徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

八日目

2007年07月27日 | ★★★


八日目
おすすめ度
原題:Le Huitieme Jour
制作:1996年 ベルギー フランス
制作:フィリップ・ゴドー
監督・脚本:ジャコ・バン・ドルマル
出演:ダニエル・オートゥイユ パスカル・デュケンヌ ミウ・ミウ

孤独な二人の男のロードムービー。この作品を絶賛する人は多く、「秘密と嘘」と同時期に観た作品でしたが、私はあまりピンと来ない作品でした。

ダウン症の施設にいるジョルジュ(パスカル・デュケンヌ)はもう何年も前から面会日に家族が訪ねてきません。ある日彼は大好きなママ(イザベル・サドヤン)に会うため犬を連れて施設を抜け出します。
新しい大銀行の社員教育担当重役のアリー(ダニエル・オートゥイユ)は仕事は至って順調ですが、プライベートがうまくいっていません。妻ジュリー(ミュウ=ミュウ)が、二人の娘を連れて実家に帰ってしまったのです。そして、アリーは二人の娘が遊びに来る日をすっかり忘れ、迎えに行き損ねてしまいました。苛立ちながら雨の道を帰宅する途中、うっかり犬をはねてしまします。
成り行き上仕方なくジョルジュを家に連れて帰るアリー。翌朝、ジョルジュはチョコレート・アレルギーの発作を起こして倒れていました。2度のトラブルが続き、アリーはジョルジュの面倒を見る羽目になってしまします。そして、ジョルジュの言う「ママの家」を探して2人の珍道中が始まります。

ジョルジュ役のパスカル・デュケンヌは実際に、ダウン症なのだと聞き、「それってアリなの?!」とまず驚きました。でも、作品を観た後はそんな事はどうでもよくなっていました。彼の演技が素晴しかったからです。そして相方役の実力派ダニエル・オートゥイユの演技も秀逸でした。

が。

最初にも書きましたが、作品的にはあまりピンと来ませんでした。あまりアリーという男に対して感情移入が出来なかったからなのかな・・・・?あのラストも納得いかないし。

・・・・とはいえ、この作品。10年前くらい前に一度観たきりですので、今どう感じるかは謎です。そういう意味ではもう一度観て観たい気がします。

八日目@映画生活
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秘密と嘘

2007年07月26日 | ★★★★


秘密と嘘
おすすめ度
原題:Secrets & Lies
制作:1996年 イギリス
制作:サイモン・チャニング・ウィリアムズ
監督・脚本:マイク・リー
出演:ブレンダ・ブレッシン ティモシー・スポール マリアンヌ・ジャン=バプティスト フィリス・ローガン クレア・ラッシュブルック

ちょっとなつかしい感じになりますが。マイク・リーが監督・脚本を務めた「秘密と嘘」です。1996年のパルムドール受賞作品です。

若い黒人女性ホーテンス(マリアンヌ・ジャン=バティスト)の養母が亡くなり、死別したとされている、生みの母を探しはじめます。彼女は役所で自分の戸籍を観て驚きます。黒人であるはずの自分の実母の記述が、白人だったからです。
一方写真家のモーリス(ティモシー・スポール)は姉のシンシア(ブレンダ・ブレッシン)と姪のロクサンヌ(クレア・ラシュブルック)のことが心配です。二人の間柄は最近ギクシャクしているのです。妻のモニカ(フィリス・ローガン)と相談し、姪の誕生日に二人を自宅に招待することを決めます。
その頃、ホーテンスは遂に生みの母の住所を探し当て、悩んだ末に電話をかけます。その生みの母こそシンシアだったのです。シンシアは大いに揺れますがホーテンスに会うことを決意します。待ち合わせ場所で黒人のホーテンスに尋ねられて彼女は驚愕します。そして、近くのコーヒーショップで初めて顔をあわせて話し合う二人。反抗的なロクサンヌに悩まされていたシンシアは、ホーテンスとの時間がとても大切なものになっていきます。
ある日彼女はある提案をします。「私の友達ということにしておけば大丈夫よ。」そう言い、彼女はホーテンスをロクサンヌの誕生日に招きますが…。

様々な事情を抱えながら生きる家族の愛をテーマに描いたヒューマンドラマです。静かに、そして淡々と描かれています。自分を守る為に秘密を作り、その秘密を守るためにさらにつかなければならなくなる悲しい嘘。いろいろな思いが交錯していて、とても切ないストーリーでした。

ダメなんですよね。家族モノ…。結構涙腺がゆるゆるになるんです。ブレンダ・ブレッシンが演じた母親像が妙に切なくて。見事なシンシアぶりでした。上手な女優さんですね。これも、何度か観てるんですが、観るたびにぐっときます。年のせいでしょうか。

「人生ていいわね」というシンシアの言葉が妙に染みます。

何度でも観たい作品です。

秘密と嘘@映画生活
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パッション

2007年07月25日 | 



パッション
おすすめ度
制作:2004年 アメリカ
制作:ブルース・デイヴィ スティーヴン・マケヴィティ
監督:メル・ギブソン
脚本:メル・ギブソン ベネディクト・フィッツジェラルド
出演:ジム・カヴィーゼル マヤ・モルゲンステルン モニカ・ベルッチ ロザリンダ・チェレンターノ クラウディア・ジェリーニ ルカ・リオネッロ フランチェスコ・デ・ヴィート

メル・ギブソンが12年間構想を練り私財を投じて自ら監督をつとめた作品「パッション」です。アメリカでは敬虔なキリスト教信者があまりの衝撃で劇場でショック死したらしいというふれこみで公開前に日本でも話題になりました。

弟子のユダ(ルカ・リオネッロ)に裏切られ、大司祭(マッティア・スブラジア)の命で捉えられたイエス(ジム・カヴィーゼル)。裁判で自らを救世主だとほのめかした為、神の冒涜者としてローマ提督ピラト(フリスト・ショポフ)に引き渡されます。ピラトは、イエスの罪が不明確だと知りつつも、敵意をあらわにする司祭と群衆の手前、彼の処刑を決定します。鞭を打たれ、傷だらけの体で十字架を背負い、イエスはゴルゴダの丘へ向かいます。磔にされながらも人々のために祈り続けたイエスはやがて、最期の時を迎えます。

The Passionとは、英語で「キリストの受難」という意味だそうです。まさにそのタイトルどおりの生々しい描写でイエス・キリストが処刑されるまでの12時間を描いています。メル・ギブソン自身熱心なキリスト教信者で、脚本は全てアラム語とラテン語で書かれていたそうです。そんなエピソードからも、この作品に対するこだわりを感じます。

感想は、ただただ「痛い」の一言に尽きます。

正直最後まで観るのがしんどかったです。観たことを後悔すらしていました。暴力描写が辛かったわけではありません。あまりの退屈さで、です。実際何度も何度も寝ながら観てしまいました。

私が「キリスト教」や「聖書」を理解していない上に興味がないからかもしれはせんが…。実際に、宗教はよく分かりません。日本のように無宗教者の多い国民にはなかなか理解しがたいテーマな気がします。

パッション@映画生活
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THE有頂天ホテル

2007年07月24日 | ★★★


THE有頂天ホテル
おすすめ度
制作:2005年 日本
制作;亀山千広 島谷龍成
監督・脚本:三谷幸喜
出演:役所広司 松たか子 佐藤浩市 篠原涼子 香取慎吾

三谷幸喜が監督と脚本を務めた「THE有頂天ホテル」です。2008年公開の次回作「ザ・マジックアワー」が既に話題になっていますね。

物語の舞台は大晦日のアバンティホテル。そこに集ったそれぞれの人々に起こるそれぞれのハプニングを描いた群像劇コメディ。副支配人の新堂平吉(役所広司)はなんとか今年最後の日を無事に終えたいと願いつつ忙しく走り回っています。総支配人(伊藤四郎)、ベルボーイの只野憲二(香取慎吾)、客室係の竹本ハナ(松たか子)、代議士の武藤田勝利(佐藤浩一)などなど。ホテルにはワケありの人物たちでいっぱいです。副支配人の願い虚しくトラブルは続発します。極めつけには別れた妻(原田美枝子)がホテルでばったり出会ってしまいます。ここで働いていると言えなかった新堂は、見栄を張り思わず授賞式パーティーに呼ばれて来たと言ってしまいます。

テンポよく何とも忙しい映画。カットを割らずに長まわしで撮ったという監督の狙い通り緊張感と臨場感はよく表現されていたと思います。

ひとりひとりが主演を務められる実力と人気を併せ持つキャストが何とも豪華。この贅沢なキャストもこの映画の見所なんでしょうが、みんなが4番バッターみたいで、何処を見たらいいかがわからない印象もありました。

好き嫌い分かれる作品かも。テンポのいい作品は好きですが、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。

THE有頂天ホテル@映画生活
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female フィーメイル

2007年07月23日 | ★★★




female フィーメイル
おすすめ度
制作:2005年 日本
制作:盛 夏子 太田裕輝 森重晃 野間清恵 小河原修 川原伸一
監督:篠原哲雄 廣木隆一 松尾スズキ 西川美和 塚本晋也 夏まゆみ
原作:姫野カオルコ 室井佑月 唯川恵 乃南アサ 小池真理子
脚本:公園兄弟(真辺克彦&鴨 義信) 及川章太郎 松尾スズキ 西川美和 塚本晋也
出演:長谷川京子 大塚ちひろ 高岡早紀 大塚寧々 石田えり

女流作家原作のオムニバス映画「female フィーメイル」です。最初と中盤と終わりにあったダンスはじゃまくさかったので(ごめんなさいねっ☆)感想は省略します。トータル的には楽しめました。

●桃
ハセキョ-中途半端。

ハセキョ-が中途半端ですね~っ。(桃を食べるシーンは、ちょっぴりいやらしかったですが。)そのぶん野村恵理が頑張っています。

●太陽の見える場所まで
単純に好みでない。

この作品の中で一番駄目だったかも。まず大塚ちひろを全然いいと思わなかったです。片桐はいりの使い方もったいない気がする。振り付けありの「天使の誘惑」がイラッとした。(多分、ある意味肝だった部分なんでしょうが。汗)でも3人の悲しい女の場末匂はよく出てました。残念ながら好みではないけど。

●夜の舌先
世にも奇妙な物語?

タモリさんが出てくるのを待ちたい気分(笑)松尾節は全開。高岡早紀の部屋のポスター(あれは誰だ??)や上司のキャラや台詞などなど。なんじゃそりゃと突っ込みたくなるところ満載です。最中の高岡早紀の台詞がおもろい。ことばの言い方や同じ言葉を2回繰り返したりする独特な台詞回しがなんか笑えました。

●女神のかかと
さわやかなエロス。

女性監督なんですねっ。相変わらずの大塚寧々の透明感が素敵でした。少年よ君の気持ちはよく分かるよ。

●玉虫
お久しぶりです。

石田えりと小林薫の久々の競演(なんですかね?よくわかりませんが。)その昔大好きだったNHKドラマ「イキのいい奴」の夫婦のコンビです。個人的に久しぶりに二人を見れて嬉しい。石田えりがかわいらしい熟女を好演。やっぱり石田えりはいいなあ。小林薫は年とらないですね。そして加瀬亮。オットコマエなのにあまり印象に残らない。

female フィーメイル@映画生活
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明日の記憶

2007年07月22日 | ★★


明日の記憶
おすすめ度
制作:2006年 日本
製作:坂上順 川村龍夫
エグゼクティブ・プロデューサー:渡辺謙
監督:堤幸彦
原作:荻原浩
脚本:砂本量 三浦有為子
出演:渡辺謙 樋口可奈子 坂口憲二 吹石一恵 木梨憲武

荻原浩の同名小説を映画化した「明日の記憶」です。「SAYURI」の撮影の為、海外に長期滞在していた時に原作を読んだ渡辺謙が感銘を受け、自らがエグゼクティブプロデューサーを務めつくり上げたという意欲作。彼はこの作品の制作にあたり、この病気と闘っているご家族の方たちとも面接されています。

仕事に生きる働き盛りの49歳。広告代理店の営業マン佐伯雅行(渡辺謙)。仕事では大きなクライアントとの契約が決まり、プライベートでは娘の結婚が決まる等、順風満帆に見えた彼に異変が。物忘れが激しくなる、めまい、幻覚などの体調不良が彼を襲います。ただの疲れだと高をくくっている佐伯ですが、妻の枝実子(樋口可南子)に強く勧められ、渋々病院で診察を受けます。そこで衝撃的な結果を聞かされます。病名は、「若年性アルツハイマー病」。どうしてもその事実を受け入れられず自暴自棄になる佐伯。その後、枝実子と話し合い、二人とも涙を流しながら病気と向き合う覚悟を決めるのでした。

描写が美しすぎる印象が強くて、実はあまりピンときませんでした。

渡辺謙は一定のクオリティを保った演技でしたし、樋口可南子も献身的に夫を支える妻を見事に演じています。脇役の顔ぶれも実力派が多数出演。ぐっとくる場面はもちろんありましたが、期待していたせいか、何となく物足りなさを感じてしまいました。

明日の記憶@映画生活
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血と骨

2007年07月21日 | ★★★


血と骨
おすすめ度
制作:2004年 日本
製作:石川富康 西村嘉郎 沼田宏樹
監督:崔洋一 
原作:梁石日(ヤン・ソギル)
脚本:崔洋一 鄭義信(チョン・ウィシン)
出演:ビートたけし 鈴木京香 新井浩文 田畑智子 オダギリジョー 松重豊 濱田マリ 中村優子 北村一輝 柏原収史 寺島進

梁石日の自伝的小説を映画化した「血と骨」です。

1920年代、一獲千金の夢を胸に済州島から日本に渡って来た金俊平(ビートたけし)。彼は李英姫(鈴木京香)を強姦し結婚。ワンマンで強い上昇志向で商いは成功しますが、気性が荒く息子の正雄(新井浩文)らにも暴力をふるい、家庭を顧みない俊平。皆彼を恐れ、誰一人逆らえるものはいません。ある日俊平の息子と名乗る青年(オダギリジョー)が尋ねてきます。

壮絶な物語です。観終わった後、暫く呆然としてしまいました。本当にこの映画はビートたけしありきだと思います。崔監督が是が非でも彼にに演じて欲しかった理由はこれを観てよく分かりました。原作者自身が父親と重なり恐怖したという、たけしの演技は本当に迫力があり、鬼気迫るものがありました。でも一番驚きは、パンチの効いたこの人物が実在したという事ですが…(汗)

脇を固める役者さんたちも皆素晴しい演技でした。いちばん気になったのが松重豊。渋い演技が光っていました。あと忘れちゃならない濱田マリ(笑)。思いのほかとってもいい感じ。こういうおばちゃんいるなあ。というあるあるな感じがリアルでした。

ストーリーもキャストみんな濃いわ、個性的だわ。観ているだけでエネルギーを使う映画でした。あー。疲れた。

血と骨@映画生活
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DV ドメスティックバイオレンス

2007年07月20日 | ★★★




DV ドメスティックバイオレンス
おすすめ度
制作:2004年 日本
監督:中原俊
脚本:永森裕二 KAZU
出演:遠藤憲一 英由佳 高野八誠 りりィ 小沢和義

ドメスティックバイオレンスをテーマに描いた社会派ドラマ「DV」です。

鬼頭泰子(英由佳)はジュエリーショップに勤める29歳のキャリアウーマン。歳の離れた夫・昭吾(遠藤憲一)との間に子供こそいませんが、穏やかな愛情で結ばれた仲の良い夫婦です。3度目の結婚記念日の夜、花束を持って泰子が務めるショップへと立ち寄った昭吾。丁度そのとき泰子は同僚の男性と親しげに会話していました。外からその様子を見ていた昭吾は顔色が一変します。そしてそのまま電話で先に帰ると妻に告げ、帰宅します。その日を境に昭吾は人が変わったように彼女に対して暴力的になります。日を追うごとにエスカレートしていく暴力と抑圧により、泰子は夫に逆らえなくなっていきます。

