クリムト
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原題:Klimt
制作:2006年 オーストリア フランス ドイツ イギリス
制作:ディエター・ポホラトコ
監督・脚本:ラウル・ルイス
出演:ジョン・マルコヴィッチ ヴェロニカ・フェレ サフラン・バロウズ
前回に引き続き、「性」つながりで(笑)代表作「接吻」をはじめ濃密で官能的な作品を描いた画家グスタフ・クリムトを題材にした作品「クリムト」です。
1918年、第一次世界大戦の真っ只中、今まさに病院で死を迎えようとしているクリムト(ジョン・マルコヴィッチ)。そんな彼の回想シーンから物語がはじまります。クリムトは、ウィーンを代表する天才画家として活躍しています。19世紀末、保守的なウィーンでの酷評をよそに、彼の描く絵画はパリでは絶賛されます。そんな中、パリ万博のサロンで出会った美しい女性と出会い心を奪われます。彼女の名はシア(サフラン・バロウズ )クリムトは、その場で彼女の肖像画の依頼を受けます。彼女との出会いを機に、夢と現実が入り混じった世界が繰り広げられます。
クリムトの作品って一度みたら忘れられないインパクトがありますよね。独特な色彩と、金箔があしらわれた装飾的でゴージャスな雰囲気。そして何とも官能的。いやはやエネルギッシュな作風です。
ちなみにこの映画。伝記映画として観ると、ちょっと拍子抜けしてしまいますので要注意です。クリムトの妄想の世界。どこからホントでどこからウソかがわかんない。そんな世界。トリップ感満載です。
映像はとても美しいです。印象に残るシーンがいくつもあります。個人的にはクリムトのアトリエから恋人ミディが出て行くシーン、好きです。金箔を貼り付ける作業中のクリムトが、「そっと」と言いますがクリムトにイラッとしているミディは「イヤよ!」と一言残し、思いっきりドアを閉めます。そのとき、金箔がフワっフワ飛び交うんです。二人の関係性を象徴したシーンでもありますね。
クリムトの弟子、エゴン・シーレも作中随所に登場しています。彼はクリムトを心から尊敬していました。作風も大いに影響を受けています。クリムト自身もそんな彼の才能を高く評価していたようです。ちなみに、シーレを題材にした映画があるんですが。サブタイトルのダメダメ加減が気になりつつもまだ観ていません(笑)ちなみにタイトルは「エゴン・シーレ~愛欲と陶酔の日々~」(爆)
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