徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

クリムト

2007年05月31日 | ★★★



クリムト
おすすめ度
原題:Klimt
制作:2006年 オーストリア フランス ドイツ イギリス
制作:ディエター・ポホラトコ
監督・脚本:ラウル・ルイス
出演:ジョン・マルコヴィッチ ヴェロニカ・フェレ サフラン・バロウズ

前回に引き続き、「性」つながりで(笑)代表作「接吻」をはじめ濃密で官能的な作品を描いた画家グスタフ・クリムトを題材にした作品「クリムト」です。

1918年、第一次世界大戦の真っ只中、今まさに病院で死を迎えようとしているクリムト(ジョン・マルコヴィッチ)。そんな彼の回想シーンから物語がはじまります。クリムトは、ウィーンを代表する天才画家として活躍しています。19世紀末、保守的なウィーンでの酷評をよそに、彼の描く絵画はパリでは絶賛されます。そんな中、パリ万博のサロンで出会った美しい女性と出会い心を奪われます。彼女の名はシア(サフラン・バロウズ )クリムトは、その場で彼女の肖像画の依頼を受けます。彼女との出会いを機に、夢と現実が入り混じった世界が繰り広げられます。

クリムトの作品って一度みたら忘れられないインパクトがありますよね。独特な色彩と、金箔があしらわれた装飾的でゴージャスな雰囲気。そして何とも官能的。いやはやエネルギッシュな作風です。

ちなみにこの映画。伝記映画として観ると、ちょっと拍子抜けしてしまいますので要注意です。クリムトの妄想の世界。どこからホントでどこからウソかがわかんない。そんな世界。トリップ感満載です。

映像はとても美しいです。印象に残るシーンがいくつもあります。個人的にはクリムトのアトリエから恋人ミディが出て行くシーン、好きです。金箔を貼り付ける作業中のクリムトが、「そっと」と言いますがクリムトにイラッとしているミディは「イヤよ!」と一言残し、思いっきりドアを閉めます。そのとき、金箔がフワっフワ飛び交うんです。二人の関係性を象徴したシーンでもありますね。

クリムトの弟子、エゴン・シーレも作中随所に登場しています。彼はクリムトを心から尊敬していました。作風も大いに影響を受けています。クリムト自身もそんな彼の才能を高く評価していたようです。ちなみに、シーレを題材にした映画があるんですが。サブタイトルのダメダメ加減が気になりつつもまだ観ていません(笑)ちなみにタイトルは「エゴン・シーレ~愛欲と陶酔の日々~」(爆)

クリムト@映画生活
前田有一の超映画批評



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愛についてのキンゼイ・レポート

2007年05月30日 | ★★★★



愛についてのキンゼイ・レポート
おすすめ度
原題:Kinsey
制作:2004年 アメリカ ドイツ
制作:ゲイル・マトラックス
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ カーク・ダミコ マイケル・クーン ボビー・ロック
監督・脚本:ビル・コンドン
出演:リーアム・ニーソン ローラ・リニー クリス・オドネル ピーター・サースガード ティモシー・ハットン ジョン・リスゴー

「性」の実態のリサーチに生涯をかけた実在の学者、キンゼイ博士の半生を描いた「愛についてのキンゼイ・レポート」です。

厳格な父の元で育ったキンゼイ(リーアム・ニーソン)。父の勧めで工学を学びますが、子供の頃からの生物学への情熱が抑えきれず、父に背き大学を編入します。その後タマバチの研究が認められその分野の第一人者として注目を浴びます。ある日、学生からの性の質問をきっかけに、研究が始まります。昆虫研究で培った統計手法を人間に適用し、ヒトの性の実態を明らかにするというものでした。

<キンゼイ Alfred Charles Kinsey 1894-1956>
今から約60年前にアメリカではどえらい研究をしていたおっちゃんがいたんですね~。オドロキです。作品では、奥様との愛情が前面に出ていましたが、この人ちょいとしたド変態ですよ(笑)

困ったワンマン変態学者演じるリーアム・ニーソン(爆)良かったです~。正直すんげー面倒くさいおっさんなんですが、どこか憎めないのです。そして不覚にも、晩年の弱ったあのヨボヨボぶりに思わずグッときちゃいました。(笑)

ピーター・サースガードのセクシー(?)なまなざし。一癖も二癖もありそうなあの存在感。スバラシイ。

そして、そして。キンセイ夫人を演じたローラ・リニー。キュートです。すばらしい母性を感じました。ああ、あんな嫁私も欲しい。

愛についてのキンゼイ・レポート@映画生活
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舞台よりすてきな生活

2007年05月29日 | ★★★




舞台よりすてきな生活
おすすめ度
原題:How to Kill Your Neighbor's Dog
制作:2000年 アメリカ
製作総指揮:ロバート・レッドフォード
制作・脚本:マイケル・ノジク ナンシー・M・ラフ ブラッド・ウェストン
監督:マイケル・カレスニコ
出演:ケネス・ブラナー ロビン・ライト・ペン スージー・ホフリヒター リン・レッドグレーヴ ジャレッド・ハリス

DVDのジャケットが可愛かったのと、ロバートレッドフォードの名前が目に付いて観た「舞台より素敵な生活」です。ちなみに、ロバート・レッドフォードは演者としてではなくプロデュース含む総指揮での参加。なーんだ勘違い勘違い。

劇作家のピーター(ケネス・ブラナー)は新作の上演を目前にして、スランプに陥っていました。子供嫌いの為、作品にに登場する子役のエピソードにリアリティがなく上手くいかないのです。かつては人気作家だった彼ですが最近はヒットにも恵まれず、イライラは募る一方です。一方子供のダンス教室の先生をしている妻のメラニー(ロビン・ライト・ペン)は、赤ちゃんが欲しくてたまりません。休日に夫と産婦人科を訪れた帰り、陰性だったと落胆するメラニーを横目に内心ピーターはホッとしています。ある日、家の向かいに、エイミー(スージー・ホフリヒター)という少女と母親が引っ越してきます。エイミーは足に障害があり、母親と二人暮らしです。「ご近所付き合い」のはじまりから、ピーターはエイミー少女と触れ合う羽目になります。

この作品実は原題が面白いのです。How to Kill Your Neighbor's Dog「近所の犬の殺し方」(爆)出オチじゃないですか。ピーターが近所のうるさい犬にイラッとして執筆がはかどらないシーンがあるのです。そのエピソードからこのタイトルなんでしょうが(笑)ヒドイです(笑)ちなみに、このうるさい犬のエピソードは監督のマイケル・カレスニコの実体験から生まれたシーンなんだそうです。

偏屈イギリス人を演じたケネス・ブラナーからいいお味が出ていました(名優に対して失礼ですか?)。おこちゃまスージー・ホフリヒターがこまっしゃくれてて可愛かったです。母親のような嫁ロビン・ライト・ペン素敵でした。ちょっと皮肉っぽくてライトなコメディー映画です。正直劇的に盛り上がるようなお話ではございません。なので、過剰な感動などは期待をしてはいけません。何しろあの原題ですし(笑)さらりと何か観たいときにどうぞ。

舞台よりすてきな生活@映画生活
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TAKESHIS’

2007年05月28日 | ★★


TAKESHIS'
おすすめ度
制作:2005年 日本
制作:森昌行 吉田多喜男
監督・脚本・編集:北野武
出演:ビートたけし 京野ことみ 大杉蓮 岸本加世子 寺島進

カンヌでショートムービーが好評だった北野武監督。「監督・バンザイ!」の公開も楽しみですね。そんな北野監督の2005年のはちゃめちゃ奇想天外ムービー「TAKESHIS’」です。北野監督ってすごいハイペースで撮ってますよね。

大物タレントとして日々忙しく過ごしているビートたけし(ビートたけし)は、大スターです。一方、たけしとそっくりの容姿をもつ北野(ビートたけし)は、いい年をしてコンビニのバイト店員です。売れない役者としてオーディションを日々受けまくりますが、受かったためしがありません。ある日のこと、北野とビートたけしが出会います。北野はビートたけしからサインをもらいますが、この出会いをきっかけに、北野はビートたけしの映画の世界へと入り込んでいきます。

難解だ、と言っている人が多かったから「面白んないだろうな」とある程度覚悟して観ました。

こーれーはー(爆)

