徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

佐賀のがばいばあちゃん

2007年04月30日 | ★★★


佐賀のがばいばあちゃん
おすすめ度
制作:2005年 日本
監督: 倉内均
脚本・原作:島田洋七
出演:吉行和子 浅田美代子 工藤夕貴 池田壮磨 池田晃信 鈴木祐真

引き続きお婆ちゃんネタを。島田洋七氏の大ベストセラーを映画化した「佐賀のがばいばあちゃん」です。

家庭の事情で、広島の母親の元を離れて暮らすことになった明広(池田壮磨)。連れて行かれた場所は佐賀県。そこで祖母(吉行和子)と二人の生活が始まります。お婆ちゃんは明るく逞しい人。経済的には厳しい生活ですが、貧乏を楽しむかのような様々な言動、行動で明広を驚かせます。そんなお婆ちゃんをはじめ、周囲の優しい人々に見守られ、明広はすくすくと成長していきます。

お婆ちゃんウォッチャーとしては、吉行和子さんがキレイ過ぎて若干ミスキャスト…?とか、三宅裕二と池田少年のふれあいのくだりいる?とか、エンドロールで流れるBGMが怖い…、などなど…。突っ込所満載なのですが、バカバカっ。こんなハートウォーミングなお話にそんなこと言ってはいけません。

お婆ちゃんのありがたーい教訓が詰まった、理屈ぬきに良いお話です。(軌道修正。)登場人物に嫌な人がいなくて本当にみんな心が豊かです。お伽話を見ているような気持ちで鑑賞しました。主人公のおばあちゃんは、とっても気丈で倹約家で心の温かい人物。私にも明治生まれのおばあちゃんがいるので例のごとくキュンキュンしっぱなしでした。

「本当の優しさとは、相手に気づかれずにすること。」
「悲しい話は夜するな。ツライ話も昼にすれば何てことない。」
「拾うものはあっても、捨てるものはない。」
「ケチは最低!節約は天才!」

素敵な名言満載の作品です。観終わった後元気になれること受けあいです。(ちなみに私の友達は、全く何も感じなかったそうです (爆) まあ、人それぞれって事で。)

佐賀のがばいばあちゃん@映画生活
前田有一の超映画批評



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阿弥陀堂だより

2007年04月29日 | ★★★★





阿弥陀堂だより
おすすめ度
制作:2002年 日本
制作:柘植靖司  荒木美也子  桜井勉
監督・脚本:小泉尭史 
原作:南木佳士
出演:寺尾聡 樋口可南子 北林谷栄 小西真奈美 田村高廣 

大自然と人の優しさに心温まる作品「阿弥陀堂だより」です。

新人賞を取って以来今ひとつ活躍できない小説家の孝夫(寺尾聡)は、心の病にかかった女医である妻、美智子(樋口可南子)とふたりで療養を兼ね、東京から孝夫の故郷へ引っ越します。

無医村だったその村で、美智子は週3回の診療を始めます。彼女は診察を通じ様々な人たちに出会います。「阿弥陀堂」という村の死者が祀られたお堂に暮らす96歳のおうめ婆さん、村の広報誌に「阿弥陀堂だより」というコラムを連載している、病気で声が出ない小百合(小西真奈美)、癌に侵されながら病気を受け止め潔く生きる孝夫の恩師幸田(田村高廣)とその妻(香川京子)などなど。そんな人々に触れ合ううちに美智子は少しずつ癒されていくのです。

私お婆ちゃんが大好物なんです。お婆ちゃんってかわいいじゃないですか。こんなかわいい人が、長い人生を頑張って生きて来たんだなあと思うと、キュンキュンしちゃうんですよね。という事で、まずは北林谷栄さんについて。北林谷栄さん最高です!!91歳という高齢にしてあの演技。なーんてナチュラルでなーんて優しい雰囲気を醸し出しているんでしょう(感涙)全く先入観なしで観ましたが、本当に感動しました。

地域のエキストラと思われるお婆ちゃんたちもたくさん出演。うわあ。こりゃあもうお婆ちゃん祭りです。寺尾氏とのかけ合いが本当に自然で、一瞬ドキュメンタリーなのか?という気になる程。「3人の女性を傍らで優しく見つめながら、自然に溶け込むように演じたい」という言葉のとおり、彼の演技は全編を通して包容力のある静かで優しい演技。難しい役が多いという印象が強い寺尾氏ですが、本当にいい役者さんだなと改めて実感しました。慌しい毎日に疲れたときなんかに観たくなる作品です。お婆ちゃん好きには是非おすすめです(えっ?そんなカテゴライズなしですか??)

信州の美しい四季と共に、無理せず、自然に、真面目に生きる人の温かさにほっこりします。こういうヒューマンドラマを観るといつも思うのですが、「優しさ」と「強さ」は1セットなんですよね。この作品に出てくる村人たちは皆それを持っています。強くないと優しくなれない。うーん私はまだまだ修行を積まねば。おうめ婆さんみたいなおばあちゃんになるべく日々精進したいと思います。

阿弥陀堂だより@映画生活



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阿修羅のごとく

2007年04月28日 | ★★★★




阿修羅のごとく
おすすめ度
制作:2003年 日本
制作:本間英行
監督:森田芳光 
脚本:筒井ともみ
原作:向田邦子
出演:大竹しのぶ 黒木瞳 深津絵里 深田恭子 仲代達矢 八千草薫 小林薫 中村獅童

向田邦子の自叙伝的小説の映画化「阿修羅のごとく」です。私、向田邦子好きなんです

今回姉妹を演じた女優陣は豪華ですっ。大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子の4人。美人姉妹って何だか素敵(悦)

長女、綱子(大竹しのぶ)は未亡人で不倫中。次女、巻子(黒木瞳)は夫の浮気に気が気でない。三女、滝子(深津絵里)は生真面目な性格で融通がきかず、奥手。四女・咲子(深田恭子)は無名のボクサーと同棲中。四姉妹みなそれぞれの生活があり、それなりに悩みを抱えています。そんな中、堅物な父親(仲代達矢)に愛人疑惑が。突然の家族の危機に四姉妹が緊急集結します。父の裏切りを、母(八千草薫)に気づかれないようにとあれこれ気を揉みますが。

「いつの世も男は優柔不断で女は強いなあ。」と思ってしまいます。家族のあり方なんかもちょっぴり考えさせられたりなんかしたりして。

ちなみに。「阿修羅」とは、インド神話の悪神だそうで。きっと誰の心にもある「阿修羅」な部分。そんな人間の一面がリアルに描かれています。邦画ならではの程よい湿気を感じる作品でした。


阿修羅のごとく@映画生活



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怪談

2007年04月27日 | ★★★

怪談
おすすめ度
制作:1965年 日本
制作:若槻繁
監督:小林正樹
原作:小泉八雲
脚本:水木洋子
出演
第一話「黒髪」新珠三千代 渡辺美佐子 三国連太郎
第二話「雪女」 仲代達矢 岸恵子 望月優子
第三話「耳なし芳一の話」 中村賀津雄 丹波哲郎 志村喬 林与一 村松英子
第四話「茶碗の中」 中村翫右衛門 滝沢修 杉村春子 中村鴈治郎

小泉八雲原作の「黒髪」「雪女」「耳無芳一の話」「茶碗の中」の4編をオムニバスで綴った作品「怪談」です。

ストーリーは言わずと知れた日本を代表する怪談ですので、今回は割愛させていただきます。この作品すごくエネルギッシュなんですよ。全編を通し絵画を観ている様な、舞台を観ている様な、なんとも不思議な魅力のある美しい映画です。

ホリゾントに描かれた背景画、中村正義画伯による「源平海戦絵巻」、巨大なセット、衣装などなど。小林監督の初カラー映画作品とあってか「これでもか!!」と言わんばかりに「色彩美」が追求されています。芸術大爆発な感じです。きっと制作費も凄かっただろうなあ。キャストもそうそうたる顔ぶれだし。興業的にペイできたんだろうか…?

「黒髪」古きよき日本の女性を演じた新珠三千代のはまりっぷり、三国連太郎の鬼気迫る熱演は必見です。
「雪女」ちょっと印象が薄くなってるんですが。岸恵子さん若かったです(こんなんじゃだめですか?)
「耳無し芳一の話」一番オドロオドロしい作品かも。「源平海戦絵巻」が素晴らしいです。この作品が本作のメインなのかな?見応えありました。
「茶碗の中」これ好きでした。原作は文章の途中で唐突に途切れているという未完の作品をあえて最終話に据えたあたりに演出の妙を感じます。

