徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

オーメン

2007年02月28日 | ★★★★★

オーメン
おすすめ度
制作:1976年 アメリカ
制作:ハーヴェイ・バーンハード
監督:リチャード・ドナー
脚本:デヴィッド・セルツァー
出演:グレゴリー・ペック ハーヴェイ・スティーヴンス リー・レミック

オーメンは私が子供の頃観たホラーの中で一番怖かった映画です。1976年製作でリチャード・ドナー監督の出世作であり不朽の名作です。

小学生のころ日曜日にテレビで観たのが初見。怖くて仕方なくて真夏なのに毛布をかぶって観た記憶があります。あれから約20年。こんな地味な映画だったっけ?ホラーというよりは、サスペンスを観ている感覚の方が近かったかもしれません。あのときのような衝撃はないものの、また違った見方ができ、楽しめました。

今回はDVDでの鑑賞で、監督と編集のコメンタリーや制作についてのインタビューなどを特典映像として観る事が出来ました。私の大好きな映画のひとつキューブリックの「シャイニング」の三輪車のシーン。あの元ネタは、オーメンでダミアンが階段の渡り廊下を三輪車で走るシーンを模倣したものだと知りました。へーえ、なるほど。何となく感激です。

映画的にもかなり低予算で作られたそうで、撮影には大変な工夫が凝らされています。特撮の手法などもコメントがあり大変興味深かったです。「お金が無ければ知恵を出せ」というお手本のような映画だなあと感心しました。今ならきっとさらっとCGで処理するところを制作サイドの知恵で手作り感満載で作成されているのが逆に新鮮です。CGにはCGの素晴らしさはあるけど、私的にはホラー映画や特撮映画はアナログ手法を多様している過去の作品の方が味わい深くて好きです。(チープな感じを含め)実際、洋画のホラー映画は大人になってから観たものは殆ど印象に残っていない気がします。

コメンタリーのなかで、監督の解釈では「この映画はホラーではない。」と言っていたのにもびっくり。「本当は悪魔なんていない。偶然が重なり思いつめた父親がわが子を手にかけてしまうというサスペンスなんだ。」と。なるほど。確かに今観ればそんな見方をすることが出来るし、逆にそのほうが怖いです。映画って本当に奥深いですね。

オーメン@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

シャイニング

2007年02月27日 | ★★★★★


シャイニング
おすすめ度:
原題:THE SHINING
制作:1980年 イギリス・アメリカ
制作:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック ダイアン・ジョンソン
原作:スティーブン・キング
出演:ジャック・ニコルソン シェリー・デュヴァル ダニー・ロイド


いいですね。この面構え。シャイニングです。もう、とにかくニコルソンにやられっぱなしの2時間です。

原作に忠実でないとかで、この作品に対して、スティーブン・キングは、ちょっぴりおかんむりだったとか。後に違う監督で原作を忠実に(?)製作した「スティーブン・キングのシャイニング」より、私は絶対キューブリック派です。っていうかニコルソン派です(爆)迫真のその演技は、まさにニコルソン祭り。色んなニコルソンが楽しめます。実に素敵な顏芸でした。

死者は出ますが、悲鳴を上げるような直接的な恐怖ではないんですよね。何だか逃げ出したくなるような、じわじわ迫ってくる、そんな恐さなんです。ダニー君(この子がまた、えらくかわいらしいのです。)が廊下を三輪車で走るシーンとか、2人の少女が登場するシーンなど、何だか子供って、かわいいけど、恐いです。シーズンオフのリゾートホテルというシチュエーションも、恐い。日頃沢山人のいる公共の場が無人に近い状態ってそれだけですごく気味が悪いですよね。じとーっとした湿気というか、なんとも言えない空気間と緊張感がとても良かったです。芸術的で印象に残る映像も秀逸。さすがキューブリックです。

