実はアルバム制作について、某レーベルからお話は戴いておりました。コロナが酷くなる前のお話です。ルネサンス・バロック音楽をモダンピアノで演奏しているというところに興味を持って下さったようです。
そことは別に他のレーベルともお話がありました。とてもとてもありがたいことですが、私自身は録音に興味が全くありませんでした。私の音楽に興味を持って下さることは大変ありがたいのですが、私自身、自分の音楽がまだまだだと思っておりましたし、そんな録音を残すなんてとんでもない!と思っておりました。10年後に自分で聴いてガッカリするんじゃないか…って気持ちも本当に大きかったです。それにしても、2箇所からほぼ同時とは…💦
ですが、せっかくのお話ですので、代表の方と一旦お話させていただきました。その時、少しだけやってみようかな?という気にはなりましたが、色々な面で困難になりお断りさせていただきました。
その直後、コロナで状況が悪化し、勤めていたスクールが休校になり、引きこもり生活が始まりました。6、7月に予定していた初めてのソロコンサートも無期限の延期に。またほぼ同じ時期に、お世話になっていた方が亡くなったりと、良くないことが重なりました。ソロコンサートはお世話になった方々に聴いていただきたく企画しました。そのために地元での演奏会を最初に開催予定としたのですが…。
ちょうどその頃から個人的に教え始めていた生徒がいました。その子は、私が所属しているResonanCeの動画もよく観てくれていました。
その子が久しぶりにレッスンに来た時、ResonanCeのYouTubeコンサートを観てくれたらしく、その中で私が演奏したバッハのオルガンソナタがお気に入りで、寝る前によく聴いていると話してくれました。
レッスン後、そのオルガンソナタを演奏し、その子を見ると…なんと泣いてくれてました。いや、予想外過ぎてこっちは慌てましたよね(笑)「え、花粉症?」って聞いちゃったもんw
その子が帰ってから、なんとも表現出来ない気持ちになりました。ResonanCeの演奏会で泣いて下さったお客さんがいたのですが、その時とはまた違う、不思議な気持ちになったのを覚えています。なんというか…
たとえ生徒であっても、こんな風に感じ取ってくれる人が一人でもいるんであれば、何か形に残すことも悪くないんじゃないのかな?と考えるようになりました。時間は有限で、聴いてほしいと思っていた人がいても、それが叶わないところに行ってしまうかもしれない…もしかすると自分がそうなってしまうかもしれない…とコロナも重なり色々と考えてしまいました。そう思ったら、録音についてかなり前向きになってきました(笑)
そんな中、ピアニストの内藤さんから連絡があり、「やることが無さすぎるので、zoomでお茶会でもしませんか?」と(笑)
そこでCDについてこういうことがあったんだけど…とお話すると、「他に誰もやってないことなんだから是非!」と…しかし、色々な問題をお話すると、「それなら僕が手伝うから、一緒にやろう!」と。お人柄も、その音楽も大好きな内藤さんとならむしろやりたい!と思いました。
そこから、やるからには自分の持っているもの全てを詰め込めようと思い練習しました。内藤さんの仰るように、他に誰もやっていないことをする、というのはとても責任が重いです。普段ピアノの音楽しか聴かない人には初めて耳にする音楽がほとんどでしょう。そこで「うーん…つまんない」となってしまったら、その人は今後その曲を聴かないかもしれない。普段オリジナル楽器で聴いている人がこのアルバムを聴いて「やっぱりオリジナル楽器じゃないと魅力がないな」と思ったら1つの可能性を潰してしまう…そう考えると本当に責任が大きかったです。まぁ…ここまで来たら聴かれた方に全てをお任せするしかないのですが(笑)
ただいま、色々な作業の真っ最中でございます。楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。きっかけって本当に分からないものだなと思いました。今ではとっても感謝してます。
じゃバイバイ(^^)/
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