という訳で、なんやかやとお腹いっぱいになれる作品でした。武士は出てくるわ、着物を着た女性が出てくるわ、その上ミステリアス。外国人が観たら喜びしそうな作品ですね。(もうかなり前に観て、感動が薄れてしまい、いつもに増して、ぼんやりした感想になっちゃいました;ここまで読んでくださった方スミマセン…。)

怪談@映画生活



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春夏秋冬そして春

2007年04月26日 | ★★★★



春夏秋冬そして春
おすすめ度
原題: Spring Summer Fall Winter and Spring
製作:: 2003年 韓国
制作:イ・スンジェ カール・バウムゲルトナー
監督・脚本・編集:キム・ギドク
出演:オ・ヨンス キム・ジョンホ ソ・ジェギョン キム・ヨンミン キム・ギドク ハ・ヨジン キム・ジョンヨン

美しい自然に抱かれた山寺を舞台にひとりの男の人生を5つのエピソードで綴った「春夏秋冬そして春」です。

山奥の湖に浮かぶ山寺に老僧(オ・ヨンス)と幼い男の子(キム・ジョンホ)が暮らしています。老僧は、天真爛漫でいたずら盛りの子供をときには厳しく、そして優しく見守りながら育てます。

月日は流れ、少年(ソ・ジェギョン)は17歳になります。ある日老僧のもとに、少女(ハ・ヨジン)が静養のために山寺にやってきます。少年は瞬く間に少女に夢中になり二人は結ばれます。しかし、間もなく少女は自宅へ帰ってしまいます。どうしても彼女を忘れられない少年は、遂には寺を出て行ってしまいます。

それから更に十数年たったある日男(キム・ヨンミン)は再び寺に戻ってきます。彼の様子は明らかに常軌を逸していました。男は、妻の裏切りを許せず、怒りに任せ彼女を殺めてしまったのです。そして未だ心は怒りと憎しみで支配されていたのです。絶望した男は自殺を図ろうとしますが、老僧は決してそれを許しませんでした。老僧は床一面にお経を書き、その文字を一字一字彫るように男に命じ、心を落ち着かせる様、説きます。

淡々とした描写が冷静で、客観的で、時には非情にさえ感じてしまいます。「人間の本質」が強烈に表現されていて、ずっしりと心に残る作品です。雄大な美しい自然と老僧の大きくて普遍的な愛情が相まって切ない気持ちになります。自然界と同じように人間の人生にも四季があるんですね。鑑賞後「きちんと」生きなきゃいけないな、とぼんやり考えてしまいました。

春夏秋冬そして春@映画生活



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ブラウン・バニー

2007年04月25日 | ★★★
ブラウン・バニー
おすすめ度
原題:THE BROWN BUNNY
制作:2003年 アメリカ
監督・脚本・制作・編集:ヴィンセント・ギャロ
出演:ヴィンセント・ギャロ クロエ・セヴィニー

これぞオレ流!と言わんばかりのワンマン・ロード・ムービー(笑)「ブラウンバニー」です。

バイクレースで各地を転々とするレーサーのバド・クレイ(ヴィンセント・ギャロ)。レースを終えた彼は、次のレース開催地であるカリフォルニアへと向かいます。その道中、かつての恋人デイジー(クロエ・セヴィニー)の実家に立ち寄ります。そこには、デイジーが大切にしていた茶色いウサギが飼われていました。再び移動をはじめたバドは、行きずりの女性と出会っては立ち去ったり挙動不振な行動を繰り返します。最後には遂にクレイとデイジー、2人の真実が明らかになります。

監督・脚本・制作・編集:ヴィンセント・ギャロ(笑)変わらずです。ヴィンセント・ギャロ祭りです。ここまでワンマンだと逆に気持ちいいですねー。撮影スタッフは自身を含めて3人。自然な雰囲気を重視の為、撮影が殆どがゲリラ撮影という随分思い切った手法だそう。有名な役者はクロエ・セヴィニーだけ。絵画・音楽・映像・バイクレーサーとかなり多彩な能力の持ち主のギャロ。でも、この人。変人ですね(爆)

コメンタリーの赤裸々すぎるぶっちゃけトークと裏話がかなり笑えます。「オレは気にしちゃいない」と言いつつも、カンヌでのブーイングやアメリカでの女性記者による辛らつな映画評をかなり気にしているギャロ(笑)素直な人です(笑)

さてさて肝心な映画の内容ですが。最初の約1時間、これどうなっちゃうの?というやばーい空気になります。観客が完全に置いてけぼりを食らうストーリー展開にちょっと面食らってしまいます。何の説明もないまま勝手に物語は進みます。段々全貌が見えてきて物語の終演を見送ろうと油断してたら最後にもう一山あるわけですね。

ある意味「バッファロー‘66」より好きかも。映像はとっても素敵だったんですが、なーんたってビリーのあのひっどい自己完結ぶりにイッラーっとしたんですよ(笑)まあ、コレに関してはまた別の機会で…。

前半のもたつき加減は否めませんが、この作品嫌いではありません。というより、結構好きです。…あれ?…私ギャロの事好きなんじゃないのかい?

