徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

エド・ゲイン

2008年02月29日 | 



エド・ゲイン
おすすめ度
原題:Ed Gein: The Butcher of Plainfield
製作:2007年 アメリカ
製作・監督・脚本:マイケル・フェイファー
出演:ケイン・ホッダー エイドリアン・フランツ プリシラ・バーンズ ショーン・ホフマン マイケル・ベリーマン

チャック・パレロ監督の「エド・ゲイン」と間違ってレンタルしちゃいました~!!マイケル・フェイファー監督の「エド・ゲイン」です(泣)

「サイコ」「悪魔のいけにえ」「テキサス・チェーンソー」「羊たちの沈黙」などなど様々な映画の殺人鬼のモデルとして知られる世界一有名な凶悪犯エド・ゲインの伝記的作品。
・・・・なんて言うのも腹の立つしょうもない作品でした。

はあ・・・。(溜息)

エド・ゲイン役のケイン・ホッダー。
太りすぎですよ、アナタ・・・。
この役者さん、「13日の金曜日」でジェイソン役をされているんですね。


手口も違うし。


殺害された女性のルックスも違うし。
(それって結構エド・ゲインにとっては意味あるんじゃないの?)


どうでもいい副保安官と保安官の娘の安っぽい恋愛模様なんかも見せ付けられるし。


駄目駄目なキャスティング&演出にうんざりしつつ一応最後まで観ましたが・・・(汗)



「真実に基づく」なんてちゃんちゃら可笑しい駄作でした。


前田有一の超映画批評



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善き人のためのソナタ

2008年02月28日 | ★★★★★



善き人のためのソナタ
おすすめ度
原題:Das Leben der Anderen
英題:The Lives of Others
製作:2006年 ドイツ
製作:クイリン・ベルク マックス・ヴィーデマン
監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
出演:ウルリッヒ・ミューエ マルティナ・ゲデック セバスチャン・コッホ

東ドイツのシュタージをテーマに製作された初の作品「善き人のためのソナタ」です。これは数年に一度出会えるかどうかの私にとって、大変心に残る作品のひとつとなりました。

1984年の東ベルリン。国家保安省(シュタージ)の局員ヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)は国家に忠誠を誓う勤勉で真面目な男です。ある日彼は、反体制の疑いのある劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)とその同棲相手の舞台女優クリスタ(マルティナ・ゲデック )を監視するよう命じられます。早速ドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーはいつものように徹底した監視を開始するのです。しかし、音楽や文学を語り合い、深く愛し合う彼らの世界にヴィースラーは次第に共鳴していくのです。

深く、深く心に染み入る作品でした。
統一直前の東ドイツを描いた作品といえば、ちょっぴりコミカルで風刺の効いた「グッバイ、レーニン!」が記憶に新しいですが、本作では全く違う切り口で東ドイツを描いています。

1989年に崩壊したベルリンの壁。あれから約20年。これまで国内でタブー視されてきた「シュタージュ」を描いた初の作品です。製作スタッフの中には、シュタージュと接触した人も居たそうです。驚くことに、その体験はこの作品を制作するにあたるまでの17年間一度も口にしたことがなかったそうです。あるいは彼らの中では「過去」ではないのかもしれません。

ヴィースラーはドイツ人の典型のような几帳面で生真面目な男です。
ある日ドライマンの部屋から流れてきた「善き人のためのソナタ」。
それを聴いた時から彼の人生は大きく変わり始めます。

「これを本気で聴いた人は悪人になれない」

その曲には自殺した演出家イェルスカからのメッセージが添えられています。愛と自由を求める芸術家たちにヴィースラーは感情移入しちゃうんですね。

言葉少ない主人公を演じたウルリッヒ・ミューエの繊細な演技は秀逸で、その微妙な表情から彼の孤独が切ないほど伝わってきます。
それだけに、ラストの「私のための本だ」という言葉と彼の誇らしげな表情は言葉にできない感動を生みます。

善き人のためのソナタ@映画生活
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真珠の耳飾りの少女

2008年02月27日 | ★★★





真珠の耳飾りの少女
おすすめ度
原題:Girl with a Pearl Earring
製作:2002年 イギリス
製作:ピーター・ブロック ニック・ドレイク フィリップ・アードーズ フランソワ・イヴェルネル ダリア・ジョヴィチッチ キャメロン・マクラッケン トム・オルテンバーグ ダンカン・リード 
監督:ピーター・ウェーバー
原案:トレイシー・シュヴァリエ
脚本:オリヴィア・ヘトリード 
出演:スカーレット・ヨハンソン コリン・ファース トム・ウィルキンソン キリアン・マーフィ

スカーレット・ヨハンソンつながりで「真珠の耳飾りの少女」です。ヨハネス・フェルメールの絵画「真珠の耳飾りの少女」を見て、画家とモデルの関係性をイメージして書き上げたトレイシー・シュヴァリエの同名小説を映画化した作品。

1665年、オランダのデルフト。失明した父親の代わりに、家計を支えるため少女グリート(スカーレット・ヨハンソン)は、画家ヨハネス・フェルメール(コリン・ファース)の家へ奉公に出されることになります。フェルメール家は、気位の高い妻のカタリーナ(エッシィ・デイビス)、彼女の母で家計を取り仕切っているマーリア(ジュディ・パーフィット)、そして6人の子供たちという大家族。1枚の絵を完成させるのに3カ月以上要するため、家計はつねに火の車です。その為夫婦の諍いも絶えません。ある日アトリエの掃除を命じられたグリートは、そこに置かれた完成間近い絵の美しさに強くひきつけられます。

スカーレット・ヨハンソンが凄いことになってます。まるで絵の中から抜け出してきたんじゃないかという程の激似ぶりです。今見ると、まだあどけなさの残る彼女ですが、歳に似合わないクールなキャラクター、グリートを見事に演じきっています。透明感のある良い女優さんですね~。

優柔不断なゲイジュツカ、ヨハネス。煮え切らない彼は、グリートとの関係もプラトニック。穏やかで知的なところは魅力的だけど、男としてはちょい情けない。

そして、優しい男の周りには強い女が勢ぞろい。嫁は経済的な不安と嫉妬で取り乱し、家計を切盛りするシビアな姑の目は冷たい。おまけに我の強そうな、妙に勘のいい娘。この娘が憎ったらしくていいです。

極めつけは女好きのパトロン。

これだけ役者が揃えば事件がおきないはずはありません。

キャラクターと設定が良いので、フィクションなのにまるで本当にあったことのように感じてしまいます。

最後にあのピアスを手にしたグリートはどんな気分だったんでしょうかね?

ちなみに。
私なら売り飛ばします(笑)

真珠の耳飾りの少女@映画生活
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ブラック・ダリア

2008年02月26日 | ★★




ブラック・ダリア
おすすめ度
原題:The Black Dahlia
製作:2006年 アメリカ
製作:ヘンリク・ヒュイッツ ジョセフ・ローテンシュレイガー アンドレアス・ティースマイヤー ボーズ・デヴィッドソン
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:ジョシュ・フリードマン
出演:ジョシュ・ハートネット スカーレット・ヨハンソン アーロン・エッカート ヒラリー・スワンク ミア・カーシュナー

アメリカの未解決事件をモデルに描かれた「ブラック・ダリア」です。

かつてはプロボクサーとして活躍したらした、警官のバッキー(ジョシュ・ハートネット)とリー(アーロン・エッカート)。ふたりはある新聞記事をきっかけにロス市警のPR試合を行うことになります。それを機にリーに引き抜かれ、特捜課でコンビを組んで働くことになります。様々な事件を解決し、公私共に充実した毎日を送っていたある日、身体を腰から切断され、口を耳まで切り裂かれた若い女の全裸死体が空き地で発見されます。

ブラック・ダリア事件関係ないじゃん・・・。
と、途中からがっくりしつつ観ていました。
先入観なしに観たくて、ホームページも見ないようにしていたので・・・。
観終わってインターネットで検索して、はじめてジェイムズ・エルロイの同名小説の映画化だと知りました。なーんだ。

ややこしい、とか、登場人物が多すぎてこんがらがるとか、そういう声が多かったようで、DVDには親切にも相関図が付いていました(笑)

頭を切り替えて観れば、結構楽しめました。
落ち着くべきところにちゃんと落ち着きメデタシ、メデタシ。
でも、なんとなくチープな感じがしたのは何故でしょう・・・?

ブラック・ダリア@映画生活
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バレエ・カンパニー

2008年02月25日 | ★★★★


バレエ・カンパニー
おすすめ度
原題:The Company
製作:2003年 アメリカ ドイツ
製作:デイヴィッド・レヴィ ジョシュア・アストラカン ネーヴ・キャンベル ロバート・アルトマン クリスティン・ヴァション パメラ・コフラー
監督:ロバート・アルトマン
脚本:バーバラ・ターナー
出演:バーネーヴ・キャンベル マルコム・マクダウェル ジェームズ・フランコ バーバラ・ロバートソン ウィリアム・ディック

ロバート・アルトマン監督がバレエの世界を描いた群像劇「バレエ・カンパニー」です。

シカゴに本拠地を置く名門バレエ・カンパニー“ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ”。ダンサーのライ(バーネーヴ・キャンベル)は同僚で恋人のフランキー(サム・フランク)の浮気が発覚し別れたばかり。そんな彼女にチャンスが到来します。世界的な振付家ラー・ルボヴィッチの新作の練習中に主役の怪我により彼女が代役を務めることになりました。今まで以上に練習に打ち込むライ。そんなある日レストランのシェフであるジョシュ(ジェームズ・フランコ)と知り合い、お付き合いが始まります。彼の存在は彼女の心の支えとなっていくのでした。美術監督のミスターA(マルコム・マクダウェル)が予算獲得に追われる中いよいよ「青い蛇」が完成します。

ダンサーや監督などバレエ団に関わ人々の姿を描いたアルトマンお得意の群像劇です。優美で華やかなイメージのバレエの裏側の世界が繰り広げられます。本番に向け、公演を切り盛りする美術監督、実力至上主義の現場、ダンサーの厳しい現実、などなどスタッフやダンサーの姿がドキュメンタリータッチで見事に表現されています。

しまった・・・。
冒頭からやられました。
この作品は劇場で観るべきだった・・・。心から後悔しました。
ステージのパフォーマンスが本当に素晴らしいんですもん。最後の「青い蛇」は、衣装、舞台、表現に釘付けです。恥ずかしながら私、バレエ観賞を一度もしたことがないんですが、この作品を観てすごく興味がわきました。ソロを任された期待のダンサー、ライを演じたネーヴ・キャンベルの代役なしのダンスシーンも素敵でした。




バレエ・カンパニー@映画生活
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キャラバン

2008年02月24日 | ★★★★



キャラバン
おすすめ度
原題:Caravan
製作:1999年 フランス ネパール イギリス スイス
製作:ジャック・ペラン
監督:エリック・ヴァリ
脚本:エリック・ヴァリ オリヴィエ・ダザ
出演:ツェリン・ロンドゥップ カルマ・ワンギャル ラプカ・ツァムチョエ グルゴン・キャップ カルマ・テンジン・ニマ・ラマ
標高5000メートルのオールロケで製作された感動大作「キャラバン」です。

北ネパールのドルポ地方。ここに住む村人たちは、厳しい冬を生き延びるため、ヤクの背に塩を乗せて運び、食料の麦と交換するキャラバンを行なわねばなりません。村の長老ティンレ(ツェリン・ロンドゥップ)は、長年、村人を率いてキャラバンを続けてきたカリスマ的存在。しかし、キャラバンから戻ったとき、彼の長男ラクパが死んでしまいます。ラクパ亡き後のキャラバンの指揮には、息子の友人でもあるカルマ(グルゴン・キャップ)が適任と思われましたが、ティンレは、自分が隊列を率いると言い張ります。いよいよ次のキャラバンの日が神託で決定しますが、カルマは嵐が来るからもっと早く出掛けるべきだと主張し、決定日より前に村の若者たちと大多数のヤクを率いて出発してしまういますその後、占いどおりティンレの率いるキャラバン隊も出発。厳しい自然をくぐり抜け、やがてティンレの隊はカルマたちに追いつきますが更に、彼らには過酷なヒマラヤの試練が待ち受けていました。


壮大で厳しい大自然とそこで生き抜く人々を描いたヒューマンドラマ。
・・・なんて。とっても月並みな言い方ですね・・・(呆)

スゴイ!
としか言いようのない映像でした。
映し出されているものは人とヤクと山だけ。
とってもシンプルな作品です。
でも、スゴいんです!(ボキャボラリー少なっっ!!)
厳しい自然と共に力強く生きる人々の姿がリアルに描かれています。
原始的でなんともシンプル。
そこで生きるために必要な強靭な精神と肉体。
脈々と受け継がれる伝統を守ると同時に必要とされる開拓精神。
世代交代。

本来人間が生きていく為に必要なものがギュッと凝縮されたような作品です。
冒頭と、エンドロールに流れる僧の朗唱するマントラが印象的で、観終わった後の余韻が心地よい作品でした。

キャラバン@映画生活
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アバウト・シュミット

2008年02月23日 | ★★★


アバウト・シュミット
おすすめ度
制作:2002年 アメリカ
原題:About Schmidt
監督:アレクサンダー・ペイン
製作:マイケル・ベスマン ハリー・ギテス
脚本:アレクサンダー・ペイン ジム・テイラー
出演:ジャック・ニコルソン ホープ・デイヴィス ダーモット・マルロニー キャシー・ベイツ

しょぼくれたオジサマを演じるニコルソンになんともいえない気持ちにさせられる「アバウト・シュミット」です。

ネブラスカ州オマハの保険会社で副部長として働いていた平凡なサラリーマン、ウォーレン・シュミット(ジャック・ニコルソン)は66歳で定年退職を迎えます。退職後は、とりたててすることもなく、虚しい日々を送っていました。そんなある日、テレビ・コマーシャルでアフリカの子供たちを援助する組織を知り、ンドゥグという6歳の少年に手紙を書き始めます。書いているうちに段々自分の境遇や部下や妻への不満が一気に溢れ出すウォーレン。思いのつまったその手紙を出すために郵便局へ出かけてますが、帰宅すると妻が急死していました。葬式を終え娘も帰り、広い家に一人に。寂しさのあまりクローゼットで妻の洋服や靴などを手に取り懐かしんでいたら、友人との浮気の証拠を発見してしまいます。怒り・悲しみ・孤独・・・。短期間に色々な事が一度に起こり混乱する彼は一足早く結婚を控えた娘の手伝いに行こうとしますが、当の娘から拒否されてしまいます。仕方なく結婚式直前まで自分を見つめなおす一人旅を決意するのでした。

あー、しょっぱい。
これ、同世代のお父様方が観るとまた違う気持ちになるんだろうなあ。
それにしても。

家族のために安定したサラリーマンの道を選び
家族のために身を粉にして働き
定年するころには若い社員に煙たがられ
娘は自分の手から離れ
定年後は身を置く場所がなく

男として、夫として、父として頑張って生きてきたのにね




かなしーーーーっ。

お父さん目線で観ると悲しくて仕方ない(悲)
娘さん目線だとお父さんって「自分勝手」に映るんですよねえ。
こういうのって誰が悪いっていう問題じゃないからまたしょっぱい。
すごくリアリティがあってやるせない気分になりました(笑)
でもラストのあの「お絵かき」を見るシーンでちょっとだけ救われてましたね。


ランドールの実家のヲタクっぽい男性(弟?)の変なTシャツが気になりました。


アバウト・シュミット@映画生活
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SNUFF スナッフ

2008年02月22日 | ★★




SNUFF スナッフ
おすすめ度
原題:SNUFF/AMERICNA CANNIBALE/THE SLAUGHTER
制作:1975年 アルゼンチン アメリカ

本物の殺人か、トリックか? '70年代、世界中を震撼させた伝説の「殺人フィルム」!! 実際の殺人を撮影した映画を指す "SNUFF FILM"。本編の約90%以上で繰り広げられるのは、果てしなく続く殺戮とSEXシーンという衝撃の内容。製作者や撮影場所すらも不明という前代未聞の状態で公開されるという映画界のタブーを打ち砕く異様さが全編を覆う。そして、映画が終盤にさしかかった頃、カメラは撮影現場となった室内セットを映し、"問題"のシーンが映し出される・・・。

DVDパッケージのイントロダクションです。
なかなかの駄目映画臭、そしてこの煽りぶり(爆)
70年代の愛すべきアホアホ映画「SNUFF」です。

まーユルイです。
チープです。
しょーもないです。
内容もないです。
役者の演技もひどいです。
でも、ここまでひどいと愛を感じちゃいますね。

この作品の誕生秘話を少し。
1972年、配給社のプロデューサーのアラン・シャクルトンは、南米で撮影された「Slaughter スローター」という作品の配給権を得ます。その「スローター」なる作品が、最初の約90分のあのユルい部分なわけですね。でも、あれだけでは、ヒットは望めない。そう考えたシャクルトン(以降おっちゃん)は最後に「驚愕のラスト」(爆)を追加した・・・・。っていうのがこの作品の真相らしいです。なので「スローター」部分の90分はなっがーーーーーい前振りなわけですね。ほとんど夢落ちに近い・・・ひどいです(爆)

タイトルも都市伝説のスナッフ・フィルムにあやかって「SNUFF」に変更。
で、
このおっちゃんのスゴいところは、己で作り直した作品に「本物の殺人シーンが収録されている」と吹聴して歩いたっつーところ(笑)
なんて図太いんでしょう。
いやあ、商売熱心です。
そんなおっちゃんの努力のお陰で、この作品は大ヒット。
メデタシ、メデタシ。となったそうです。

トンデモないモンド系映画ですが、こういうノリが嫌いじゃない人限定でおすすめします。

前田有一の超映画批評



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パフューム -ある人殺しの物語-

2008年02月21日 | ★★★


パフューム-ある人殺しの物語-
おすすめ度
原題:Perfume: The Story of a Murderer
制作:2006年 ドイツ
制作:ベルント・アイヒンガー
原作:パトリック・ジュースキント
監督:トム・ティクヴァ
脚本:トム・ティクヴァ アンドリュー・バーキン ベルント・アイヒンガー
出演:ベン・ウィショー レイチェル・ハード=ウッド アラン・リックマン ダスティン・ホフマン

「映像化不可能といわれた小説の奇跡の映画化」「衝撃のラスト」というインパクトのある煽り文句が素敵だった「パフューム -ある人殺しの物語-」です。

18世紀フランス。類稀なる才能を持つ1人の孤児誕生します。彼の名はジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。やがてグルヌイユは、パリの香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に弟子入りして香水の作り方を学び、もっと高度な技術を持つ職人の街グラースへと向かいます。グルヌイユは、今までになり最高の香水を創りたいと考えていました。それはパリの街角で出会い、誤って殺めてしまった赤毛の少女の香りでした。そんな彼の前に、赤毛の美少女ローラが現れます。彼女が放つ香りは彼が求めていたそのものだったのです。

うーん。
なんと言えばいいんでしょうか。
途中までサスペンスなヒューマンドラマ、
終盤はファンタジー・・・。
とりあえず「煽り過ぎ」?(笑)
原作も読んでないのでそんな思い入れもないですし
そんなに期待はしてなかったんですが。

あ。でも香って(臭って)きそうな画作り、素晴らしかったですね。
景色も。
女性も。
街並みも。
ダスティン・ホフマンの駄目キャラも素敵でした。
でも。
でもなあ。
なんだろ。
たぶん

トム・ティクヴァ君が
駄目だったのかも・・・・(汗)
あと、あのラスト・・・。

あはは~~っ。



パフューム ~ある人殺しの物語~@映画生活
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あなたになら言える秘密のこと

2008年02月20日 | ★★★★



あなたになら言える秘密のこと
おすすめ度
原題:The Secret Life of Words
監督・脚本:イザベル・コイシェ
製作:エステル・ガルシア
出演者 サラ・ポーリー ティム・ロビンス ハビエル・カマラ ジュリー・クリスティ レオノール・ワトリング

