「中国の脅威がある以上、日本の安全を守るのにオスプレイの日本配備が必要だ」と日本では、防衛関係者が盛んにあおっています。
6月26日、普天間基地に配備される予定の「オスプレイ」をめぐって、森本防衛相は26日、今年に起きた2件の墜落事故について、機体の設計が原因ではないという、アメリカ側からの説明を公表しました。森本防衛相は、地元に説明するには情報が足りないとの認識も示したそうです。
アメリカが沖縄の普天間基地に配備を計画している垂直離着陸輸送機MV22「オスプレイ」は、プロペラの角度を変えることで、ヘリコプターとして垂直に離発着できると同時に、飛行機として滑空できるもので、高額なものだそうです。1機あたりの費用は、米海兵隊が使っている通常のCH46ヘリコプターが600万ドルで高性能ヘリコプターCH53Eは2400万ドルに対し、オスプレイは1機で6200万ドル(50億円程)と言われます。米タイム誌がまとめた「高価な米軍機トップ10」の第8位に入ります。
開発時に安全面の欠点が多かったと言われ1990年代事故が頻発し(4回の事故,計30名死亡)、開発は一時、1年半にわたりストップしました。アメリカは財政赤字削減策の一環としてオスプレイの開発を中止しようとさえします。2010年の超党派の財政削減策提案にもオスプレイの開発中止が盛り込まれています。しかし、これまでの開発投入費が高額に上ることと、戦闘用だけでなく輸送機として大量発注できる高額商品だけに利益幅も大きく、製造企業の所属するアメリカ各州選出の議員達はオスプレイの開発を続けることを議会可決しました。2007年からのアメリカ空軍への配備後も2010年アフガンで事故(4名死亡)を起こしています。アメリカ軍事産業は、オスプレイのさらなる改良開発と製造継続の方針推進のためハワイ海兵隊基地への配備を増やし、普天間や岩国など日本にも配備しようと巻き返しを計画しました。しかし、2012年4月モロッコで事故(2名死亡)を起こし、6月14日には米国フロリダ州の基地でも墜落事故が起きてしまいました。
<モロッコ事故>
かつて日本の内閣官房副長官補は2010年4月20日、国会内の講演で、冷戦時代のソ連とは違い「中国が日本を滅ぼしたら中国の経済は成り立たないし、米中関係でも同じことが言える」と言っていましたが、それが実態のようです。
韓国政府は、蘇岩礁や白頭山や間島に関しても領土的な摩擦が発生しており、歴史認識でも高句麗史を巡って中国政府と認識の違いが存在するなど、日本以上に中国脅威論が根強くあります。また、最近成長著しい中国に経済的・軍事的に従属する立場に昔のように転落するのではないかという危惧は日本以上ですが、北朝鮮との戦争の回避や狂牛病問題での反米感情の高まりに見られるようにアメリカの戦略からはもう一歩引いて冷静な対応ができています。
台湾でも、中国との戦争脅威論は強くアメリカとの政治的、軍事力的同盟関係に期待していたのにアメリカに裏切られました。今は2003年に中国との三通(通商、通航、通郵)が始まって以降、中国とは経済的な交流が盛んで台湾企業の中国進出も日本と同様に著しく、政治的にも経済的にも中国脅威論は下火になってきています。
沖縄県議会は、日本政府の意向とは真逆に、今日午後、米軍が垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを普天間飛行場に配備する計画に、断固反対する決議と意見書を全会一致で昨年に引き続き可決しました。
(しかし、マスコミ報道は自民・公明と連携した政府の衆議院での消費税増税の強行採決のニュースばかりになり沖縄県議会の報道はかすみました。普天間でも消費税でも、国民との公約や要望よりもアメリカとの約束や要求を優先する首相の姿勢は、昨年8月15日終戦記念日に、「A級戦犯は戦争犯罪人ではない」と強弁した偏狭なアナクロニズムを思い起こさせます。法案も「社会保障と税との一体改革」とは名ばかりのごまかしの強行採決となりました。)
(1)
てぃんさぐぬ花や
爪先(チミサチ)に染(ス)みてぃ
親(ウヤ)ぬゆし事(グトゥ)や
肝(チム)に染(ス)みり
ホウセンカの花は、爪先に染めなさい。
親の言うことは、心に染めなさい。
(2)
天(ティン)ぬ群星(ムリブシ)や
読(ユ)みば読(ユ)まりしあ
親(ウヤ)ぬゆし言(グトゥ)や
読(ユ)みやならん
天の群星は、 数えれるけど、
親の言う教えは、数え切れません。
(3)
夜(ユル)走(ハ)らす舟(フニ)や
子(ニ)ぬ方星(ファブシ)見当(ミア)てぃ
我(ワ)ん生(ナ)ちぇる親(ウヤ)や
我(ワ)んどぅ見当(ミア)てぃ
夜、沖に出る舟は 北極星を道標とする。
私を産んでくれた親は 私を道標とする。