ブラウン・バニー@映画生活



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40歳の童貞男

2007年04月24日 | ★★★
40歳の童貞男
おすすめ度
制作:THE 40 YEAR OLD VIRGIN
制作:ジャド・アバトウ スティーヴ・カレル
監督:ジャド・アバトウ
脚本:ジャド・アバトウ スティーヴ・カレル
出演:スティーヴ・カレル  キャサリン・キーナー ポール・ラッド  ロマニー・マルコ  セス・ローゲン  エリザベス・バンクス  レスリー・マン  ジェーン・リンチ  シェリー・マリル

ヲタク&ユルい繋がりで「40歳の童貞男」です。スティーヴ・カレルの素敵な笑顔と素敵な邦題に食いついてしましました。すっかりじゅんの思うツボです。

家電量販店で働くアンディ(スティーヴ・カレル)は、平穏にきちんと暮らしてしています。ある晩、職場の同僚に誘われ、一緒にポーカーをすることになります。ゲームを楽しみながら盛り上がる会話。次第に話題は女性にまつわる会話になり、皆、自分たちの「武勇伝」を語り始めます。そこで、アンディの番になり、ちぐはぐな事を話しはじめたため、「童貞」であることがバレてしまいます。翌日から、デビッド(ポール・ラッド)たちによる「アンディ童貞卒業大作戦」が始まり、アンディの生活は一変していきます。

そんなある日、向かいの店で働くトリシュ(キャサリン・キーナー)の接客をしたアンディは彼女に一目ぼれしてしまうのですが…。

下品。とっても下品です。でも面白い。(私は。)スティーヴ・カレルの演技がホントに気持ち悪いし可笑しいし。「がんばれDT!」と思わず心の中で応援してしまいました。ポール・ラッド、ロマニー・マルコ、セス・ローゲン扮する同僚3人組もとってもいいキャラクター。最後まで一気に楽しく鑑賞。「もう終っちゃった」と感じたのは久しぶりだったかもしれません。「面白かったよ」と何人かにおすすめしてみましたが、女性には不評でした(凹)
あ。「俺たちニュースキャスター」も観なくちゃっ。

40歳の童貞男@映画生活



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バス男

2007年04月23日 | ★★★



バス男
おすすめ度
原題:Napoleon Dynamite
制作:2004年 アメリカ
製作:ジェレミー・クーン シーン・コヴェル
監督・脚本:ジャレッド・ヘス
脚本:ジェルッシャ・ヘス
出演:ジョン・ヘダー ジョン・グリース アーロン・ルーエル エフレン・ラミレッツ

ユルいの観よう週間に観た作品「バス男」です。「センスのない邦題だなあ」と思いながらまったく期待せず鑑賞。

毎日バスに乗って通学する主人公のナポレオン(ジョン・ヘダー)は、なかなかの雰囲気を醸し出すアメリカのヲタク君。いい年をしてぶらぶらしているネット中毒の兄(アーロン・ルーエル)、過去の栄光にばかり囚われているこれまた不思議な叔父(ジョン・グリース)さん、なぜか突然生徒会長に立候補を決断するまったく華のない親友ペドロ(エフレン・ラミレッツ)などなど…。ナポレオンとパンチの効いた仲間たちの日常を描いた作品です。

最初にいっておきます。「しょーもない」です(笑)完全にキャラ勝ち。キャラクターのディティールが細かくて、何となく邦画的な(?)雰囲気をもつ作品だなあ、と思いました。基本的にこのキャラクターやユル~い世界観が受け付けられない人にはクスリともできないシロモノだと思います。

この作品、もともとショートフィルムだった作品を長編で取り直した作品らしいですね。何となく納得です。DVDではその元になったショートフィルムも特典映像で収録されていて、ちょっとお得な気分になりました。

