読者を嵌らせる巧妙な罠が、そこかしこに散りばめられています。
自分の価値や居場所は、他人からどう認識されるかで決まるのでしょうか?
誰かに認められたい、友達にバカにされたくない、周りの人に尊敬されたい、自分はあの人より優れているってことを証明したい・・・・・・。
高校を卒業して10年後のクラス会で再会した、登場人物たちの中にある暗黙の格差と内に秘めた過去。
交錯するコンプレックスとプライドから生まれる悪意。
彼らの住む世界は、学生時代の友人や、映画、小説で形作られています。
狭く息苦しい世界です。
歪んだ真実は、それぞれの中にだけ存在して、表に出てきません。
高校生には高校生の、大人には大人の、その年齢でしか感じることのできない共感めいたものもあって、一気に読んでしまいました。
顔も名前もぼんやりとしか思い出せないクラスメイトや、噂でしか近況を知りえない友人、とっても仲良しだったのに離れてしまった親友を思い出しました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます