安全性は知りません。
青年漫画誌のグルメレポートに、中国産ウナギの蒲焼が大好きな男性の回がありまして。
「まさかー」と思いましたが、一年前、以下の三題噺を書くために調べてみて、「さもありなん」と思いました。
このブログ主は、幼いころから、ウナギの生態に興味を持ってきました。それは、アリストテレスからダーウィンまで、生物の進化をテーマにした図鑑だったり、サルガッソー海の不思議に触れた海洋学をテーマにした図鑑だったりしました。
大人になった今も、ウナギの本を読んだり、ヴェネチア映画祭なんか興味がないのにウナギ漁が出てくるという理由だけで金獅子賞受賞作を見に行ったり、「ウナギ料理」と間違えて「ウサギ料理」の本を読んでしまったり、ウナギの稚魚の遡上が描かれる宇能鴻一郎『西洋祈りの女』を高く評価したり、寅さん映画のウナギ釣りのシーンに感心するなど、ウナギには常に興味を払ってきました。
このブログの読者の大半のみなさんには、ウナギはごちそうに過ぎないのでしょうが……。
『西洋祈りの女』に出てくる少年が語ることばは、そのまんま、ウナギのロマンでした。
「鰻の仔は、海で生まれるんだよ。(中略)川から何千理も離れた海の底で生まれるんだって。それから、長い長い旅をして、川を登って親鰻になるんだって。この仔鰻たちはようやくここまで来たけれども、まだ旅の途中なんだね。この崖をのぼって、もっともっと遠くへ行かなければならないんだね」
宇能鴻一郎氏は、昭和後期を代表するポルノ作家ですが、デビュー直後は『鯨神』で芥川賞を受賞した純文学作家でした。『西洋祈りの女』は、純文学からポルノへの移行期な作品です。
以下は一年前に書いた、『ウナギ』『窓』『混ぜるな危険』のTwitter三題噺。
ウナギの味
昨日は、スーパーでウナギの蒲焼が売られてました。2,180円と980円の2種類ありました。国産と中国産かな? でも、いまどきウナギ? 吉野家にうな重のポスターが出ているのも街......
三題噺、いかがでしたでしょうか。
この三題噺は、もともと、死にたがりの姫のために書き始めた、逆アラビアン・ナイトでした。
私がおもしろい物語を紡がないと、彼女は死んでしまうかも知れない。
超高層ツインタワーの屋上に渡したロープのうえで、命綱なしで綱渡りをしながら、火のついた松明でジャグリングしているような、そんな緊張感の連続の日々でした。
なーんてね。
結局、いちばん楽しんでいたのは、彼女という読者を得た私自身でしたね。
そんなことより、gooブログのフォロワーさんが気になるのは、やはりウナギのおいしい食べ方ですよね。
先のグルメレポート漫画によれば、中国産蒲焼をおいしく食べるにはコツがあって、水道水でタレをすべて洗い流して、添付のタレを塗り直してから再加熱するといいんだそうですよ。
スーパーで蒲焼なんか買ったことないですけど、タレなんか付いてくるんですか?
蒲焼のタレは醤油と味醂と酒とお砂糖で比較的簡単に作れるようですから、興味のある方はお試しください。
実は、この夏休みに、世界的なベストセラー、パトリック・スヴェンソン氏のサイエンスエッセイ『ウナギが故郷に帰るとき』という本を読みまして、感想を書きたくて仕方ないのですが。
ちょっと、落ち着いてからにしたいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/6f/cf875bec810104a4c98c4f25021c26d3.jpg)
れんちゃん、うなぎのひつまぶし、おいしかった?