シャイニング@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

2007年02月26日 | ★★★★★


博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

おすすめ度
原題:Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb
制作:1964年 イギリス
制作:スタンリー・キューブリック ヴィクター・リンドン
監督:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック ピーター・ジョージ テリー・サザーン
原作:ピーター・ジョージ
出演:ピーター・セラーズ ジョージ・C・スコット スターリング・ヘイドン キーナン・ウィン スリム・ピケンズ

またキューブリックものです。ピーターセラーズの振り切れた演技が最高の博士の異常な愛情/または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったかです。長いタイトルですよね。

米ソの冷戦時代に制作されたキューブリック節炸裂のブラックコメディです。アメリカの空軍基地の司令官が発狂し、核攻撃を命令します。それを知ったアメリカ政府首脳部は、ソ連首脳とのホットラインで、もしソ連が攻撃を受けたら世界中の生物が滅亡うする威力を持つ核爆弾を自動的に作動するという事を知ります。両国の、そして世界の未来は?

大統領科学顧問のマッドサイエンティストなストレンジラヴ博士、反ソ感情に囚われてちょっぴりおかしくなったリッパー将軍、超タカ派のタージドソン将軍、唯一の常識人(?)マンドレイク大佐 などなど強烈なキャラクターが可笑しくて仕方がないです。登場人物のキャラが濃すぎて観終わったら若干の疲労感さえおぼえます。

歴史の背景、モデルになった人物、原作と映画の視点の違いなどを踏まえてみるとより楽しめます。いろんなピーターセラーズと、全てにおいて隙のないキューブリックイズムを思いっきり楽しめる作品です。

博士の異常な愛情@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

チャンス

2007年02月25日 | ★★★★★
チャンス
おすすめ度
原題:BEING THERE
制作:1979年 アメリカ
制作:アンドリュー・ブラウンズバーグ ジャック・シュワルツマン
監督:ハル・アシュビー
原作・脚本:イエジー・コジンスキー
出演:ピーター・セラーズ シャーリー・マクレーン メルヴィン・ダグラス ジャック・ウォーデン

ずっとへビーな作品ばかりなので、このあたりでコメディ映画をはさみたいと思います。ハル・アシュビー監督、ピーターセラーズ主演のチャンスです。(独断と偏見ですが)私が今まで観たコメディの中で、一番上品かつ大人なコメディ作品です。

何十年も大きな屋敷の庭師として働いてきた男チャンス(ピーター・セラーズ)。ある日屋敷の主が突然亡くなってしまい、路頭に迷ってしまいます。彼は、長い間屋敷から出たことがなく、読み書きも出来ません。業者から屋敷から立ち退くように言われた彼は街を彷徨います。街ではじめて目にするものばかり。そんなとき、チャンスは車の接触事故に遇います。車の主人はイブ・ランド(シャーリー・マクレーン)。彼女は経済界の大物ベンジャミン・ランド(メルビン・ダグラス)の妻でした。チャンスの怪我を心配した彼女は屋敷へ来てほしいとチャンスに申し出ます。チャンスはその後、ベンジャミン・ランドの後押しで訳もわからないまま政治の世界へ関わることになります。

ドタバタコメディも楽しいのですが、この作品はとってもゆるりとした空気が流れています。そんな穏やかな雰囲気の中にも痛烈な社会批判も唱えられています。そして気が付けば自然に口角があがっている、そんな作品です。鑑賞後の余韻込みでとっても楽しめるお気に入りです。

ハル・アシュビー監督初見作品なので、これから色々観てみたいと思っています。ニコルソンが好きなので、まずは さらば冬のかもめあたりから挑戦してみます。

チャンス@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

愛のコリーダ

2007年02月24日 | ★★★★★


愛のコリーダ
おすすめ度:
制作:1976年 日本 フランス
製作:若松孝二・アナトール・ドーマン
監督・脚本:大島渚
出演:藤竜也 松田英子 中島葵 芹明香

アナトール・ドーマン繋がりで大島渚監督の愛のコリーダです。昭和の犯罪史を代表する「阿部定事件」をモチーフに作成された作品です。「女性が起こした猟奇殺人事件」としても稀な事例だと思います。

1976年の公開当時は規制のため大幅なカットが余儀なくされたという問題作。2000年に完全版として再公開されています。制作にあたっても国内では規制が発生するため編集作業はアナトール・ドーマンの協力によりフランスで行われたそうです。この種の「規制」に対して私は少々疑問を感じます。「規制」をすることにより、作品本来の芸術性や作品性が大きく歪曲されてしまうのではないかと思うのですが…。何でもアリでという訳にはいかないデリケートな問題なのでしょうが…。「映倫」様。ひとつ宜しくお願い致します。

中居の定は店の主人の吉蔵と愛人関係になります。関係が深くなるに従いふたりの情交はエスカレートしていきます。ついに定は吉蔵を殺害し、局部を切り落としてしまいます。ふたりの「究極の愛の形」があの凄惨な最期。壮絶です。でも、吉蔵は望んでいたのだと思います。まさに「事実は小説よりも奇なり」です。決してウキウキできる作品ではありませんが、心に残る作品であることには違いありません。

見終わったとき、私は、この阿部定という女性がとっても気になりました。「彼女はどんな生い立ちなんだろう?」とか「事件後彼女はどうなったんだろう?」など。興味がある方はこちらをどうぞ。事件前後の彼女の動向が書かれています。<阿部定事件>

愛のコリーダ2000@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

ブリキの太鼓

2007年02月23日 | ★★★★★


ブリキの太鼓
おすすめ度
原題:DIE BLECHTROMMEL(独) DE TAMBOUR(仏) TIN DRUM(米) 
制作:1979年 ドイツ・フランス
制作:フランク・ザイツ アナトール・ドーマン
監督・脚本:フォルカー・シュレンドルフ
原作:ギュンター・グラス
出演:ダーヴィット・ベネント マリオ・アドルフ アンゲラ・ヴィンクラー ハインツ・ベネント

ニュー・ジャーマン・シネマの名手フォルカー・シュレンドルフの大作ブリキの太鼓です。ぶっちゃけ毒々しいです(笑)絶対に何か食べながら見てはいけません。

舞台は第二次世界大戦のポーランド。主人公オスカルは3歳の誕生日にブリキの太鼓を母親からプレゼントされます。その日、大人の嫌な現実を目の当たりにしてしまい失望します。そして、成長を3歳で止めることを決意し、自ら階段から落ちます。それからオスカルは本当に身体的に成長が止まってしまうのです。そしてちょうどその頃から、太鼓を叩きながら奇声をはっするとガラスが割れるという不思議な力を手にします。戦争は次第に激化していく中、オスカルを取り巻く環境も大きく様変わりしていきます。

いやいやこれまたスゴイ作品ですよ。なんと言ってもこの作品はオスカル役のダーヴィット・ベネント君なしでは語れません。(役が役だけに、)この子は一体何歳なんだい??と気になってしょうがなかったんですが、何とこの当時若干12歳だったそうです(驚)びっくりデス!!あの表情!あの台詞!!あの目つき!!!本当はオッサンなんじゃ…。なんて思うほどでした。本当にあの難しい役を見事に演じていました。このダーヴィット・ベネントという役者さんは、1985年のトム・クルーズ主演の「レジェンド/光と闇の伝説」以降の足跡が良く分からないんですよね。もし、ご存知の方がおられれば是非教えてください。

ちなみに、この作品はフォルカー・シュレンドルフの同名小説のほんの序盤だそうです。読んだ友達が「面白かったよ」といっていたので、私も読んでみようかな、なんて思っています。

ブリキの太鼓@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

タクシードライバー

2007年02月22日 | ★★★★★


タクシードライバー
おすすめ度
制作:1976年 アメリカ
原題:Taxi Driver
制作:マイケル・フィリップス ジュリア・フィリップス
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:ポール・シュレイダー
出演:ロバート・デ・ニーロ シビル・シェパード ジョディ・フォスター

ここまできたら、ベッタベタにいきましょう!アメリカン・ニューシネマを代表する名作タクシードライバーです。モヒカン頭のデ・ニーロが拳銃をもってチャキーンっとポーズをとるシーンはとっても有名ですよね。

