ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

128.静観

2020-03-03 18:45:28 | 時代 世の中 人生いろいろ
 また一つセミナー講師の予定が延期になった。今は、参加者のことを考えると仕方のない事と思いつつ、正直なところ気分の良い話ではない。そして、マスコミやネットのニュース報道を見る度に辟易する。一人でも感染者が出ると、日本地図上のその都道府県が、全域に「感染」が広がっているかの様に赤や黄色で塗りつぶされる。その都度、目に見えないウィルスの電子顕微鏡写真が映し出される。この画像が必要かと不機嫌になりチャンネルを変える。震災の後、津波映像の自粛をした時のような配慮はないものかと思う。街頭インタビューでは、マスクをした人々の不安の声ばかりが報道される。買占めとか品不足とかもそうだが、事実を報道することは当然だとしても、いたずらに不安や恐怖をあおる報道の仕方は、そろそろ見直しても良いのではないか。先が見通せない状況の中でも、現場で対応している人々の明るい話題とか、冷静で客観的な分析とか、もっと大事な事があると思うのだが。

 飲食店では、客が我が県内でも一人感染者が出たとか、その感染者が市内の交通機関を使ったから菌が各所に散らばっているのではないかとか、不安そうに話をしていた。こうして根拠のない憶測やデマが広がって行くと考えると不快になる。もちろん、感染した人や感染した人の周囲にいた人、高齢者や持病のある方が心配するのはわかる。重篤な状態の方もいるから、不安になるのもやむを得ない。この1~2週間が「正念場」とは言え、危機感ある情報ばかりがあふれ、国の突然の要請があったりすると、混乱が起きたり不安を掻き立てられたりするのも致し方ないのだろう。

 一方で、この間も医療従事者や厚労省の官僚、報道関係者等だけでなく、極力平常心で社会や経済、家族のくらしを支えるために働いている人の方が多数ということも事実だろう。働きたくても、仕事再開の見通しが立たず働けなくて困っている人もいる。それから、マスクもトイレットペーパーも、それらを作る人、運ぶ人、売る人がいるから手に入る。だから、病院や介護施設などにいる本当に必要な人への配慮や、普段通り働いている人や困難な状況の中でも務めを果たしている人達への配慮やねぎらいもあっていいと思う。「耐える」ことと「逃げる」ことは違うし、不安から逃げようとすればするほど、不安は大きくなるだけだ。人間に無菌状態など無いのだし、自分だけが守られて安全な社会など無いのだから。

 事態の本質から外れたセンセーショナルな情報や憶測に振り回されず、予防や周囲への配慮もしながら。今は悲観も楽観もせず静観する胆力が試されているように思う。この騒動が収束した後のためにも、今しておくべきことを見失わないようにしたい。

 もうすぐ桜。気分が変われば、景気も回復すると願いたい。そして、夏には日の丸の「感動」。今年の漢字一文字は、「感」になるか?
コメント
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