徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

西の魔女が死んだ

2011年06月29日 | ★★★
西の魔女が死んだ
おすすめ度
製作:2008年 日本
製作:柘植靖司ほか
監督・脚本:長崎俊一
原作:梨木香歩
出演:サチ・パーカー 高橋真悠 りょう 大森南朋 高橋克実  木村祐一 
キャッチコピー:人はみんな幸せになれるようにできているんですよ

おばあちゃんフェチ的には観ておきたい1本「西の魔女が死んだ」です。
(なんちゅう冒頭・・・・★)

「魔女が倒れた。もうダメみたい」中学3年になった少女まいに、突然の知らせが届く。おばあちゃんの家へ向かう車の中でママから聞かされたおばあちゃんの訃報。
"魔女"とはママのママ、英国人の祖母のこと。ママとまいだけの呼び名だ。まいは2年前の日々へ想いを馳せる。
中学校へ入学して間もないあの頃、学校へ行くのが苦痛になってしまったまいは、ママの提案で、西の魔女のもとで過ごすことになった。
おばあちゃんの家系は魔女の血筋だと聞く。おばあちゃんのいう魔女とは、草木についての知恵や知識を代々受け継ぎ、物事の先を見通す不思議な能力を持つ人のこと。
まいは自分も魔女になりたいと願い、魔女になるための修行を始める。"魔女修行"のはじまりだ。おばあちゃんが課した修行とは、まいの予想に反し、早寝早起きし、食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をするという単純なこと。そしてもう一つ、「何事も自分で決める」ということだった。(公式HPより抜粋)



大好きなおばあちゃんとの再会。
まいはしばらくおばあちゃんのおうちで暮らすことになります。


どうすれば魔女になれるか?という問いにおばあちゃんから意外な答えが。
それは“早寝早起きし、食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする”ということ。


早速まいは早起きをして、植物のことを学んだり


野いちごのジャムを作ったり


シーツを手洗いしたり
おばあちゃんの元で“魔女修行”にいそしみます。



ある日、近所に住む粗野な男、ゲンジ(木村祐一)の行動がどうしても許せず、おばあちゃんにそれを訴えます。ところが、おばあちゃんは一方的に彼を非難するまいをさとし、逆にゲンジをかばいます。しかし、どうしてもガマンできないまいは、彼に対し暴言を吐き、おばあちゃんと衝突してしまいます。そしてそれを最後に2年の年月が経ってしまうのでした。




いいですね。
心が和みます。
毎日を丁寧に暮らしている姿がとてもすばらしい。


当たり前のことを当たり前にすることって
なかなか難しい。

このブログでも何度か書いたことばですが
本当にそう思います。


いつの間にやら、まいと同じ目線になっていました。
ぶはは。
いい年してお恥ずかしい話ですが・・・・★

あ。
そうそう!
それから、この作品なんとも食べ物が美味しそうなのです。
裏の庭で取れたレタスを使ったサントイッチやら
手作り野イチゴジャムをたっぷり塗ったカリカリのトーストやら
手作りハーブティーやら
出来立てさくさくクッキーやら・・・・
食いしん坊にはたまりません。



映画的なストーリーも楽しめましたが、
暮らし方やインテリアなど、お手本にしたい
いろいろなエッセンスが詰まった作品でした。













病院で死ぬということ

2011年06月28日 | ★★★

病院で死ぬということ
おすすめ度
製作:1993年 日本
製作:伊藤宏一 関谷省吾 塚本俊雄
監督:市川準
原作:山崎章郎
脚本:市川準
出演:岸部一徳 山内明 塩野谷正幸 七尾伶子 石井育代 橋本妙 田村廣
キャッチコピー:“愛”だけが死を超える。


ガン告知を受けた患者の闘病の日々を、家族や医師らの姿を交えながら描く人間ドラマ「病院で死ぬということ」です。

末期医療に取り組む山岡医師(岸部一徳)が担当する四人のガン患者とその家族が登場。冒頭から入院患者の姿は固定カメラで淡々と映し出されます。作中に挿入されたドキュメンタリー的な演出がとても印象的でした。