感じ方いろいろだろうな。やっぱり映画は期待しないで観るといいな(笑)内容の意味は考えずに観ました。「北野武」に興味があればあるほどいろいろ深読みしたり、考察してみたりできるかもしれませんね。

人が夜な夜なみる「夢」。楽しい夢、すぐさま覚めてしまいたくなるような悪夢。そんな夢をつぎはぎしたような。そんな印象でした。

当然、制作意図はあるんだろうけど、この作品は「フィーリングで観る。」「雰囲気で観る。」みたいな感じでいいんじゃないかと思います。セールスとか評価とか何も考えずに北野武が撮りたいものをとにかく撮った作品だったんですね。「座頭市」のご褒美に(笑)

TAKESHIS’@映画生活
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寝ずの番

2007年05月27日 | ★★★




寝ずの番
おすすめ度
制作:2005年 日本
企画・製作: 鈴木光
原作: 中島らも
脚本: 大森寿美男
監督: マキノ雅彦
出演:中井貴一 木村佳乃 堺正章 笹野高史 岸部一徳 長門裕之 富司純子

マキノ映画史100年記念年に、マキノ雅彦こと津川雅彦が初めてメガホンをとった作品「寝ずの番」です。

上方落語界の稀代の噺家・笑満亭橋鶴(長門裕之)が、今まさに臨終のときを迎えようとしています。なんとか師匠のいまわの願いを叶えようと、弟子(笹野高史)耳を近づけ聞き取ったのは「そ○が見たい」との言葉。一同驚きつつも、おとうと弟子・橋太(中井貴一)の嫁・茂子(木村佳乃)を説得します。茂子は師匠をまたぎ、そそを披露しますが師匠は「わしはそとが見たいと言うたんや……」と言います。そしてご臨終。通夜の晩、故人をしのびながら無礼講の寝ずの番がはじまります。

下ネタ満載だけどウィットに富んだ粋なお話です。噺家さん達の独特な世界を舞台にストーリーは展開していきます。岸部一徳や田中彰など独特なキャラクターをもつ演者が多数出演。作品に合った何ともいえない演技が光っています。

なんとなく伊丹十三作品を思わせる作風で、観ているうちにいつの間にか口角が上がってしまうような笑いを誘う作品でした。

寝ずの番@映画生活
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死に花

2007年05月26日 | ★★



死に花
おすすめ度
制作:2004年 日本
制作:横溝重雄 大里洋吉 早河 洋
監督:犬童一心
脚本:小林弘利・犬童一心
原作:太田蘭造
出演:山崎努 青島幸男 谷啓 宇津井健 松原智惠子 長門勇 藤岡琢也

おじいちゃんたち頑張ってます。豪華なキャストが当時話題になった「死に花」です。

高級老人ホームで悠々自適の日々を送る爺さん5人組。ある日、仲間の1人(藤岡琢也)があっけなく他界してしまいます。残された4人はこれまで以上に死を身近に感じ、すっかり意気消沈してしまいます。そんな時、彼の遺品の中から「死に花」と題されたノートが見つかります。それはひたすら穴を掘って銀行の地下金庫を破り、現金17億円を強奪する計画書でした。練りに練られた作戦を目の当たりにした4人は、作戦の実行に大いに盛り上がりますが。

この作品の最大の見所は山崎努・宇津井健・青島幸雄・谷啓など一時代を築いた贅沢なキャスティングです。あ。あと森繁久弥先生も。思いっきりプルりながらご出演されてます。

基本おじいちゃんのアドベンチャー映画です。わくわくしますね。残念かな全編をとおして緩やか展開で盛り上がりに欠けるというか、若干尻つぼみ感はありまして…。でもって、いろんな要素が盛り込まれているのでコメディながら、少ししょっぱくなります。

でもまあ、歳をとることは誰も平等にやってくるんですよね。どんな風に年を重ねていくかって大切だな。と思いました。

死に花@映画生活
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姑獲鳥の夏

2007年05月25日 | ★★



姑獲鳥の夏 
おすすめ度
制作:2005年 日本
制作:小椋悟 神田裕司
監督:実相寺昭雄
脚本:京極夏彦
脚本:猪爪慎一
出演:堤真一 永瀬正敏 阿部寛 宮迫博之 原田知世

