中央公論社の本です。
おそらく中古の本屋さんで入手した本だと思う。
一回読んだことがある気がする。
でも、意識して読了し、衝撃を受けた。
話は、白虎隊で有名な会津藩が戊辰戦争にて降伏したときからはじまる。
主人公である柴五郎さんはまだ10歳で、祖母、母、兄嫁、姉、妹は辱めを受けるを恥として、自害する。妹は7歳だったというのに、常に懐剣をしのばせている逸話が…。
明治時代がはじまると同時に、少年のふるさとは京都をまもり、お内裏様は天子様である雛まつりをして過ごしていたにもかかわらず、朝敵となり賊軍、戦犯となり、収容所へと送られる。
送られるといっても自力で歩かされる。しかし怪我人か老人か子どもしかいないような状態で、粗末な御輿のようなものが作られ、「乞食の大名行列」と当事者の表現。
その後脱走?に成功し、父親らと落ち合い、斗南藩の一員として再興を目指しますが、着いた土地は海に近く寒風吹きすさぶ不毛の大地に等しい土地で、どん底の底の鍋底の汚れを舐めるぐらいの辛酸を味わいます。
まだ11歳になるかならないかで、武家の子に生まれたすべては崩壊し、それなのに知恵も経験も人脈もなく、それでも、熊本からやってきた福島県知事との出会いがきっかけとなり、やがて、陸軍大将にまでのぼりつめます。
犬の肉を飲み込むときの話や、12歳ぐらいで、か細いツテを頼りに居候のお願いをして歩く姿。
薩摩や土佐の人たちが出世をしていくなか、ひねくれることなく、武家出身でありながら、小間使いとして働くことに身も心も慣れてしまう少年の姿。淡々と綴られているだけに、目に浮かび辛い。
陸軍大将になったっていう結果にほっとしたけれど、こういう少年たちが、そのままヤクザのようになったり、野垂れ死にしたりしたのだろうと思う。
戦争というと、太平洋戦争しか昨今思い浮かばないけれど、日本人が日本人を殺し合い日本という国をつくった歴史も、忘れてはいけないと思った。
本編は士官学校でのエピソードであっさり終わる。
編集後記に、その後の柴五郎さんが義和団事件で活躍してたこと、北京籠城という本やアメリカの映画(北京の55日)になってることを知った。
そして、靖国神社が招魂社といって、維新の犠牲者を祀るために明治政府が建立したので、東北人士の戦死者は祀られなかったことを知った。
全国の護国神社も招魂社であるため、祀られずとのこと。
明治2年に明治天皇が初めて東北を巡幸したときも朝敵、賊軍の墓には立ち寄らず、官軍の墓には勅使を差遣し慰霊したという。
また、中国で日本は日本人を中国人に仕立て歩騎兵をつくらせる。
にも関わらず、そのトップごと見限り、掌返しをしたらしい。
馬賊という本も読まねばならない。
軍人となった柴五郎さん曰く、
「近頃の軍人は、すぐ鉄砲を撃ちたがる、国の運命をかける戦というものは、そのようなものではない」
この本を読み、読まねばメモ
『城下の人』龍星閣刊
『北京籠城』平凡社 東洋文庫
『馬賊』中公新書
『佳人之奇遇』柴五郎さんの兄著
おそらく中古の本屋さんで入手した本だと思う。
一回読んだことがある気がする。
でも、意識して読了し、衝撃を受けた。
話は、白虎隊で有名な会津藩が戊辰戦争にて降伏したときからはじまる。
主人公である柴五郎さんはまだ10歳で、祖母、母、兄嫁、姉、妹は辱めを受けるを恥として、自害する。妹は7歳だったというのに、常に懐剣をしのばせている逸話が…。
明治時代がはじまると同時に、少年のふるさとは京都をまもり、お内裏様は天子様である雛まつりをして過ごしていたにもかかわらず、朝敵となり賊軍、戦犯となり、収容所へと送られる。
送られるといっても自力で歩かされる。しかし怪我人か老人か子どもしかいないような状態で、粗末な御輿のようなものが作られ、「乞食の大名行列」と当事者の表現。
その後脱走?に成功し、父親らと落ち合い、斗南藩の一員として再興を目指しますが、着いた土地は海に近く寒風吹きすさぶ不毛の大地に等しい土地で、どん底の底の鍋底の汚れを舐めるぐらいの辛酸を味わいます。
まだ11歳になるかならないかで、武家の子に生まれたすべては崩壊し、それなのに知恵も経験も人脈もなく、それでも、熊本からやってきた福島県知事との出会いがきっかけとなり、やがて、陸軍大将にまでのぼりつめます。
犬の肉を飲み込むときの話や、12歳ぐらいで、か細いツテを頼りに居候のお願いをして歩く姿。
薩摩や土佐の人たちが出世をしていくなか、ひねくれることなく、武家出身でありながら、小間使いとして働くことに身も心も慣れてしまう少年の姿。淡々と綴られているだけに、目に浮かび辛い。
陸軍大将になったっていう結果にほっとしたけれど、こういう少年たちが、そのままヤクザのようになったり、野垂れ死にしたりしたのだろうと思う。
戦争というと、太平洋戦争しか昨今思い浮かばないけれど、日本人が日本人を殺し合い日本という国をつくった歴史も、忘れてはいけないと思った。
本編は士官学校でのエピソードであっさり終わる。
編集後記に、その後の柴五郎さんが義和団事件で活躍してたこと、北京籠城という本やアメリカの映画(北京の55日)になってることを知った。
そして、靖国神社が招魂社といって、維新の犠牲者を祀るために明治政府が建立したので、東北人士の戦死者は祀られなかったことを知った。
全国の護国神社も招魂社であるため、祀られずとのこと。
明治2年に明治天皇が初めて東北を巡幸したときも朝敵、賊軍の墓には立ち寄らず、官軍の墓には勅使を差遣し慰霊したという。
また、中国で日本は日本人を中国人に仕立て歩騎兵をつくらせる。
にも関わらず、そのトップごと見限り、掌返しをしたらしい。
馬賊という本も読まねばならない。
軍人となった柴五郎さん曰く、
「近頃の軍人は、すぐ鉄砲を撃ちたがる、国の運命をかける戦というものは、そのようなものではない」
この本を読み、読まねばメモ
『城下の人』龍星閣刊
『北京籠城』平凡社 東洋文庫
『馬賊』中公新書
『佳人之奇遇』柴五郎さんの兄著
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます