有為の深山

日々の徒然由無し事

彷徨う民主党と消費税増税

2012-06-25 | 有為深山の床屋政談
明日、税と社会保障の一体改革関連法案の採決が行われるらしいです。
社会保障に関しては、民主・自民・公明3党合意で棚上げ先送りになったので、中身は消費税増税法案です。
小沢一郎を中心とした消費税反対勢力が民主党内部を混乱してはいますが、3党合意で法案は国会を通過する予定です。
経済状況を見ながら消費税を上げるとはいっているようですが、1度法案が国会を通過してしまえば、状況にかかわらず消費税を上げたい財務省の意向で消費税は上がってしまうと思えるので、消費税は上がることを決したようなものでしょう。今までがそうだったように、もう結果は見えているような気がします。

消費税が上がることによって、消費は必ず冷え込みます。今までの長いデフレで体力がかなり落ちている日本で、消費税を上げるようなことは、さらにデフレを加速させるであろうことは想像に難くないような気がします。

だいたい社会保障といっても、現役世代には保険料の負担が軽くなるわけでもなさそうなので、そこと消費税を絡めても実感はわかないでしょう。
それに健全財政とか財政改革とかが赤字財政には大事だと言われていたのに、そこの論点がボケて社会保障がどうとか言われても、さらに消費税増税の意義が伝わって来ないではないでしょうか。

年金受給者が増えていくので消費税を上げるという理由は理解できないではないですが、今まで赤字はそれで解消できるのか?・・・できないでしょうね。じゃ、そこはどうするの?
もしかすると赤字、赤字と騒いでいたのは、実はそれほどのことはなかったのでしょうか?
しょせんは、財務省の言うことなんぞ当てにならないということなのでしょうか?

政治生命を賭けている野田佳彦さんには、是非ともその質問に答えて欲しいものです。最近は官僚の用意した原稿を読んでいるとしか思えない野田総理には、あまり期待できないですが。

税が上がるのは国民にとって不人気な政策です。だからその政策を実施しようと思えば国民に対して納得が行くような説明をしなければ、政策を推し進めようとした政党は、次の選挙で大敗するのは明白です。

選挙で消費税10%増税を掲げて参院選を戦った民主党の菅直人は、それまでの民主党支持にすっかり水をかけてしまい、参院の大勢を野党に渡し、ねじれ国会を出現させてしまい、その後の政策運営を難しいものにしてしまいました。

この結果を見てもわかるように、消費税を挙げた民主党は次の選挙で大敗してしまうでしょう。政権交代時の民主党バブルで議席を得た1年生議員のほとんどは落選してしまうのではないでしょうか。
民主党の議席は現在の議席数の1/2から2/3は失うではないでしょうか。
今の政党別支持率をみると民主党は15%~20%というとこでしょうから、そのくらいの議席獲得数でしょう。
自民党だって、支持率は20%~25%なので、今の議席を大幅に増やすということもなさそうです。
公明党にしても同様です。あるいは減るかもしれません。
国民のほぼ半分は支持政党なしで、既存政党には期待できないという意見みたいなので、受け皿となる自公民以外の政党に票は流れるかもしれません。
その時小沢一郎は、新しい政党を作っているでしょうか?

とにかく明日の採決が見物になるのだけは明白です。


敵に塩を送るか野田総理

2012-06-20 | 有為深山の床屋政談
野田総理が消費税増税に政治生命を賭けていることは、もうとっくに周知の事実です。
あれだけ本人が言っていれば、国民は耳にタコができていることでしょう。

それにしても、国民にとってみれば野田総理はとんでもないものに政治生命を賭けてくれてしまったな、というのが本音だと思います。
政権担当に経験豊富な自民党から政権能力に不安があっても民主党に期待をしたのは増税ではなく、行政の無駄を省くことに対してではなかったのでないでしょうか?
正して欲しかった税制の歪みは消費税だったのでしょうか?
財政改革をして欲しかったのは、消費税増税による財政改革ではなく、省益優先の財政であり、その利権に群がる族議員による無駄遣いによる財政ではなかったのではないでしょうか?

民主党のマニフェストには、4年間は消費税を上げないということでした。確かに4年間は消費税は上がらないみたいなので、マニフェスト違反ではないのかもしれません。
世界経済の状況だって、とても流動的です。増税のタイミングは非常に難しいでしょう。
国家財政が巨額に上っていることも、国民は十分に理解してますし、増税も止む無しとは国民も思っているようです。
でも、増税する前に、民主党が行政の無駄遣いを何とかしてくれると期待したのではないでしょうか?
4年間もあれば、行政の無駄遣いもかなりの部分がなくなると期待したのではないでしょうか?
行政の無駄遣いを正すのを自民党では、もう駄目だと思ったから、政権能力未知数の民主党に政権を担当させようと思ったのではないでしょうか?

それをそれをそれをよりによって、その自民党と組むとは!
国民に対する裏切りにも等しい!

野田佳彦の考えている国民って、どこにいるのだろう?
増税に対する説明もほとんど聞かないし、彼が想定している国民には、もう説明済みなのかもしれないが・・・

今の状況で選挙をすれば、民主党の大敗は間違いない。
野田佳彦が選挙のときまで総理大臣の職にあれば、彼が民主党最後の総理大臣になるだろう。彼の意に反しているのか、今となってはよく判らないが、民主党は崩壊するのは間違いないように思う。沈む船には誰も乗りたがらないものだ。そして野田佳彦に振り向く国民はほとんどいなくなるだろう。振り返る国民はいるだろうが・・・そう、彼はそういう意味で政治生命を賭けているのではないかと考えたくなる。思い出の人になるために。

自民党は漁夫の利を得るのかもしれません。そうなるかは解りませんが。
でも消費税を上げたのは民主党という逃げ道は残して置けるでしょう。
少なくとも民主党政権ではなくなりそうなので、自民党一党とは言いませんが、他党との連立による政権になる可能性が高そうですから。
なので民主党代表の野田佳彦は自民党に塩を送っているのでしょう。
その功績によって、選挙後は自民党員になっていたりして!?