DVをテーマに描いた作品。とっても地味です。遠藤憲一氏の暴力夫が妙にはまってリアリティがあって、観ていてとても怖かったです。そしてその暴力で精神的に追い詰められ言いなりになっていく英由佳の姿もまた怖いです。

個人的にはその原因と心理に大変興味があります。

冒頭でも書きましたが大変地味な映画です。夫婦のどちらかに寄った描き方でもありませんし、観ていて爽快感やカタルシスもありません。ある種の密室劇のようなある種の閉塞感を感じる作品でした。既婚者であるかそうでないかでも見方が違う気がします。

DV@映画生活
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69 sixty-nine

2007年07月19日 | ★★★★




69 sixty-nine
おすすめ度
制作:2004年 日本
製作:横溝重雄 黒澤 満 早河洋 伊達 寛
監督:李相日 
原作:村上龍
脚本:宮藤官九郎  
出演:妻夫木聡 安藤政信 金井勇太 太田莉菜 柴田恭兵 村上淳 井川遥 新井浩文 水川あさみ 加瀬亮

引き続き邦画です。「フラガール」でおなじみの李相日監督作品「69 sixty-nine」です。原作村上龍、脚本宮藤官九郎。当時24歳の妻夫木聡と29歳の安藤政信が高校生を演じるという事でも公開時かなり話題でしたね。どんなもんかな。と。ほとんど期待せずに鑑賞しました。

1969年。ベトナム反戦運動、大学紛争など世の中がおおいに揺れていた時代の物語。舞台は長崎県佐世保市。高校生のケン(妻夫木聡)は映画と演劇とアートとロックが一体になったフェスティバルの開催しようと提案。そんな中、何故か学校のバリケード封鎖を思い立ち、ついには警察沙汰に。きっかけは、ケンのマドンナレディ・ジェーン(太田茉莉)のハートを射止たいだけだったのに…。

「青春とはロックとエロスとハッタリである。」

なるほどー。


面白かったです。スピード感あふれるテンポでケンとアダマが様々な事件(?)を巻き起こします。やんちゃな主人公ケン、ちょっと知的な男前のアダマ(安藤政信)、いい奴だけどおっちょこちょいなイワセ(金井勇太)、ヒロインのレディ・ージェーン。魅力的なキャラクターが生き生きと描かれています。

69年という時代をリアルタイムで過ごした人も、初めてこの時代に触れる世代にも楽しく観れる青春映画だと思います。若さって素晴らしいですね。

69 sixty nine@映画生活
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メゾン・ド・ヒミコ

2007年07月18日 | ★★★



メゾン・ド・ヒミコ
おすすめ度
制作:2005年 日本
制作:久保田修 小川真司
監督:犬童一心
脚本:渡辺あや
出演:柴崎コウ オダギリジョー 田中泯 歌澤寅右衛門 青山吉良 柳澤慎一 井上博一 森山潤久 新宿洋ちゃん 村上大樹

犬童一心監督の「メゾン・ド・ヒミコ」です。この作品お好きな方多いですよね。

自分と母親をを捨てた父親はゲイの為の老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」を経営しています。その父親が末期癌だと伝えられ、ホームを手伝うように父親の恋人ハルヒコ(オダギリジョー)に言われるサオリ(柴咲コウ)。母親の病気の治療の為に借金を抱えたサオリはお金が必要です。渋々ホームのアルバイトを承諾。それからメゾン・ド・ヒミコで出会うゲイの住人たちとの週末だけの奇妙な共同生活がはじまります。