ウルトラマンシリーズ、帝都物語など日本の特撮ものには欠かせない監督実相寺昭雄が手がけた京極夏彦原作「姑獲鳥の夏」です。

昭和20年代末の東京。小説家の関口巽(永瀬正敏)は、古本屋の店主、京極堂こと中禅寺秋彦(堤真一)を訪ねます。ある日雑誌『稀譚月報』の編集者である京極堂の妹・敦子(田中麗奈)が、関口に取材を依頼します。(関口は生活のために雑文も書くのです。)取材内容とは、雑司ケ谷の鬼子母神近くにある大病院にまつわる噂です。久遠寺医院の娘、梗子(原田知世)が妊娠20ヶ月を迎えたという事と、梗子の夫が、1年半前に医院の密室で姿を消し、以来ずっと行方不明だという事。果たして、その噂の真相とは。

予告編のいしだあゆみの怖さが気になって観ました(笑)
雰囲気よし。キャストよし。でも何だか眠りを誘う映画。キャストも豪華。雰囲気もばっちり。なのに何度も睡魔と闘うことになる私。単にこの世界観に入れなかっただけなのか。暗がりのシーンが多かったせいなのか。わからない。なんでしょうか。この腑に落ちない感じ。


姑獲鳥の夏@映画生活
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銀のエンゼル

2007年05月24日 | ★★★



銀のエンゼル
おすすめ度
製作:2004年日本
制作:小川広通 木村純一 斎藤光夫
監督:鈴井貴之
脚本:木田紀生
出演:小日向文世 佐藤めぐみ 山口もえ 浅田美代子 嶋田久作

コンビニを営む家族の親子関係を中心に様々な人間模様を描いた作品「銀のエンゼル」です。

舞台は北海道の田舎町。国道沿いにあるコンビニエンス・ストアのオーナー、北島昇一(小日向文世)は、妻で店長の佐和子(浅田美代子)に店もひとり娘の教育も任せ、お気楽な毎日を送っています。ある日のこと、佐和子が突然の交通事故に遭い、全治3ヶ月の重傷を負って入院してしまいます。その日から妻の代わりに深夜の勤務したり、かみ合わない娘の由希(佐藤めぐみ)と向き合う事になったりと、昇一の毎日は、がらりと変わります。

静かに時間が流れる優しい雰囲気の作品。見終わった後なんとなく爽やかな気持ちになれました。主人公と同世代のお父さん達が観たらもっとグッとくるんでしょうか。小日向文世扮する父親は、想像通りのはまり役です。ちょっと意外だったのは、小日向文世の友人役の村上ショージ。すごくいい味出してます。本当に昔からのお友達みたいないい演技。こんな演技の才能があったなんて。ショージ兄さんかっこいい!

銀のエンゼル@映画生活
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ワンダフルライフ

2007年05月23日 | ★★★




ワンダフルライフ
おすすめ度
制作:1999年 日本
制作:佐藤志保 秋枝正幸
監督・脚本:是枝裕和
出演:ARATA 小田エリカ 寺島進 内藤剛志 谷啓 内藤武敏 伊勢谷友介 吉野紗香 香川京子 由利徹 白川和子 原ひさ子 横山あきお 志賀廣太郎 阿部サダヲ 

是枝監督初見作品「ワンダフル・ライフ」です。「誰も知らない」で今ではもうすっかりメジャーな監督さんですね。

舞台は天国の入り口である木造の施設。月曜日のある日、5人の職員たちが集合します。メンバーは所長の中村(谷啓)、職員の望月(ARATA)、川嶋(寺島進)、杉江(内藤剛志)、アシスタントのしおり(小田エリカ)。彼らの仕事は、死者たちから人生の中で印象的な想い出をひとつ選んで貰う事。そして、その想い出を映像化して死者たちに見せ、彼らを幸福な気持ちで天国へ送り出すというものです。今日も、22人の死者たちがリンボの施設にやってきました。職員たちは、彼らへの面接を開始します。