「死ぬまでしたい10のこと」でおなじみのイザベル・コイシェ監督作品「あなたになら言える秘密のこと」です。

イギリスのある工場で働くハンナ(サラ・ポーリー)。彼女は、無遅刻無欠勤の働き者ですが、無口で誰とも関わらず生活を送っています。ある日、彼女は上司から呼び出しを受けます。「真面目すぎる」彼女に組合から苦情が出たという事で、半ば強制的に休暇を取るように勧められたのです。という事で1ヶ月がっつり時間のできたハンナ。とりたててすることもない彼女はふらりと宛のない旅行へ出かけます。旅先で立ち寄った中華料理屋で食事をしていると、目の前で「至急看護婦がほしい」と携帯で話す男を見かけ、ハンナは自分は看護婦だと申し出ます。ハンナは油田掘削所で起こった事故で、重傷を負った男性(トム・ハンクス)を看護することになりました。

ぶっちゃけ、全く期待せずに観ました。
何しろ「死ぬまでにしたい10のこと」のイメージを思いっきり引きずって観ていたので。主演もサラ・ポーリーだし・・・。

個人的には、本作の方が断然好きです。
「あー。こう来たかぁ。」という意外性も込みで。
心に傷を負いながら生きる続ける人の姿がなんとも痛々しく
静かな作品でした。

タイトルどおり、ハンナの抱える「秘密」が物語の鍵になっているんですね。
なので、あまり詳しく書きませんが、結構含みも多い作品だなと。
ナレーターをしている人は誰?とか、ハンナの過去、など、全てを説明していないところが良いですね。油田掘削所の仲間達のバックボーンなんかも気になるところです。語られていない「隙間」を想像したり、また、他の方の解釈を見て感心したり、観た後も結構楽しめました。

あなたになら言える秘密のこと@映画生活
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ダンサー・イン・ザ・ダーク

2008年02月19日 | ★★★



ダンサー・イン・ザ・ダーク
おすすめ度
原題:Dancer in the Dark
制作:2000年 デンマーク ドイツ
監督・脚本:ラース・フォン・トリアー
製作:ヴィベク・ウィンドレフ
出演者 ビョーク デヴィッド・モース ピーター・ストーメア カトリーヌ・ドヌーヴ

ラース・フォン・トリアー監督の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」です。「奇跡の海」と「イディオッツ」に次ぐ「黄金の心」三部作の三作目とされています。(前者2作品は未見ですが・・・)「アメリカ」三部作といい、トグマ95といい、この監督さんってホント定義好きですね~。

アメリカのある町で、チェコからの移民セルマ(ビョーク)は一人息子と二人暮しをしています。彼女は失明寸前で、遺伝で息子も手術をしなければ失明してしまう運命にありました。ある日、工場で大きなミスをして突然解雇が告げられます。しかも自宅で蓄えていた息子の医療費が盗まれてしまいます。

ビョークの悲しげな歌声が心に残る作品です。

ジャンルは違えど表現者ってすごいですね~。ビョークが良いです!彼女の存在感のお陰か、作品に引き込まれるのにそう時間はかかりませんでした。ミュージカル好きなセルマ(ビョーク)は度々空想を楽しみます。で、その空想はミュージカル仕立てで表現されています。そういうメリハリのある表現が楽しかったですし、「空想」という体のシーンなのでミュージカル特有の違和感をあまり感じませんでした。

ラース・フォン・トリアーは「節」があって好きなタイプの監督さんですが、ドMなヒロインの頑なさにちょっと疑問を感じてしまいます(笑)でも全てはわが子のため・・・となると、やはり「母」というのはあのような選択をしてしまうのでしょうか。いや、いや!方法はまだ色々あったはず。

賛否両論だったこの作品、嫌いではありません。


ダンサー・イン・ザ・ダーク@映画生活
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オール・アバウト・マイ・マザー

2008年02月18日 | ★★★★



オール・アバウト・マイ・マザー
おすすめ度
原題:Todo sobre mi madre
制作:1998年 スペイン
制作:アグスティン・アルモドバル
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
出演:セシリア・ロス マリサ・パレデス ペネロペ・クルス エロイ・アソリン アントニア・サン・フアン フェルナンド・フェルナン・ゴメス