1人目の患者
川村健二老人(山内明)の病室に妻の秀子(橋本妙)が入院してきます。
だが川村は大腸ガンであったのに対し、秀子は山岡医師が勤める病院では手掛けていない肺ガンであり、彼女はやがて他の病院に移ることになります。


夫婦の余命は短い。息子たちは父の願いを聞き、ある日彼を妻のいる病院へ連れていく事を決心します。たった30分の再会でしたが、それは家族にとって忘れられない思い出となります。


2人目の患者
40代の働き盛りのサラリーマン野村(塩野谷正幸)は自分の病名を知らず入院し、手術によりガンを取り出すことも告知を受けることもなく、いったん元気に退院していきます。


3人目の患者
女手ひとつで務めた子育ても終わり、ようやく自分の人生をのんびり過ごせるようになった池田春代(七尾伶子)。見舞いに来る慎二や和子ら子供たちと明るく語り合っています。
その後二度の手術を受けますが、回復の兆しが見られません。「もう治らないのでは・・・?」と感じ始めた春代の心は次第に荒んでいきます。その様子を見てこれ以上隠し通せないことを悟った山岡はついに彼女にがん告知をします。

4人目の患者
身寄りのない行き倒れで入院してきた藤井(田村廣)はかなり進行した食道ガンに侵されていました。
間もなく気管支を切開し声を失い衰弱。その後遺体は市のケースワーカーに引き取られます。



やがて野口が再入院してきます。野口も一向に改善しない体調に苛立ちをみせはじめ妻の容子ら周囲に当たり散らすようになります。


今から18年前の作品。
当時は告知をしないのが基本スタンスだったのでしょうか。
時代により考え方が異なるのは仕方のないことだと思いますが
自分の病状を正しく告知してもらえないことで疑心暗鬼になっていく患者の姿がとても痛々しかったです。


私は2年前に父を胃がんで亡くしました。
がんが見つかったときはもう手の施しようのないステージ4でした。
そのときは、父同席の元で家族といっしょにがん告知を受けました。
いよいよ終末を迎えるときは、在宅医療を選択し、自宅で父をおくりました。
個人的にはきちんと告知を受けることで、父も、私たち家族も少しずつ心の準備ができたように思います。

作品の中での野口も告知後に、徐々に落ち着きを取り戻し、一時帰宅をします。そして病院へ戻る2日前の夜、子供たちに全てを話し、残された日々を心穏やかに過ごします。

個人的な経験も手伝い、私にとってこの作品はとても心に響くテーマでした。
最後に明確な答えがあるわけでもなく、登場人物の様子を淡々と描かれています。
その姿がとてもリアルで切ない。

人の死を静かに捕らえた良作でした。

手紙

2011年06月27日 | ★★
手紙
おすすめ度
製作:2006年 日本
製作:宇野康秀 大澤茂樹 高瀬哲 細野義朗 日下孝明 常田照雄
監督:生野慈朗
原作:東野圭吾
脚本:安倍照雄
出演:山田孝之 玉山鉄二 沢尻エリカ 吹石一恵 尾上寛之 田中要次
キャッチコピー:兄貴、元気ですか?これが最後の手紙です。


東野圭吾の小説が原作の「手紙」。
犯罪者の家族に突き付けられる厳しい現実が描かれたなかなか重いテーマ。
数多くの人気テレビドラマを手掛けてきた生野慈朗という方が監督をつとめています。



工場で働く20歳の武島直貴(山田孝之)は、職場の人間ともまるで打ち解けず、人目を避けるように暮らしています。
それは彼の唯一の家族である兄・剛志(玉山鉄二)が、直貴の学費欲しさに盗みに入った邸宅で老婆を殺してしまった為でした。