死者の役をした人たちの中には素人さんも出演していてそれがとてもいい感じ。自分の「人生の中で一番楽しかった思い出」を再現してもらうプロセスをドキュメンタリー風に収め本編に巧く挿入されていました。後にテレビのドキュメンタリー制作の経歴の持ち主だと知ったとき、ナルホド。と、納得。

淡々とした語り口が自然な感じでとてもよくて。大いに「ほっこり」させていただきました。 当時、こういう作り方って新鮮だな。と感心したのを記憶しています。決して派手な作品ではないんですが、すごく印象的でした。

ワンダフルライフ@映画生活
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式日

2007年05月22日 | 



式日
おすすめ度
制作:2000年 日本
制作:鈴木敏夫
監督・脚本:庵野秀明
原作:藤谷文子
ビデオポートレート撮影:岩井俊二
出演:岩井俊二 藤谷文子 村上 淳 大竹しのぶ
声の出演:松尾スズキ 林原めぐみ

今日も毒を吐きます(笑)「新世紀エヴァンゲリオン」でおなじみの庵野秀明の監督作品「式日」です。この作品、第十三回東京国際映画祭 優秀芸術貢献賞受賞作品なんだそうです。 観た後結構もやもやしました。スミマセン。私には高尚な芸術が理解できないのです。

「明日なんの日かわかる? 私の誕生日なんだよ」と毎日言い続ける彼女。(…ええっ?)描くべきテーマを失い虚構の世界を構築することに意義を見出せない”カントク”。そんな二人が出会い、田舎の廃墟ビルで奇妙な共同生活を送ります。

私の出身地で撮影された作品。地元意識で「ほおーっ」っと思うところはありましたが、話の内容にはさっぱり共感出来なかったです。岩井俊二…。まあいいか。

この作品観てたら、何故か以前観たリストカットをする女の子のドキュメンタリ-を思い出しました。彼女たちはコッコが好きなんだそうです。そんなことを思いながらしばし鑑賞。で、エンドロールが流れた時の曲がコッコ。わお。

観たのがもう随分前なので細かいところまではおぼえていませんが、今でもところどころキレイな映像がいくつか心に残っています。なので、もしかしたら今観ると印象違うかもしれません。(フォロー)

式日@映画生活
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ブラックキス

2007年05月21日 | 



ブラックキス
おすすめ度
制作:2004年 日本
制作:浅井隆
監督・脚本:手塚眞
出演:橋本麗香 川村カオリ 松岡俊介 安藤政信 草刈正雄 奥田瑛二 オダギリジョー 

「ブラックキス」です。手塚治虫先生の愛息、手塚真氏の作品。手塚眞氏が構想に6年をかけたという意欲作。構想6年…。少々嫌な予感をかんじつつ鑑賞。でも、気になっちゃったんだから仕方ない。

殺害後、死体を芸術的に装飾するという猟奇殺人事件が発生。その殺人は、モデルを夢見て地方から上京してきてた明日香(橋本麗香)のルームメイト(川村カオリ)の周辺でのみ起こるのです。…ってな、猟奇殺人モノですね。

「微妙!」

とまず毒を吐いておきます。(お好きな方ごめんなさいね。)

犯人の設定なんかを考えたら、これって、実写でない方がほうがよかったんじゃないかとさえ思っちゃいます。だって、犯人の動きがオモロろすぎなんですもん(爆)続編あります!みたいなやる気まんまんなラストもなーんか嫌だなあ。あ、でも、映像はこれでもか!といわんばかりに懲り倒して凄いことなってます。

でも、私はこの作品の客ではないんだと思った作品でした。

ブラックキス@映画生活
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ショーシャンクの空に

2007年05月20日 | ★★★



ショーシャンクの空に
おすすめ度
原題:The Shawshank Redemption
制作:1994年 アメリカ
制作:ニキ・マーヴィン
監督・脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング
出演:ティム・ロビンス モーガン・フリーマン ウィリアム・サドラー ボブ・ガントン ジェームズ・ホイットモア