設定が「ゲイの為の老人ホーム」なので登場人物は、かなりパンチの効いたキャラのオンパレードです。そんな個性溢れる住人を歌澤寅右衛門、青山吉良、柳澤慎一、井上博一、森山潤久、新宿洋ちゃん(笑)、村上大樹が好演されています。

この作品を観てびっくりな新しい発見がありました。

オダギリ・ジョーです。

実はコレ観たとき、初めて俳優・オダギリジョーを初めて魅力的だと思ったんですねー。今まで何を観ても、ほとんど心に残らなかったんですが。「なんてセクシーなんでしょう」と。アノ役はまってましたね。田中泯さんも独特な存在感があり、素晴しかったです。田中泯とオダギリジョー二人のシーンはなかなか印象的です。

あ、そうそう。ヒロインの柴咲コウも地味地味メイクで頑張っていましたね。相変わらずの強すぎる目力は強烈ですが。柴咲コウとオダギリジョー(笑)。ふたりともいいんですが個性の強いこの両者を同時に見ると何気に疲れてしまいました。

みんなどこか孤独で愛情に飢えた人たちが集まりお互いの存在を確かめ合って生きている。生きていくって切ないなあ、とちょっとしょっぱくなりました。作品のテーマやストーリーの素晴しさはもちろん、それを支える役者さん達の演技と個性が遺憾なく発揮された映画でした。

メゾン・ド・ヒミコ@映画生活
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赤ちゃん泥棒

2007年07月17日 | ★★★

赤ちゃん泥棒
おすすめ度
原題:Rasing Arizona
制作:1987年 アメリカ
制作:イーサン・コーエン
監督:ジョエル・コーエン
脚本:イーサン・コーエン ジョエル・コーエン
出演:ニコラス・ケイジ ホリー・ハンター トレイ・ウィルソン ジョン・グッドマン ウィリアム・フォーサイス サム・マクマレイ

夜中にBS2でやっておりました。いやあ。懐かしい。コーエン兄弟の「赤ちゃん泥棒」です。今から丁度20年前の作品なんですねえ。これ観るの何度目だろう?ニコラス・ケイジの髪がふっさふさでした(笑)

コンビニ強盗の常習犯で刑務所の常連ハイ・マクダノー(ニコラス・ケイジ)は、そこで務める婦人警官、エド(ホリー・ハンター)にひと目ぼれ。出所と同時に結婚してそれを機に町工場でまじめに働くようになります。しばらくしてエドの不妊症が医師の診断で判明。彼女はショックで警察をやめてしまいます。養子をもらおうにもハイに前科がある為難しいことが分かり、どんどん思いつめていきます。そんなある日、家具チェーン店のオーナー、ネイサン・アリゾナ(トレイ・ウィルソン)に5つ児誕生をニュースで知ったエド。事もあろうか、彼女はその中の一人を貰おうとハイに持ちかけます。彼女の願いを何とか叶えたいハイは遂にネイサンの家から1人の赤ちゃんを盗んできます。

畳み掛けるようなスピード感溢れる展開のドタバタコメディ。いろんな犯罪を重ねながらも、マヌケでどこかほのぼのとした愛すべきキャラ、ゲイル(ジョン・グッドマン)とエベル(ウィリアム・フォーサイス)。どこまでもダメダメな主人公ハイ(ニコラス・ケイジ)。そうそう。なんともコーエン兄弟ちっくです。愛あるラストもいいですね。

ただ、ちょっと驚いたのは昔観たときと随分感じ方が変わっていたこと。そりゃオチも知ってるわけだし、10数年経てば見方が変わって当然ですか。

赤ちゃん泥棒@映画生活
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ジャック・ザ・リッパー

2007年07月16日 | ★★



ジャック・ザ・リッパー
おすすめ度
原題:LOVE LIES BLEEDING
制作:1999年 アメリカ オーストラリア
制作:マイケル・レイク
監督: ウィリアム・タネン
脚本:トニー・ラッシュ
出演:ポール・リス エミリー・レイモンド フェイ・ダナウェイ マルコム・マクダウェル ウェイン・ロジャース ジョン・カマー