自分のために罪を犯し兄へせめてもの償いにと服役中の兄から届く手紙に返事を書き続けます。

そんなある日、職場で更生した元服役囚と出会った直貴は、一度はあきらめたお笑い芸人の夢に再び挑戦しようと決意し上京。やがてお笑い芸人“テラタケ”はブレイク。その後直貴はコンパで知り合った大企業の専務令嬢・朝美(吹石一恵)と恋に落ちますが、ネットの書き込みから直貴が殺人者の弟だという噂が広まってしまい、所属事務所や朝美の家族の知るところとなります。悩んだ末、直貴は芸能活動にも、恋にもピリオドを打ちます。
そして6度目の転職。サラリーマンとして再び新しい人生を歩み始めた直貴はずっと陰ながら支えてくれたかつての同僚由美子(沢尻エリカ)と結婚。子宝にも恵まれようやく穏やかな日常を手に入れたように見えましたが、またしても差別の目が。今度はわが子にその被害が及んでいることを知った直貴はたまらず剛志に兄弟の縁を切りたいという手紙を書き、すべてを清算させるために被害者の遺族に挨拶に出かけます。そこで直貴はある事実を知ることとなります。




刑務所慰問のため、“テラタケ”を一度だけ再結成し舞台へ立つ直貴。


直舞台上の直貴を見つめ涙する剛志。


とても考えさせられる深いテーマでした。
個人的には、遺族である被害者の息子が、
「これで全てを終わりにしたい」というシーンが心に残りました。
吹越満!
いい芝居するなぁ。

なのに星2つ・・・?(笑)
そう、星2つ。

キャスティングの一部がどうしてもなじめなくて
興ざめしてしまい、作品に感情移入ができなかった・・・。
こういう作品で感情移入ができないのってホントに致命的★


ね★
エリカ様!(苦笑)


フレンジー

2011年06月26日 | ★★★
フレンジー
おすすめ度
原題:FRENZY
製作:1972年 アメリカ イギリス
製作:アルフレッド・ヒッチコック
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:アンソニー・シェイファー
出演:ジョン・フィンチ バリー・フォスター ビリー・ホワイトロー バーナード・クリビンス ジーン・マーシュ アンナ・マッセイ

ご無沙汰しております・・・。
しばらく放置しているうちに、またしてもアップの仕方が分からなくなってしまいました★

さて久々に書いてみようかと思った作品は「FRENZY」
ふむふむなかなか素敵なタイトルね。
晩年のヒッチコックが撮った作品で
いつか観よう、観ようと思って放置していた名作のひとつ。
ようやく重い腰を上げてみました☆


舞台はロンドン。
テムズ川沿いで政治家の演説が行われています。



その最中、首にネクタイをまきつけられた全裸の女の死体が打ちあげられます。今世間を騒がせている未解決事件が再び起こったのです。


その頃、リチャード・ブラニー(ジョン・フィンチ)は勤め先の酒場をクビになり、友人のラスク(バリー・フォスター)のところに立ち寄ります。ブラニーのピンチを悟ったラスクは競馬の裏情報を耳打ちします。しかしお金がなく馬券を買うことすらままならなかったブラニー。・・・しょっぱい★



酒に酔い2年前に離婚したブレンダ(バーバラ・リー・ハント)の経営する結婚相談所にきて、絡む元ダンナ。
めんどくさいなぁ、もう。



その翌日、ブレンダのオフィスにロビンソンという偽名を使ってラスクがやってきてブレンダを襲い・・・


ネクタイで絞殺してしまいます。


そう。
連続殺人の犯人はブラニーの親友、ラスクだったのです。

ラスクが帰った数分後、そこへブラニーが訪れますが、事務所の鍵がかかっていたため引き返そうとする姿を運悪くブレンダの秘書が目撃してしまいます。前日に口論をしていことも手伝い、彼は殺人犯として追われる身になり・・・。



ネクタイで絞殺された連続猟奇殺人事件。
次々に殺害される女性たちの死体が印象的で
ヒッチコックの緊張感あふれる演出が光る作品でしたっ。


そんな中、妻の不味いフランス料理に悩まされる警部の食事シーン。
素敵な料理を出しながらなかなか鋭い「女の勘」で推理までしちゃう彼女。
サスペンスには欠かせない(?)和みのシーンってのいいですねえ。



でもって、今回もキッチリ出演しちゃった監督のおまけ画像っ★


久々にヒッチコックな世界をたーんと堪能できて楽しかったです。
(↑こんな言葉で終わらせるなんて・・・苦笑)