いろいろな人が好きな映画としてよく挙げるこの映画、一体どんなものなんだろうと思って観た「ショーシャンクの空に」です。

舞台は1947年、ショーシャンク刑務所。銀行の若き副頭取、アンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)は、妻とその浮気相手を殺した罪で刑に服します。心を閉ざし誰とも話さなかった彼ですが、1ヶ月後“調達係 "のレッド(モーガン・フリーマン)に、鉱物採集の趣味ロックハンマーを注文します。刑務所での日々は壮絶で、ボグズ一派に性的行為を強要され常に抵抗したアンディは、最初の2年間は生傷が耐えず過ごします。そんなある日アンディは屋根の修理作業に駆り出された時、監視役のハドレー刑務主任(クランシー・ブラウン)が死んだ弟の遺産相続問題で愚痴をこぼしているのを聞き、解決策を助言します。アンディは作業中の仲間たちへのビールを報酬に、必要な書類作成を申し出るのです。取り引きは成立して囚人たちはビールを手に入れ彼らはアンディに一目置くようになります。元銀行員であるアンディの能力に目をつけたノートン所長(ボブ・ガントン)はアンディを図書係に回します。そこで彼は看守たちの資産運用や税金対策の書類作成を担当するようになるのです。それを境にアンディの刑務所生活が大きく変わっていきます。

評判の良い作品には期待しすぎてがっかりしてしまうことがしばしばありますが、この作品は違いました。とてもよく出来た質のよい娯楽映画だと思います。

モーガン・フリーマンがとっても渋い演技で映画を盛り立てています。原作と脚本は設定が少々違っているらしいのですが、レッド役をモーガン・フリーマンが演じたのも、ブルックスという人物のエピソードを創作したのも、所長のエキセントリックなパーソナリティも全ていい仕上がりに繋がっていると思います。

主演を務めたティム・ロビンスも素晴しい演技でした。感情を抑えたとても難しい役。しかも30年という長い時間の流れを表現しなければならない。ティム・ロビンスはそれらを見事に表現していたと思います。

という訳で、最後まで楽しく観ることが出来ました。

ショーシャンクの空に@映画生活
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死ぬまでにしたい10のこと

2007年05月19日 | ★★★

死ぬまでにしたい10のこと
おすすめ度
原題:My Life Without Me
制作:2002年 スペイン カナダ
制作:エステル・ガルシア ゴードン・マクレナン
監督・脚本:イザベル・コヘット
原作:ナンシー・キンケイド
出演:サラ・ポーリー マーク・ラファロ スコット・スピードマン レオノール・ワトリング デボラ・ハリー アマンダ・プラマー

「死ぬまでにしたい10のこと」です。最初観たときと随分印象が変わった作品で、もやもやしつつも色々考えさせられたという印象が残っています。これ、邦題がうまいですよね。

清掃の仕事をしている23歳のアン(サラ・ポーリー)は、夫のドン(スコット・スピードマン)と、二人の娘とトレーラーハウスで暮らしています。貧しいながらも愛のある生活を送っています。ところがある日、突然の腹痛に倒れ、トンプソン医師(ジュリアン・リチングズ)に癌で余命2~3ヵ月と宣告されてしまいます。アンはドンと母(デボラ・ハリー)には単なる貧血だと伝えます。そして夜更けのコーヒーショップで今までの人生を振り返りつつ、死ぬまでにしたいこと10項目のリストを作ります。そして残された時間にそれらをひとつひとつ実行していくのです。

うすっぺらくてリアリティのない映画!
美化しすぎだよ。エゴ強すぎない?と主人公の自己完結っぷりに驚きました。なんんちゅー罪作りな。周囲の人間まったく無視かよ。旦那さんにあんなに愛されていてかわいい子供も居てなんで別の男に走らなきゃいけないのか?そういう考えもあるのかもしれないけれど理解はできない。女は一生女でいたいんだな…。


最初に観たときこの正直主人公に辟易しちゃいました(笑)

あんまりもやもやするんで、観た人に自分の感想を話したんですよ。そしたら、「病人って、おおうにしてエゴが強くなるものなんじゃなの。」だと。なーぬー?そうなの??そんなものなの???ちょっぴり白熱(?)しながら色々と話してたら、うへーっ。コレって逆にリアルなのかも。という気がしてきました。

とはいえ、主人公に感情移入できないことに変わりはなかったのですが(笑)最初は星2個分の満足度だったのですが、結構色々考えさせられちゃったので星の数1個増やしてみました。