バス男@映画生活



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ショーガール

2007年04月22日 | ★★


ショーガール
おすすめ度
原題:Show Girl
制作:1995年 アメリカ
制作:チャールズ・エヴァンス
監督:パウル・フェアヘーフェン
脚本:ジョー・エスターハス
出演:エリザベス・バークレイ カイル・マクラクラン ジーナ・ガーション グレン・プラマー ロバート・ダヴィ

全米が震撼した衝撃作!という触れ込みにまんまと乗っかっり、えらい辱めを受けた「ショーガール」です。観たときのシチュエーション込みだと、今でも忘れられない作品だという事で、ある意味5つ星です(笑)

トップダンサーを夢見てノエミ(エリザベス・バークリー)はヒッチハイクでラスベガスに向かいます。ラスベガスで親友になったモリー(ジーナ・ラヴェラ)はダンスショーの衣装係をしています。彼女の計らいで「女神」のトップスターのクリスタル(ジーナ・ガーション)を紹介してもらいますがノエミには見向きもしてくれませんでした。そんなある日、ノエミがヌードダンサーとして働く大衆クラブでクリスタルと「女神」のスポンサー、ザック(カイル・マラクラン)が来店します。そこでクリスタルはノエミにザックを挑発しろと、屈辱的な命令をします。しかし、それがきっかけでクリスタルはノエミに魅力を見出し、後日「女神」に所属するチャンスを与えます。「女神」でトップを目指し繰り広げられるダンサーたちの弱肉強食の世界。上り詰めた彼女の手にするものは…。

この作品、その昔会社の上司と観にいきました(爆)「何を観るかは任せるよ」と言われ、よりによって選んだ作品がこれ(爆)映画にもTPOがあるんだと初めて痛感した作品です。観終わった後の気まずさったらそりゃあ大変でした。あー。あのとき、みんな私の事をどう思ったんだろう…。

後にその年のラズベリーショーを見事受賞したのを聞き「やっぱりね」と力なく心の中でつぶやいたのを記憶しています。でも最近思うに、今観たら(今度はひとりで)以外といいんじゃないかなあ。と。ちょっと思ったりしてます。観る機会があればもう一回観たい作品のひとつです。

ショーガール@映画生活



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エミリーローズ

2007年04月21日 | ★★★★


エミリー・ローズ
おすすめ度
原題:THE EXORCISM OF EMILY ROSE
制作:2005年 アメリカ
制作:ポール・ハリス・ボードマン
監督・脚本:スコット・デリクソン 
出演:エリン・ブルナー トム・ウィルキンソン キャンベル・スコット コルム・フィオール ジェニファー・カーペンター

「エクソシストを超える実話系ホラー」と聞き、大いに期待して鑑賞した「エミリーローズ」です。

ごく普通の女子大生エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)がある日突然、激しい痙攣を起こします。日に日に悪化し、衰弱していく彼女は、ムーア神父(トム・ウィルキンソン)に悪魔祓いを依頼します。しかし、その甲斐なくエミリーは命を落としてしまうのです。過失致死で起訴されたムーア神父の裁判が始まります。女性弁護士・エリンがエミリーとムーア神父の真実を少しずつ紐解いていきます。

実際にアメリカで起きた事件をもとにした法廷サスペンス。最初はホラー映画の様相を呈していますが、映画の半分以上は法廷と証人の証言を回想的に表現されています。エミリー・ローズは病気(精神病)だったのか、それとも悪魔に憑依されていたのか??ここが裁判の鍵となります。無宗教の私には単なるオカルト的要素にしか映りませんが、“悪魔の存在”論争は敬虔なキリスト教徒には大変興味深いテーマなんでしょうね。

新鮮な切り口で、とても興味深かったです。観終わった後、思わずインターネットであちこち調べてしまいました。元ネタは1976年、ドイツで起こった事件がモデルらしいです。脚色もかなりしてある様子。

ちなみに、最後のエミリーローズの選択は、無宗教の私としては?な感じでしたが映画としてはとても楽しめました。ジェニファー・カーペンターの熱演と異様な身体能力は必見です(笑)

エミリー・ローズ@映画生活



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アレックス

2007年04月20日 | ★★★

アレックス
おすすめ度
原題 : Irreversible
制作:2002年 フランス
制作:クリストフ・ロシニョン リシャール・グランピエール
監督・脚本:ギャスパー・ノエ
出演:モニカ・ベルッチ ヴァンサン・カッセル アルベール・デュポンテル ジョー・プレスティア

