有為の深山

日々の徒然由無し事

喫煙者に朗報?

2008-12-12 | 有為深山の床屋政談
政府・与党はたばこ税の引き上げを見送ったそうだ。
自民党税制調査会は09年度税制改正大綱にたばこ増税を盛り込まない方針とのことで、
政府は税収には困っていないらしい。

たばこ税の引き上げを見送った理由としては、
「たばこ税を社会保障の特定財源にする考え方は間違っている」(党税調幹部)、
「たばこ税は今年のテーマではなく抜本改革のテーマだ」(公明党幹部)、
「たばこ税をあげても税収が増えるかどうか、まったく定かではない。
消費の減退もあるし、値段をあげれば過去の経験値では
何%か売り上げが減る」(町村信孝・前官房長官)、
「社会保障費というのはたばこを吸う人たちだけに
背負わせていいのかという問題がある」(与謝野経済財政相)

などがあがっているようだが、どれも説得力には欠けるようだ。

たばこを吸うことによる副流煙の健康被害を考えると、
たばこを吸う人たちに社会保障費を背負わせても充分に問題はない!

たばこ税の引き上げによる税収が増えるかどうか心配するよりも、
まず上げてみればいい。
消費の減退があっても、過去の経験値で何%か売り上げは減っても、
税収が減ることはないだろうし、売り上げも元に戻る公算が大きい。
つまり、たばこ税の引き上げによる税収は増えるだろう。

たばこ税は今年のテーマではない?
では、いつのテーマだというのか?

たばこ税を社会保障の特定財源にする考え方はなぜ間違っているというのだろうか?
たばこを吸う人は周りの人に対して健康被害を及ぼしているのだから、
そのお詫びとしても、社会保障の特定財源にした方が適当だと思う。

今回、たばこ税の引き上げに反対した人たちの反対論には根拠すらないように見える。

それはなぜか?

理由は簡単! 根拠がないからである。

来年度予算案での社会保障費の抑制幅2200億円だそうである。
社会保障費の削減は限界に迫っているため、
政府は3日に閣議決定した予算編成の基本方針に、
新たな安定財源が見つかった分だけ、抑制幅を小さくすることを盛り込んだそうである。
だが、たばこ税の増税による税収を社会保障費の抑制幅圧縮の対象にしないことにした。

それはなぜか?

理由は簡単! 消費税を上げたいからである。


理由はこうだ!

これ以上、社会保障費の削減は限界だ。
でも、社会保障費は必要だから、財源を考えなければいけない。
財源は消費税を引き上げでることでしか賄かないえない。
だから、消費税を上げよう! めでたし!めでたし!

決して社会保障費の財源はたばこ税であってはならないのだ。
たばこ税を社会保障費の特定財源とし、それで間に合ってしまえば、
消費税を社会保障のために上げますという理由に使えなくなってしまうから、
たばこ税を引き上げること見送ったのだ。



麻生首相の憂鬱

2008-12-11 | 有為深山の床屋政談
まさか、こんなに支持率が落ちようとは、麻生首相本人も、
自民党執行部も予想しなかったに違いない。
こんなに麻生首相の支持率が落ちることを予想できなかったのは、
自民党執行部が民意を把握していない証拠でもある。

首相に就任する以前から、失言、放言の麻生であったから、
首相になったら、それが収まると考えるのは早計であったと思う。
首相になったからといって、失言、放言は直らないと考え、
失言放言したときに自民党として、また内閣として、
どう対処していくかくらいのことを考えておくべきだったのだ。

解散を先送りにして、首相の支持率、自民党の支持率を上げてから、
選挙にしようなどと、表向きは言っておき、
内実は政策より政局だというのが、透けて見えてしまい、
自民党にとって、自ら逆風を受けたい、などとは考えはしなかっただろうが、
現実としては、そうなってしまったのは自業自得というしかないだろう。

それは、麻生の秋葉原のオタク人気などという怪しい人気が、
さも国民に人気があるように錯覚してしまった自民党の、
まるでコントでも演じているような滑稽さに哀れみさえも感じる。

だが、笑ってばかりもいられない。
現実には、アメリカのサブプライム問題に端を発する世界同時不況が
抜き差しならぬところまで来てしまい。
政局より政策と言っていた麻生首相の政策に対する、
第二次補正予算の先送りに見られるような、鈍感さが
国民の麻生首相に対する失望感につながって、
今回のような支持率の急落に表れてきたことは明らかである。

麻生内閣はもはや死に体なのだから、
早く解散をして、民意を問うべきである、というのが民意だろう。