ちょいベタですが、ペドロ・アルモドバルの「オール・アバウト・マイ・マザー」です。

マヌエラ(セシリア・ロス)は、臓器移植コーディナーターとして看護士の仕事をしながら女手ひとつで息子を育てています。17歳を迎えた息子の誕生日にふたりは、観劇に出掛けます。息子は雨の中、大女優ウマ・ロッホ(マリサ・パレデス)にサインをもらおうと出待ちをしますが、車は走り出してしまいます。それを追い、道路に飛び出した息子は事故死してしまうのです。悲しみに沈むマヌエラ。意を決した彼女は、息子の死を別れた夫に知らせようとマドリードからバルセロナへ向かいます。

この話、私の中で「スペイン版ガープの世界」なんですよね。
(え?違う??)
母性の塊のような包容力のあるマヌエラ。
何かが欠落している大女優ウマ。
世間知らずのお嬢で修道女のロサ。
女になりたい男アグラード。
ものすごく濃~い人たちの集まり。

ありえない設定なんだけど、結構重厚なヒューマンドラマ。観てるだけでかなりカロリーを消費する作品です。出演している女優がみんなそれぞれ主張しながらも絶妙なバランス。笑ったり、感動したりとなんとも人間臭いドラマです。それぞれの女性達が一生懸命に生きる姿がとっても素敵。

エンディングの「この映画をすべての「女優」に捧げる」というクレジットは、なに気に感動的です。

オール・アバウト・マイ・マザー@映画生活
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ゾディアック

2008年02月17日 | ★★★




ゾディアック
おすすめ度
原題:Zodiac
制作:2007年 アメリカ
制作:ジェームズ・ヴァンダービルト
監督:デビッド・フィンチャー
脚本:ロバート・グレイスミス ジェームス・ヴァンダービルト
出演:ジェイク・ギレンホール マーク・ラファロ ロバート・ダウニー・Jr アンソニー・エドワーズ ブライアン・コックス

未解決猟奇殺人事件を映画化した「ゾディアック」です。公開当初かなり話題になった作品でしたね~。「実話系」が好きな私としては、ずっと気になっていた作品のひとつでした。

1969年、ドライブ中のカップルが襲撃されます。女性は死亡、男性は重症を負いますが何とか一命を取りとめます。その後、新聞社にに“ゾディアック”と名乗る男から犯行を告白する手紙と暗号文が届けられます。手紙には、暗号文を新聞に載せないと大量殺人を決行するという脅迫めいたことが書かれていました。暗号は新聞に掲載され、新聞記者のエイブリー(ロバート・ダウニー・Jr)や風刺漫画家のグレイスミス(ジェイク・ギレンホール)は“ゾディアック”の謎解きに興味を抱き、独自に犯人像に迫っていきます。

実際の出来事を大げさに脚色することなく描かれているという印象。未解決事件なので、犯人は脇役、あくまでも「ゾディアック」を追う男達のヒューマンドラマなんですねえ。いわゆる「劇場型殺人」の代表格とされるゾディアック。謎の記号、犯行声明文などを駆使しながら殺人を繰り返します。そんな「謎」に魅せられたかのように事件を追うエイブリーとグレイスミス。ゾディアック事件を追う中で、2人の男の人生は大きく変わっていくんですねえ。犯人を追う刑事もまた然り。彼らも様々なプレッシャーと戦いながら、難事件に挑み続けます。ある意味ドキュメンタリーを観ている気分に近いものがありました。

「可もなく不可もなく」って感じです。過度な期待さえしなければ、普通のヒューマンドラマとして普通に観れる作品でした。


ゾディアック@映画生活
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火星人メルカーノ

2008年02月16日 | ★★




火星人メルカーノ
おすすめ度
原題:MERCANO, EL MARCIANO/MERCANO THE MARTIAN,
製作年:2002年 アルゼンチン
監督・脚本:フアン・アンティン
脚本:ラウタロ・ヌニェス・デ・アルコ
出演:ラウタロ・ヌニェス・デ・アルコ アジャール・ブラスコ レアンドロ・フレスコ ロベルタ・アインステイン マリオ・サントス グラシエラ・ボルヘス ロベルト・カルナギ ダミアン・ドレイジク; ファビオ・アルベルティ アレハンドロ・ナジー

