こんにちわ~^0^
今日は我が家の『いくりちゃん』です。
以前、秋に
うっかり帰り花が咲いたお話を書きました。
うっかりミスなのかどうかは分かりませんが、老木にとって花を咲かせるのってかなりエネルギーが必要だと思うのよね。
で、余計なエネルギー使っちゃったから、この春、花を付けられるのか微妙だったのだけれど。
――ほら^w^
今年はまぁまぁ 蕾が付いてます^^
もうすぐ開花です。
――頑張ってるね、いくりちゃん(=^エ^=)
**我が家の『いくり(郁季)ちゃん』**
祖母がワタシが生まれた日に記念樹(?)として、小さな苗木を庭に植えてくれました。
おそらく、生まれた月に咲く花として贈ってくれたのだろうと思います。
一緒に育って来たと言っても過言ではありません。
スクスクと成長して ものごころ付いた時には、桜よりも一足早く花を咲かせ、6月には真っ赤な実をたくさん実らせてくれていた。
当たり前のように、ワタシの側に居ました。
祖母は早くに他界したので、『いくり』という果実の事を教えてもらう事はなかったです。
ウチでは当たり前の『いくり』だったけれど、お店では売っている所を見た事も無い。
『スモモ』としてよく似ている果物が売られているのは知っていたけれど、大きさや色が違いました。
よく似ているので『スモモの種類』は間違いない。
……が、姿も味も中身もなんか違う。
コレは、何の実?と聞かれて『いくりです。』と答えると、『何ソレ?知らない。』と、誰一人知らなかったので、正直、いくりちゃんって何者なんだ? 名前、間違ってたりするのか??
そもそも、『いくり』って両親が呼んでいるだけで、まさか両親が付けたオリジナルネームだったりしないか?(←だったら超ハズカシイ;)
と、自信が揺らぎ、名前を聞かれると、『いくりっていうスモモの一種デス』と答えるようになりました。
インターネットが普及し、いくりちゃんの事を調べると、予想外にHITし、とりあえず、両親のオリジナルネームの疑いは晴れたのですが^^;
ネットで出ている画像の中には、いくりとソックリのものを『スモモ』と呼んでいたり、見た目の若干違うものを『いくり』と呼んでいる方もおられました。
そっか、、いくりちゃん=スモモ なのだな。。
見た目が違っても総称は『スモモ』で間違っていないのだな。
リンゴも柿も、品種が違えば見た目も味も別モノだもん。と、自身を納得させていました。
ある日、両親は、大きくなりすぎたいくりちゃんを切り倒すべきだろうか?と相談をしていました。
狭い我が家の庭では、根を広げる事が難しかったのでしょう、台風の強風に煽られて根っこからバタン!と倒れてしまったのです。
倒れた影響で、放射状にバランス良く伸びた太い枝のいくつかは、折れてしまい、根こぞぎ倒れたせいで太い根もダメージを受けているように見えました。
当たり前のように立っていた木がなくなってしまうもの悲しさと、ワタシと一緒に育って来た。
――いわば、半身のような木を、どうにかして助けられないかと切り倒す案は両親もワタシも許容し難かったので、勢力が戻るかどうか様子を見ることにし、業者さんを呼びました。
業者さんが、いくりちゃんを見て、『コレはいくりですね! 今どき珍しい!!』と、感嘆の声を上げた時、え!?ご存じなの!?と逆に驚きました。
(葉っぱと枝振りだけで言い当てるなんて、お見事ですね)
聞くと、果樹には、寿命が有り、いくりは、昔は植えていたお家も有ったけれど、落葉樹で大きくなる事もあり、数が減って行って、まだある方が珍しいとの事。
クレーンで引き上げ、ツッパリの支柱を立て掛けて、やっとこさ立っているいくりちゃんは、痛々しい。
折れた枝を切られると、美しい姿は見る影もなくなっていました。
根元近くで太い幹は2つに分かれていたけれど、その1つを失い、元の半分のスリム体型になってしまった。
けれど、毎年やってくる台風は、回復途中のいくりちゃんを毎年なぎ倒して行くようになり、その度に また折角伸びた枝は切られ、クレーンで引き上げる事を繰り返しました。
今や元の1/3のサイズにコンパクツになっているいくりちゃんです。
弱りながらも毎年花を咲かせて健気に生きようとしている木を切り倒すのは、どうしても許容出来ないと、がんばれ~がんばれ~と日々声をかけています。
『いくり』とググると、スモモの事を”いくり”と呼ぶ地域がある。(主に九州地方と、愛媛を除く四国地方)
『いくり』って方言なのか~って思ってたある日の事。
自宅で法事の際、いくりの木を見たお坊さんが、ほぅ!コレは ”いくり”ですね~と一言。
すかさずワタシは、『いくり』をご存じですか?
殆どの人に『いくりってナニ?』と、聞き返されるのが常でしたので、『スモモですよ』と付け加えていたのです。
と言いますと、『いくりとスモモは全く違うんですよ!』とお坊さんに訂正されました。
スモモの一種には違いないのだけれど、いくりは、古くから日本に伝わっているニホンスモモの品種だそうです。
奈良時代に渡来したとされる中国原産のニホンスモモは、古事記や万葉集に「李」の名称で登場しており、当時は観賞用だったようです。
もっと古い時代、そう、あの『卑弥呼』が好んで食べたとされる『桃』は、遺跡から出土した大量の種から、近年『スモモの原種』だと判った事も付け加えておきましょう。
スモモは、「酸っぱい桃=酸桃(すもも)」≠『桃』として慎重されず、果物としてあまりメジャーにはならなかった。
しかし健康ブームで、食品として注目され始め、長野県を中心に全国で広く栽培されている。
ニホンスモモとコーカサス原産のセイヨウスモモ、アメリカ原産のアメリカスモモの3種類が果樹として栽培されるが、お店で見かける代表的な品種、「大石早生」「ソルダム」「サンタローザ」「太陽」「メスレー」など、数多く改良品種がある。
……ウチのいくりちゃんは、どれなのだろう。
なんとなく近そうなのはメスレーみたいなのだが。
しかし、先にも触れたが、果樹には寿命がある。
察するに 今のいくりちゃんは既に平均寿命を超えているように思う。
花も実も結べなくなれば自然に朽ちていく。
木も人と同じなのだ。
まさか、我が身よりも寿命が短かかったなんて想像もしていなかったけれど。
自宅前の田んぼは宅地化され、今は新しいお家が建ち並んでいて、以前のように台風の風が真っ向から当たる事がなくなり、去年の台風はしのぐ事が出来た。
その分、環境が変わったのか秋にうっかり花を咲かせたが、この春もちゃんと蕾を付けた。
例年より幾分か芽吹くのが遅かった……。
さて、今後実を結ぶ事は出来るのだろうか。(スモモは自家受粉が得意ではないらしい)
もし、実を結ぶ事が出来たなら、嬉しい!と喜ぶよりも、ワタシの半身はまだ生きるのを諦めていないのだと、きっとホッとする事だろう。
長くなりました、花が咲いたら、またご覧いただきたいと思います。