心臓の弱い方は見ないで下さい。という、ざざんぼ的なコピーがぴったりの作品「アレックス」です。

マルキュス(ヴァンサン・カッセル)と彼の友人ピエール(アルベール・デュポンテル)が、ゲイクラブへ乗り込み、テニア(ジョー・プレスティア)という男を探しています。時間はさかのぼり、救急車で運ばれる女性を目撃するシーンへ。その女性はマルキュスの婚約者アレックス(モニカ・ベルッチ)でした。アレックスは、テニアに地下道でレイプされ、暴力を受け無残な姿になっていたのです。

なんと…。いやいや、参りました。降参です。地下道の暴力シーンは思わず目を覆い、中盤のレイプシーンは観るに耐えかねて早送りをしてしまいました。大概どんなに寝てしまいそうになっても、怖いシーンでも「きちんと観る」事は大事にしていましたが、これは無理でした。

冒頭の初老の男性の言葉「時はすべてを破壊する」まさにこの一言に全てが集約されていると思います。原題のIrreversibleは「逆にできない、 不可逆の、 取消せない」という意味。そのまんまですね。エンドロールから始まり、過去へと溯っていく。最後の希望に満ちた美しいシーンが虚しく、悲しかったです。

ハンディで撮った揺れる映像で三半規管を揺さぶられ、耳に残る音楽が流れる。まるでサイレンのように。だんだんしんどくなって心が折れそうになりました。これ劇場で観なくてよかった。絶対「リバース」してたと思います。…はあ、疲れました。とにかく強烈な作品。色んな意味で心に残ります。もうちょっとして、もう一度見直そうと思います。すぐには無理ですが。「震撼」「驚愕」「問題作」っていうのは、暫くはいいです、と思ってしまったほど強烈な作品でした。

アレックス@映画生活



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ノボ

2007年04月19日 | ★★

ノボ
おすすめ度
原題:NOVO
制作:2002年 フランス
制作:エンガイ・パナイ
監督:ジャン=ピエール・リモザン
脚本:クリストフ・オノレ
出演:アナ・ムグラリス 、 エドゥアルド・ノリエガ 、 エリック・カラヴァガ 、 パズ・ヴェガ 、 ナタリー・リシャール

「5分しか記憶を保てない男」という設定に惹かれて観た作品「ノボ」です。タイトルの“NOVO”とは、新しい人間という意味なんだそうです。

主人公グラアム(エドゥアルド・ノリエガ)はあるオフィスでコピー係として働いています。ある日社長(ナタリー・リシャール)命令で新しく派遣社員として入社したイレーヌ(アナ・ムグラリス)に社内案内をすることになります。そこで彼女はどことなくミステリアスな雰囲気を持つグラアムに興味を持ちます。そしてその日グラアムを夕食に招き、そのまま一夜を共にします。

あくる朝彼女は衝撃的な事実を目の当たりにします。それはグラアムが5分しか記憶を保てないという事です。イレーヌはそんな彼にますます興味を持ち、この刺激的な恋愛に夢中になっていきます。でもグラアムにはもうひとつ秘密があったのです。

スタイリッシュな映像、素敵でした。アナ・ムグラリス綺麗でした。暇さえありゃ女性といちゃつくエドゥアルド・ノリエガすごいです。5分しか記憶を保てない男という体にも関わらず、サスペンス要素より恋愛要素が全面に押し出されていました。そう。これは恋愛映画だったのです(笑)さすがフランス映画です。あの状況で愛を語るのです。5分ですよ。5分。すげーなー。フランス映画。

というわけで私は駄目でした(爆)というか間違って選んでしまいました。サスペンスを期待するなら「メメント」で充分でした。でも、面白アイズで観たら楽しいかもしれません。観ながら心の中でずーっと突っ込んでいましたから(笑)ある意味ものすごい衝撃を受けた作品です。

NOVO ノボ@映画生活



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リトルダンサー

2007年04月18日 | ★★★★


リトル・ダンサー
おすすめ度
原題:Billy Elliot
制作:2000年 イギリス
製作:グレッグ・ブレンマン ジョン・フィン
監督: スティーブン・ダルドリー
脚本:リー・ホール
出演:ジェイミー・ベル ジュリー・ウォルアーズ ゲアリー・ルイス ジェイミー・ドラベン ジーン・ヘイウッド ステュアート・ウェルズ アダム・クーパー