「死」について。
「死に様」について。
「生き方」について。
色々考えさせられた作品でした。

死ぬまでにしたい10のこと@映画生活
前田有一の超映画批評



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シャイン

2007年05月18日 | ★★★★



シャイン
おすすめ度
原題:Shine
製作:1995年  オーストラリア
製作:ジェーン・スコット
監督:スコット・ヒックス
原案:スコット・ヒックス
脚本:ジャン・サルディ
出演:ジェフリー・ラッシュ ノア・テイラー アレックス・ラファロヴィッツ アーミン・ミューラー・スタール リン・レッドグレーヴ ジョン・ギールグッドグーギー・ウイザース ソニア・トッド

最近私全く新しく映画を観てません。なので。せめて、昔観た作品の事を書きながら観た気持ちになりたいと思います。この作品観たのもう10年前になるんですねえ。いやいや。時が経つのは早いです。

今日は実話系です。父親との対立で追い込まれ心を病み一度は挫折しながらも、様々な愛に支えられ復活した実在のピアニストの話「シャイン」です。

激しい雨の晩、びしょ濡れで店のドアを叩く男性のシーンから始まります。彼の名前はデイヴィッド・ヘルフゴッド(ジェフリー・ラッシュ)。デイヴィッドは幼少の頃(アレックス・ラファロヴィッツ)から音楽好きの父ピーター(アーミン・ミューラー=スタール)にピアノを習わされ、天才少年として評判となります。やがてアメリカや英国の王立音楽院への留学の話が出るなどしてピーターはますますご機嫌です。ところが、ある日突然デイヴィッドが家を出ることを頑なに反対します。その後、デイヴィッドはついに家を出ます。ロンドンで彼はセシル・パーカー(ジョン・ギールグッド)に師事します。そしてデイヴィッドはコンクールでラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を演奏することを決意します。その曲は幼ない頃より父からいつか弾きこなすよう言われていた思い出の曲でした。猛特訓の末難曲を完璧に演奏したデイヴィッドでしたがその直後、極度のストレスについに彼は発狂してしまします。

実在したピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットの半生を描いた作品ですが。いやいや。こういう実話系の作品を観たら「事実は小説より奇なり」とは本当によく言ったもんだな。と思います。改めて感じました。人間、頭の中で考える事ってのは本当に限界があるもんなですね。

この作品の名シーンのひとつ、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の演奏シーンは心に残ります。「音楽ってスバラシイ!」と思わずにはいられません。すごく泣けます。いや、別に泣きたいわけじゃないんですけどね。涙が止まりませんでした。すれ違う父と子。お互いにちゃんと愛はあるのに。切なかったです。

シャイン@映画生活
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ショート・カッツ

2007年05月17日 | ★★★★
ショート・カッツ
おすすめ度
原題:Short Cuts
制作:1993年 アメリカ
制作:ケイリー・ブロコウ
監督:ロバート・アルトマン
脚本:ロバート・アルトマン フランク・バーハイト
出演:アンディ・マクドウェル ブルース・デイヴィソン ジャック・レモン
ゼイン・キャシディ ジュリアン・ムーア

群像劇というと真っ先に思い出すのはこの作品。ロバート・アルトマンの「ショート・カッツ」です。

舞台はLAの住宅街。医者(マシュー・モディン)、主婦(アンディ・マクドウェル)、警官(ティム・ロビンス)、ニュース解説者(ブルース・デイヴィソン)、ウェイトレス(リリー・トムリン)、ケーキ屋(ライル・ラヴェット)…などなど22人のありふれた人物が日常生活の中で縦横無尽に絡み合い、非日常的な結末を迎えます。

レイモント・カーヴァーの9つの短篇と1篇の詩をベースに描かれた人間ドラマです。初めて観たときは、この斬新なスタイルに感激しました。良く出来てるんです。関係有りそうでなさそうな様々な人間の喜怒哀楽のドラマがものすごい濃度で凝縮されています。観終わったらなーんとも、不思議な感覚になりました。俳優陣も豪華、豪華。ロバート・アルトマンってスゴイ。と改めて感じた作品でした。

ショート・カッツ@映画生活
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