんに伝えてほしい」
実務もリスクも、全部企業側に押しつけ。内容はでたらめで穴だらけ、ほんとうに性急で、乱暴すぎる。
マイナンバーのイメージキャラクターがウサギなら、私たちのマイナンバー粉砕闘争のサーバントはカメだ。どうしてそんなに急ぐ必要がある? こんな素敵な甲羅があるのに、どうして無防備にプライバシーを、満天下にさらさねばならないのだ?
スピードと利便性を至高の価値とし、監視と処罰を存在理由とするグローバリズムと新自由主義にNOを。のろまで、どんくさくて、それでいい。カメのようにたたかおう。最後に勝つのはわれわれだ。ごきげんよう。
「個人番号交付カードは絶対に申請しないこと!」
この周知徹底が先決だと思う。