有為の深山

日々の徒然由無し事

立て続けのオリンピックの担当者の解任・辞任

2021-07-22 | 有為深山の床屋政談
 オリンピックの開会式・閉会式の制作・演出担当の小林賢太郎氏が過去の芸人時代にやっていたコントでホロコーストをネタにした動画が米ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部ロサンゼルス)から非難されたことにより問題となり、大会組織委員会から解任されました。
 オリンピックの開会式の音楽担当だった小山田圭吾氏も過去のいじめ問題で辞任に追い込まれたばかりです。以前には演出の総合統括だったクリエーティブディレクターの佐々木宏氏が太った女性(芸人の渡辺直美)の容姿を侮辱するような演出を提案していたことが発覚し、辞任となりました。
 思うに、どうも現代の日本人には歴史的や社会的な問題に疎くなってきている人たちが増えてきているような気がします。ホロコーストをコントにしてしまうこと自体が問題だと思いますし、いじめ問題を無自覚に雑誌に発表することがいじめを助長しかねないという発想に欠けていることも問題です。人の容姿を演出の題材にすることは今では非常に神経を使うこととなりました。そういう観点が欠如しているならば、それはちゃんと歴史や社会問題を学んで来なかったということではないでしょうか?それは個人の問題というよりは、公教育の問題だと思えるのです。公教育の場できちんと教えてないから、そういう人間が出来上がってしまうということではないでしょうか。
 社会科の授業は学校行事で簡単に削られてしまう対象です。ゆえに時間的にも通り一遍の講義しかできない状況に社会科の授業は追いやられています。歴史では近代・現代まで教えている学校はまれでしょうし、社会問題を現実に合わせてじっくりと考えさせる学校もそう多いとも思えません。国際的な視点を持つ社会を醸成していくためにも公教育には近現代の歴史に重点を置くことや現実の社会問題に目を向けていくことはとても大事なことだといえるのではないでしょうか


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