「実際に起こった未解決事件」がベースだという事と、マルコム・マクダウェル出演につられて観た「ジャック・ザ・リッパー」です。思いっきしフィクションであることは言うまでもないし、「あの○○出演の」ってのは特に期待しちゃダメなのは分かってるんですけど…。また、やっちゃいました(苦笑)

19世紀、イギリスで実際に起こった未解決事件の実行犯「切り裂きジャック」をモチーフにした作品です。世界で良く知られてい未解決連続殺人事件として有名ですよね。今でも、精神異常者説、皇族関係者説、医者説、と見解は様々だそうです。

映画では新聞記者を目指しているヒロイン、キャサリンと優秀な外科医の婚約者ジョナサンとのラブストーリーを織り交ぜながら展開。うーん。先は早いうちから見えるものの、(割り切って観たら)それなりに楽しく観れました。(それってどうなんだろう…。)

何より、久しぶりにマルコム・マクダウェルを見れたのにちょっと感動。カッコよく歳を重ねていたのでよかったです。

ちなみに、実在のジャック・ザ・リッパーに興味のある方はこちらをどうぞ。(ちょっぴりキツい画像がありますのでご注意ください。)<ジャック・ザ・リッパー>

ジャック・ザ・リッパー@映画生活
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ダ・ヴィンチ・コード

2007年07月15日 | ★★


ダ・ヴィンチ・コード
おすすめ度
原題:The Da Vinci Code
制作:2005年 アメリカ
製作:ブライアン・グレイザー、ジョン・コーリー
製作総指揮:トッド・ハロウェル、ダン・ブラウン
監督:ロン・ハワード
原作:ダン・ブラウン
脚本:アキヴァ・ゴールズマン
出演:トム・ハンクス オドレイ・トトゥ イアン・マッケラン アルフレッド・モリーナ ユルゲン・プロホノフ ポール・ベタニー ジャン・レノ

この作品話題になりましたねえ…。世界的大ベストセラーのダン・ブラウンの同名小説「ダ・ヴィンチ・コード」を映画化した超大作です。公開前、私もはじめ、どこまでホントで、どこからがウソなのかがよく分からなくてかなり興味がありました。

ルーヴル美術館で館長のジャック・ソニエールが殺されます。死体はダ・ヴィンチの作品「ウィトルウィウス的人体図」を模した不気味な状態で発見されます。

講演の為に渡仏していたハーバード大学の宗教象徴学の教授ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)。パリの書店で著書のサイン会を行っていた彼は、フランス司法警察のべズ・ファーシュ警部(ジャン・レノ)に呼び出され捜査協力を求められます。急遽現場に向かった彼の元に、暗号解読官のソフィー・ヌヴー(オドレイ・トトゥ)がやってきます。警部の目を盗み彼をトイレへと呼び出した彼女は、ロバート自身に容疑がかかっていることになっている事を教えます。協力して現場から脱出した二人は、警察から追われる身となってしまいます。

公開前に色んなドキュメンタリーやメイキング観ました。「ダ・ヴィンチ・コード・デコーデッド」も観ました。…。ヤバイ。あんまりいい臭いがしないなー…。と。いやな予感。それでも「乗りかかった船」ということでとりあえす鑑賞しました。ある程度覚悟して観ました。

結果。概ね想像通りの出来栄えでした(笑)ものすごい大金と労力をかけて、スタッフ・演者を揃え、頑張って制作されていたのは分かるけど、特に何にも残りませんでした。ある意味カッコイイ(笑)ラジー賞を逃しているのは個人的にとっても残念です(笑)

ダ・ヴィンチ・コード@映画生活
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エターナル・サンシャイン