バレエダンサーになるという夢に向かい奮闘する少年の物語「リトル・ダンサー」です。

舞台は不況の風が吹くイングランド北部の炭坑町。労働者は次々とストライキを起こし町の雰囲気は緊迫しています。父(ゲアリー・ルイス)と兄のトニー(ジェイミー・ドラヴェン)も炭坑労働者でストに参加しています。

ある日ビリー(ジェイミー・ベル)は偶然見かけたバレエ教室に強く惹かれ、父親に内緒でレッスンに参加します。日々上達していくうちに、いつしかバレエに夢中になっていきます。しかし、ついにレッスンをしている事が父親に知られてしまい大反対されてしまうのです。

一度は強く反対した父親ですが、後にビリーの才能に気づき、彼の夢を応援することを決意します。そして、ビリーをロンドンの名門、ロイヤル・バレエ学校に入学させる為にストを止めたのです。それは、今までストで戦ってきた同志を裏切る行為を意味していました。

ゲアリー・ルイス演じる親父さんがとってもかっこいいんです。もう号泣です。ぎこちない愛情表現にきゅんきゅんしっぱなしです。時代背景と共に主人公、ビリーのバックグラウンドがとてもよく描けていて、その世界観にぐいぐい引き込まれてしまいました。

T-REXが、がっつりはまって音楽も良かったです。

リトル・ダンサー@映画生活



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天使の肌

2007年04月17日 | ★★★

天使の肌
おすすめ度
原題:Peau d'Ange
制作:2002年 フランス
制作:ヴィルジニー・シラ
出演:モルガーヌ・モレ、ギョーム・ドパルデュー
監督:ヴァンサン・ペレーズ
脚本:カリーヌ・シラ ヴァンサン・ペレーズ ジェローム・トネール

素朴で慈悲深い少女の淡い恋心を描いた「天使の肌」です。ある一人の男性に恋をした事から少女の運命は大きく変貌を遂げていきます。切ないラブストーリーです。

田舎を出て裕福な家庭の家政婦となったアンジェル(モルガーヌ・モレ)。ある日ひょんな事から母親を亡くしたばかりの失意の青年、グレゴワール(ギョーム・ドパルデュー)に出会います。彼は寂しさを紛らわすようにアンジェルに近づき一夜を共にします。翌朝、何の約束もないまま二人は別れてしまいますが、その後、意外なシチュエーションで再会する事となります。

頑ななまでに愛を信じることが出来ない青年が、少女のひた向きで健気な生き方により「人を愛する事」に目覚めていくというお話です。単なる恋愛感情だけではなく、大きく普遍的な愛情が描かれていて、アンジェラの健気な生き方が悲しくも、羨ましくも感じられました。

激しい展開で大事件が起こるという類の物語ではありませんが、穏やかで静かな感動が心に染み入る作品です。

天使の肌@映画生活



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靴に恋して

2007年04月16日 | ★★★
靴に恋して
おすすめ度
原題:PIEDRAS
制作:2001年 スペイン
制作:フランシスコ・ラモス
監督・脚本:ラモン・サラサール
出演:アントニア・サン・ファン ナイワ・ニムリ ビッキー・ペニャ アンヘラ・モリーナ モニカ・セルベラ

まったく生き方の違う5人の女性を中心に展開する群像劇「靴に恋して」です。

盗んだ靴を履く女、高級靴店の店員23歳のレイレ(ナイワ・ニムリ)。偏平足の女、娼家のオーナー49歳のアデラ(アントニア・サン・ファン)。スリッパを履く女、堅実で現実的なタクシードライバー43歳のマリカルメン(ビッキー・ペニャ)。スニーカーを履く女、25歳の知的障害者アニータ(モニカ・セルベラ)。小さな靴を履く女、高級官僚の妻45歳のイザベル(アンヘラ・モリーナ)。

この5人の女性を中心に、交錯する人間関係が少しずつ繋がっていきます。

観終わった後、ちょっとだけ元気になれる、そんな作品です。自分なりに現状を受け止め、強く生きようとする姿に勇気付けられるんですよね。妻として、母として、一人の人間として、登場人物の女性たちが持つ悩みは私たちも感じた事があるのではないかと思います。健気に頑張る彼女たちにとても共感できました。

靴や衣装なども華やかでとっても素敵でした。今度自分へのご褒美を買うときは靴にしようかな?と思ってしまいました。(単純??)

靴に恋して@映画生活



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