今回は一昨年CDP-R3の修理を行った静岡のM氏よりSANSUIのAU-X1111 MOS VINTAGEのオーバーホールの依頼です。
写真で見るだけでは判らないのが大きさと重さです。
流石に35kgもあると持ち上げる前に気合を入れないと腰を壊しかねないですね。
当時のフラグシップだけに高級感漂う外観の仕上げにはそつがないですね。
天板を取ると中央にかなりの体積をしめるトランスがありこれが重さの大半をしめているようです。ブロックコンデンサもどうも特注品のようで、オーバーホールするとなるとこの辺りのコンデンサがまず入手が不可能になってきますね。
SANSUIのアンプはパワーアンプ部への配線がコネクタで接続されているので取り外しが容易でメンテナンス時には非常に助かる設計になっていますね。
流石に20年を超えていますので半田クラックは避けられないですね。
それでも使用環境が良かった様で全体的にクラックの発生は少ないほうですね。
過去にメンテナンスしている形跡がありましたがそれでも放熱シリコンはカラカラの状態です。
スピーカーリレーの接点も酸化して黒ずんでいます。
清掃すると接点が2層になっておりベースが銀合金で接触部が金合金なのか金色に光っていました。
SW類も分解してみましたが大半が綺麗な状態でした。
一番酸化していたのがこのパワーアンプダイレクトの切り替えSWです。
意外に酸化が酷かったのが電源基板の電源用コネクタのピンです。
6個のコネクタ全てがこんな状態になっていました。
前面パネル部にあるスイッチ類の基板は配線がコネクタに成っていない物があり本体に宙吊り状態での作業となってしまいました。
ビデオとかテープとか通常での使用ではあまり必要性の無い端子が多いですね。
音はSANSUIらしく力強さ・スピード感・繊細な表現と申し分のない出来で音に引き込まれる感じがします。
ちょっと気になるのが音に余韻の様な付帯音があり音の輪郭がぼやける所です。
故意にこのような音作りをしたのでしょうかね。
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