ベトナム戦争で兵役を経験したトラヴィス・ビックル(ロバート・デ・ニーロ)は戦争の後遺症がひどく、なかなか定職につけません。ようやくタクシー会社に就職できても、同僚となじめず孤立してしまいます。せっかくの休日に一緒に過ごすこ相手もいません。夜の街に出れば出たで、堕落した若者の姿が目について、不快感を覚えるのでした。

そんな彼も恋をします。大物政治家の事務所に勤めるベッツィー(シビル・シェパード)に一目惚れをするのです。やっとの思いでデートにまでこぎつけるのですが、何と彼は彼女をポルノ映画に連れて行くのです。当然彼女はかんかんです。どんなに取り繕っても彼女の怒りを鎮めることは出来ず、最後には彼女に対して逆ギレしてしまうダメダメぶり。

トラヴィスの病状はどんどん悪化していき次第に妄想を抱くようになります。「こんな廃退したした世の中を、自分が浄化しなければならない」と。ある日、少女(ジョディ・フォスター)が助けを求めてタクシーに乗り込んできます。トラヴィスは、売春婦の少女が仲介人に追われていると気づきますが、結局彼女は男に連れ去られて行きます。その後トラヴィスは偶然に少女と再会します。彼は、彼女に売春をやめるように説得をします。トラヴィスは彼女との出会いで「正義」に目覚めていきます…。

デニーロは、この作品で瞬く間に大スターとして世に知られる存在となります。このとき彼は、役作りのために数週間タクシードライバーとして仕事をしたそうです。さっすが「元祖ザ・役者バカ」です(笑)ジョディ・フォスターはこの作品で、アカデミーで助演女優賞にノミネートされ、本格派女優としての一歩を踏み出します。彼女は、このときのデ・ニーロとの出会いは女優として大きな転機となったと後に語っています。

そういえば、スコセッシもチョイ役で出演しています。未確認の方は是非探してみて下さい(笑)

タクシードライバー@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

アマデウス

2007年02月21日 | ★★★★★


アマデウス
おすすめ度
原題:Amadeus
制作:1984年 アメリカ
制作:ソウル・ゼインツ
監督:ミロス・フォアマン
原作・脚本: ピーター・シェーファー
出演:フランク・マーリー・エイブラハム トム・ハルス エリザベス・ベリッジ

1984年の作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞をはじめ8部門を受賞した伝記映画の名作です。日頃敷居の高いイメージのクラッシック音楽ですが、「ちょっと聴いてみようかな?」という気持ちになりました。衣装・セットも美しく観応えがあります。

18世紀に活躍したウォルフガング・アマデウス・モーツァルトとアントニオ・サリエリ、対極的な2人の音楽家の物語です。モーツァルトは型破りでドラマティックな作曲をする「奇才」。サリエリは聴く力、教える力が長けた一流の宮廷音楽家です。そんな彼だからこそ誰よりも強くモーツァルトの才能に脅威を感じたんですね。

モーツァルト自身ではなく、サリエリ目線で描かれていたのがとても斬新でした。短命に終ったモーツァルトの人生もなかなかパンチが効いていましたが、サリエリのモーツアルトに対する嫉妬心、ある意味の恐怖心が痛々しく、何だか哀れになってきます。サリエリの最後の言葉はとっても重いです。

アマデウス@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

カッコーの巣の上で

2007年02月20日 | ★★★★★


カッコーの巣の上で
おすすめ度:
原題:One flew over the cuckoo's nest
制作:1975年 アメリカ
制作:ソウル・ゼインツ マイケル・ダグラス
監督:ミロス・フォアマン
脚本:ローレンス・ホウベン ボー・ゴールドマン 
原作:ケン・キージー
出演:ジャック・ニコルソン ルイーズ・フレッチャー ウィリアム・レッドフィールド 