TSUTAYADISCASで予約していたんですが、Yahoo動画で見つけちゃいました。「火星人メルカーノ」です。

火星で平和に暮らしていたメルカーノ。ある日、散歩中に突然空から降ってきた地球からの探査機で可愛がっていたペットが下敷きになって死んでしまいます。怒った勢いでメルカーノは自家用機で地球に向かいますが、故障でアルゼンチンに不時着してしまいます。仕方なくそこで地下生活をはじめたメルカーノ。ある夜、電器店を襲ったストリートキッズに便乗してメルカーノもパソコンを盗み出します。何とか火星の仲間とネットでコンタクトをとりますが、彼らは冷たくあしらいます。地球での生活に辟易していたメルカーノ。寂しさを紛らわすかのように彼はパソコンを駆使して「バーチャル火星世界」を構築します。そこへたまたま辿りついたフリアンという少年に出会います。いつしか二人の間には友情が芽生えていきます。

南米のアニメって観たことないな・・・。という単純な理由で気になっていた作品でした。ブラックですね~。独特の色彩と、音楽、キャラクター。最後はいきなりミュージカル(笑)何とも個性的な作品でした。ラストも好きです。

が。

ホントにギリでアウトな感じでした。
何度観ても同じ場面で寝ちゃうんです。

内容的には星3~4つなんですが。
いい作品なんだとは思いますが。
如何せん寝ちゃいます(笑)
なので星も2つにしてみました~(爆)



火星人メルカーノ@映画生活
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タンポポ

2008年02月15日 | ★★★★★





タンポポ
おすすめ度
製作:1985年 日本
制作:玉置泰 細越省吾
監督・脚本:伊丹十三
出演:山崎努 宮本信子 役所広司 渡辺謙 桜金造

やたらお腹が空く映画だった記憶はありますが、細かいところを殆ど忘れちゃいました。・・・ってことで久々に観てみました。伊丹十三監督の「タンポポ」です。

ある日の夜、タンクローリーの運転手、ゴロー(山崎努)とガン(渡辺謙)は、通りすがりのラーメン屋、来々軒に立ち寄ります。店内にはピスケン(安岡力也)という柄の悪い男とその子分達がたむろし、女主人に絡んでいました。それを制したゴローはビスケンと殴り合いの喧嘩をしてしまします。気絶したゴローは、店の女主人タンポポ(宮本信子)に介抱されます。彼女は夫の死後、ひとり息子を育てながら店を切盛りしていたのです。翌朝食事をよばれたゴローとガン。その時の会話の流れでラーメンの味がイマイチだと思わず口を滑らせてしまいます。それを聞いたタンポポは二人の弟子にしてくれと頼み込みます。


オムライス、焼肉、北京ダック、ラーメン、パスタ・・・・ああ、お腹すいた。

「ラーメンウェスタン」、「シェーンのラーメン版」というのがこの作品のキャッチコピーだそうです。初めて観たときは小学生だったこともあり、あまり何も思いませんでしたが、今観ると豪華なキャスト陣にびっくり!それに面白い!名作のパロディあり!社会風刺あり!グルメあり!と盛りだくさん。

この作品は、タンポポのラーメン修行の物語を軸に、グルメにまつわるいくつかの人間ドラマが描かれています。なんとも人間臭い濃~いエピソードの数々が悲しくて可笑しいです。こんなに楽しい作品が、興業的にはあまり振るわなかったというのが意外でした~。

ちなみに、1985年は邦画の当たり年で洋画の興行収入を上回った年なんだそうです。当時のヒット作は大林宣彦監督の尾道三部作「さびしんぼう」、故市川昆監督の「ビルマの竪琴」、黒沢明監督の「乱」など大作が。巨匠が大活躍した年だったんですね~。


タンポポ@映画生活
前田有一の超映画批評



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