A氏とB氏はL社において、個人事業主(フリーランス)の立場で行政からの受託事業(プロジェクトX)に携わっていた。公共の事業は、毎年入札により指名業者が決まる。よって、年度末には一旦区切りがつけられるので、継続されるか否か気がかりになる。フリーランスとしては、仕事の予定や収入にも影響するからだ。
そのプロジェクトXの委託先が、ある年L社から競合のS社に変わった。A氏は、入札結果を見て次年度S社へ移りプロジェクトXに携わることにした。一方、B氏はそのままL社に残り他のプロジェクトの入札結果を待ったが、指名を得られることはなかった。それでも、B氏はS社には移らずに担当者と新たな仕事を開拓することにした。
A氏もB氏も、フリーランスだからどこで仕事をするのも自由である。収入の安定のためには、仕事は欲しい。では、B氏はなぜS社に移ってやり慣れた公共プロジェクトXに携わろうとしなかったのか。L社で、当てのない新規事業開拓に携わることにしたのか。それは、長年L社で仕事をさせてくれた人への恩義、L社のスタッフと協力して仕事の質を維持向上させてきたという自負、そして仕事の筋を通す意地である。
私は昔、企業の営業職として取引先との関係構築に腐心した。その中でも、逆風の状況でお互いに関係維持に努めた取引先とは、信頼し合えた。そのような取引先には、かえって甘えずに緊張感を持ってメリットのある提案に努めたものである。一方、多少の条件や金額差等でも自利を求め右往左往する取引先は、頭は下げながらも心では軽んじていた。
筋を通すことは、時に窮屈な思いをする。頑なな姿勢はチャンスを逃すこともあるだろう。しかし、長い目で見ると、意地を通すことが信頼関係の維持や双方の利にも繋がると思いたい。ただ、信頼関係は相手のあること。筋や意地が自己満足にならないようにしないと・・・。
そのプロジェクトXの委託先が、ある年L社から競合のS社に変わった。A氏は、入札結果を見て次年度S社へ移りプロジェクトXに携わることにした。一方、B氏はそのままL社に残り他のプロジェクトの入札結果を待ったが、指名を得られることはなかった。それでも、B氏はS社には移らずに担当者と新たな仕事を開拓することにした。
A氏もB氏も、フリーランスだからどこで仕事をするのも自由である。収入の安定のためには、仕事は欲しい。では、B氏はなぜS社に移ってやり慣れた公共プロジェクトXに携わろうとしなかったのか。L社で、当てのない新規事業開拓に携わることにしたのか。それは、長年L社で仕事をさせてくれた人への恩義、L社のスタッフと協力して仕事の質を維持向上させてきたという自負、そして仕事の筋を通す意地である。
私は昔、企業の営業職として取引先との関係構築に腐心した。その中でも、逆風の状況でお互いに関係維持に努めた取引先とは、信頼し合えた。そのような取引先には、かえって甘えずに緊張感を持ってメリットのある提案に努めたものである。一方、多少の条件や金額差等でも自利を求め右往左往する取引先は、頭は下げながらも心では軽んじていた。
筋を通すことは、時に窮屈な思いをする。頑なな姿勢はチャンスを逃すこともあるだろう。しかし、長い目で見ると、意地を通すことが信頼関係の維持や双方の利にも繋がると思いたい。ただ、信頼関係は相手のあること。筋や意地が自己満足にならないようにしないと・・・。