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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

[シリーズ集団的自衛権批判(9)] 尖閣上陸を想定した危険な軍事演習とペリリュー島

2014-08-27 | 集団的自衛権

 ペリリュー島での激戦を特集したNHKスペシャル<狂気の戦場 ペリリュー ~“忘れられた島”の記録~>は、恐るべき戦場の実態を伝えている。投降はもちろん玉砕も禁じられ、ひたすら持久戦によって消耗しながら、泥沼の闘いを続けるしかなかった。日本兵10,931名のうち生還者はごく僅かの236名であったという事実からもそのすさまじさがわかる。どこが前線でどこが後方かもわからず、敵味方も入り乱れた、文字通り恐怖と狂気に駆られた戦場だったという。奇跡的に生き残った上等兵土田喜代一さんは「瓶の中にサソリを入れて蓋をして殺し合いをしたような格好じゃなかったですかね」とその恐ろしさを表現している。
※NHKスペシャル「狂気の戦場 ペリリュー~“忘れられた島”の記録~」(動画)
https://www.youtube.com/watch?v=6infJEtMHRc

 これを見て、地形も面積も違うが、素人目に、「尖閣諸島」を巡って自衛隊が真剣に島嶼上陸と奪還を想定した演習をしていることと重ね合わせて見ないではいられなかった。
※自衛隊が沖縄の無人島で大規模な離島奪還訓練――「中国への刺激」を懸念(金曜日)
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=3890
※「タブー」の日本版海兵隊、進む創設準備 訓練を公開(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG5P6KFHG5PUTIL04Y.html
※陸海空3自衛隊が離島奪回訓練 専門部隊が佐世保を出発(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASG5J4V1XG5JUTIL01V.html

ペリリュー島

尖閣諸島 魚釣島

 自衛隊は、“尖閣諸島への「中国武装漁民」による占拠”などを想定し、陸上自衛隊による海上自衛隊船舶を使った上陸演習=「島嶼奪還」訓練、陸海空三自衛隊統合による大規模演習、米軍と自衛隊との共同上陸演習などを繰り返している。
 「武装漁民」による占拠の可能性のリアリティは別として、小さな無人島である「魚釣島」を巡って中国軍との奪還戦争を本当に考えているとしたら、あまりにも無配慮・無分別というしかない。まず上陸作戦ですむはずがない。上陸後、地上部隊による敵に対する殲滅戦を展開しなければならない。双方からの空爆による殺戮作戦も展開される。尖閣諸島だけでなく、そこへの出撃基地が狙われる。沖縄が、佐世保が、岩国が問題になる。
 「武装漁民」からの奪還のための上陸作戦は、瞬く間に陸海空の全面的な戦闘へ、国家間の大規模な戦争へとエスカレートする危険をはらむ。
 
 「領土」を巡る軍事挑発、軍事対決はきわめて危険だ。グレーゾーン事態とは、一度始めたらやめることのできない泥沼の戦争への一歩である。戦争挑発発端となった「尖閣国有化」を撤回し棚上げ合意に戻ること、領土を巡る軍事挑発を慎み、戦争の芽を摘むことこそ重要だ。

(ハンマー)


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