アメリカン・ニューシネマを代表する名作のひとつ、カッコーの巣の上でです。ラストはカタルシスを感じずにはいられない心に残る名シーンです。

主人公のマクマーフィーは刑務所の刑期から逃れる為に病気を装い精神病院へ入所します。婦長のラチェッドは規律を重んじる生真面目な人物。そんな婦長に対してマクマーフィーは反抗ばかりします。施設の決められたルールを守らず、グループセラピーをボイコットしたり、勝手に船で海に出たりと、とにかくやりたい放題です。ついに婦長の逆鱗に触れマクマーフィーは外出禁止となってしまいます。それでも懲りないマクマーフィーは、クリスマスの夜にお酒を持ち込み、女性を連れ込み施設内で大騒ぎをします。そしてついに決定的な事件が起こってしまうのです。


舞台版「カッコーの巣の上で」の婦長は、もっと分かりやすく怒りを露にするキャラクターとして演じられていたそうですが、本作の婦長を演じたルイーズ・フレッチャーは、「これを守ることがあなたの為なんです。」と真剣に詰め寄る「静」の怒り(怖さ?)を見事に表現しています。感情的に怒鳴られるよりそのほうが余程恐ろしいです(汗)

この作品を観てロボトミー手術なるものを初めて知りました。第二次世界大戦後に精神分裂症で凶暴性を持つ患者をおとなしくさせることが出来るという事で大変もてはやされていたそうです。現在はこの手術は行われていないそうですが。(術後の患者は感情面が極端に乏しくなるという後遺症も認められ、薬の発達と共に行われなくなったそうです。)映画を通して、驚くような事実を知るのはしばしばあります。ほんの数十年前まではこういう事が普通に行われていたことに驚きを覚えます。

カッコーの巣の上で@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

残酷BOX(世界残酷物語・続世界残酷物語・さらばアフリカ)

2007年02月19日 | ★★★★


残酷BOX
おすすめ度
原題:MONDO CANE/MONDO CANE NO.2/AFRICA ADDIO
制作:1962年/1963年/1968年 イタリア
時間:91分/76分/79分
監督:グァルティエロ・ヤコペッティ

この作品との出会いは、「世界残酷物語」をレンタルビデオ屋さんでB級ホラーの棚にあったのをたまたま見つけて手にしたのがきっかけです。そのビデオの最後に「世界残酷物語」「続・世界残酷物語」「さらばアフリカ」ヤコペッティ残酷三部作シリーズの宣伝が入っていて、「なんじゃこりゃ!めっちゃ気になる!!」と(そのとき何故か)異様に食いついて、気が付けばDVDボックスを買っていました(笑)

いわゆる「モンド映画」の原点を築いた人で、ヤコペッティの作品は今でもカルト的な人気があります。これらの作品が制作されたのはまだテレビメディアが発達途上で「海外旅行」という概念のない60年代。世界残酷物語では、そんな時代に世界の風習、文化を紹介しています。(全然残酷ではないです。ちなみに日本も紹介されています。)いわゆる海外ドキュメンタリーですね。

「さらばアフリカ」は、白人支配から独立して次第に欧米化するアフリカをとらえた作品。今観ると突っ込みどころ満載なんですが、それもそのはず。これは「やらせ」なのです。映画としてちゃんとシナリオがあり、ドキュメンタリー風に仕上げてあります。そして、この「さらばアフリカ」はあのコッポラ監督の「地獄の黙示録」の名シーンに影響を与えているそうです。一見怪しげなおじさんですが、偉大な人なんですね。

私は結構好きですが、誰にでもおすすめできる代物ではないので悪しからず。

ヤコペッティの世界残酷物語@映画生活
さらばアフリカ@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

映画の見方がわかる本

2007年02月19日 | ★★★★★
映画の見方がわかる本
おすすめ度
著者:町田智浩
出版社:洋泉社

「2001年宇宙の旅」「時計じかけのオレンジ」難解とされる映画の解説・裏話が満載。他にも私の大好きな「タクシードライバー」、子供の時に観て驚愕した「猿の惑星」などの名作についても語られています。この本を読んだ後にまた作品を観直すと、一味違った楽しみ方ができますよ。映画好きな人には是非おすすめしたい1冊です。



