テレビで西欧の教会を紹介していた。カーンカーンと高い鐘の音と厳かな賛美歌が流れていた。
茶事では、後入の前に銅鑼を使う。この銅鑼、ぼーーんと深く低い音。寺院で聞く鐘に似て心に染み渡るようで、好きな瞬間である。
茶道具―銅鑼―
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仏教寺院の鐘の音は、世界の鐘の音 . . . 本文を読む
茶室は床を北、にじり口を南に置くのが理想的な造りとなる。
この造りでは、正客は、床を背にして南に向かって座ることになる。これは中国の都の作り方に由来している。日本の都(京都)もまた、中国の都の作り方を模したので、同じである。皇帝のいる場所は一番北に、南向きの宮殿をつくり、南を向いて政事を行った。正客の座は一番位の高い座となるのである。それに対して亭主は客と向かい合うように北に向かって座る。これは . . . 本文を読む
相伝稽古で習う点前では台子(だいす)を使う。台子とは天板と地板を四本の柱で組み立てた台のこと。その中に点前に必要な茶道具一式を飾って行う点前。道具の飾り方には陰陽の法則が盛り込まれている。風炉と炉と2種類あるが、炉は利休様が作って後付けでできたお点前、正式な究極の形は風炉ということになるので、風炉で説明する。
地板の左側に風炉(陽)、右側に水指(陰)を置き、左右の陰陽バランスを保っている。
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以前、陰陽五行思想についてお話したが、茶道具の中にどのように生かされているのか。本日は風炉と灰について。あくまで裏千家の場合になってしまうが、ご参考になれば。
風炉は火を使う道具である。その火(陽)を治めるという意味で水(陰)に関わる工夫をして陰陽のバランスを保っている。方法は風炉の種類によって様々で、以下の通り。
①土風炉では、灰形を作った後、蒔灰(まきばい)といって白い藤灰を蒔く。こ . . . 本文を読む
栂尾に茶を植えた明恵上人は、座禅修行の際、そのやすらぎと健康のために、抹茶を頂いたという。
また曹洞宗の開祖である道元によると、修行の1つとして、茶の儀式が存在したという。今も京都の建仁寺では、四頭の式(よつがしらのしき)という禅の中での茶礼を伝える儀式があり、鎌倉の円覚寺や建長寺でもそういった儀式を催すことがあると聞いたことがある。
そして、叡尊は、説教の際に必ず施茶といって、民衆に茶を与 . . . 本文を読む
陰陽五行と八卦についてお話しましたが、お馴染みの十二支は陰陽五行から発生しているので、予備知識として少しお話したい。
数えで61歳を何故還暦(暦がまわる)というか。
五行(木火土金水)からまず十干が生まれた。十干とは、五行と兄弟(エト)が組み合わさったもの。
甲 きのえ 木の兄
乙 きのと 木の弟
丙 ひのえ 火の兄
丁 ひのと 火の弟
戊 つちのえ 土の兄
己 つちのと 土の弟
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さて、昨日ちょっと登場した“八卦”とは何か。我々の日常で残っている言葉としては、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」とか相撲の行司がいう「八卦よい、のこった」位だろうか。八卦も“陰陽五行思想”の中でご説明した陰陽から派生、発展したもの。
まず、陰と陽の記号は、陰は‐‐、陽は―で表される。
それが2つ重なる組み合わせで、四象(太陰・小陽・小陰・太陽)を生じる。四象は東西南北と春夏秋冬、色をも . . . 本文を読む
陰陽五行思想、ご存知だろうか。中国から伝わった思想哲学で、天文学や暦、易学(占い)もここから発展した。また、誰もが知っている十干十二支もここから発生したもの。日本には6世紀頃伝来、7世紀に盛んになった。有名な陰陽師はまさにこれを操る人というわけだ。茶道も影響を強く受けているので、この思想についてご説明する。
宇宙の何もない無よりひとつの気(太極)が生まれ、太極が動くと陽となり、動きが止まると . . . 本文を読む
茶道の精神を伝えるものとして、先日ご紹介した四規七則以外に、利休百首というものもある。
これは、茶の湯の精神、道具の扱い方、点前の心得などを和歌の形をとって伝えるもの。これもなかなか深いものがあります。そもそも千利休が茶の湯の心得や作法を和歌の形で表したものだが、その体裁は裏千家11代玄々斎が作りあげたとされている。
長いですが、全て一度ご覧下さい。
私としては深く納得できるものもあれば、ま . . . 本文を読む
どこかで一度は耳にしたことがあると思うが、和敬清寂という言葉。これは、千利休が茶道のあり方について述べた四規七則のうちの、四規である。
和は人との協調性を大事にすること、
敬は目上の人や客を敬うこと、
清は心清らかに、
寂は心静かに穏やかに、ということだろう。
続く七則、
茶は服のよきように点て 飲む人がおいしいと感じる服加減にお茶を点てて
炭は湯の沸くように置き . . . 本文を読む