以前、陰陽五行思想についてお話したが、茶道具の中にどのように生かされているのか。本日は風炉と灰について。あくまで裏千家の場合になってしまうが、ご参考になれば。
風炉は火を使う道具である。その火(陽)を治めるという意味で水(陰)に関わる工夫をして陰陽のバランスを保っている。方法は風炉の種類によって様々で、以下の通り。
①土風炉では、灰形を作った後、蒔灰(まきばい)といって白い藤灰を蒔く。これは、雪(=水)を表しており、これによって火を治める意味がある。視覚的にも涼しげに見せるという効果もある。また、真の点前の灰形である鱗灰(うろこばい)というのがある。水に棲む魚の鱗を灰に刻むのです。これによって火を治めている。
②唐銅風炉では、“金は水を生ず”で水を表す蒔灰はしない。
③鉄風炉では、水の筋目を表す掻上灰(かきあげばい)という灰形を作る。
④風炉の灰形を作ると、底の真中に水の卦を表す記号(八卦の中の坎の卦)を書いて、火を治める。
風炉の灰形というのは茶事の度、その一期一会の為に作られる。茶事の中で、炭点前は2回、初炭と後炭とある。初炭では、炭をついだ後、灰形の手前の部分に“月形を切る”。通常の言葉でいうと灰匙で完璧に作られた灰形の手前の部分から灰を掬いとることで、その後が三日月の形のようなので、月形を切ると言われるのだ。後炭では、その掬い取った後に藤灰(白い灰)を入れて埋める。これは、この風炉の灰形はこの一会の為に作りました、二度と使うものではありませんという気持ちを表していると言われる。
風炉は火を使う道具である。その火(陽)を治めるという意味で水(陰)に関わる工夫をして陰陽のバランスを保っている。方法は風炉の種類によって様々で、以下の通り。
①土風炉では、灰形を作った後、蒔灰(まきばい)といって白い藤灰を蒔く。これは、雪(=水)を表しており、これによって火を治める意味がある。視覚的にも涼しげに見せるという効果もある。また、真の点前の灰形である鱗灰(うろこばい)というのがある。水に棲む魚の鱗を灰に刻むのです。これによって火を治めている。
②唐銅風炉では、“金は水を生ず”で水を表す蒔灰はしない。
③鉄風炉では、水の筋目を表す掻上灰(かきあげばい)という灰形を作る。
④風炉の灰形を作ると、底の真中に水の卦を表す記号(八卦の中の坎の卦)を書いて、火を治める。
風炉の灰形というのは茶事の度、その一期一会の為に作られる。茶事の中で、炭点前は2回、初炭と後炭とある。初炭では、炭をついだ後、灰形の手前の部分に“月形を切る”。通常の言葉でいうと灰匙で完璧に作られた灰形の手前の部分から灰を掬いとることで、その後が三日月の形のようなので、月形を切ると言われるのだ。後炭では、その掬い取った後に藤灰(白い灰)を入れて埋める。これは、この風炉の灰形はこの一会の為に作りました、二度と使うものではありませんという気持ちを表していると言われる。