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

2001年宇宙の旅

2007年02月18日 | ★★★★★


2001年宇宙の旅
おすすめ度
原題:2001: A SPACE ODYSSEY
制作:1968年イギリス・アメリカ
制作・監督:スタンリー・キューブリック
脚本:スタンリー・キューブリック アーサー・C・クラーク
出演:キア・デュリア ゲイリー・ドックウッド ダグラス・レイン

またまたベタです(笑)言わずと知れたキューブリックの名作です。この作品が60年代の作品だなんて本当にビックリですよね。キューブリックの映像って全く古さを感じません。本当に偉大なクリエーターさんだと思います。

あまりにも有名な冒頭での猿とモノリスの場面。ここではニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」 が壮大に流れます。実は私、何度観てもこの音楽が流れると爆睡してしまうのです(笑)私にはどうもリラックス効果絶大みたいです。

まあ、この話も難解です。モノリスって何?とか、あの赤ん坊(スター・チャイルド)は何?何で最後ボーマン船長はヨーロピアンモダンな空間でおじいちゃんになるの?何?何?と謎は深まるばかりです。実は、私この話も例の謎解き本を読みました。

この映画にはもともとは、ナレーションが付いていたそうです。でも、最後に「説明的すぎる」との判断で削除されたそうです。2001年はとくに難解なので、かなり多くの謎解き本が出ています。映画の裏側なんかを色々調べてみるのも楽しいものです。

2001年宇宙の旅@映画生活



にほんブログ村 映画ブログへ

ブログランキング・にほんブログ村へ

時計じかけのオレンジ

2007年02月17日 | ★★★★★



時計じかけのオレンジ
おすすめ度
原題:A Clockwork Orange
制作:1971年 イギリス
制作・脚本・監督:スタンリー・キューブリック
原作:アンソニー・バージェス
出演:マルコム・マクダウェル パトリック・マギー マイケル・ベイツ

あらすじ
喧嘩、盗み、歌、タップ・ダンス、暴力。山高帽とエドワード7世風のファッションに身を包んだ、反逆児アレックス(マルコム・マクドウェル)には、独特な楽しみ方がある。それは他人の悲劇を楽しむ方法である。アンソニー・バージェスの小説を元に、異常なほど残忍なアレックスから洗脳され模範市民のアレックスへ、そして再び残忍な性格に戻っていく彼を、スタンリー・キューブリックが近未来バージョンの映画に仕上げた。忘れられないイメージ、飛び上がらせる旋律、アレックスとその仲間の魅惑的な言葉の数々。キューブリックは世にもショッキングな物語を映像化した。当時、議論の的になったこの作品は、ニューヨーク映画批評家協会賞の最優秀作品賞と監督賞を受賞し、アカデミーでは作品賞を含む4部門にノミネートされた。現在でも『時計じかけのオレンジ』のその芸術的な衝撃と誘惑は観る人々を圧倒する。(DVD/Blu-rayデータより)



気恥ずかしくなるほどにベタですが、記念すべき第1作品目のレビューは、
「時計じかけのオレンジ」です。
スタンリー・キューブリックを初めて知った作品で
観たときの衝撃は今でも鮮明に覚えています。
鑑賞後しばらく呆然としてしまいました。


暴力シーンすら美しく感じさせるスタイリッシュで隙のない映像。
若き日の主演マルコム・マクダウェルの妖艶な美しさ、
物語のキーとなるベートーヴェンの「交響曲第9番」。
シンセサイザー音が耳から離れません。



解説本も複数出版されていて、私もその中の1冊を読んだのですが、
それを踏まえて鑑賞するとまた違う印象を受けました。
英語とロシア語をごちゃまぜにした人工言語「ナッドサット言葉」
暴力性を治療するための「ルドヴィコ療法」 などなど
独特な世界観と難解な箇所が多い事もマニアが多い所以なのかもしれません。




この作品は私にとっての「初めて」がたくさん詰まった思い出深い1作です。








ブログランキング・にほんブログ村へ