2007年07月14日 | ★★


エターナル・サンシャイン
おすすめ度
制作:2004年 アメリカ
製作総指揮・脚本・原案:チャーリー・カウフマン
監督・原案:ミシェル・ゴンドリー
出演: ジム・キャリー ケイト・ウィンスレット イライジャ・ウッド キルスティン・ダンスト


恋愛映画です。まには、こういう作品もいいかなと思い手にした「エターナル・サンシャイン」です。

恋人同士のジョエル(ジム・キャリー)とクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)は、バレンタインの直前に大喧嘩をして別れてしまいます。ある日、ジョエル宛に奇妙なな手紙が届きます。その内容とは、「クレメンタインはジョエルの記憶を全て消し去りました。今後、彼女の過去について絶対触れないようにお願いします。ラクーナ社」との内容。彼女と仲直りしようと思っていたジョエルは大ショック。彼はその手紙の送り主、ラクーナ医院へ行きます。そして自分も彼女との記憶を消去することを決意したのです。

導入部分のシーンがラストシーンへとつながり「ナルホド」とキレイに落ちたところで話は終ります。よくできてはいますが…。感情移入が全くできませんでした(だめじゃん。)これも、予告編負けしている印象を受けてしまいました…。期待しすぎたのかもしれません。恐るべし…!出来の良い予告編…。

子役からが頑張っているイライジャ・ウッド、「イン・ザ・カット」のマーク・ラファエロ、「フルモンティ」のトム・ウィルキンソンなどなど脇役が豪華、豪華。脚本は「マルコヴィッチの穴」のチャーリー・カウフマン。スタッフ・演者とも実力派が勢ぞろいです。ジム・キャリーを久々に見たんですが、達者な役者さんですね。でも年取ったなあ…。

エターナル・サンシャイン@映画生活
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きみに読む物語

2007年07月13日 | ★★



きみに読む物語
おすすめ度
原題:THE NOTEBOOK
制作:2004年 アメリカ
制作:アブラム・ブッチ・カプラン
監督:ニック・カサヴェテス
原作:ニコラス・パークス
脚本・ジェレミー・レヴェン
出演:ライアン・ゴズリング レイチェル・マクアダムス ジェームズ・ガーナー ジーナ・ローランズ ジョアン・アレン サム・シェパード ジェームズ・マーズデン

「きみに読む物語」です。年老いた夫婦の美しいお話です。ここ数日の流れで「いつ書こうかな…。」と思いつつ放置していた作品を一気にアップしていきたいと思います。

ある老人保養施設で療養生活を送る老女(ジーナ・ローランズ)の元に、毎日足繁く通う老人(ジェームズ・ガーナー)が、物語を読み聞かせます。それは1940年の夏、小さな町で始まる恋物語。休暇を過ごしに都会からやって来た17歳の令嬢・アリー(レイチェル・マクアダムス)は、地元の製材所で働く青年ノア(ライアン・ゴズリング)と出逢い、恋に落ちます。しかし娘の将来を案じた両親はこの交際を猛反対。二人を引き離す為、強制的に都会へ連れ戻されてしまいます。ノアは一年間1日も欠かさず毎日手紙を書きますが、彼女からは何の知らせもありません。そんな中、第2次世界大戦が始まります。

この作品、残念ながらあまりピンと来なかったです。とりあえず最後まで寝ずに観ました。原作を読まなくても、設定が分かれば先は読めるし、オチも分かったんですが。(今にして思えば、じゃあ何で観たんだ。と自分に突っ込みたくなります。)でもとにかく最後まで観ました。

確かに夫婦の愛情は素晴しかったです。もし、あんなに情熱的に一人の人を愛して人生をまっとうできたらどんなに幸せだろう。と思いますし。人を愛し、真面目に働き、子孫を残しておだやかな老後を過ごす。(細木数子みたい。)「平凡であること」ってのは本当は結構難しい事なんじゃないかな、と近頃つくづく感じます。

美しいお話だと思います。ご夫婦で。カップルで。ファミリーで観るにはいい作品なのかも。

きみに読む物語@映画生活
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