昔の趣

定期的に行く病院に行って来た。

その近くにある、以前から気になっていた古い佇まいの
あられ屋さん。
外からは、古く大きなガラス窓
そこから見えるのは　様々なあられが入ったビンの列

そこで生まれた人に聞くと、
本店は別のところにあるようだが　昔から地元の人は
買いに訪れる。

子供の頃　駄菓子屋さんに行った…
そんなところにタイムスリップするような外装

入ってみたいが、勇気がいるってお店、ありませんか？



よし、今日は意を決して　扉を開けてみた


車の量が物凄い所にあるのだが、そのお店の中は
びっくりするくらい静か　

一段高い畳の小さな作業場の奥の部屋から
一人の老人が現れて、私の注文のあられを
瓶からスコップで取り分けてくれた。
頑固だったら　どうしよう…

普通の海苔巻きのあられと
名前で決めてしまった「わかば」というあられ。


ぼそっと「色が白いのは白い醤油を使ってる、
ほれ　時々　枯葉が混じっててね」なんて
話してくれた。

少しこげた所を　枯葉と呼ぶなんて

その時常連さんがやってきて、同じ物を注文。

あ、目が合ってしまった・・・

「以前から　買いに来たかったんです」
別にそんなこと　言わなくっても良いのにな…と思いつつ

話す私の声のトーンが上がっているのが自分でも判る

常連さんは、「美味しいよ、また来て」　もちろん、来ます！

お店の方は「一度入ったら、怖くは無いよ」　と言い放つ声が
なんか　にくい


家に帰って、サラサラと袋から出てくるあられを　

ぱくり！

ん、これは　いくらでも食べちゃう

湿気ることを気にした私が、悪かったわ
だって、湿気る前に　なくなっちゃうんだもん